- 変更日:
- 2026.09.16

猫を飼っている・これから飼う予定のご家庭のなかには、家づくりを検討する際に猫のトイレをどこに置けばいいのか悩んでいる方も多いのはないでしょうか。
猫のトイレは置き場所によっては猫のストレスになる場合もありますし、臭いの原因になる場合もあります。
そこでこの記事では、置き場所ごとの向き不向きや、臭いを断つ換気の考え方などを詳しく解説します。
この記事を読んだらわかること!
- 猫トイレの台数と、1台に必要な広さの目安
- 置き場所ごとの向き不向き(洗面脱衣室・人用トイレ・リビング・廊下・階段下)
- 臭いを間取りで断つ換気計画の考え方
- 掃除しやすい床材と、猫砂の収納に必要な寸法
目次
1.猫トイレを間取りに入れる前に決める4つのこと

猫トイレの置き場所は、台数と1台あたりの大きさから考える必要があります。
ここからは、台数・寸法・猫が落ち着く条件・ごはんとの距離の4つについて解説します。
□ トイレの台数の決め方
□ 1台に必要な広さ
□ 猫が落ち着ける場所の条件
□ ごはんと水飲み場との距離
この4つが決まれば、置き場所の候補を絞ることができます。
1-1.トイレの数は「飼っている猫の数+1」台にする
AAFP(米国猫医療協会)とISFM(国際猫医療協会)のガイドラインでは、猫のトイレは猫の数より1台多く用意することが推奨されています。
出典:AAFP/ISFM『AAFP and ISFM Guidelines for Diagnosing and Solving House-Soiling Behavior in Cats』
重要なのは台数だけでなく、置き場所を分けることです。
隣り合わせに置かれたトイレを猫は1つの大きなトイレとして認識するとされており、2台を並べても猫にとっては1か所にしかなりません。
1匹なら2台を、2匹なら3台を、洗面脱衣室・2階ホール・寝室のようにフロアをまたいで分ける前提で、換気やコンセントの位置を決めましょう。
1-2.1台に必要な広さは猫の体長の1.5倍
同ガイドラインでは、鼻先から尾のつけ根までの体長の1.5倍の長方形のトイレが推奨されています。
間取りを考える際は、本体に加えて猫が出入りする前面のスペースと、砂の飛散を受けるマットの分を足しましょう。
1台あたり幅90cm×奥行60cm、およそ0.5畳が目安です。
1-3.猫が落ち着けるのは「静か・視線が抜けない・逃げ道がある」場所
猫は排泄中がもっとも無防備になるため、落ち着ける環境を用意しなければなりません。
猫が落ち着ける場所の条件は次の3つです。
- 洗濯機や掃除機など、突発的な音の発生源から離れている
- 壁を背にして正面が開け、袋小路になっていない
- 出入口が2方向あり、追い詰められない
一方で、人の目がまったく届かない場所も避けたいところです。
尿の量や回数の変化は、膀胱炎や尿路結石のサインです。
飼い主が猫がトイレに行っている回数などを把握できるように、ある程度目の届く場所に設置しましょう。
1-4.ごはんと水飲み場からは離す
猫は食事の場所と排泄の場所を分ける習性があり、同ガイドラインでも食事と水をトイレの近くに置かないよう示されています。
間取りを考える際は、ごはん・水飲み場とトイレを2m以上離しましょう。
次からは具体的に猫のトイレを置く場所や条件について解説します。
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2.【水まわりに置く】洗面脱衣室・人用トイレ
水まわりは換気扇と給排水がそろっているため、猫トイレの置き場所として条件が整っています。
ここからは、洗面脱衣室と人用トイレの向き不向き、そして共通して決めておく条件を解説します。
- 洗面脱衣室に置く理由と、音・湿気への対策
- 人用トイレに置く場合の広さと扉の問題
- どちらを選んでも決めておく4つの条件
それぞれ見ていきましょう。
2-1.洗面脱衣室

洗面脱衣室が有力な候補になる理由は4つあります。
- 局所換気扇がすでにあり、臭いを外へ出せる
- 洗面ボウルが近く、砂の処理と掃除道具の洗浄がその場で終わる
- 床が耐水仕様で、汚れに強い
- 脱衣と洗濯で1日に数回通るため、猫の異変に気づける
注意点は音と湿気です。
洗濯機や乾燥機の運転音と振動を猫は嫌うため、洗濯機とトイレは対角に配置しましょう。
また、入浴後は湿度が上がり、猫砂が固まりやすくなるうえ臭いも出やすくなります。
入浴後は脱衣室を閉めっぱなしにするのではなく、換気扇を回したり、窓を開けたりと、湿気がこもらないように工夫しましょう。
2-2.人用トイレの一角

人用のトイレも換気扇があるため、猫トイレを設置する際の候補になります。
ただし一般的な住宅のトイレは0.4坪(約80×160cm)で、便器を除くと猫トイレを置ける有効スペースは幅80×奥行40cm程度しか残りません。
内開きだと猫トイレに扉が当たり、人が入ると猫の逃げ道をふさいでしまいます。
対策は次の3つです。
- トイレを0.5坪(約80×180cm)に広げる
- 扉を引き戸にする
- 扉の下部に幅・高さ20cm程度の猫用のくぐり戸を設ける
ただし、来客が多い家庭では見栄えなどの問題から、人用トイレに設置するのが適さないケースもあります。
どの程度来客があるのかを踏まえて猫トイレの設置位置を考えましょう。
2-3.水まわりに置くなら決めておきたい共通の条件

洗面脱衣室でも人用トイレでも、決めておく条件は共通です。
- 猫がいつでも入れる経路:扉を閉めても通れるよう、ペットドアを設ける
- 給気の経路:換気扇は空気を出すだけなので、扉に通気口をつける
- 掃除用品の置き場:スコップ・ゴミ袋・消臭スプレーを1か所にまとめる
- コンセント:全自動トイレや空気清浄機を見込み、床上30cmに1口確保する
このうち見落とされやすいのが給気です。
扉を閉め切ると換気扇は空気を吸えず、循環が止まってしまいます。
換気扇だけでなく、給気口も設けましょう。
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3.【居住スペースに置く】リビング・廊下・階段下
居住スペースに猫トイレを置くと猫は落ち着きやすくなる一方で、臭いと砂の飛散が課題になります。
ここからは、リビング・廊下や玄関・階段下収納の3か所について、向き不向きと対策を紹介します。
- リビングの一角に置く場合の条件と対策
- 廊下と玄関まわりが向かない理由
- 階段下収納で必ず必要になる換気
それぞれ見ていきましょう。
3-1.リビングの一角

リビングは猫が最も長く過ごす場所であり、排泄をためらわず、回数や量の変化にも気づきやすい場所です。
一方でLDKに猫トイレを置くと、臭いが室内に広がりやすくなります。
また、猫の食事の場もリビングに置く場合、離して設置する必要があるため、一定の浩さがないと場所の確保も難しくなります。
対策は3つです。
- テレビボードやカウンター収納の一部を猫トイレ用に造作し、その区画だけ天井または壁の上部に専用の排気ファンを付ける
- 開口は幅18×高さ20cm程度の猫用サイズにして、視線を切る
- 前面に砂落としマットを敷き、掃除機がかけられる幅を空ける
目隠し家具で囲うだけの方法は、空気の流れを止めるため臭いの原因となります。
3-2.廊下・玄関まわり

一般的な廊下は有効幅が78〜80cmで、奥行40cmの猫トイレを置くと人の通行幅が40cmを切ります。
人が通ると猫が排泄の妨げになるため、廊下に置くなら幅を1,200mm程度確保しましょう。
付加し壁を設けて奥行45cm程度のくぼみを作り、通行動線から外すと猫が落ち着いて排泄できます。
玄関は温度差が大きいため、土間には向きません。老猫は寒い場所で排泄を我慢しやすくなる点に注意しましょう。
玄関に置くなら、土間ではなく、シューズクローク内やホールの床に置くのがおすすめです。
なお、どちらの場所でも、玄関ドアの開閉と重なると脱走してしまう可能性がある点には注意しなければなりません。
3-3.階段下収納・納戸

階段下収納や納戸は薄暗く狭いため猫が落ち着けることに加え、デッドスペースを活用できます。
ただし、換気が不十分であったり、掃除がしにくかったりする点に注意が必要です。
対策は次の3点です。
- その区画に単独の排気ファンを設ける
- 扉に通気口を付け、空気の道を作る
- 照明を付ける
猫と暮らすための家づくりは、得意なハウスーメーカーに相談するのがおすすめです。
具体的なハウスメーカーなどは、以下の記事をご確認ください。
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4.【間取り図で見る】猫トイレを組み込んだ実例
ここからは、猫のスペースを組み込んだ間取り事例を紹介します。
- リビングから扉1枚隔てた猫スペースの実例
- スキップフロア下を猫のスペースにした実例
それぞれ見ていきましょう。
4-1.リビングから扉1枚を隔てた場所に猫スペースを設置した間取り

27坪の1LDKで、猫3匹を想定したプランです。
リビングから扉1枚隔てたところに猫のケージやトイレを設置しています。
土間収納の手洗いを使って、いつでも清潔にしておくことができます。
この間取りのポイントは3つです。
- 扉1枚を隔てることで、リビングからの視線と臭いを切っている
- 土間収納の手洗いが近く、猫トイレ本体をすぐに洗える
- 居住スペースと分けながら、扉1枚なので様子を見に行きやすい
30坪に満たないコンパクトな家でも、猫スペースを設置できています。
4-2.スキップフロア下の低い空間を猫のスペースにした間取り

45坪の3LDKで、スキップフロアの床下を活用したプランです。
スキップフロア下部の床を下げて天井高1.2mほどの空間をつくり、猫用のスペースにしています。
低くて薄暗い空間は、猫が落ち着ける条件を満たしています。
ただし、空気が動かず臭いがこもってしまうため、区画の上部に排気ファンを付け、開口部から給気できるようにしておく必要があります。
ここまでの代表例から、
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5.においを間取りで断つ|換気計画の考え方
猫トイレの臭いは、空気の流れを作ることが重要です。
家全体の換気には決まった向きがあり、その下流に置けば臭いは他の部屋へ回りにくくなります。
ここからは、換気の流れの読み方、局所の排気ファン、消臭建材の使い方を解説します。
- 24時間換気のどこに猫トイレを置くか
- 排気ファンの選び方と設置位置
- 消臭壁材でどこまで補えるか
それぞれ見ていきましょう。
5-1.24時間換気の「空気の流れ」の下流に猫トイレを置く
2003年の建築基準法の改正で、住宅には24時間換気が義務づけられました。
重要なのは、空気には決まった流れがあることです。
一般的な換気では、居室(LDKや寝室)で給気し、廊下を通って、洗面脱衣室・トイレ・浴室で排気します。
つまり猫トイレを排気側に置けば、臭いは他の部屋へ逆流しにくくなります。
逆にLDKは給気側なので、そのまま置くと臭いが家中に運ばれてしまいかねません。
家づくりの打ち合わせでは換気計画図を確認し、空気の流れを把握しましょう。
5-2.猫トイレの真上に排気ファンを付ける
臭いは発生源の真上で吸うのが最も効率的です。
猫トイレを置く区画に、小さな換気扇を1台つけましょう。
使うのは直径10cmほどの住宅用のパイプファンで、洗面所やトイレでよく使われているものです。
猫トイレ1台分のスペースは畳半分ほどしかないため、この大きさでも空気は十分に動きます。
取り付ける位置は、猫トイレの真上か、背中側の壁の高いところです。
アンモニアを含んだ空気は上へのぼるので、床の近くではなく上に設置することでより効果的です。
もう1つ忘れてはいけないのが、空気の入り口です。
換気扇は空気を外へ出すだけなので、代わりに入ってくる道がないと効率的に空気が循環しません。
扉に通気口をつけるか、扉の下を1cmほど空けておきましょう。
なお、猫がいつトイレを使うかは読めないため、スイッチは人感センサーにせず、24時間つけっぱなしにします。
どの機種にするかは家全体の換気の計画で変わるので、設計担当者に相談して決めましょう。
5-3.消臭効果のある壁材を組み合わせる
消臭効果のある壁材は、換気の補助として考えましょう。
主役はあくまで換気で、壁材だけで臭いが消えるわけではありません。
代表的なのがエコカラットプラス(LIXIL)です。
表面に細かい穴が無数に空いたタイルで、アンモニアなど臭いのもとになる成分を吸い込みます。
出典:LIXIL『エコカラット 湿気・ニオイ・有害物質を吸着』
珪藻土や漆喰にも同じような効果が期待できますが、猫が爪をとぐと表面が崩れやすい点は弱点です。
6.掃除しやすい床・壁と、水栓の位置
猫トイレまわりの掃除がどれくらい楽になるかは、床と壁の材料、そして水道が近くにあるかどうかで変わります。
どちらも住み始めてから変えるのは難しいため、間取りの打ち合わせで決めておきましょう。
ここからは、床と壁の材料の選び方と、手洗いを近くに置く方法を解説します。
- 床と壁に使う材料と、継ぎ目のふさぎ方
- 猫トイレ本体を洗える水道をどこに置くか
掃除がその場で済む形にしておけば、無理なく清潔に保てます。
6-1.床と壁は、継ぎ目のない拭ける仕上げにする
猫の尿にはアンモニアが含まれ、無垢のフローリングは染み込むと色が変わり、臭いも残ります。
床材の候補は、フロアタイル(塩ビタイル)、クッションフロア、磁器質タイルの3つです。
気をつけたいのが継ぎ目です。
猫砂と尿は継ぎ目のすき間に入り込み、そこから傷んでいきます。
クッションフロアは幅182cmの製品が一般的なので、その幅に収まる区画にすれば継ぎ目が出ません。
フロアタイルを使うなら、目地を詰めて貼ってもらいましょう。
壁ぎわは、床と壁の境目に付ける板(巾木)の下にすき間ができやすい部分です。
猫トイレを置く区画は、床材を壁側へ10cmほど立ち上げてもらうと掃除が楽になります。
また、壁も拭ける材料にしておきましょう。
猫が砂をかくと壁にも砂が飛び、オス猫のスプレー行動があれば尿もかかります。
背面と両側の壁は床から60〜80cmの高さまで、キッチンパネルや水回り用のクロス、タイルなど拭ける材料を指定します。
コンセントとスイッチは砂や尿がかかる範囲を避け、床から100cm以上の高さにつけてもらいましょう。
6-2.近くに手洗いかスロップシンクを設ける
猫トイレの掃除には2種類あります。
毎日固まった砂をすくう作業と、1〜4週間に1回、本体を丸ごと洗う作業です。
大変なのは丸洗いのほうです。
猫トイレをすぐに洗える水道が近くにあると、この手間がぐんと減ります。
水道の設置方法は次の3つです。
- 洗面脱衣室に置き、もともとある洗面ボウルを使う(追加の費用がかからない)
- 土間収納や勝手口の脇に、小さな手洗いを増やす
- 深型の流し(スロップシンク)を設ける
深型の流しを設けるなら、猫トイレ本体がそのまま入る大きさを選ぶと便利です。
7.猫トイレの間取りに関するよくある質問
ここからは、猫トイレの間取りに関するよくある質問に回答します。
実際の建築ユーザーへのアンケート結果から、よくある質問の回答をまとめました。
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まとめ
この記事のポイントを整理すると、次のとおりです。
- 置き場所は換気の下流に取る。洗面脱衣室が最有力候補
- 台数は猫の数+1。同じ場所に並べず、フロアをまたいで分散する
- 1台あたり幅90×奥行60cmを確保する
- 猫砂と掃除道具は、近くに置いておく
- 換気扇の位置・給排水・床材は、着工後の変更が難しい
換気扇の位置と給排水は、あとから足すと壁や床を壊すことになるため、事前にハウスメーカーの担当者と詰めておく必要があります。
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