- 変更日:
- 2026.09.01

多くの方が「なるべく家事の負担を減らしたい」と考えています。
とくに共働きの家庭では、家事をする時間が足りず、気づけば家の中が散らかっているという状態の方も多いでしょう。
そこでこの記事では、家事を減らす考え方の順番や設備選びの注意点などを解説します。
記事の内容を取り入れ、極力家事をしないで済む間取りを目指しましょう。
この記事を読んだらわかること!
- 家事を減らすときに決める順番と、後回しにしてよいこと
- 洗濯を一か所で終わらせるために間取りで押さえる点
- ロボット掃除機が走れる家にするための図面上の条件
- 片付けが発生しにくい収納とキッチンまわりのつくり方
家事の負担をできるだけ減らしたい方へ
あなたの検討状況に合わせて、2つの方法から選べます
目次
家事をしない間取りに関するよくある質問
ここでは、家事をしない間取りを考えるときによく寄せられる質問にお答えします。
実際の建築ユーザーへのアンケート結果から、よくある質問の回答をまとめました。
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1.家事を減らすためにすること

家事をまるごとなくすことはできませんが、家のつくり方しだいで、やらずに済む家事は増やせます。
そのために大切なのは、効果の大きいところから手をつけることです。
ここでは、間取りを考えるときに重要な4つの手順を紹介します。
- 減らす家事を先に選ぶ
- 設備に任せられる家事は任せる
- 収納の位置で片付けを減らす
- 動線は最後に短くする
それぞれ見ていきましょう。
1-1.減らす家事を先に選ぶ
家づくりをはじめると、つい「あれもこれも楽にしたい」と考えてしまいがちです。
ただし、家事のすべてを均等に軽くしようとすると、要望が散らばって予算も間取りも中途半端になります。
そこでまず、家庭の中で負担の大きい家事を以下のように2つか3つに絞ってみましょう。
- 洗濯物が乾かないまま部屋に積み上がっている
- シンクに食器がたまっている
- 床にモノが出ていて掃除機をかけられない
ご家庭によって、負担になっている場所は違います。
また、「時間がかかる家事」と「気が重い家事」を分けて考えるのもおすすめです。
洗濯は、洗って干して取り込んでたたんでしまうという工程の多さが負担になります。
一方、掃除は工程こそ少ないものの、床にモノが出ているとそもそも始められないという別の負担があります。
夫婦で優先順位が違うこともあるため、それぞれが「これがなくなったら助かる」と思う家事を挙げて、重なったものから対策するとまとまりやすくなるでしょう。
ここで決めた優先順位が、このあとの設備選びや収納の位置を決めるときの基準になります。
1-2.設備に任せられる家事は任せる
優先順位が決まったら、次は設備で置き換えられる家事がないかを考えましょう。
設備は家事そのものをやらなくてよくするアイテムです。
代表的なのが、食器洗いと洗濯物の乾燥です。
食洗機を導入すれば、食後にシンクへ食器をためておく必要がなくなります。
衣類乾燥機があれば、干す・取り込むという工程がまとめて消えるため、天気を気にせずに洗濯を回せるようになります。
さらに、ロボット掃除機も家事を消してくれる設備のひとつです。
留守のあいだに床を掃除してもらえるので、帰宅後の掃除機がけを省ける日が増えるでしょう。
生ごみを流せるディスポーザーも、ごみを捨てるという家事を減らせます。
ただし、粉砕機だけを付けて下水に流す単体ディスポーザは、設置できない自治体があります。東京都では粉砕機単体の設置はできません。
設置できるのは、粉砕機と排水処理装置を組み合わせたディスポーザ排水処理システムで、設置する際は届出が必要になります。
出典:東京都下水道局『「ディスポーザ排水処理システム」の設置について』
排水処理装置は屋外に置くので、その場所と配管を新築のうちに確保することになります。維持管理を業者に委託する仕組みなので、月々の費用も見ておきましょう。
ここで注意したいのが、設備は後から入れようとすると制約が出るという点です。
食洗機や乾燥機は、置き場所だけでなく電気や給排水、機種によってはガスや湿気の逃げ道も必要になります。
そのため、入れるかどうか迷っている設備についても、入れるとしたらここ、という場所と配管の準備だけは図面の段階で決めておきましょう。
1-3.収納の位置で片付けを減らす
設備の次に考えたいのが収納です。
片付けという家事は、モノが置きっぱなしになることで発生します。
逆にいえば、使った場所のすぐそばにしまう場所があれば、片付けという工程は減らせます。
床にモノが出たままになる家は、収納の量よりも収納との距離が原因である場合も少なくありません。
郵便物やカバンがダイニングテーブルに置かれるのは、そこが手近だからです。
そこで、モノがたまりやすい場所を思い浮かべ、その近くに置き場所をつくると考えてみてください。
大きな納戸をひとつつくるより、玄関・洗面まわり・リビングに小さな収納を分けて置いたほうが、片付けの手間は軽減できます。
1-4.動線は最後に短くする
家事ラクの話でよく出てくる動線は、あえて最後に考えましょう。
なぜなら、動線を短くしても、家事の工程そのものは残るからです。
洗って干して取り込んでたたむという流れがあるかぎり、歩く距離を縮めただけでは負担は大きく変わりません。
設備と収納で工程を減らしたうえで動線をつなぐと、残った家事がひとつながりの流れになります。
具体的には、洗う場所と干す場所としまう場所を近くにまとめる、玄関からキッチンまでを回り込まずに歩けるようにする、といった整理です。
また、家事をしながら子どもの様子が見える位置関係にしておくと、途中で中断されることも減るでしょう。
ただし、動線を優先しすぎると、居室が狭くなったり廊下が増えたりすることがあります。
減らしたい家事が決まっていれば、どこまで動線に予算と面積を割くかも判断しやすくなるはずです。
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2.【間取り図で見る】家事を減らした家の実例3選
考え方が分かっても、実際の間取りを見ないとイメージしにくいものです。
ここでは、家事を減らす工夫を取り入れた間取りを3つ紹介します。
- 洗濯が数歩で終わる3LDK・40坪
- 帰宅動線に収納を並べた3LDK・39坪
- LDK中央に収納を置いた2LDK・35坪
ご家庭の優先順位に近いものから見てみてください。
2-1.洗濯が数歩で終わる3LDK・40坪

洗濯の負担を軽減したい家庭に適した間取りです。
洗う・乾かす・しまうという工程を一か所にまとめ、洗面脱衣室からファミリークローゼットまでを数歩で移動できるようにしています。
洗濯物を持って階段を上り下りする必要がなく、別の部屋のクローゼットへ運ぶ手間もありません。
回遊できる水まわりになっているため、朝の支度が重なっても行き止まりになりにくい間取りです。
2-2.帰宅動線に収納を並べた3LDK・39坪

床にモノが出たままになりやすいご家庭に適した間取りです。
玄関からクローゼットや水まわり、キッチン、パントリーへと繋がっているため、外から持ち帰ったものをその場で置いていける流れをつくっています。
上着もカバンも買い物袋も、リビングに入る前に定位置へ収まります。
そのため、休日にまとめて片付けるという作業が発生しにくくなるでしょう。
2-3.LDK中央に収納を置いた2LDK・35坪

延床をあまり大きくできない場合の工夫を取り入れた間取りです。
LDKの中央に収納カウンターを設け、リビング・ダイニング・キッチンのどこからでも同じ距離で使えるようにしています。
子どものおもちゃや学用品、書類などをその場でしまえるので、テーブルの上が空きやすくなります。
水まわりもまとめられており、大きな家でなくても家事を減らせることが分かる例です。
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3.ランドリールームで決めること

洗濯の負担を減らすうえで、独立したランドリールームは有力な選択肢です。
ただし、部屋をつくること自体が目的になると、使いにくい部屋になってしまいます。
ここでは、図面を描く前に決めておきたい点を3つ紹介します。
- 入れる設備と収納
- 必要な広さ
- ガス栓と排湿筒の位置
順に解説します。
3-1.入れる設備と収納
はじめに、その部屋に何を置くかを書き出しておきましょう。
洗濯機と乾燥機に加えて、作業台やハンガーパイプ、タオルや下着をしまう棚、洗剤のストック置き場まで含めて考える必要があります。
とくに忘れられがちなのが、たたんだ服をしまう場所です。
ここが別の部屋になっていると、せっかく乾かした洗濯物を運ぶ手間が残ってしまいます。
可能であれば、家族の衣類をまとめてしまえる収納を隣に設けておくとよいでしょう。
3-2.必要な広さ
広さは、置く設備と作業内容から決めます。
洗濯機と乾燥機を並べて置くのか積んで置くのかで、必要な間口は変わります。
また、扉を開けたときや、かがんで洗濯物を出し入れするときの余裕も見ておきましょう。
作業台で洗濯物をたたむのであれば、そのぶんの奥行きも必要になります。
なお、部屋干しも併用する場合は、干した洗濯物の下を人が通れるかどうかまで確認しておくと安心です。
3-3.ガス栓と排湿筒の位置
乾燥機を入れるなら、設置条件を早めに確認しておく必要があります。
ガス式を選ぶ場合はガス栓と、湿気を外に出す経路もあわせて必要になるためです。
これらは後から追加しようとすると、壁を壊したり配管を長く引き回したりすることになります。
そのため、間取りが固まる前に、乾燥機の候補と設置場所をハウスメーカーに伝えておきましょう。
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4.ロボット掃除機のために図面で決めること
ロボット掃除機は掃除の手間を減らしてくれますが、家のつくりによっては機能しない場合があります。
ここでは、事前に確認しておきたい3点を紹介します。
- 段差と扉の仕様
- 家具と造作の下の高さ
- 充電台と自動ゴミ収集機の置き場所
ひとつずつ見ていきましょう。
4-1.段差と扉の仕様
まず確認したいのが、床の段差です。
部屋の境目に敷居が出ていたり、和室が一段上がっていたりすると、そこで止まってしまうことがあります。
扉も同じです。
開き戸は自分で開けられないので、掃除してほしい部屋は引き戸にしておくか、留守のあいだ開けておける設計にしておくとよいでしょう。
なお、床を這うコードは巻き込みの原因になります。
テレビやルーターのまわりは、壁付けのコンセントの位置を家具に合わせて固定しておくと安心です。
4-2.家具と造作の下の高さ
ソファやベッド、造作したテレビ台の下は、ホコリがたまりやすい場所です。
本体が入る高さを確保しておけば、その下も掃除してもらえます。
逆に、少しだけ隙間がある状態は避けたいところです。
入ろうとして引っかかったり、掃除できないまま奥にホコリがたまったりするためです。
造作家具は、床までふさぐか、本体が通る高さを空けるかのどちらかにしておくと扱いやすくなるでしょう。
購入する機種が決まっているなら、実際の高さを図面に書き込んでおくと確実です。
4-3.充電台と自動ゴミ収集機の置き場所
充電台は、本体が出入りしやすい壁際に置きましょう。
前方と左右に空きが必要になるので、家具でふさがれない場所を選んでください。
ゴミを自動で吸い上げるタイプは、動作音がそれなりに出ます。
そのため、寝室のすぐ隣は避けたほうが無難でしょう。
また、コンセントの位置もあわせて決めておくと、延長コードなどを使う必要がなくなります。
5.設備にかかる費用

設備で家事を減らせるとわかっても、費用がわからない決めきれないものです。
ここでは、導入時だけでなく、使い続けるあいだにかかるお金も含めて整理します。
- 食洗機は1回あたり約40円安い
- 衣類乾燥機はガス式が速く、電気式が安い
- 交換費は10〜15年ごとにかかる
順番に見ていきましょう。
5-1.食洗機は1回あたり約40円安い
食洗機は、手で洗うより水道代と光熱費を抑えられるケースが多いです。
少ない水を高温で循環させて洗うため、蛇口を出しっぱなしにして洗うより水の使用量が減ります。
メーカーの試算では、1回あたりの運転経費は手洗いが約74.6円、食洗機が約34.1円で、その差は約40.5円とされています。
1日2回使う家庭なら、年間で約29,500円の差になる計算です。
出典:Panasonic『ビルトイン食洗機まるごとQ&A ランニングコスト』
本体と工事の費用はかかるものの、毎日使う設備なので、使うほど差は小さくなっていきます。
また、食器をシンクにためずに済むという時間の効果もあわせて考えるとよいでしょう。
5-2.衣類乾燥機はガス式が速く、電気式が安い
衣類乾燥機は、ガス式と電気式で特徴が分かれます。
ガス式は乾くまでの時間が短く、まとめて洗う日が多いご家庭に向いています。
一方、電気式は本体や設置の費用を抑えやすく、設置場所の自由度も高めです。
夜に洗濯を回して朝までに乾いていればよいのか、帰宅後すぐに乾かしたいのか。
使い方によって向き不向きが変わるので、生活時間から選ぶのがおすすめです。
5-3.交換費は10〜15年ごとにかかる
設備は、導入して終わりではありません。
使い続ければ古くなり、いずれ交換の時期がきます。
そのため、導入費だけでなく、将来の交換費も見込んでおくと安心です。
なお、交換のしやすさは設置場所でも変わります。
搬入経路が狭かったり、造作で囲い込んでいたりすると、交換時に余計な工事が発生する場合もあります。
6.キッチンまわりで家事を減らすコツ
キッチンは、料理だけでなく買い物の片付けやゴミの管理も行う場所です。
そのぶん、少しの工夫で家事の負担が変わりやすい場所でもあります。
ここでは2つのコツを紹介します。
- キッチンとパントリーをつなぐ
- ゴミの分別と保管の場所を決める
順に見ていきましょう。
6-1.キッチンとパントリーをつなぐ
食材や日用品をまとめ買いするご家庭では、パントリーがあると便利です。
ただし、離れた場所にあると、買ってきたものを運ぶ手間が増えてしまいます。
おすすめは、キッチンから直接入れる位置に設けることです。
さらに、玄関からパントリーを通ってキッチンへ入れるようにしておく、もしくは勝手口とパントリーを繋げる間取りにすると、買い物袋をリビングに持ち込まずに済みます。
棚は可動式にしておくと、入れるものが変わっても使い続けられるでしょう。
6-2.ゴミの分別と保管の場所を決める
ゴミ箱の置き場所は、間取りの打ち合わせで抜けやすい部分です。
分別の数だけ箱が必要になるので、後から並べようとすると通路にはみ出すことがあります。
分別の区分は自治体によって違うため、建てる地域のごみ分別のページを確認しておきましょう。
そのうえで、キッチンの中に分別用の箱をまとめて置ける場所を確保しておきます。
また、収集日までためておく資源ゴミや生ゴミについては、屋外に近い場所に保管スペースを設けるという方法もあります。
勝手口やサービスヤードにつながっていれば、ゴミ出しの日も家の中を通らずに運び出せます。
家事の負担をできるだけ減らしたい方へ
あなたの検討状況に合わせて、2つの方法から選べます
まとめ
家事をしない家をつくるには、間取りの前に決めることがあります。
最後に要点を整理します。
- 減らしたい家事を2〜3つに絞ってから間取りを考える
- 設備で消せる家事は先に検討し、設置条件を図面で確保する
- 収納は量より位置。使う場所と帰宅動線に沿って分散させる
- 動線は最後に整える。工程を減らしたうえでつなぐ
- ランドリールームは置く設備と収納から広さを決める
- ロボット掃除機は段差・扉・家具下の高さを図面で確認する
- 設備費は将来の交換費まで見込んでおく
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