- 変更日:
- 2026.09.01

夫婦2人が在宅勤務をする場合、間取りを考えるうえで重要なのが「それぞれが仕事に集中できる場所をどう確保するか」です。
2人ともオンライン会議が多いなら、同じ部屋で仕事をすると声が入り込んだり、生活音が気になったりすることがあります。
そのため、可能であれば夫婦それぞれに仕事スペースを設けるのがおすすめです。
ただし、必ずしも独立した書斎を2部屋つくる必要はありません。家の広さや家族構成に合わせて、間仕切りや半個室などを組み合わせる方法もあります。
この記事では、夫婦で在宅勤務しやすい間取りのつくり方から、デスクや通信環境、会議の音対策まで詳しく解説します。
この記事を読んだらわかること!
- 夫婦で書斎を2つ設ける4通りの方法
- デスクから決まる広さ、窓の位置、明るさ
- 会議の声を遮る方法を、費用のかからない順に
- 有線LANとコンセントで決めておくこと
在宅勤務時の最適な間取りを考えている方へ
あなたの検討状況に合わせて、2つの方法から選べます
目次
夫婦の在宅勤務と間取りに関するよくある質問
ここからは、夫婦の在宅勤務と間取りに関するよくある質問に回答します。
実際の建築ユーザーへのアンケート結果から、よくある質問の回答をまとめました。
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1.書斎を2つ設ける方法

夫婦2人が同時に在宅勤務をすることを考えると、書斎は2つあったほうが無難です。
書斎を2つ設ける方法は、大きく分けて3つあります。
- 2部屋を離して配置する
- 1室を間仕切って2つに分ける
- 個室と半個室を組み合わせる
それぞれ見ていきましょう。
1-1.2部屋を離して配置する

最も仕事に集中しやすいのは、夫婦それぞれの書斎を離して配置する方法です。
たとえば、1階と2階で分けたり、家の端と端に配置したりすると、Web会議の声が干渉しにくくなります。
片方が会議中でも、もう片方が仕事を続けやすいのがメリットです。
しかしながら、独立した部屋を2つ設けるため、その分面積が必要ですし、エアコンも2台設置しなければなりません。
費用がかかるため、在宅勤務の頻度が低い家庭にはあまり適さないでしょう。
1-2.1室を間仕切って2つに分ける

独立した書斎を2部屋つくるほどのスペースがない場合は、1つの部屋を間仕切る方法があります。
可動式の間仕切りや壁、収納などを使えば、1部屋を2つの仕事スペースとして利用できます。
新築時であれば、将来的な使い方の変更まで考えて間取りを設計しておくと便利です。
ただし、壁を設ける場合は採光や換気、コンセントの位置などもあわせて考える必要があります。
1-3.個室と半個室を組み合わせる

書斎を2つとも完全な個室にする必要はありません。
たとえば、夫は個室の書斎、妻はリビングの一角につくった半個室という組み合わせも可能です。
片方はオンライン会議が多く、もう片方はパソコン作業が中心といった場合にも適しています。
家族構成や仕事内容に合わせて、必要な遮音性や広さを変えると、限られた面積でも使いやすい間取りになります。
2.【間取り図で見る】夫婦で在宅勤務する家の実例3選
ここからは、夫婦それぞれが在宅勤務できるスペースを確保した間取りの考え方を、3つの実例から見ていきます。
- 働く場所を複数つくった2LDK・27坪台
- 1階に半個室、2階に書斎を置いた3LDK・30坪
- 2階の個室2つで仕事に集中する3LDK・27坪台
ぜひ、家づくりの参考にしてください。
2-1.働く場所を複数つくった2LDK・27坪台

27〜30坪の2LDKで、共働き夫婦と子ども2人を想定したプランです。
限られた延床面積でも、仕事場所を複数確保することは可能です。
2LDK程度の間取りでは、独立した書斎を2部屋つくるのではなく、居室や廊下の一角なども含めて仕事スペースを分散させる方法があります。
普段はオープンなスペースで仕事をしつつ、オンライン会議のときだけ別の場所へ移動できるようにしておくと、部屋数を増やさずに在宅勤務へ対応できます。
2-2.1階に半個室、2階に書斎を置いた3LDK・30坪

30坪の3LDKで、共働き夫婦と子ども2人を想定したプランです。
1階はLDKの北側に半個室のスタディスペースがあり、LDKと仕切ることで在宅勤務中も集中できる配置になっています。
2階にもスタディスペースがあり、夫婦2人とも在宅勤務であっても1階と2階に分かれて作業ができます。
この事例は独立した部屋を設けている訳ではないため、費用も抑えられます。
2-3.2階の個室2つで仕事に集中する3LDK・27坪台

27〜30坪の3LDKで、30代の共働き夫婦と子ども2人を想定したプランです。
1階は家族の憩いの場、2階は個室で仕事に集中できる間取りになっています。
仕事と生活の切り替えを階で行う形です。
LDKは約16.6帖で、リビングとダイニングキッチンの間に間仕切り扉があるため、普段は扉を開放して大きなワンルームとして使い、急な来客時には扉を閉めてキッチンを隠せます。
在宅勤務は2階のテレワーク部屋と寝室で行ってもいいですし、テレワーク部屋と・ダイニングキッチンで行うなど、いくつかの選択肢があります。
ここまでの代表例から、
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3.デスクまわりで決めること

書斎の広さだけでなく、デスクをどのように配置するかも在宅勤務のしやすさを左右します。
そのため、間取りを考える際は、以下の点を事前に決めておきましょう。
- デスクと椅子のサイズ
- デスクから見た窓の位置
- デスクに必要な明るさ
それぞれ解説します。
3-1.デスクと椅子のサイズ
まず決めたいのが、デスクと椅子のサイズです。
一般的な仕事用デスクは、パソコンを置いて作業するだけならコンパクトなサイズでも対応できます。
ただし、モニターを複数置いたり、書類を広げたりする場合は、ある程度の奥行きと幅が必要です。
また、椅子を引いたときのスペースも忘れてはいけません。デスクの寸法だけでなく、座った状態で動ける余裕まで確保しておきましょう。
近年では座りすぎを防止するために、スタンディングデスクを導入する人も多いです。
デスクを高くした際のコンセントの位置やケーブルの長さにも注意する必要があります。
3-2.デスクから見た窓の位置
窓の位置も、デスクを置く前に考えておきたいポイントです。
背中側に窓があると、オンライン会議の際に逆光になり、顔が暗く映ることがあります。
一方、正面に大きな窓があると、外の景色や日差しが気になって集中しにくくなる場合があります。
自然光を取り入れながら、画面が見やすく、カメラ映りにも配慮できる位置にデスクを配置するとよいでしょう。
南向きの窓は日射が強く、時間帯で明るさが変わります。
一方、北向きの窓は、一日を通じて安定した光が入ります。
どの向きでも、調光できるブラインドかロールスクリーンがあると便利です。
3-3.デスクに必要な明るさ
在宅勤務では、長時間パソコン画面を見ることになるため、照明計画も重要です。
昼間は自然光、夜は照明を使うことになりますが、時間帯によって明るさが大きく変わらないようにしておくと、作業しやすくなります。
天井照明だけでなく、手元を照らすデスクライトを用意しておくと、作業内容に応じて明るさを調整できます。
4.お互いの会議の声が気にならない環境をつくる
夫婦で在宅勤務をすると、特に気になりやすいのがオンライン会議の声です。
お互いの会議音が入ってしまうと仕事に集中しにくくなるため、間取りの段階から音対策を考えておきましょう。
具体的には以下の3つです。
- 距離と階で離す
- 扉と換気口をふさぐ
- 壁の仕様を上げる
それぞれ見ていきましょう。
4-1.音が伝わりにくい位置に書斎を配置する
最もシンプルなのは、書斎同士を離すことです。
隣り合った部屋よりも、別の階や家の反対側に配置したほうが、声が伝わりにくくなります。
特に、2人が同じ時間帯に会議をすることが多い家庭では、距離を確保する効果が大きくなります。
ただし、書斎同士の距離だけでなく、水まわりとの距離にも気をつけなければなりません。
水まわりの隣に書斎を置くと、洗濯機やトイレの水を流した音が聞こえる場合もあるため注意しましょう。
4-2.音が漏れる隙間を塞ぐ
部屋同士を離しても、音は扉の隙間などを通じて伝わることがあります。
書斎に扉を設ける場合は、開き戸や引き戸の選び方も含めて音の伝わり方を確認しましょう。
一般的に引き戸はレールと戸袋のすき間から音が漏れやすい傾向にあります。
書斎は開き戸にして、下端にすき間を作らない建具(気密パッキン付き)を選ぶことで防音対策になります。
また、換気設備の経路によっては、隣室や別の部屋に音が抜けやすくなることもあります。
必要に応じて、設計段階で住宅会社に音の伝わり方を相談しておくと安心です。
4-3.防音性の高い壁を採用する
より静かな環境を求める場合は、壁の仕様を検討する方法もあります。
壁の内部に断熱材や吸音材を入れるなど、一般的な間仕切りよりも遮音性を高めることで、話し声が伝わりにくくなります。
ただし、仕様を上げるほどコストも増えるため、夫婦の働き方や会議の頻度に応じて優先順位を決めることが大切です。
遮音性能はD値という等級で表されます。
石膏ボードメーカーの資料では、話し声の聞こえ方の目安が次のように示されています。
| 遮音等級 | 話し声の聞こえ方 |
|---|---|
| D-40 | 小さく聞こえる |
| D-45 | かすかに聞こえる |
| D-50 | ほとんど聞こえない |
出典:チヨダウーテ『遮音等級』
オンライン会議の声を隣室に漏らさない目安は、D-45からD-50です。
どの仕様でどの程度の遮音性能になるかは、メーカーと工法で変わるため、住宅会社に確認しましょう。
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5.通信と電源で決めておくこと
| チェックリスト | |
|---|---|
| □ | 有線LANの配管経路 |
| □ | ルーターの置き場所 |
| □ | コンセントの数と高さ |
在宅勤務では、間取りと同じくらい通信環境や電源の配置が重要です。
ここからは、有線LANの配管経路、ルーターの置き場所、コンセントの数と高さを解説します。
5-1.有線LANの配管経路
オンライン会議や大容量データのやり取りをする場合は、Wi-Fiだけでなく有線LANも検討しましょう。
Wi-Fiがあるから有線は不要と言われることもありますが、2人が同時に会議をする家では有線を前提にしたほうが安心です。
新築時であれば、将来的にLANケーブルを通せるよう、書斎まで配管を確保しておきましょう。
家が完成してから配線を追加するよりも、設計段階で計画しておいたほうが施工しやすく、見た目もすっきりさせやすくなります。
5-2.ルーターの置き場所
ルーターの設置場所も、最初に考えておきたいポイントです。
家の隅や収納の中に置くと、場所によっては電波が届きにくくなることがあります。家全体で安定して通信できるよう、間取りとあわせて設置場所を検討しましょう。
置き場所のポイントは4つです。
- 家の中央に近いこと
- できるだけ高い位置に置くこと。床置きは電波が届きにくい
- 金属製の棚や大型家電(電子レンジ、冷蔵庫)から離すこと
- 水まわりを挟まないこと
1階と2階に書斎を分ける場合、ルーターを1階に置くと2階の電波が弱くなります。
対策は2つあります。
1階と2階の両方にLANの口を出して2台目のアクセスポイントを設置できるようにするか、メッシュWi-Fiを使う方法です。
どちらもLANの口が必要になるため、設計時から考えておく必要があります。
5-3.コンセントの数と高さ
在宅勤務では、パソコンだけでなくモニター、照明、スマートフォンの充電器など、複数の機器を使います。
そのため、コンセントは「今必要な数」だけでなく、「将来増える機器」も考えて配置することが大切です。
デスクの位置が決まったら、使いやすい高さや位置まで指定しておくと、電源コードが邪魔になりにくくなります。
一般的にはデスク1台につき4口以上あると便利です。
内訳は、パソコン、モニター、充電器(スマートフォンやイヤホン)、デスクライトです。
モニター2台や周辺機器があれば6口になります。
高さは、床から15〜25cmの一般的な位置に加えて、机上の高さ(床から100〜110cm)にも1か所設けると便利です。
デスク上で使う充電器やライトのプラグを、机の下にもぐって抜き差しする必要がなくなります。
6.在宅勤務のオン・オフを切り替える工夫
在宅勤務では、通勤がなくなる一方で、仕事と生活の境目が曖昧になりやすいという特徴があります。
そのため、間取りの段階から切り替えのきっかけをつくっておくとよいでしょう。
6-1.通勤に代わる「切り替え習慣」をつくる
仕事を始める前に散歩をしたり、コーヒーを飲んだりするなど、毎日のルーティンを1つ決めておくと、仕事モードに切り替えやすくなります。
また、仕事部屋まで移動すること自体を「通勤」の代わりにする考え方もあります。
なお、仕事と生活をうまく切り替えるためには、デスクや仕事道具を見えないようにするのもポイントです。
なるべくリビングや寝室と仕事場を切り分けて、メリハリを作りましょう。
6-2.書斎の前を人が通らないようにする
書斎の前を家族が頻繁に行き来する間取りだと、仕事中に視線や物音が気になりやすくなります。
できるだけ生活動線と仕事動線を分け、書斎の前を人が頻繁に通らないようにすると、集中しやすい環境になります。
書斎を廊下の突き当たりに設置するなど、家事動線から外れた位置につくるのもひとつの方法です。
子どもがいる家庭では、子ども部屋と書斎の位置関係も見ておきましょう。
7.書斎を2つつくれないときの工夫
家の広さや予算によっては、夫婦それぞれの独立した書斎を2つつくるのが難しいケースもあります。
その場合は、完全な個室にこだわらず、仕事に必要な条件だけを満たす方法を考えてみましょう。
7-1.仕切りでお互いの視線を遮る
夫婦の仕事スペースを同じ部屋に置く場合は、壁をつくらずに視線だけを遮る方法があります。
収納やパーテーションを使えば、同じ空間にいながらお互いの視線を気にせず作業できます。
オンライン会議の背景も隠しやすくなるため、生活感を見せたくない場合にも有効です。
7-2.休憩の場所を分ける
仕事場所を完全に分けられない場合は、休憩する場所を別にする方法もあります。
同じ部屋で仕事をしていても、休憩や昼食の時間まで同じ場所で過ごす必要はありません。
仕事と休憩の場所を切り替えることで、オンとオフの境目をつくりやすくなります。
まとめ
この記事のポイントを整理すると、次のとおりです。
- 書斎を2つ設けるなら、部屋を離して配置する
- 1室を間仕切り、2つの仕事スペースにすることもできる
- 独立した書斎が難しければ、個室と半個室を組み合わせる
- デスクや椅子、窓、照明の位置も事前に決めておく
- LAN配線やコンセントの位置も設計段階で考える
- 書斎を2つ取れない場合は、間仕切りで視線を遮る方法もある
- 夫婦それぞれの働き方に合わせて、仕事のしやすさを優先する
夫婦の働き方に合った間取りは、家族構成や希望する暮らし方によっても変わります。
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