- 変更日:
- 2026.09.01

夜勤明けに帰宅すると家族が起きているので、静かに眠れない。
出勤する際に家族を起こしてしまわないか気をつかう。
こんな悩みを抱えている方も多いのではないでしょうか。
夜勤で働かれている方は、家族と生活リズムが異なるため、工夫をしないと自身の生活リズムが乱れるだけでなく、家族の生活を乱してしまうおそれもあります。
そこでこの記事では、昼に眠るために気をつける寝室の配置や、光と音の遮断方法、などを、実際の間取り図を交えて解説します。
この記事を読んだらわかること!
- 昼の睡眠が夜より妨げられやすい理由
- 寝室を家のどこに置けば昼でも眠れるか
- 家族が気をつかわずに動ける間取りのつくり方
夜勤でも快適な家の間取りを考えている方へ
あなたの検討状況に合わせて、2つの方法から選べます
目次
夜勤がある家の間取りに関するよくある質問
ここからは、夜勤がある家の間取りに関するよくある質問に回答します。
実際の建築ユーザーへのアンケート結果から、よくある質問の回答をまとめました。
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1.昼の睡眠が妨げられる理由

夜勤明けに眠れないのは、体質や慣れの問題ではありません。
昼は、眠るのに不利な条件がいくつも重なる時間帯です。
- 家族が起きている時間に寝ることになる
- 日射で寝室の温度が上がる
- 遮光しないと部屋は明るいまま
それぞれ見ていきましょう。
1-1.家族が起きている時間に寝ることになる
昼に眠るということは、家族が活動している真っただ中で眠らなければなりません。
- 洗濯機を回す
- 掃除機をかける
- 食事の支度をする
- 宅配を受け取る
- 子どもが帰宅する
このような日常の生活音の中で眠る必要があるため、夜に眠るよりも睡眠が浅くなったり、なかなか寝付けなかったりするのです。
一方で、家族も音を立てないよう気をつかいながら暮らすことになります。
ともにストレスを抱えながら生活するのを避けるためにも、間取りの工夫が必要です。
1-2.遮光しないと部屋は明るいまま
人の体は、光を感じると目が覚めるようにできています。
夜に寝るときは外が暗いため、カーテンの性能はさほど関係しませんが、日中はカーテンの性能が低いと多くの光を室内に取り込んでしまいます。
また、生地の遮光等級を上げても、まわりのすき間が開いていれば部屋に光が漏れてしまい、睡眠の妨げとなるのです。
1-3.日射で寝室の温度が上がる
昼の睡眠を妨げるのは、音や光だけではありません。
東向きと西向きの窓がある部屋は、日ざしで午前と午後にそれぞれ室温が上がり、寝苦しくなります。
さらに、遮光のために窓やカーテンを閉め切ると風が通らず、熱がこもるため、さらに睡眠の妨げになります。
そのため、快適に眠るためには、住宅の断熱性能が重要です。
断熱と、日ざしを遮る性能(日射遮蔽)は住宅会社によって差が出る部分なので、打ち合わせで確認しておきましょう。
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2.昼に眠るために気をつける寝室の配置

昼に眠れる家をつくるうえで、考えなければならないのが寝室の位置です。
カーテンなどの設備はあとからでも足せますが、部屋の場所は建ててしまうと変えられません。
具体的には以下のポイントを押さえましょう。
- 道路と隣家から距離を取る
- 水回りと階段から距離を取る
- 階数ごとのメリット・デメリットを把握する
それぞれ解説します。
2-1.道路と隣家から距離を取る
まず考えたいのが、敷地の外から入ってくる音との距離です。
寝室は、前面道路から遠い側に置くことで、車やバイクの音などを軽減できます。
道路に面する側に、LDKや水回り、収納を並べて音のクッションにするのも良いでしょう。
次に、隣家との関係も考える必要があります。
隣家のエアコン室外機がどこにあるかを確認し、室外機の正面に寝室の窓を置かないようにしましょう。
住宅の候補地を決める際は、次の4点を確認しておくと安心です。
- 前面道路の交通量
- 線路や幹線道路からの距離
- 周辺の用途地域
- 隣家の窓と室外機の位置
どうしても道路側にしか寝室を取れないこともあります。
その場合は、夜に眠る子ども部屋は前面道路側に、日中に眠る部屋は前面道路から反対側にするなど工夫しましょう。
2-2.水回りと階段から距離を取る
外の音に気を取られがちですが、家の中にも音源はたくさんあります。
日中に寝る寝室は、なるべく洗面脱衣室・トイレ・キッチン・階段と隣り合わせにしないように気をつけましょう。
もうひとつ、図面では見落とされやすいのが配管の経路です。
給排水の音は配管を伝うため、寝室の壁の中や真上に排水管が通っていると、睡眠の妨げになります。
2階トイレの排水管が1階寝室の壁を通っている、というのはよくある形です。
配管の経路は平面図に描かれないことがあるので、設計者に直接たずねておきましょう。
2-3.階数ごとのメリット・デメリットを把握する
寝室を1階に置くか2階に置くかでも、眠りやすさは変わります。
1階の寝室は、玄関から近く、夜勤明けに帰宅してそのまま横になれるのが利点です。
反面、道路と近くなり、外の音が入りやすくなります。
2階の寝室は、地面から離れるぶん外の音が届きにくくなりますが、日中暑かったり、夜の移動時に家族を起こしてしまいやすくなります。
これらを踏まえて、間取り全体で対策を考える必要があります。
3.昼の光を遮るためにすること

日中快適に寝るためには、以下のことを行いましょう。
- 窓の向きと大きさを決める
- カーテンのすき間をふさぐ
- シャッターや雨戸を付ける
それぞれ解説します。
3-1.窓の向きと大きさを決める
東向きの窓は朝、西向きの窓は午後に直射日光が入ります。
そのため、夜勤明けに午前中から眠る場合、東向きの窓を大きくすると室内に日が入りやすくなってしまいます。
本来日中に日が差すのは望ましいことですが、睡眠の妨げになるため生活習慣を踏まえて部屋の配置や窓の大きさを決める必要があります。
3-2.カーテンのすき間をふさぐ
遮光性能の高い生地を選んでも、それだけで部屋が暗くなるわけではありません。
カーテンレールと天井のすき間(上部)、カーテンと壁のすき間(両端)、裾と床のすき間(下部)の3か所から光が入るためです。
それぞれの対策は、以下のとおりです。
| 箇所 | 対策 |
|---|---|
| 上部 | カーテンボックスを設けるか、天井付けのカーテンレールにする |
| 両端 | カーテンを窓幅より左右それぞれ10cmから15cm広く取り、端を壁側に折り返す金具(リターン金具)を使う |
| 下部 | 丈を床すれすれ、または床に少し垂れる長さにする |
カーテンは入居後でも買い替えられますが、カーテンボックスは造作工事になります。
だからこそ、間取りを考える段階で頼んでおく必要があります。
3-3.シャッターや雨戸を付ける
室内を暗くしたいなら、窓の外側で光を遮断するのが確実な方法です。
電動シャッターや雨戸を閉めれば、光を遮断できますし、防犯や台風への備えにもなります。
4.音を遮るために必要なこと

ここからは家づくりをするうえで、音を遮るために必要なことを解説します。
- どこまで遮るかを決める
- 壁の厚さと中身を指定する
- すき間をふさぐ
それぞれ見ていきましょう。
4-1.どこまで遮るかを決める
防音・遮音仕様にする場合でも、どの程度の性能にするのか目安が必要です。
遮音性能はD値という等級で表され、日本建築学会の指標では聞こえ方の目安が次のように示されています。
| 遮音等級 | 話し声の聞こえ方 |
|---|---|
| D-40 | 小さく聞こえる |
| D-45 | かすかに聞こえる |
| D-50 | ほとんど聞こえない |
出典:チヨダウーテ『遮音等級』
D-45で話し声がかすかに聞こえる程度、D-50でほとんど聞こえなくなるため、寝室の目安はこのあたりになります。
ここでひとつ、一戸建てならではの制約があります。
住宅性能表示制度に「音環境に関すること」という評価項目はありますが、部屋どうしを仕切る壁や床の等級は共同住宅などが対象で、一戸建てでは選べません。
一戸建てで選べるのは、窓やサッシの遮音を示す透過損失等級(外壁開口部)だけです。
出典:国土交通省『日本住宅性能表示基準・評価方法基準の概要』
部屋と部屋のあいだの遮音は等級で指定できないため、壁の中身を自分で指定することになります。
4-2.壁の厚さと中身を指定する
間取りづくりで指定することは2つです。
- 間仕切り壁の中に吸音材を充填する
- 石膏ボードを両面2枚張りにする
- 壁を天井裏まで立ち上げる
吸音材が入っていない壁や、石膏ボード1枚張りが標準という会社もあるため、これらは事前に確認しましょう。
なお、寝室の壁を四方とも防音仕様にする必要はありません。
隣室と接する壁、廊下と接する壁に絞れば、費用を抑えられます。
4-3.すき間をふさぐ
壁をどれだけ厚くしても、空気の通り道があればそこから音は入ります。
引き戸はレールと戸袋のすき間から音が漏れるため、寝室は開き戸にして、気密パッキン付きの建具を選びましょう。
ただし、扉の下端のすき間を給気の経路にしている場合、そこをふさぐと24時間換気が成立しません。
別に給気口を設ける必要があるので、建具と換気はセットで相談してください。
5.【間取り図で見る】夜勤のある家の実例2選
ここまでの考え方が、実際の間取りでどう形になるのかを見ていきましょう。
- 中庭で寝室を外から離した39坪の平屋
- 道路と反対側の1階に寝室を置いた29坪の家
それぞれ紹介します。
5-1.中庭で寝室を外から離した39坪の平屋

39坪4LDKの平屋で、土地は100坪から110坪、北道路の敷地です。
不規則な時間帯で働くご主人が、日中もゆっくり休めるように。そんな要望から生まれた家です。
この家の中心には中庭があり、寝室と生活の場が中庭を挟んで離れています。
しかも平屋なので、上階の足音はそもそもありません。
夜勤明けにゆっくり休めることを狙った計画で、夫婦の寝室も分けています。
ただし土地が100坪規模である点は、前提として押さえておきたいところです。
5-2.道路と反対側の1階に寝室を置いた29坪の家

こちらは29坪3LDKの3階建てで、土地は18坪の狭小地、北道路です。
夜勤のあるご主人が昼間に眠るため、寝室は静かな場所に。それがこの家の要望でした。
この家では、リビングを2階に置き、寝室を1階に下ろしました。
玄関から寝室までが短いため、夜勤明けに帰宅してそのまま眠れます。
夜勤明けにすぐ休める1階の寝室と、隣家が近くても吹抜を2つ設けて光を採り込む工夫が組み合わさっています。
18坪の狭小地でも成立しており、土地が広くなくても組み立てられることが分かります。
なお、この家は洗面所が主寝室と隣接しているため、水音への配慮は別途必要になります。
ここまでの代表例から、
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6.家族を起こさない間取りのポイント

音を立てないよう気をつかう側の負担も、間取りで軽減できます。
具体的なポイントは以下のとおりです。
- 寝室の前を通らない配置にする
- 寝室に用事をつくらない
寝室の前を通らない配置と、寝室に入らずに済む配置の2つを見ていきましょう。
6-1.寝室の前を通らない配置にする
家族の一日の動きのなかで、寝室の扉の前を何回通るかを考えてみましょう。
回数が多いようなら、寝室を廊下の突き当たりに置き、通り抜けの経路から外すのが無難です。
また、子ども部屋や階段と寝室を並べると、行き来のたびに音が伝わってきます。
なるべく寝室は独立した場所に設けることで、家族の気づかいも減らせます。
6-2.寝室に用事をつくらない
もうひとつの考え方が、寝室そのものに用事をつくらないことです。
たとえば、室内のクローゼットに衣服をしまっている場合、着替えのたびに寝室の扉を開けることになります。
夜勤で働く方の身支度に必要なもの、たとえば制服や靴、鞄、弁当箱は、寝室ではなく玄関まわりにまとめておくとよいでしょう。
帰宅してすぐシャワーを浴びる生活なら、玄関、洗面脱衣室、寝室の順に並べることでスムーズな動線になります。
7.生活時間がずれる家族との暮らし方

生活環境を分けるのは効率的ですが、極端になると家族とのコミュニケーションが減ってしまいます。
ここからは生活時間がずれる家族との暮らし方のポイントを見ていきましょう。
7-1.寝室を分けるかどうかを決める
判断の基準になるのは、夫婦の睡眠時間が重なるかどうかです。
重ならないなら、入れ替わりでベッドに入る形になるため、同じ寝室のままでも成立します。
一方、一部だけ重なる場合は、目覚まし時計や身支度の音で毎回相手を起こすことになるでしょう。
小さなお子さんがいるご家庭では、どちらの寝室で一緒に眠るかもあわせて決めておきましょう。
夜勤のない側の寝室に子どもの寝る場所をつくることで、生活を切り分けられます。
7-2.顔を合わせる場所をつくる
寝る場所を分けても、家族が自然に顔を合わせる場所は残しておきたいところです。
夜勤のある暮らしでは、子どもと過ごす時間も削られがちです。
食事の時間が合わなくても、同じテーブルを使う形にしておくと、置き手紙や作り置きのやり取りが残ります。
ダイニングのそばにカウンターや小さな掲示板を設けて、伝言や予定を共有できるようにするのもよいでしょう。
学校の予定や持ち物をそこに貼っておけば、起きている時間がずれていても子どもの様子が分かります。
生活時間がずれること自体は変えられません。
だからこそ、顔を合わせる場所を用意しておきましょう。
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まとめ
この記事のポイントを整理すると、次のとおりです。
- 寝室は道路と隣家、水回りと階段から離し、あいだに収納を挟む
- 光は窓の向きと大きさ、カーテンボックス、シャッターの3段階で止める
- 一戸建てで等級を選べるのは窓の遮音まで。部屋どうしの遮音は仕様で指定する
- 寝室の前を通らない動線にし、寝室に用事をつくらない
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