本棚のある家をつくるには?置き場所の選び方と造作本棚の寸法

本が好きな人の中には、「本に囲まれて生活したい」と考えている方も多いのではないでしょうか。

その際に特に重要なのが「本棚」です。

本棚を置く場所によっては、生活動線を邪魔したり、日当たりや湿気によって本が傷んだりすることもあります。

また、現在持っている本だけでなく、これから増える分まで考えておかないと、家を建ててから収納が足りなくなることもあるでしょう。

新築であれば、壁一面の造作本棚や家族で使えるライブラリースペースなど、暮らしに合わせた本棚を計画できます。

この記事では、本棚の置き場所や造作本棚の寸法、安全性、費用の考え方について解説します。

この記事を読んだらわかること!

  • 本棚をつくる前に決めておきたいこと
  • 本棚に向く場所と造作本棚の寸法の決め方
  • 本棚のある家の間取り事例
  • 本を傷めない置き方と、重さや固定への備え
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本棚のある家に関するよくある質問

ここからは、本棚のある家に関するよくある質問に回答します。

実際の建築ユーザーへのアンケート結果から、よくある質問の回答をまとめました。

Q
本棚の奥行は何cmあればいいですか?
A

必要な奥行は、本の種類によって変わります。
文庫やコミックなら12cmから14cm、一般的な単行本なら16cm、雑誌や画集まで入れるなら20cm以上が目安です。
手持ちの本を測ってから、収納する本に合わせて設計すると無駄がありません。

Q
本棚は造作と置き家具のどちらがいいですか?
A

どちらにもメリットがあります。
造作本棚は、壁の幅や高さを無駄なく使えるのが特徴です。
一方、置き家具なら、暮らし方が変わったときに移動や買い替えがしやすくなります。
長くその場所で使う予定なら造作、将来的な変更を重視するなら置き家具というように、優先したい条件で選びましょう。

Q
リビングに本棚を置くと散らかって見えませんか?
A

本の種類や並べ方によっては、生活感が出ることがあります。
すっきり見せたいなら、扉付き収納を取り入れたり、本以外のものを混ぜすぎないようにしたりするとよいでしょう。
一部を飾り棚として使い、見せる収納と隠す収納を分ける方法もあります。

Q
本にカビが生えないようにするには?
A

湿気をためないことが大切です。
室内を適切に換気し、本棚を詰め込みすぎないようにしましょう。
特に湿気がたまりやすい場所では、本棚を壁に密着させないなどの工夫も検討してください。

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1.本棚のある家をつくる前に決めること

本棚のある家をつくる前に決めること

本棚を設計する前に、収納する本の量や読む場所を整理しておきましょう。

量と読む場所が決まると、必要な壁の広さも見えてきます。

1-1.今ある本の量を数える

まずは現在持っている本の量を確認します。

単行本や文庫本、漫画、雑誌など、本によって大きさが異なるため、冊数だけでなく種類も確認しておくと便利です。

本棚の長さを決めるときも、現在の冊数を基準にすると必要な収納量をイメージしやすくなります。

段ボールに詰めたままだと量が見えにくいので、箱の数から見当をつけるだけでも構いません。

一冊ずつ正確に数えなくても、おおよその冊数が分かれば必要な棚の長さは見えてきます。

1-2.これから増える分を見込む

本は少しずつ増えていくため、現在の量だけで本棚を設計するのは避けましょう。

たとえば月に5冊買う方なら、1年で60冊分の場所が増えます。

単行本の背幅を2cmとすると、60冊で120cm。幅90cmの棚板なら、1年で1段と少し埋まる計算です。

購入する頻度や家族が増える可能性なども考えて、ある程度の余裕を持たせておくことが大切です。

棚をすべて本で埋めるのではなく、空きスペースを残しておくと後から買い足しやすくなります。

当面は雑貨や写真立てを置いておき、本が増えたら少しずつ移していく使い方もできます。

1-3.造作にするか置き家具にするかを選ぶ

本棚には、壁に合わせてつくる造作本棚と、入居後に購入する置き家具があります。

造作本棚は、壁の幅や高さを無駄なく使えるのがメリットです。

一方、置き家具なら、将来的に場所を変えたり買い替えたりしやすくなります。

動かしたくない大きな面だけを造作にして、残りを置き家具で補うという組み合わせも便利です。

打ち合わせが本格的に始まる前に、どちらを軸にするかだけでも考えておくと話が進めやすくなります。

1-4.本を読む場所を先に決める

本を収納する場所だけでなく、読む場所も考えておきましょう。

リビングで読むならリビングの近くに本棚を置くと便利です。

静かに読書をしたいなら、書斎や寝室の近くに本棚をまとめる方法もあります。

本を「しまう場所」と「読む場所」の動線が短いほど、日常的に使いやすくなります。

よく開く本は過ごす場所の近くに、あまり開かない本は少し離れた場所に、と分けて置くのもおすすめです。

2.本棚に向く3つの場所

本棚は、家のさまざまな場所に設置できます。

どこに置くかは、本を読む頻度や家族の使い方に合わせて考えましょう。

2-1.リビング

家族みんなで本を読むなら、リビングに本棚を設ける方法がおすすめです。

いつでも手に取りやすく、子どもが自然に本に触れる環境もつくれます。

壁面を使った造作本棚なら、家具を増やさずに収納スペースを確保できます。

一部だけ扉や布で隠せるようにしておくと、見せたい本と隠したい本を分けられて便利です。

2-2.書斎や寝室

一人で読書を楽しみたい場合は、書斎や寝室に本棚を置く方法があります。

仕事や勉強に使う本と一緒に収納できるため、用途ごとに整理しやすいのもメリットです。

寝室に置く場合は、ベッドから手の届く位置に本棚を設けると、就寝前の読書にも使いやすくなります。

ただし、就寝中に本が落ちてこないよう、ベッドの頭側は避けて配置しましょう。

2-3.廊下と階段まわり

廊下や階段まわりの壁も、本棚として活用できます。

人が通る場所なので、奥行きを取りすぎず、通路幅を確保することが重要です。

デッドスペースになりやすい場所を収納として使えるため、居室を狭くせずに本棚を増やせます。

階段の踊り場や階段に沿った壁なら、まとまった量を置ける場所になります。

扉で仕切られていないぶんほこりがたまりやすいので、掃除のしやすさも考えておきましょう。

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3.【間取り図で見る】本棚のある家の実例3選

ここからは、本棚を暮らしの中に取り入れた家の間取り例を紹介します。

延床の広さによって取れる形は変わるため、近い条件のものを探してみてください。

3-1.書斎の壁一面を本棚にした28坪の家

書斎の壁一面を本棚にした28坪の家

書斎の壁一面を本棚にした間取りです。

壁の一面を本棚に充てることで、限られたスペースでも多くの本を収納可能にしています。

デスクと本棚を同じ部屋にまとめれば、仕事や読書に必要なものを一か所に集められます。

また、本棚の一部を飾り棚として使うなど、収納とインテリアを兼ねることも可能です。

3-2.2階をライブラリーにした37坪の家

2階をライブラリーにした37坪の家

ホールなどの共有部分をライブラリー(リーディング)スペースとして活用した間取りです。

家族それぞれの本をまとめて収納でき、読書スペースもつくりやすくなります。

各部屋からアクセスしやすい場所に本棚を設ければ、家族全員が使いやすい空間になります。

ただし廊下を兼ねる場所でもあるため、通り抜けに必要な幅を残して奥行を決めましょう。

3-3.図書館のような本棚を設けた45坪の家

図書館のような本棚を設けた45坪の家

2階部分に図書館のような空間を設けた間取りです。

大量の本を持っている場合は、本棚そのものを家のデザインの一部として考える方法もあります。

壁面をまとまって本棚に充てることで、図書館のような空間をつくれます。

ただし、本を大量に収納すると重量も大きくなるため、床や壁の強度についても事前に確認しておくことが重要です。

判型ごとに棚の段の高さを変えておけば、画集や大判の本もそのまま立てて並べられます。

ここまでの代表例から、
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4.造作本棚の寸法の決め方

造作本棚の寸法の決め方

造作本棚をつくる場合は、見た目だけでなく収納する本に合わせて寸法を決めましょう。

奥行、棚板、高さの3つが決まれば、あとはどこに設置するかを決めるだけです。

4-1.奥行を本のサイズに合わせる

本棚の奥行は、本のサイズに合わせて決めるのが基本です。

文庫本と大型本では必要な奥行が異なります。

棚をすべて深くすると、奥のスペースが無駄になりやすいため、収納する本に合わせて棚ごとに奥行を変える方法もあります。

なお、廊下や階段まわりのように人が通る場所では、壁からの出っ張りを抑えた浅い棚にとどめておきましょう。

4-2.棚板の長さと厚みを決める

棚板は長くするほど、載せる本の総重量も大きくなります。

特に大量の本を収納する場合は、棚板がたわまないよう、長さや厚み、補強方法を検討しましょう。

見た目だけで決めず、どれくらいの本を載せるのかを伝えて設計してもらうことが大切です。

途中に仕切りの板を入れて一枚あたりの長さを短く区切ると、たわみを抑えながら判型も分けられます。

また、棚板を可動式にしておけば、本の入れ替えに合わせて段の高さを変えられます。

4-3.高さを手の届く範囲に収める

天井まで本棚にすると収納量を増やせますが、高い位置の本は取り出しにくくなります。

普段よく読む本は手の届きやすい高さに置き、使用頻度の低い本を上部に収納すると使いやすくなります。

必要に応じて踏み台を置けるスペースも確保しておきましょう。

なお、手の届かない上部は、扉付きの収納として使い分ける方法もあります。

しゃがまないと届かない下段は、重い本や大判の本の定位置にしておくと便利です。

5.本を傷めない置き方

本は光や湿気の影響を受けやすいため、本棚の位置にも注意が必要です。

日差しと結露、そして湿気への対策が求められます。

5-1.直射日光の当たらない向きに置く

直射日光が当たる場所では、本の表紙やページが変色することがあります。

大きな窓のすぐ近くに本棚を設ける場合は、カーテンなどで日差しを調整できるようにしておくと安心です。

本を長く保管したいなら、できるだけ直射日光を避けられる場所を選びましょう。

大切に残したい本だけ扉の内側にしまっておく、という分け方もできます。

5-2.湿気がこもらないようにする

外壁に面した壁は、室内と外気の温度差によって結露が発生する可能性があります。

本棚を外壁側に設置する場合は、壁と本棚の間に適切な空間を確保するなど、湿気がこもらないように配慮しましょう。

可能であれば、間仕切りの壁側に本棚を置くほうが安心です。

なお、カビは湿度が恒常的に65%を超えると、発生する確率が高くなります。

出典:国立国会図書館『温湿度管理』

換気はもちろんのことながら、収納スペースを詰め込みすぎず、適度に余裕を残しておくことも大切です。

また、棚の最下段を床から少し浮かせておくと、床からの湿気を受けにくくなります。

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6.本棚を安全に置くための備え

大量の本を収納すると、本棚そのものだけでなく床や壁にも大きな負荷がかかります。

安全対策も忘れずに行いましょう。

6-1.床が支えられる重さを確かめる

本は、一冊ずつは軽くても大量に集まるとかなりの重量になります。

床を構造計算するときの値は、部屋の種類ごとに決められています。

住宅の居室は1平方メートルあたり1,800ニュートン(約180kg)です。

出典:e-Gov法令検索『建築基準法施行令 第85条』

これは構造計算に使う値で、この重さまで置いてよいという上限ではありません。

ただ、住宅の床は書庫ほどの重さを前提にしていません。

特に壁一面の本棚をつくる場合は、本棚と本を合わせた重量を想定して、床への負荷を住宅会社に確認しておきましょう。

6-2.本棚を壁の下地に固定する

地震などで本棚が転倒しないよう、しっかり固定することも重要です。

造作本棚なら、設計段階から壁の下地や固定方法を計画できます。

置き家具を使用する場合も、転倒防止対策を施しましょう。

具体的には、L型金具で壁に留める方法です。

ただし石膏ボードだけではネジが抜けてしまうため、置く予定の壁には下地を入れておいてほしいと伝えておきましょう。

また、棚の前面に細いバーを渡しておくと、揺れたときに本が飛び出しにくくなります。

7.本棚にかかる費用の考え方

本棚は、どこまで造作するかによって費用が変わります。

造作する範囲を決めて、必要な分に留めておきましょう。

7-1.造作と置き家具で費用を比べる

造作本棚は、部屋に合わせてつくれますが、置き家具より費用が高くなる傾向にあります。

一方、置き家具なら、商品を選んで後から追加できるため、初期費用を抑えやすくなります。

家づくりでは、見た目と使いやすさ、将来の変更のしやすさまで含めて比較しましょう。

なお、置き家具は壁とのすき間ができたり、地震に備えた対策が別途必要になったりする点に注意が必要です。

7-2.造作にする範囲を絞る

本棚をすべて造作する必要はありません。

壁一面の本棚など、新築時にしかつくりにくい部分だけを造作にして、その他は置き家具にする方法もあります。

限られた予算の中でこだわりたい場所を明確にすると、費用をコントロールしやすくなります。

扉や引き出しを付けると費用は上がるため、まずは棚板だけの構成にしておくのも一つの方法です。

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まとめ

本棚のある家をつくるなら、以下のポイントを押さえておきましょう。

  • 今ある本の量と、これから増える分を確認する
  • リビングや書斎、廊下など家のスペースを有効活用する
  • 造作本棚は本のサイズに合わせて奥行や高さを決める
  • 大量の本を収納する場合は棚板や床の強度も確認する
  • 直射日光や湿気を避け、本を傷めにくい場所に設置する
  • 後から変えにくい部分だけ造作にして、置き家具と使い分ける

本棚のある家では、単に収納量を増やすだけでなく、「本を読む場所」と「本をしまう場所」の使いやすさまで考えることが大切です。

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この記事の編集者

「家づくりのとびら」編集部

NTTデータグループ会社が運営する注文住宅相談サービス「家づくりのとびら」編集部です。難しい住まいづくりの情報を、わかりやすく正確にお伝えします。記事は不動産鑑定士や宅地建物取引士などの不動産専門家による執筆、監修記事がメイン。初めての住まいづくりをサポートします!

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