中庭のある家で後悔する理由とは?失敗しないためのポイントを解説

中庭のある家(コートハウス)は、採光・通風の良さやプライバシーを守りながら屋外空間を楽しめる点が魅力で、多くの人が憧れる住宅スタイルです。

しかし、実際に建てた後に後悔する声も少なくありません。

この記事では、中庭のある家で後悔しやすいポイントを10項目に整理して解説するとともに、後悔しないための設計・間取りのポイントも詳しく紹介します。

中庭のある家を検討している方は、後悔のない家づくりをするための判断材料として参考にしてください。

この記事を読んだらわかること!

  • 中庭のある家の魅力・メリット
  • 中庭のある家で後悔する理由・デメリット10選(各項目の対策つき)
  • ロの字・コの字・L字の形状別の特徴と比較
  • 後悔しないための設計・間取りのポイント4選
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1.中庭のある家の魅力

はじめに、中庭のある家が多くの人に選ばれる理由を整理しておきましょう。

  • 採光・通風が向上する
  • プライバシーを守りながら屋外空間を楽しめる
  • 開放的なリビング空間を実現できる

後悔ポイントを確認する前に、メリットを正確に把握することで、自分の生活スタイルに合っているかどうかを判断しやすくなります。

1-1.採光・通風が向上する

中庭のある家のメリットのひとつが、採光・通風の大幅な向上です。

建物の中央に中庭を設けることで、北側の部屋や廊下など、通常は自然光が届きにくい場所にも光が入るようになります。

特に都市部の住宅では、隣家との距離が近く、南側の窓からの採光だけでは十分な明るさを確保できないケースが多くあります。

中庭を設けることで、建物の四方から自然光を取り込める構造になるため、隣家が近い環境でも明るく開放的な室内を実現可能です。
通風の面でも、中庭を通じた自然換気の効果が期待できます。

中庭を挟んで対面する窓を開けることで、風が建物全体を通り抜けるため、夏季の熱気を効率よく排出でき、エアコンへの依存を減らし、光熱費の削減にもつながります。

1-2.プライバシーを守りながら屋外空間を楽しめる

中庭のある家の大きな魅力として、道路や隣家からの視線を遮りながら屋外空間を楽しめる点が挙げられます。

一般的な庭は道路側や隣家側に面しているため、外からの視線が気になり、自由に使いにくいという課題があります。

中庭は建物に囲まれた屋外空間のため、外部からの視線が届きません。

子どもが安全に遊べる空間として、また洗濯物干し・ガーデニング・BBQなどを外からの視線を気にせず楽しめる空間として活用できます。

特に小さな子どものいる家庭では、「目の届く範囲で子どもを外遊びさせたい」というニーズに応える空間として高く評価されています。

1-3.開放的なリビング空間を実現できる

中庭の魅力はリビングをガラス窓・折れ戸・スライドドアでつなぐことで、室内と屋外の境界を曖昧にした開放的な空間が生まる点です。

天気の良い日には扉を全開にすることで、リビングが中庭まで広がるような感覚を味わえます。

このような設計コンセプトは「コートハウス(中庭型住宅)」と呼ばれ、建築家・設計事務所が手がける住宅でも多く採用されています。

「家の中にいながら外の空気を感じられる」という体験は、一般的な住宅では得られない中庭ならではの魅力です。

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2.中庭のある家で後悔する理由・デメリット10選

中庭のある家の魅力は大きいですが、設計・施工・日常生活上の課題もあります。

ここからは、後悔しやすいポイントを10項目を見ていきましょう。

この記事を読んだらわかること!

  • 建築費が一般住宅より高くなる
  • 断熱性が低下し光熱費が高くなる
  • メンテナンス・掃除の手間がかかる
  • 虫が発生しやすい
  • 排水・湿気の問題が起きやすい
  • 生活動線が長くなり不便
  • 中庭を活用しきれず持て余す
  • 室内が窮屈に感じる
  • 雪の処理・積雪が問題になる(寒冷地)
  • 隣家・飲食店からの臭いがこもる

各項目には対策も合わせて記載しているので、設計時の参考にしてください。

2-1.建築費が一般住宅より高くなる

中庭のある家で多く聞かれる後悔が、建築費の高さです。

中庭を設けることで外壁面積・窓面積が増加するため、同じ延床面積の一般住宅と比べて建築費が高くなるのが一般的です。

たとえば、延床面積30坪の家に中庭(5坪程度)を設けた場合、実質的な居住面積は25坪程度になります。

つまり、25坪の家と同等の居住スペースを確保するために、30坪分の建築費を支払うことになります。

さらに、中庭に面する外壁・窓の増加分が上乗せされるため、コスト増加は避けられません。

対策としては、 建物の形状をできるだけシンプルにする、中庭の面積を必要最小限に抑える、コの字型やL字型でロの字型より安価な形状を選ぶ、といった方法があります。

2-2.断熱性が低下し光熱費が高くなる

中庭に面する窓面積が増えることで、熱損失が大きくなり断熱性能が低下します。

窓は壁と比べて断熱性能が低いため、窓面積が多いほど冬季の暖房費・夏季の冷房費が増加してしまうのです。

特に冬季は中庭から冷気が室内に流れ込みやすく、「中庭に面したリビングが寒い」という後悔の声もあります。

夏季も中庭からの日射が室内に入り込むと、冷房効率が低下します。

対策としては、 中庭に面する窓にはLow-E複層ガラス・断熱サッシを採用することがおすすめです。

また、夏の日射遮蔽(軒・庇・ルーバーの設置)と冬の日射取得のバランスを設計段階で検討することで、光熱費の増加を抑えられます。

2-3.メンテナンス・掃除の手間がかかる

中庭は屋外空間のため、落ち葉・砂埃・雨水が溜まりやすく、定期的な清掃が必要です。

特に植栽を設けた中庭では、秋の落ち葉掃除が大きな手間になります。

また、中庭に設置したウッドデッキは、数年ごとの塗装・防腐処理が必要です。

天然木のウッドデッキは美観を保つために定期的なメンテナンスが欠かせず、怠ると腐食・変色が進みます。

「おしゃれなウッドデッキを設置したが、メンテナンスが大変で後悔した」という声は珍しくありません。

対策としては、中庭の床材にはメンテナンスフリーの素材(タイル・コンクリート・人工木材)を選ぶことで、清掃・メンテナンスの手間を大幅に軽減できます。

植栽は落葉樹を避け、常緑樹や低メンテナンスの植物を選ぶことも有効です。

2-4.虫が発生しやすい

植栽・水はけの悪い中庭は、虫(蚊・ムカデ・ゴキブリなど)の発生源になりやすいという問題があります。

特に夏季は蚊の発生が多く、中庭に面した窓を開けると室内に虫が入り込むリスクがあります。

「中庭が気持ちよくて窓を開けたいのに、虫が入ってくるので開けられない」場合もあるでしょう。

また、中庭の植栽が多いほど、また排水が滞留しやすいほど、虫の発生リスクは高まります。

対策としては、水はけの良い排水計画・防虫効果のある植栽の選定(ハーブ類など)、中庭に面する窓への網戸設置、定期的な防虫処理が有効です。

中庭の照明には虫を引き寄せにくいLED照明(電球色)を選ぶことも効果的です。

2-5.排水・湿気の問題が起きやすい

中庭は囲まれた空間のため、雨水が溜まりやすく、排水計画が不十分だと湿気・カビの原因になります。

特に「ロの字型」の中庭は四方を建物に囲まれているため、排水口が詰まると水が溜まりやすい構造です。

排水不良が続くと、中庭の床材の劣化・カビの発生・建物基礎への水の浸入といった問題に発展する可能性があります。

対策としては、適切な排水勾配の確保、複数の排水口設置、定期的な排水口の清掃が挙げられます。

設計段階で排水計画を図面に明示し、施工会社と十分に確認することが必要です。

2-6.生活動線が長くなり不便

中庭を囲む形の間取りでは、各部屋への移動距離が長くなるという問題があります。

特に「ロの字型」では、建物の反対側の部屋に行くために中庭を迂回する必要があり、日常的な移動が不便です。

「リビングからトイレに行くだけで廊下を長く歩かなければならない」「子ども部屋から台所まで遠い」といった動線の不便さは、毎日の生活で積み重なるストレスになるでしょう。

特に高齢になってからの生活を考えると、長い動線は大きな課題です。

対策としては、中庭を通り抜けられる動線の設計にする、コの字型やL字型で動線を短縮する、廊下を最小限にしてリビングを動線の中心に配置する、といった方法があります。

2-7.中庭を活用しきれず持て余す

「使うつもりだったのに実際はほとんど使わない」という後悔も多いです。

設計時には「毎日中庭でコーヒーを飲む」「子どもと庭で遊ぶ」とイメージしていても、実際の生活では中庭を使う頻度が想定より低くなることもあるでしょう。

特に、子どもが成長して外遊びをしなくなった後・共働きで帰宅が遅い生活スタイルの場合・高齢になって外に出るのが億劫になった場合など、ライフステージの変化に伴い中庭の活用頻度が下がることがあります。

対策としては、「何のために中庭を作るのか」を家族で具体的に話し合い、活用シーンを明確化してから設計に入ることが重要です。

また、将来の用途変更(サンルームへの改修など)を想定した設計にしておくことも有効です。

2-8.室内が窮屈に感じる

中庭を設けることで居住面積が減少し、延床面積の割に部屋が狭くなる・部屋数が少なくなるという問題が生じます。

「坪数の割に部屋が少ない」「各部屋が思ったより狭い」という後悔は、設計段階で居住面積と中庭面積のバランスを十分に検討しなかった場合に起きやすい問題です。

対策としては、必要な居住面積(部屋数・各部屋の広さ)を先に確定させてから、残りの面積で中庭の大きさを決めるという順序で設計を進めることが重要です。

中庭ありきで設計を始めると、居住面積が不足しやすくなります。

2-9.雪の処理・積雪が問題になる(寒冷地)

寒冷地では、中庭に積雪が溜まり、除雪・排雪の手間が大きな負担になります。

特に「ロの字型」の中庭は四方を建物に囲まれているため、積雪が溜まりやすく、除雪した雪の置き場所にも困ります。

また、積雪による排水口の詰まり・凍結は、排水不良や建物への水の浸入リスクを高める点に注意が必要です。

そのため、寒冷地では中庭の採用を慎重に検討しましょう。

採用する場合は、コの字型やL字型で雪の逃げ場を確保する・排水口を多めに設置して凍結対策を施す・屋根付きの中庭(テラス)にするといった対策が有効です。

2-10.隣家・飲食店からの臭いがこもる

中庭は囲まれた空間のため、隣家や周辺施設からの臭い(調理臭・タバコ臭・ペット臭など)が滞留しやすいという問題があります。

一般的な庭であれば風で臭いが拡散しますが、中庭は囲まれているため臭いが抜けにくい構造です。

対策としては、土地購入前に周辺環境(飲食店・工場・農地など臭いの発生源)を確認することが重要です。

また、中庭の換気計画を工夫し、臭いが滞留しにくい空気の流れを設計段階から検討することも有効です。

3.中庭の形状別(ロの字・コの字・L字)の特徴と比較

中庭のある家の間取りは、主に「ロの字型」「コの字型」「L字型」の3種類に分類されます。

中庭の形状別(ロの字・コの字・L字)の特徴と比較

それぞれの特徴・メリット・デメリットを比較して、自分の土地・ライフスタイルに合った形状を選びましょう。

形状特徴メリットデメリット向いている土地の目安
ロの字型建物が中庭を四方から囲む完全閉鎖型プライバシー最高・採光・通風が最大化建築費最高・動線最長・排水・湿気・積雪問題が起きやすい50坪以上化
コの字型建物がコの字形で中庭の一面が開放採光・通風良好・動線が短め・建築費がロの字より安い一面が開放のためプライバシーがやや低下40坪以上化
L字型建物がL字形で中庭の二面が開放建築費が比較的安い・動線が短い・狭い土地でも対応可能プライバシー確保が難しい・採光・通風の効果がやや限定的30坪以上化

3形状のなかで最もバランスが良いとされるのはコの字型です。

ロの字型のようにプライバシーを完全に確保することはできませんが、建築費・動線・排水・採光のバランスが取れており、多くの実例で採用されています。

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4.後悔しないための設計・間取りのポイント

中庭のある家で後悔しないためには、設計段階から意識すべきポイントがあります。

  • 中庭の用途・活用シーンを先に決める
  • 断熱・窓計画を重視する
  • 排水計画を設計段階から組み込む
  • 中庭に実績のあるハウスメーカー・工務店に依頼する

それぞれ詳しく見ていきましょう。

4-1.中庭の用途・活用シーンを先に決める

後悔しないための最初のステップは、「何のために中庭を作るのか」を家族全員で明確化してから設計に入ることです。

「なんとなくおしゃれだから」という理由だけで中庭を設けると、実際の生活で使わない空間になりやすくなります。

活用シーンを具体的に決めることで、中庭に必要な面積・素材・設備が明確になります。

たとえば、子どもの遊び場として使うなら芝生・砂場・フェンスが必要です。

ガーデニングを楽しむなら植栽スペース・水道・日当たりの確保が重要ですし、BBQや食事を楽しむならウッドデッキ・照明・コンセントが必要です。

また、子どもの成長・高齢化などライフステージの変化を見越して、将来の用途変更(サンルームへの改修・テラスへの転用など)を想定した設計にしておきましょう。

4-2.断熱・窓計画を重視する

中庭のある家で光熱費の増加を防ぐためには、断熱・窓計画を設計段階から重視することが大切です。

中庭に面する窓面積が多くなるほど熱損失が増えるため、窓の性能選択が光熱費に直結します。

中庭に面する窓には、Low-E複層ガラス(低放射複層ガラス)や断熱サッシ(樹脂サッシ・アルミ樹脂複合サッシ)を採用するのがおすすめです。

一般的なアルミサッシ・単板ガラスと比べて断熱性能が大幅に向上し、冬季の暖房費・夏季の冷房費の増加を抑えられます。

また、夏の日射遮蔽(軒・庇・ルーバーの設置)と冬の日射取得のバランスを設計段階で検討することも重要です。

中庭の方位・形状に応じて、日当たりのシミュレーションをしましょう。

4-3.排水計画を設計段階から組み込む

中庭の排水計画は、設計段階から図面に明示して施工会社と確認することが重要です。

具体的には、適切な排水勾配の確保、複数の排水口の設置、排水管の経路を確認しましょう。

特にロの字型の中庭では、雨水が逃げ場を失いやすいため、排水口を複数設置し、詰まった場合のバックアップを確保しておくことが大切です。

また、排水口の清掃がしやすい位置・構造にしておくことも、長期的なメンテナンスを考えると重要なポイントです。

4-4.中庭に実績のあるハウスメーカー・工務店に依頼する

中庭のある家は、一般的な住宅と比べて設計・施工の難易度が高い住宅です。

排水計画・断熱計画・構造計画など、中庭特有の設計課題に対応した経験と知識が必要です。

施工実績が少ない会社に依頼すると、排水不良・断熱不足・構造上の問題などが発生するリスクが高まります。

依頼先を選ぶ際は、中庭のある家の施工実績を確認する、完成見学会や施工事例写真を確認する、実際に中庭のある家に住んでいるOB施主の声を聞くといった方法で、実績と信頼性を確認しましょう。

5.よくある質問(FAQ)

ここからは中庭のある家に関するよくある質問に回答します。

5-1.中庭のある家で後悔する理由は何ですか?

代表的な後悔理由は、以下のとおりです。

  • 建築費が高くなる
  • 断熱性低下による光熱費増加
  • メンテナンスの手間
  • 虫の発生
  • 生活動線の不便さ

しかし、設計段階から対策を講じることで大幅に軽減できます。

5-2.中庭のある家は冬寒いですか?

中庭に面する窓面積が増えることで熱損失が大きくなり、断熱性が低下する傾向があります。

Low-E複層ガラス・断熱サッシを採用し、日射取得を考慮した窓計画を立てることで、一般住宅と同等以上の断熱性能を確保することが可能です。

5-3.中庭のある家の固定資産税は高くなりますか?

中庭(屋外空間)は延床面積に算入されないため、固定資産税の直接的な増加にはなりません。

ただし、外壁・窓面積の増加で建築費が上がり、建物評価額が増えることで固定資産税が増加する可能性があります。

5-4.中庭のある家は何坪の土地が必要ですか?

形状によって異なりますが、ロの字型では50坪以上、コの字型では40坪以上、L字型では30坪以上の土地が目安です。

必要な居住面積・中庭面積・駐車スペースを確保するために、土地の形状・方位も重要な要素となります。

5-5.中庭に虫が集まるのを防ぐには?

水はけの良い排水計画・防虫効果のある植栽(ハーブ類など)の選定・中庭に面する窓への網戸設置・定期的な防虫処理が有効です。

照明はLED電球色を選ぶと虫を引き寄せにくくなります。

まとめ

中庭のある家で後悔しやすいポイントと対策、形状別の特徴、設計のポイントを解説しました。

中庭のある家の後悔で多いのは、建築費の高さ・断熱性の低下・メンテナンスの手間・虫の発生・生活動線の不便さの5点です。

いずれも設計段階から対策を講じることで軽減できます。

用途を明確にし、断熱・排水計画を重視したうえで、施工実績のある会社に依頼することが後悔しない家づくりのポイントです。

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この記事の編集者

「家づくりのとびら」編集部

NTTデータグループ会社が運営する注文住宅相談サービス「家づくりのとびら」編集部です。難しい住まいづくりの情報を、わかりやすく正確にお伝えします。記事は不動産鑑定士や宅地建物取引士などの不動産専門家による執筆、監修記事がメイン。初めての住まいづくりをサポートします!

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