- 変更日:
- 2026.04.07

家づくりを検討するなかで「注文住宅はいくらぐらいで建てているの?」「自分の予算や計画は市場平均と比べてどうなの?」といった疑問を持つ方も多いのではないでしょうか。
そんなときに参考になるのが、一般社団法人住宅生産団体連合会(住団連)が実施する「戸建注文住宅の顧客実態調査」です。
「戸建注文住宅の顧客実態調査」は、大手ハウスメーカーで注文住宅を建てた顧客の建築費・世帯年収・延床面積・重視項目・ZEH採用率などを網羅した国内最大規模の調査です。
本記事では、住団連の最新調査データをもとに、注文住宅建築者の平均的な建築費・年収・坪数・重視項目・省エネ住宅の採用率を詳しく解説します。
また、調査データを自分の家づくり計画に活かす方法もご紹介します。
この記事を読んだらわかること!
- 住団連「戸建注文住宅の顧客実態調査」の概要と調査の特徴
- 2024年度の平均建築費・住宅取得費・世帯年収・延床面積の最新データ
- 平均建築費の推移と上昇が続く背景
- 住宅建築時に重視した項目ランキング(最新版)
- ZEH採用率・長期優良住宅採用率・太陽光発電採用率の推移
- 調査データを自分の家づくりに活かす4つの方法
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目次
1.住団連「戸建注文住宅の顧客実態調査」とは
「戸建注文住宅の顧客実態調査」は、一般社団法人住宅生産団体連合会(住団連)が実施している調査です。
住団連は積水ハウス・大和ハウス工業・パナソニックホームズ・セキスイハイムなど、国内大手ハウスメーカーを会員とする業界団体です。
| 調査項目 | 内容 |
|---|---|
| 調査主体 | 一般社団法人 住宅生産団体連合会(住団連) |
| 調査対象 | 住団連会員企業(大手ハウスメーカー)の注文住宅建築者 |
| 調査方法 | 郵送アンケート |
| 調査主体 | 一般社団法人 住宅生産団体連合会(住団連) |
| 調査頻度 | 毎年度実施 |
| 公開先 | 住団連公式ウェブサイト(https://www.judanren.or.jp/ ) |
この調査を活用する際に重要な注意点があります。
調査対象が大手ハウスメーカーの顧客に限定されているため、全国の注文住宅建築者全体の平均と比較すると、建築費・世帯年収が高めに出る傾向があります。
地域工務店やローコストハウスメーカーで建てた場合の平均値は、この調査の数値よりも低くなります。
自分の計画を市場全体と比較したい場合は、住宅金融支援機構の「フラット35利用者調査」(全国の住宅ローン利用者が対象)なども合わせて参照することをおすすめします。
2.2024年度調査の平均顧客像
2024年度調査で明らかになった注文住宅建築者の平均的なプロフィールを確認しましょう。
前年度との比較を通じて、最新のトレンドも把握できます。
| 項目 | 2024年度 | 2023年度 | 前年比 |
|---|---|---|---|
| 平均建築費 | 4,760万円 | 4,566万円 | +194万円(+4.2%) |
| 平均住宅取得費(土地込み) | 7,006万円 | 6,681万円 | 増加 |
| 平均世帯年収 | 1,128万円 | 1,148万円 | 増加 |
| 平均延床面積 | 122.5㎡ | 123.5㎡ | 微減 |
| 世帯主年齢 | 約40歳 | 約40.2歳 | 横ばい |
| ZEH採用率 | 42.4% | 43.8% | 微増 |
出典:一般社団法人 住宅生産団体連合会「2024年度戸建注文住宅の顧客実態調査結果の要約及び考察」
2024年度の調査結果で特に注目すべき点は、建築費が上昇を続ける一方で、延床面積は縮小傾向にあるという点です。
資材費・人件費の高騰により建築費が上昇するなか、予算内に収めるために建物の規模を抑える傾向が強まっていると考えられます。
3.平均建築費・住宅取得費の詳細
注文住宅の建築費は近年急速に上昇しています。
平均建築費・住宅取得費の内訳と、上昇が続く背景を詳しく確認しましょう。
3-1.平均建築費の推移
過去3年間の平均建築費の推移を見ると、上昇トレンドが明確に読み取れます。
| 年度 | 前年比 | 備考 |
|---|---|---|
| 2022年度 | 4,224万円 | ー |
| 2023年度 | 4,566万円 | +342万円 |
| 2024年度 | 4,760万円 | +194万円 |
ウッドショック(2021年〜)は、コロナ禍による北米の木材需要増加と輸送コスト上昇が重なり、木材価格が急騰した現象で、木造住宅の建築費に大きな影響を与えました。
さらに、鉄鋼・コンクリート・断熱材・設備機器など建築資材全体の価格上昇が続いており、加えて建設業界の職人不足や人件費の上昇も施工コストを押し上げています。
加えて、2025年4月からの省エネ基準義務化に伴う高性能仕様の採用も、建築費上昇の要因となっています。
3-2.自己資金・借入金の内訳
建築費の上昇に伴い、自己資金・借入金の規模も拡大しています。
| 項目 | 2024年度 | 2023年度 | 2022年度 |
|---|---|---|---|
| 平均自己資金額 | 2,361万円 | 2,047万円 | 1,915万円 |
| 平均借入金額 | 6,371万円 | 5,859万円 | 5,473万円 |
| 借入金の年収倍率 | 5.65倍 | 5.1倍 | 5.12倍 |
住団連の調査では、自己資金比率は近年やや低下傾向にあります。
建築費の上昇ペースに自己資金の積み上げが追いつかず、借入金額が増加しているためです。
一般的に、住宅ローンの借入額は年収の5〜6倍以内が無理のない目安とされているため、範囲内には収まっていますが、2023年と比べると約0.5倍も上昇しています。
3-3.補助金・減税制度の利用率
住団連の調査では、住宅ローン減税の利用率は81%となっています。
また、各種補助金等が住宅購入を促進させたかどうかも調査されています。
| 項目 | 大きい効果があった |
|---|---|
| 住宅ローン減税 | 60.2% |
| 子育てエコホーム支援事業/子育てグリーン住宅支援事業 | 75.1% |
| 住宅取得資金贈与非課税特例 | 64.1% |
| 投資減税型特別控除 | 31.9% |
| 認定長期優良住宅/認定低炭素住宅に係る登録免許税、不動産取得税、固定資産税の特例措置 | 40.9% |
| 太陽光発電(再生エネルギー買取制度) | 45.4% |
| リチウムイオン蓄電池補助金 | 43.9% |
| ZEH関連補助金 | 48.9% |
調査結果から読み取れるのは、補助金・減税制度が住宅性能選択の大きな動機付けになっているという点です。
ZEH採用率の上昇や長期優良住宅認定率の高さは、補助金・税制優遇の存在が大きく影響しています。
逆に言えば、補助金制度の内容を把握せずに住宅を建てると、受け取れたはずの補助金を逃してしまう可能性があります。
4.平均延床面積・坪数と間取りの傾向
注文住宅の平均的な広さと間取りの傾向を確認しましょう。
自分が計画している坪数が市場平均と比べてどうかを把握するための参考にしてください。
| 年度 | 平均延床面積 | 平均坪数(換算) |
|---|---|---|
| 2022年度 | 123.6㎡ | 約37.3坪 |
| 2023年度 | 123.5㎡ | 約37.3坪 |
| 2024年度 | 122.5㎡ | 約37坪 |
平均延床面積は微減しています。
この背景には、土地代の上昇・建築費の上昇が重なり、予算内に収めるために建物の規模を抑える傾向が強まっていることが考えられます。
近年のトレンドとして注目されるのは、延床面積を抑えながら空間の質を高める設計への関心の高まりです。
大きな家よりも、限られた面積でも開放感・使い勝手・省エネ性能を高めた家づくりを選ぶ傾向が強まっています。
5.住宅建築時に重視した項目ランキング
注文住宅を建てた人が最も重視した項目は何でしょうか。
調査データから読み取れる重視項目のランキングを確認しましょう。
近年のトレンドの変化も合わせて解説します。
10位台所、浴室などの広さ、使いやすさ9.7%微減
| 順位 | 重視した項目 | 回答率(目安) | 前年比トレンド |
|---|---|---|---|
| 1位 | 間取り | 62.6% | 微増 |
| 2位 | 地震時の住宅の安全性 | 48.1% | 微減 |
| 3位 | 住宅の広さ | 37.1% | 微減 |
| 4位 | 住宅の断熱性や気密性 | 32.4% | 減少 |
| 5位 | 収納の多さ、使いやすさ | 24.1% | 減少 |
| 6位 | 住宅の維持管理のしやすさ | 21% | 微増 |
| 7位 | コスト | 14.1% | 微減 |
| 8位 | 家族の集いや交流を促す間取り | 14% | 微減 |
| 9位 | 住宅のいたみの少なさ | 10.3% | 微増 |
「間取り」が1位になっているのは、家族の生活スタイルに直結する要素であるためです。
毎日の暮らしの快適さを左右する間取りは、住宅選びの最優先事項として上位に居続けています。
近年の顕著なトレンドとして、断熱性能・省エネ性能への関心が年々高まっている点が挙げられます。
光熱費の上昇・環境意識の高まり・ZEH補助金の普及などが背景にあり、「性能を重視する家づくり」への移行が数字に表れています。
一方で、「価格・コスト」の順位がやや低下傾向にある点も注目です。
建築費が上昇するなかでも、コストを抑えることよりも性能・機能・快適性を優先する傾向が強まっていることを示しています。
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6.ZEH採用率・長期優良住宅採用率の推移
省エネ性能の高い住宅への関心が高まるなか、ZEH(ゼロ・エネルギー・ハウス)や長期優良住宅の採用率はどのように推移しているでしょうか。
最新データをもとに確認しましょう。
6-1.ZEH採用率の推移
ZEHとは、断熱性能の向上・高効率設備の採用・再生可能エネルギーの活用により、年間の一次エネルギー消費量の収支をゼロ以下にすることを目指した住宅です。
| 年度 | ZEH採用率 | 前年比 |
|---|---|---|
| 2022年度 | 41.5% | ー |
| 2023年度 | 42.4% | +0.9pt |
| 2024年度 | 43.8% | +1.4pt |
ZEH採用率は上昇しており、住団連会員の大手ハウスメーカーでは2人に1人近くがZEHを選ぶ時代になっています。
一方で、ZEHを採用しなかった理由としては「建築費が高くなる」「補助金を使うとスケジュールが変わってしまうから」「あまりメリットを感じなかったから」などが挙げられています。
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6-2.長期優良住宅採用率の推移
長期優良住宅は、耐震性・断熱性・維持管理のしやすさなど複数の基準を満たした住宅として認定される制度です。
| 年度 | 長期優良住宅採用率 | 前年比 |
|---|---|---|
| 2022年度 | 88.6% | ー |
| 2023年度 | 85.7% | -0.9pt |
| 2024年度 | 88.5% | +2.8pt |
長期優良住宅の採用率は、ZEH採用率を上回る水準で推移しています。
採用率が高い主な理由は、住宅ローン減税の借入限度額が4,500万円に拡充されるという税制優遇の存在です。
大手ハウスメーカーでは長期優良住宅の認定取得をほぼ標準的なサービスとして提供しているため、顧客が意識せずに採用しているケースも多くあります。
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6-3.太陽光発電の採用率
太陽光発電の採用率は、ZEH採用率の上昇と連動して増加しています。
| 年度 | 太陽光発電採用率 | 前年比 |
|---|---|---|
| 2022年度 | 77.5% | ー |
| 2023年度 | 85.3% | +7.8pt |
| 2024年度 | 86.2% | +0.9pt |
ZEHの認定要件として太陽光発電の設置が実質的に必要となるケースが多いため、ZEH採用率の上昇に伴い太陽光発電の採用率も増加しています。
また、電気代の高騰を背景に、ZEH以外でも太陽光発電を設置する顧客が増えていることも採用率上昇の要因です。
7.補助金の制度は毎年度変わる点に注意
住団連の調査データを参照する際に特に注意が必要なのが、補助金・減税制度は毎年度内容が変わるという点です。
住宅に関する補助金・減税制度は、国の政策方針・予算・エネルギー政策の変化に応じて毎年度見直されます。たとえば「こどもエコすまい支援事業」は2023年度に実施されましたが、2024年度は「子育てグリーン住宅支援事業」として内容・要件・補助額が変更されました。
| 注意点 | 内容 |
|---|---|
| 制度の終了・変更 | 前年度に存在した補助金が翌年度に廃止・縮小されることがある |
| 予算の上限 | 補助金には年度予算の上限があり、申込み多数の場合は早期終了することがある |
| 要件の変更 | 補助金の対象となる住宅性能基準が年度ごとに変更される場合がある |
| 申請タイミング | 補助金の申請受付期間・着工時期・引渡し時期に条件が設けられている場合がある |
家づくりを計画する際は、その時点で利用できる補助金・減税制度の最新情報をハウスメーカー・工務店や国土交通省・経済産業省の公式サイトで確認することが重要です。
過去の調査データに記載された補助金情報をそのまま参考にすると、現在は利用できない制度を前提に計画を立ててしまうリスクがあります。
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8.調査データを自分の家づくりに活かす方法
顧客実態調査のデータは、単に数値を把握するだけでなく、自分の家づくり計画と照らし合わせて判断材料として活用することが重要です。
特に、予算・優先順位・住宅性能・資金計画の4つの観点で整理すると、活用しやすくなります。
| 活用法 | 内容 | 活用ポイント |
|---|---|---|
| 平均建築費との比較 | 平均と自分の予算を比較 | 仕様や坪数が適正かを判断する基準にする |
| 優先順位の整理 | 間取り→耐震→広さ→住宅性能の順で重視 | 自分の優先順位の抜け漏れチェックに使う |
| 住宅性能の判断 | ZEH43.8%、長期優良住宅約88.5% | 補助金・税制優遇とコストのバランスで判断 |
| 資金計画の目安 | 平均自己資金2,361万円、平均住宅取得費6,371万円、借入金の平均年収倍率5.65倍 | 無理のない借入額・資金配分の基準にする |
ただし、前述のとおり、このデータは大手ハウスメーカーの顧客が中心のため、工務店やローコスト住宅を検討している場合は、相場が異なる点に注意が必要です。
より客観的に判断するためには、住宅金融支援機構の「フラット35利用者調査」など、他のデータも併用しながら比較することが重要です。
9.よくある質問(FAQ)
ここからは注文住宅の顧客実態調査に関するよくある質問に回答します。
9-1.注文住宅の平均建築費はいくらですか?
住団連の2024年度調査によると、注文住宅の平均建築費は4,760万円です。
9-2.注文住宅を建てた人の平均年収はいくらですか?
住団連の2024年度調査によると、注文住宅建築者の平均世帯年収は1,128万円です。
大手ハウスメーカーの顧客データのため、全国の注文住宅建築者の平均より高めの数値となっています。
9-3.注文住宅の平均坪数はどのくらいですか?
住団連の2024年度調査によると、平均延床面積は約37坪(122.5㎡)です。建築費の上昇に伴い、延床面積は縮小傾向にあります。
9-4.注文住宅でZEHを採用している人はどのくらいいますか?
住団連の2024年度調査によると、ZEH採用率は43.8%です。
光熱費削減・補助金活用を動機とした採用増加が続いています。
9-5.住団連の顧客実態調査はどこで見られますか?
住団連(一般社団法人 住宅生産団体連合会)の公式ウェブサイト(https://www.judanren.or.jp/)で毎年度の調査報告書が公開されています。
まとめ
住団連「2024年度 戸建注文住宅の顧客実態調査」の主要データを解説しました。最後に本記事のポイントをおさらいします。
| ポイント |
|---|
| 2024年度の平均建築費は4,760万円、住宅取得費は7,006万円。建築費の上昇トレンドが継続している |
| 平均世帯年収は1,128万円、平均延床面積は約37坪(122.5㎡)。建築費上昇に伴い延床面積は縮小傾向にあり、「より小さく、より高性能な家」へのシフトが進んでいる |
| 住宅建築時に最も重視した項目は「間取り」(1位)。断熱性能・省エネ性能への関心が年々高まっており、性能重視の家づくりへの移行が続いている。 |
| ZEH採用率は43.8%、長期優良住宅採用率は約88.5%。補助金・減税制度が性能選択の大きな動機付けになっているが、補助金制度は毎年度変わる点に注意が必要。 |
| 住団連の調査は大手ハウスメーカーの顧客が対象のため、全国平均より建築費・年収が高めに出る傾向がある。工務店・ローコストメーカーを検討している場合は、住宅金融支援機構「フラット35利用者調査」も合わせて参照するのがおすすめ。 |
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