「ZEH」とは?貰える補助金や建てるメリット・デメリット等を解説|他の省エネ住宅との違いや建築費用相場も併せて紹介

本記事では、「ZEH」の家づくりを検討し始めている方向けに、「ZEH」とはどんな住宅かについて、一般的に皆が知りたいと思う要点を網羅的に、分かりやすく解説しています。

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注文住宅の住宅商品について、種類や特徴、注意点、選び方について知りたい方はこちらの記事もご覧ください。

1.ZEHと補助金について

図 ZEHの概念

ZEH(ゼッチ)とは、「家でのエネルギー消費量を正味ゼロにする」ことを目的とした住宅です。

「Net Zero Energy House(ネット・ゼロ・エネルギー・ハウス)」を省略した言葉で、読み方は「ゼッチ」です。

生活で必要となるエネルギーと、自らが生み出すエネルギーが同程度、あるいは生み出すエネルギーのほうが多くなる住宅を指します。

1-1.ZEHの定義

ZEHは「高断熱」「省エネ」「創エネ」の3要素からなります。

【ZEHの3要素】
高断熱高性能な断熱材や構造を採用している
省エネ省エネタイプのエアコンやLED照明、高効率な給湯システムなどを導入している
創エネ太陽光発電システムなどを導入している

ZEHでは、消費エネルギー量と創るエネルギー量を確認できる「HEMS(ヘムス)」を導入することで、これらのエネルギーバランスを可視化することができます。

また、ZEHとして認定されるには、以下の基準をクリアすることが必要です。

【ZEHの基準】
基準項目基準値
断熱基準UA値(外皮平均熱還流率)が地域ごとに定める基準以下になること
設備等(※)の
高効率化
創エネを考慮せず、省エネ基準相当からー20%
※冷暖房・換気・照明・給湯
創エネ太陽光発電等で創成したエネルギー(余剰買電分含む)と家での一時エネ消費量を相殺して正味ゼロ以下となること

参考:国土交通省|【参考】住宅における外皮性能

1-2.ZEHで貰える補助金額について

ZEHには、「ZEH」より高性能な「ZEH+」という住宅の種類があります。

それらの種類によって対象となる補助金制度(支援事業)や補助金額が異なり、それぞれ以下の補助金額を貰うことができます。

【ZEHの補助金制度(支援事業)と補助金額】
補助金制度
(支援事業)
ZEHの種類補助金額
子育てグリーン住宅支援事業ZEH水準(ZEHの性能水準を満たす住宅)最大60万円/戸
戸建住宅ZEH化等支援事業ZEH55万円/戸
+追加設備の補助金
ZEH+90万円/戸
+追加設備の補助金

参考:子育てグリーン住宅支援事業「事業概要」
一般社団法人環境共創イニシアチブ「2025年の経済産業省と環境省のZEH補助金」

ZEH住宅を建てた際に、利用できる補助金について、詳しくは以下の記事をご覧ください。

1-3.ZEHと他の省エネ住宅との違い

国が基準を定めている省エネ住宅にはZEHのほかにも「GX志向型住宅」「LCCM住宅」「長期優良住宅」などがあります

それぞれの住宅には基準の違いのほか、太陽光発電等の創エネ設備設置が義務付けられているかのほか、何を目指しているか、かかる建築費用に違いがみられます。

以下に、表形式でZEHと他の省エネ住宅との違いを比較してみました。

【ZEHと他の省エネ住宅との違い】
ZEH
使用するエネルギーと、自らが生み出すエネルギーが同程度、あるいは生み出すエネルギーのほうが多くなる住宅。
断熱等等級等級5以上
主な性能基準
(省エネ性能)
創エネを考慮せず、省エネ基準相当からー20%
創エネあり
建築費相場
(一般住宅比)
+10%程度
GX志向型住宅
ZEH水準を大きく上回る省エネ性能がある脱炭素型住宅。現在最も省エネ性能が高い住宅。
断熱等等級等級6以上
主な性能基準
(省エネ性能)
  • 35%以上の一次エネルギー消費削減
  • 再生可能エネルギーを含む一次エネルギー消費削減が100%以上
創エネあり
建築費相場
(一般住宅比)
+15%程度
LCCM住宅
建築時、運用時(居住中)、廃棄時のCO2排出量にも配慮した住宅。住宅の性能基準はZEHに準じる。
断熱等等級等級5以上
主な性能基準
(省エネ性能)

①LCCM適合判定ツールで「適合」
②CASBEE認証で環境効率ランクがSかA

のどちらかを満たしている

創エネあり
建築費相場
(一般住宅比)
+20%程度
長期優良住宅
構造や設備について長期にわたり良好な状態で使用できるよう措置が講じられた住宅。
断熱等等級等級5以上
主な性能基準
(省エネ性能)
一次エネルギー消費量等級6
創エネどちらでも可
建築費相場
(一般住宅比)
+20%程度

参考:住宅省エネ2025キャンペーン|GX(グリーントランスフォーメーション)について
国土交通省|ZEH・LCCM住宅の推進に向けた取組
国土交通省|長期優良住宅のページ
※2025年度におけるGX志向型住宅分の補助金は2025年7月22日に上限額に到達し、交付申請及び交付申請の予約受付が終了しました。

目的や基準となる項目に違いはありますが、どれも省エネ性能の高い住宅です。
ただし、性能を示す数値については基準値が異なります。

例えば、断熱性能については以下のようになっています。

<住宅の断熱等級>
住宅の断熱等級

1-4.ZEHの新基準とは?

ZEHの新基準とは、「ZEH+」の新しい基準のことで、基準エネルギー消費量の削減率が「25%以上から30%以上」に変更されていることを指します。

また、2025年の省エネ基準義務化の流れから、2025年以降は「ZEH+」(ZEHよりも高い省エネ性能をもつ住宅)の定義も変更となりました。

【ZEH+の定義変更】
基準エネルギー消費量の削減率
変更前変更後
25%以上30%以上
必須要件
変更前変更後
断熱等性能等級6
選択要件
変更前変更後
  • 外皮性能のさらなる強化
  • 高度エネルギーマネジメント
  • 電気自動車を活用した自家消費の拡大措置

から2つ以上

  • 高度エネルギーマネジメント
  • 再生可能エネルギーの自家消費の拡大措置

から1つ以上

国では「2050年カーボンニュートラルの実現」に向けて「一次エネルギー消費量」の等級をこれまでの最高等級「等級6」を上回る「等級7」「等級8」を新設するとしています。

「等級6」はZEH水準相当とされており、これからはZEH水準以上の省エネ性能が普及していくことになります。

参考:国土交通省|住宅性能表示制度の見直しについて
資源エネルギー庁|令和7年度以降におけるZEH+ (『ZEH+』及びNearly ZEH+)の定義変更について

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2.「ZEH」住宅のメリット・デメリット

「ZEH」住宅には、以下のようなメリット・デメリットがあります。

【「ZEH」住宅のメリット・デメリット】
メリットデメリット
  • 一定の室温が保てる
  • 綜合的に見ると費用面がお得
  • 非常時でも電気を確保できる
  • デザインや間取りが制限される
  • 太陽光発電は定期的なメンテナンスが必要
  • 発電量は地域・天候により変化する

それぞれ簡単に解説します。

2-1.「ZEH」住宅のメリット

「ZEH」をマイホームとして建築することで得られるメリットは、主に以下の3点です。

  • 一定の室温が保てる
  • 総合的に見ると費用面がお得
  • 非常時でも電気を確保できる

2-1-1.一定の室温が保てる

ZEHは断熱性能が高く、省エネ性能の高い設備が使われています。
夏は涼しく冬は暖かいという快適な空間で過ごせるうえ、急激な温度変化によるヒートショックでの脳卒中や心筋梗塞などの予防にも効果的です。

2-1-2.総合的に見ると費用面がお得

ZEHは一般的な住宅よりも性能が優れている分、建築費用は高くつきがちです。

しかし、高い断熱性能で冷暖房効率が上がるため、光熱費削減につながります。

また、経済産業省、環境省、国土交通省によるZEHの補助金制度を活用できるメリットもあります。
将来的に売却したくなった際には、住宅性能が高い分、高値で売りやすい点も安心でしょう。

2-1-3.非常時でも電気を確保できる

ZEHであれば、台風や地震などで停電になっても、自宅で生み出した電力を蓄電しておくことで非常時への備えになります。

2-2.「ZEH」住宅のデメリット

ZEH住宅をマイホームとして建築することで注意しておきたいデメリットは、主に以下の3点です。

  • デザインや間取りが制限される
  • 太陽光発電は定期的なメンテナンスが必要
  • 発電量は地域・天候により変化する

それぞれの詳細と対策を見ていきましょう。

2-2-1.デザインや間取りが制限される

ZEHを建てる場合、思い描いていたような外観デザインや間取りにならない可能性があります。
ZEHでは、一般的な住宅よりも多くの設備を設置する必要があり、太陽光発電を十分に活用するためには屋根の角度に配慮が必要です。

ZEHの建築事例から好みのデザインや間取りを集めておき、建築プランを立てる際にハウスメーカーに見せればオーナ側のこだわりが伝わりやすく、制限がある中でも理想に近いプランを提案してくれるでしょう。

2-2-2.太陽光発電は定期的なメンテナンスが必要

太陽光発電システムにはメンテナンスが必要です。

日々のメンテナンスはもちろん、定期点検が必要なケースもあり、費用は1回あたり10万円以上かかることもあります。

ただし、メーカーによっては10~15年の無料点検保証を付けている場合もあるため、太陽光発電システムのメーカーを選ぶ際には保証面にも着目するとよいでしょう。

2-2-3.発電量は天候により変化する

太陽光発電システムの発電量は、住む地域や天候によって変化することにも注意しましょう。

ZEHを建てる土地を選ぶ際には、その地域の気候や現在の近隣状況だけでなく、将来的に近辺に高い建築物は建てられないかまで確認してください。

ただし、毎日の発電量や季節による発電量に違いがあっても、年間ベースでの発電量には大きな差異はないというデータがあります。

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3.ZEHの建築費用相場

ZEHの建築費は家の大きさや間取りなどによって異なりますが、一般的な住宅の相場に250万~300万円を加算した金額、もしくは1割程度をプラスした金額が相場と言われています。

ZEHは特有の省エネ設備を導入する必要があるほか、高断熱の建材を使うためです。

例えば、以下のような費用がプラスでかかります。

  • 太陽光発電システム:100万~150万円
  • エコキュート(本体のみ):20万~50万円
  • 蓄電池(本体のみ):90万~180万円
  • 高度エネルギーマネジメント(HEMS)導入:15万~20万円

さらに建材に高性能な断熱材、断熱サッシ、断熱ドアなどを使用する必要があるため、本体工事費用も高くなります。
延べ床面積40坪の木造2階建てのZEHを想定しておおよその建築費用をシミュレーションしてみました。

【ZEH建築費用シミュレーション】

3,065万円=2,800万円+265万円

2,800万円=坪単価70万円×延べ床面積40坪
265万円=太陽光発電システム120万円+エコキュート30万円+蓄電池100万円+HEMS15万円

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4.補助金を活用したZEHの費用シミュレーション

ZEHを本格的に検討する前に、ZEHの補助金を活用した場合にいくらほどお得になるのか、費用のシミュレーションをしてみましょう。

【例】太陽光発電システムなどの費用を含めた「ZEH」の場合

利用する補助金制度:経済産業省、環境省による「ZEH支援事業」

75万円=補助額55万円+追加補助額20万円

  • 補助額55万円
  • 蓄電システム(定置型)の導入で追加補助額20万円

上記のシミュレーションでは、補助される金額は75万円という結果になりました。

土地付き注文住宅の全国平均は4,455万円なので、補助金制度を活用することで4,380万円までイニシャルコストを抑えることができます。

参考:住宅金融支援機構「2021年度 フラット35利用者調査」
※2025年度におけるGX志向型住宅分の補助金は2025年7月22日に上限額に到達し、交付申請及び交付申請の予約受付が終了しました。

家づくりには大きな金額が動くので、75万円と聞くと「少ない」と感じてしまうかもしれませんが、75万円もあれば以下のようなこだわりを追加することができます。

  • 部屋を1つ増やす
  • 各フロアにトイレを設置する
  • 外構工事を頼む
  • 対面式キッチンにする
  • 玄関付近に洗面所を設置する
  • 部分的に自然素材や大理石を取り入れる

コツコツと削れる費用は削っておくことが、理想のマイホームを実現させるコツです。

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5.まとめ

ZEHとは「エネルギー収支をゼロ以下にする家」のことで、生活で必要となるエネルギーと同程度以上のエネルギーを自らが生み出す住宅を指しています。
ZEHの3要素には「高断熱」「省エネ」「創エネ」があります。

ZEHには経済産業省や環境省などから補助金が交付されるため、うまく活用して高性能で快適な家をお得に手に入れましょう。


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この記事の編集者

「家づくりのとびら」編集部

NTTデータグループ会社が運営する注文住宅相談サービス「家づくりのとびら」編集部です。難しい住まいづくりの情報を、わかりやすく正確にお伝えします。記事は不動産鑑定士や宅地建物取引士などの不動産専門家による執筆、監修記事がメイン。初めての住まいづくりをサポートします!

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