- 変更日:
- 2026.04.06

認定低炭素住宅というフレーズを聞いたものの「長期優良住宅やZEHとどう違うの?」「本当にコストに見合うの?」という疑問を持つ方も多いのではないでしょうか。
認定低炭素住宅とは、省エネ基準を超える低炭素化の措置が講じられた住宅として国に認定された建物のことです。
認定を受けることで、住宅ローン減税の借入限度額が最大5,000万円(一般住宅は4,500万円)に拡大されるほか、登録免許税の軽減・容積率の緩和など、複数の税制優遇を受けられます。
この記事では、認定低炭素住宅の制度概要・認定基準・メリット・デメリット・申請手続きの流れ・他制度との違いを、わかりやすく解説します。
この記事を読んだらわかること!
- 低炭素建築物認定制度の仕組みと対象となる建築物
- 認定基準(定量的評価項目・選択的項目)の具体的な内容
- 住宅ローン減税・登録免許税軽減・容積率緩和などのメリット
- 建築コスト増加・申請の手間などのデメリット
- 申請手続きの4ステップと所要期間の目安
- 長期優良住宅・ZEHとの違いと制度の選び方
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目次
1.低炭素建築物認定制度とは?
低炭素建築物認定制度は、2012年に施行された「都市の低炭素化の促進に関する法律(エコまち法)」に基づく制度です。
まず制度の基本的な概要を確認しましょう。
1-1.制度の目的と背景(エコまち法)
低炭素建築物認定制度は、地球温暖化対策の一環として、都市における二酸化炭素(CO2)の排出量を削減することを目的に創設されました。
建築物の省エネ化を促進することで、都市全体の低炭素化を図ることが制度の根本的な目標です。
制度の根拠となる「都市の低炭素化の促進に関する法律(エコまち法)」は、コンパクトなまちづくりと低炭素化を一体的に推進するために制定されました。
建築物の省エネ性能を高めることに加え、節水・木材利用・再生可能エネルギー活用など、多角的な低炭素化措置を組み合わせることで認定を取得できる仕組みになっています。
認定制度の開始以来、認定件数は年々増加しており、省エネ住宅への関心の高まりとともに普及が進んでいます。
1-2.認定の対象となる建築物
低炭素建築物認定制度の対象となる建築物には、いくつかの条件があります。
| 条件 | 内容 |
|---|---|
| 立地 | 市街化区域内の建築物が対象。市街化調整区域・都市計画区域外は対象外 |
| 建築物の種類 | 住宅(戸建・マンション)および非住宅建築物(事務所・店舗・工場など) |
| 工事の種類 | 新築だけでなく、増改築も対象 |
住宅については、一戸建て住宅だけでなくマンション(集合住宅)も対象です。マンション全体として認定基準を満たすことで、各住戸の購入者が住宅ローン減税などの優遇を受けられます。
なお、市街化区域内であることが必須条件である点は重要です。郊外の市街化調整区域や都市計画区域外に建築する場合は、この制度を利用できません。建築予定地の都市計画上の区域区分を事前に確認しておきましょう。
2.低炭素建築物の認定基準
認定を受けるためには、省エネ性能に関する定量的な基準と、低炭素化に資する選択的な措置の両方を満たす必要があります。
具体的な認定基準を確認しましょう。
2-1.定量的評価項目(必須基準)
認定低炭素住宅として認定を受けるためには、まず以下の必須基準を満たす必要があります。
| 評価項目 | 認定基準 |
|---|---|
| 一次エネルギー消費量 | 省エネ基準(建築物省エネ法の基準値)より20%以上削減されていること |
| 外皮性能(断熱性能) | 省エネ基準に適合していること(UA値・ηAC値が基準値以下) |
次エネルギー消費量とは、暖冷房・給湯・照明・換気などの設備で消費されるエネルギーの合計量を指します。
省エネ基準比で20%以上の削減を達成するためには、高性能な断熱材・高効率設備の採用が必要です。
外皮性能(UA値)は建物の断熱性能を示す指標で、数値が小さいほど断熱性能が高いことを意味します。
認定低炭素住宅では省エネ基準のUA値を満たすことが求められますが、ZEHのように省エネ基準より厳しい外皮性能は必須とされていません。
2-2.選択的項目(低炭素化に資する措置)
定量的評価項目(必須基準)を満たしたうえで、以下の選択的項目から一定数以上を採用することが認定の条件となります。
| 選択的項目 | 具体例 |
|---|---|
| 節水対策 | 節水型トイレ・節水型水栓・食器洗い乾燥機など |
| 木材利用 | 構造材・内装材・外装材への木材活用 |
| ヒートアイランド対策 | 屋上・壁面緑化・遮熱舗装・高反射率塗料など |
| 再生可能エネルギー利用 | 太陽光発電・太陽熱利用・地中熱利用など |
| 高効率設備 | LED照明・高効率給湯器(エコキュート・エネファームなど)・HEMS |
| 雨水・雑排水の利用 | 雨水タンク・雑排水再利用設備など |
太陽光発電は必須ではなく、選択的項目の一つです。
太陽光発電を設置しなくても、他の選択的項目を組み合わせることで認定基準を満たすことができます。
節水型設備や木材利用、高効率給湯器の採用など、比較的コストを抑えた措置で認定取得を目指すことも可能です。
3.認定低炭素住宅のメリット
認定低炭素住宅として認定を受けることで、以下のメリットを享受できます。
- 住宅ローン減税(控除)の拡充
- 登録免許税の軽減
- 容積率の緩和措置
- 断熱性能・光熱費削減効果
各メリットの内容を具体的に確認しましょう。
3-1.住宅ローン減税(控除)の拡充
認定低炭素住宅の最大のメリットのひとつが、住宅ローン減税(住宅借入金等特別控除)の借入限度額の拡充です。
| 住宅の種類 | 借入限度額(令和4〜7年入居) | 控除率 | 控除期間 |
|---|---|---|---|
| 一般住宅 | 3,000万円(令和6〜7年は2,000万円) | 0.7% | 13年 |
| 認定低炭素住宅 | 4,500万円 | 0.7% | 13年 |
| 長期優良住宅 | 4,500万円 | 0.7% | 13年 |
| ZEH水準省エネ住宅 | 3,500万円 | 0.7% | 13年 |
認定低炭素住宅は一般住宅と比較して借入限度額が最大1,500万円(令和4〜5年入居の場合)高く設定されており、最大控除額の差は13年間で最大約10.5万円になります(借入限度額の差1,500万円×0.7%×13年)。
なお、住宅ローン減税を受けるためには、住宅の引き渡しを受けた年の翌年3月15日までに確定申告を行う必要があります。
3-2.登録免許税の軽減
不動産を取得した際に課される登録免許税についても、認定低炭素住宅は優遇措置を受けられます。
| 登記の種類 | 一般住宅の税率 | 認定低炭素住宅の税率 |
|---|---|---|
| 所有権保存登記 | 0.15% | 0.1% |
| 所有権移転登記(売買) | 0.3% | 0.1% |
たとえば、建物の固定資産税評価額が1,500万円の場合、所有権保存登記の登録免許税は一般住宅で22,500円、認定低炭素住宅で15,000円となり、7,500円の軽減になります。
建物の評価額が高いほど軽減効果も大きくなります。
3-3.容積率の緩和措置
認定低炭素住宅では、省エネ設備の設置スペースが容積率の算定から除外される容積率の緩和措置が受けられます。
具体的には、太陽光パネルの設置スペース・蓄電池の設置スペース・高効率給湯設備の設置スペースなどが容積率の計算から除外されます。
この措置は特に都市部の狭小地での建築において有効です。
容積率の制限が厳しい地域でも、省エネ設備のスペースを確保しながら居住スペースを最大限に活用できるため、設計の自由度が向上します。
3-4.断熱性能・光熱費削減効果
認定低炭素住宅は省エネ基準を超える断熱性能・設備性能が求められるため、日常の光熱費削減効果も期待できます。
一次エネルギー消費量を省エネ基準比20%以上削減することで、暖冷房費・給湯費・照明費などが削減されます。
長期的に見れば、光熱費の削減効果が認定取得にかかる追加コストを上回る可能性があるでしょう。
4.認定低炭素住宅のデメリット
認定低炭素住宅にはメリットが多い一方で、以下のような注意すべき点もあります。
- 建築コストが高くなる
- 申請・審査に時間がかかる
- 設計の自由度が制限される場合がある
- 市街化区域内でないと申請できない
- 認定後の変更は原則不可
認定取得を検討する際には、注意点を事前に把握しておきましょう。
4-1.建築コストが高くなる
認定低炭素住宅の認定基準を満たすためには、高性能な断熱材・高効率設備の採用が必要です。
一般住宅と比較して建築費が増加すると考えましょう。
ただし、住宅ローン減税の借入限度額拡充・登録免許税軽減・光熱費削減効果を合わせると、長期的には追加コストを回収できる可能性もあります。
認定取得の費用対効果は、借入額・居住期間・光熱費の削減量などを踏まえて個別に試算することが重要です。
4-2.申請・審査に時間がかかる
認定低炭素住宅の認定を受けるためには、設計段階から登録住宅性能評価機関による技術的審査・所管行政庁への認定申請という手続きが必要です。
申請から認定取得までに1〜3ヶ月程度かかるのが一般的であり、着工スケジュールに影響する場合があります。
また、認定申請は着工前に完了させる必要があるため、スケジュール管理が重要です。
設計段階からハウスメーカー・工務店と連携し、余裕を持ったスケジュールで進めることが求められます。
4-3.設計の自由度が制限される場合がある
認定基準を満たすために、断熱材の仕様・設備の種類・窓の性能などに一定の制約が生じる場合があります。
特に、デザイン性を重視した大開口の窓や特殊な外装材を採用したい場合、断熱性能の確保との両立が難しくなることがあります。
設計段階で認定取得を前提とした計画を立てることで、こうした制約を最小限に抑えることが可能です。
4-4.市街化区域内でないと申請できない
前述のとおり、低炭素建築物認定制度は市街化区域内の建築物のみが対象です。
市街化調整区域や都市計画区域外に建築する場合は、この制度を利用できません。
郊外や地方の土地に建築を検討している場合は、建築予定地の都市計画上の区域区分を事前に確認することが必要です。
4-5.認定後の変更は原則不可
認定を受けた後に建物の仕様を変更する場合、変更認定申請が必要になります。
軽微な変更であれば手続きが簡略化される場合もありますが、省エネ性能に影響する変更は再審査が必要です。
認定取得後に設計変更が生じると、追加の手続き費用・時間が発生するリスクがあります。
設計段階で仕様を確定させてから認定申請を行うことが重要です。
5.認定低炭素住宅の申請手続きの流れ
認定低炭素住宅の認定を受けるためには、設計段階から所定の手続きを進める必要があります。
ただし、申請手続きは施主から委任を受けたハウスメーカー・工務店が行うのが一般的です。
内容も専門的であるため、大まかな流れだけ押さえておきましょう。
| ステップ | 内容 | 担当者 | 所要期間の目安 |
|---|---|---|---|
| ステップ1 | 設計・相談 | ハウスメーカー・工務店 | 設計期間中(1〜3ヶ月) |
| ステップ2 | 技術的審査の依頼 | 登録住宅性能評価機関 | 2〜4週間 |
| ステップ3 | 審査・適合証の取得 | 登録住宅性能評価機関 | 2〜4週間 |
| ステップ4 | 認定申請・認定取得 | 所管行政庁(市区町村) | 1〜4週間 |
まず、ハウスメーカー・工務店と認定基準を満たす設計を検討する段階です。
一次エネルギー消費量の計算・外皮性能の確認・選択的項目の選定を設計段階で行います。
技術的審査では、国土交通大臣が登録した「登録住宅性能評価機関」に技術的審査を依頼します。
次に、審査機関が設計図書・計算書をもとに認定基準への適合を確認し、「適合証」を発行するステップです。
必要書類は設計図書・省エネ計算書・選択的項目の採用状況を示す書類などです。
認定申請では、適合証を添付して所管行政庁(市区町村)に認定申請を提出します。
認定通知書を受け取った後、着工することができます。
6.認定低炭素住宅・長期優良住宅・ZEHの違いを比較
省エネ住宅の認定制度には「認定低炭素住宅」「長期優良住宅」「ZEH(ゼロ・エネルギー・ハウス)」の3種類があります。
それぞれの違いを理解し、自分に合った制度を選ぶ参考にしましょう。
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6-1.制度の比較表
| 比較項目 | 認定低炭素住宅 | 長期優良住宅 | ZEH |
|---|---|---|---|
| 根拠法・制度 | エコまち法(認定制度) | 長期優良住宅法(認定制度) | 省エネ法(補助金制度) |
| 主な目的 | CO2排出削減・省エネ促進 | 長期使用・資産価値の維持 | 一次エネルギー消費量ゼロ |
| 省エネ基準 | 基準比20%以上削減 | 省エネ基準適合 | 基準比20%以上削減(再エネ含む) |
| 外皮性能 | 省エネ基準適合 | 省エネ基準適合 | 省エネ基準比20%以上強化 |
| 耐震性能 | 基準なし | 耐震等級2以上が必要 | 基準なし |
| 住宅ローン減税(借入限度額) | 4,500万円 | 4,500万円 | 3,500万円 |
| 登録免許税軽減 | ○(0.1%) | ○(0.1%) | ×(直接の優遇なし) |
| 容積率緩和 | ○ | × | × |
| 補助金 | 一部あり | 一部あり | ○(ZEH補助金・55〜100万円程度) |
| 申請先 | 所管行政庁 | 所管行政庁 | 補助金事業者(経産省・環境省等) |
| 市街化区域の制限 | あり(市街化区域のみ) | なし | なし |
6-2.どの制度を選ぶべきか
3つの制度はそれぞれ特徴が異なるため、自分の優先順位に合わせて選ぶことが重要です。
認定低炭素住宅は、住宅ローン減税の借入限度額を最大化したい方や、都市部の狭小地で容積率の緩和を活用したい方、太陽光発電なしで省エネ認定を取得したい方に向いています。
長期優良住宅は、耐震性や耐久性、維持管理のしやすさまで重視し、資産価値を長期的に維持したい方に適しており、認定低炭素住宅と同等の税制優遇を受けられる一方で、耐震等級2以上など省エネ以外の基準も求められます。
ZEHは、光熱費をできる限りゼロに近づけたい方や太陽光発電の導入を前提とする方、補助金を活用してコストを抑えたい方に適した選択肢です。
6-3.併用可能な補助金は?
認定低炭素住宅は、以下の補助金・制度と併用できる場合があります。
| 補助金・制度 | 認定低炭素住宅との併用 | 概要 |
|---|---|---|
| 子育てグリーン住宅支援事業 | ○(ZEH水準が条件) | 最大160万円の補助金(令和6〜7年度) |
| 地域型住宅グリーン化事業 | ○ | 中小工務店が建てる省エネ住宅への補助金 |
| フラット35S | ○ | 住宅ローンの金利優遇(当初10年間) |
| 固定資産税の軽減 | ○(新築から5年間) | 固定資産税が1/2に軽減 |
認定低炭素住宅の認定を受けながら、ZEH水準の省エネ性能も同時に達成できる場合は、子育てグリーン住宅支援事業の補助金も受けられる可能性があります。
設計段階でハウスメーカー・工務店に確認することをおすすめします。
7.よくある質問(FAQ)
ここからは、低炭素建築物認定制度に関するよくある質問に回答します。
7-1.認定低炭素住宅かどうか確認する方法は?
認定を受けた住宅には所管行政庁(市区町村)から認定通知書が発行されます。
建築後に確認する場合は、所管行政庁への問い合わせ、または建築確認申請書類の確認で判断できます。
7-2.太陽光発電は必須?
必須ではありません。太陽光発電は選択的項目のひとつに過ぎず、節水型設備・木材利用・高効率給湯器など他の選択的項目を組み合わせることで認定基準を満たすことができます。
7-3.認定低炭素住宅と長期優良住宅の両方の認定を受けられる?
両方の認定を同時に取得することは可能です。
ただし、長期優良住宅は耐震等級2以上など省エネ以外の基準も求められるため、設計・申請の手間とコストが増加します。
7-4.認定を受けるとどのくらいコストが増える?
一般住宅と比較して建築費が100〜200万円以上増加する可能性があります。
ただし、住宅ローン減税の拡充・登録免許税軽減・光熱費削減効果を合わせると、長期的には追加コストを回収できるケースが多くあります。
まとめ
低炭素建築物認定制度について、概要・認定基準・メリット・デメリット・申請手順・他制度との違いを解説しました。
認定低炭素住宅は、省エネ性能を高めながら税制優遇を最大限に活用したい方にとって有力な選択肢です。
まずは認定低炭素住宅の実績が豊富なハウスメーカー・工務店に相談し、自分の建築計画に合った制度の活用方法を検討しましょう。
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