- 変更日:
- 2024.08.16
注文住宅の資金計画を立てるうえで重要なポイントなのが、「住宅ローンをどのような方法で利用し、どのタイミングで支払いが必要になるのか」ということです。
注文住宅で住宅ローンを利用する場合、大きくは以下のようなケースがあります。
ケース | 解説箇所 |
---|---|
建物のみ(土地なし)で住宅ローンを組む | 2章 |
土地購入と建築費を一本化して住宅ローンを組む(土地先行融資) | 3章 |
土地と建物、2本立てで住宅ローンを組む場合 | 4章 |
注文住宅は分譲マンションや建売住宅の購入時よりも制約が多くなり、仕組みも複雑。
後述する「つなぎ融資」や「分割融資」を利用しなければいけないこともあるでしょう。
そこでこの記事では、以下の内容について解説いたします。
この記事を読んでわかること
- 住宅ローンを使って注文住宅を建てる流れ
- 基本的な住宅ローンの流れ(土地なし・一本化・2本立てのケース別)
- つなぎ融資と分割融資を使う方法、メリットとデメリット
自分に合った住宅ローンの利用方法がわかれば、資金計画がグッとはかどります。
暮らし始めてから「資金繰りが大変になった…」となってしまわないよう、この記事で事前にしっかり情報を整理しておきましょう。
まとめて依頼
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目次
1.住宅ローンを使って注文住宅を建てる際の基礎知識
まずは、以下の2点を基礎知識として理解しておきましょう。
- 住宅ローンを使って注文住宅を建てる大まかな流れ
- 住宅ローンの融資開始前に必要な支払い
1つずつ解説します。
1-1.住宅ローンを使って注文住宅を建てる大まかな流れ
まず、注文住宅を建築するための資金計画を立てます。
資金計画を立てられたら、建築を依頼するハウスメーカーを探します。
まだ土地を持っていない方は、この時、土地探しも一緒に依頼できるハウスメーカーを探すか、同時進行で土地探しを行う必要があります。
土地によって建てられる家や住宅プランが変動するので、必ずこのタイミングまでに土地探しを始めましょう。
複数のハウスメーカーから住宅プランを提出してもらい、気になったハウスメーカーがあれば、より具体的に住宅プランを詰めていきます。
納得のいく土地が見つかり、建築を依頼するハウスメーカーが決まったら、土地の売買契約と家の建築契約を結びます。
そして土地の引き渡しが完了したら建築工事開始です。工事が完了すれば、家の引き渡しが行われます。
1-2.住宅ローンの融資開始前に必要な支払い
家を建てる流れの中で、問題なのが、住宅ローンの融資開始前に大きな支払いが必要になることです。
工事費の残金を除いて、土地の購入費、工事中に総額の6~7割程度を支払うことになっている家の建築工事費(着工金・中間金など)は先に支払わなくてはなりません。
しかし、住宅ローンは原則として土地だけの購入には使えず、また完成した建物の引き渡し時に融資が開始されるというルールがあります。
そのため、先に土地の購入が必要で、さらに建物が完成する(融資が開始する)前に家の建築工事費の大半を支払う必要のある注文住宅では、通常の住宅ローンの仕組みで回すことが難しいケースは少なくありません。
上記のようなケースにも対応すべく、多くの金融機関では、注文住宅を建てる際に利用しやすい住宅ローンの金融商品を用意しています。無理のない返済プランを立てるためにも、ご自身の資金計画に合った金融商品を選ぶことが大切です。
ここで注意したいのが、いきなり金融機関で住宅ローン商品について説明を受けると、自社商品の話ばかりで他社商品と平等に比較することが難しくなる点です。
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家づくりのとびらコラム
どの程度の資金を用意できるのかを確認しておこう
家を建てる資金計画において、「実際に自分がどれぐらいの金額の家を建てることができるのか」を知ることは始まりの一歩です。
以下のようなポイントをひとつずつ整理し、無理のない資金計画を立てましょう。
- 住宅ローンで、自分もしくは自分たちがどれぐらいのお金を借り入れすることができるのか
- 教育・介護など残したい貯金を差し引いて、預貯金からどれぐらいの頭金を用意できるのか
- 祖父母・両親からの資金援助は贈与税が非課税になると聞いたが、どこまで可能なのか
2.【基本の流れ1】建物のみ(土地なし)で住宅ローンを組む場合
本章からは、「どのように住宅ローンを利用するか」という観点から、ケース別に住宅ローンの申し込みや融資を受けるタイミングなどを解説します。
まず、土地はすでにあり、建物の建築費用のみ住宅ローンを組む場合、下図のような流れになります。
※契約時や工事中の代金の支払い方法については、企業によって異なります。
家の建築の資金計画などを立てたら、まず家の建築を依頼するハウスメーカーを決めることが必要です。
そして、ハウスメーカーを決めたら建築費用の概算を出し、金融機関のローン事前審査を受けてください。
事前審査が通過したら建築契約を締結し、ローンの本審査、ローン契約に進みます。
ローン契約が完了すれば、家の建築工事開始です。工事中は、各社との契約内容・工事の進捗に合わせて費用の支払いが必要になります。
家が完成し引渡しが行われたら、金融機関から建築費のローンが実行されるので、建築費用の残りを決済して完了です。
2-1.融資前に発生する支払いに対する準備方法
住宅の建築費のみで住宅ローンを組む場合、土地代のローン手続きがないため、住宅ローンや土地購入にかかる諸費用、手続きの手間や時間は削減されます。
しかし、注文住宅の場合、建売の戸建てやマンションとは異なり、建物が完成してからローンが実行されるので、建築工事の途中で必要となる支払い費用は、やはり別に準備しておかなければなりません。
預貯金などの「頭金」で途中に必要となる費用をまかないきれない場合は、「つなぎ融資」や「分割融資」の利用を検討しましょう。
「理想のマイホームを建てるには頭金がいくら必要なのか?」
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3.【基本の流れ2】土地購入と建築費を一本化して住宅ローンを組む場合(土地先行融資)
※契約時や工事中の代金の支払い方法については、各社によって異なります。
土地の購入費と家の建築費を一本化して住宅ローンを組む場合、注文住宅の計画から引き渡しまでの流れは次のようになります。
注文住宅を建てる資金計画を立てたら、土地探しとハウスメーカー探しを同時に進めることが必要です。そして、資金計画に沿って、「土地を購入するための費用」と「家を建てる費用」の概算を出します。
必要な費用の概算がわかったところで金融機関に提出をして住宅ローンの事前審査を受けてください。
事前審査を通過すれば、土地の購入と建築の契約締結です。
その後、ローンの本審査を受けて通過すれば、建物の完成・引き渡しとともに、融資が全額実行され、住宅ローンの返済も始まります。
3-1.「一本化」のメリット:住宅ローンの諸費用を安く抑えられる
土地の購入費と家の建築費とを一本化して住宅ローンを組むメリットは、ローンの申し込みの手続きや返済がシンプルになる点です。
土地の購入費用ローンと家の建築費用ローンを別に組んだ場合はそれぞれの手数料がかかりますが、一本化すれば安く抑えられます。
3-2.「一本化」のデメリット:急いで家のプランを完成させなくてはいけない
ただし、土地選びから家の建築計画を決定するまでがあわただしくなる点はデメリットです。
さらに、土地の売買契約を締結してからローンが実行されるまでの間、土地の売主に決済を待ってもらう必要があります。
いずれにしても、途中に必要となる費用が足りない場合は、「つなぎ融資」 「分割融資」などの対応が必要です。
また一本化のローンをスムーズに進めたい方には、以下の方法がおすすめです。
一本化のローンをスムーズに進めるコツ
- 土地探しが得意なハウスメーカーから土地を紹介してもらう
- 土地を持っているハウスメーカーから購入する
- 分譲地などに強いハウスメーカーに相談する
土地の売主や不動産会社と交渉する手間が省かれるため、スムーズに手続きを進めることができます。
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4.【基本の流れ3】土地と建物、2本立てで住宅ローンを組む場合
※契約時や工事中の代金の支払い方法については、各社によって異なります。
次に、土地と建物との住宅ローンを別々に組む場合をみて行きます。住宅ローンを使って土地だけを購入することは原則としてできません。しかし住宅の建築費用とセットであれば利用できます。
注文住宅で土地のローンと建物のローンを別々に組む場合、注文住宅の資金計画を立てたら、まず家を建てるための土地を探し、土地の購入を申し込みます。
そして、土地の購入費を金融機関に提出して土地のローン事前審査を受けてください。
ローンの事前審査が通過したら、土地購入の売買契約を締結し、金融機関のローンの本審査、ローン実行という流れを経てから、土地の決済と引渡しへと進んでいきます。
また、住宅ローンを利用するためには、土地探し~土地の契約手続きと並行して住宅プランも立てていく必要があります。
建築費の概算が出た時点で、土地の購入と同様に金融機関のローン審査を受け、通過すれば家を建てる建築契約を結ぶことができます。
契約締結が済めば、いよいよ家の建築工事が始まるのです。
家のローンの融資が金融機関から実行されるのは家が完成し、引き渡しが完了したタイミングです。
4-1.「2本立て」のメリット:土地代が先行融資される
住宅ローンを土地と建物の2本立てにするメリットは「土地代が先行融資されること」です。
頭金で土地代を支払うことが難しい場合、利息の高いつなぎ融資を使わずに住宅ローンを使って支払うことができます。
4-2.「2本立て」のデメリット:住宅ローンの手続き・諸費用の支払いが2回発生
上記の流れからわかるように、土地と建物との住宅ローンを別々に組む場合はローンの手続きが2回行われることになります。
そのため、「契約のための書類準備の手間や契約締結をするための時間、さらには手数料も2倍かかってしまう」というデメリットがあります。
土地代に対する融資(1本目)が実行された時点で、その融資への返済義務が発生する点にも留意しておきましょう。
また、建物分の住宅ローンが実行されるのは一般的には建物が完成してからになります。
そのため、建築工事中に支払いが必要となるお金を別にあらかじめ準備しておく必要があるのは、通常の住宅ローンと変わりありません。
上記のようなデメリットを避けるために、土地の購入費と家の建築費を一本化して住宅ローンを組む選択をする方は少なくありません。(3章で解説)
また、ローンを2本立てにするとしても、頭金が足りない場合は「つなぎ融資」もしくは「分割融資」を使う必要があります。
5.「つなぎ融資」を使う流れ、メリットやデメリット
この章では、つなぎ融資の使い方やメリット・デメリットについて解説します。
5-1.つなぎ融資とは
土地の購入 | (1) 契約 | 手付金 | 頭金 |
---|---|---|---|
(2) 引き渡し | 残金 | つなぎ融資 | |
建築工事 | (1) 契約 | 手付金 | 頭金 |
(2) 着工 | 着工金 | つなぎ融資 | |
(3) 上棟 | 中間金 | つなぎ融資 | |
(4) 引き渡し | 残金 | 住宅ローンの融資実行 →残金支払い →つなぎ融資返済 |
※契約時や工事中の代金の支払い方法については、各社によって異なります。
「つなぎ融資」とは、金融機関で住宅ローンの契約をしてからローンが実行されるまでの期間中に必要となる工事中の支払いなどの資金を調達するための融資のことです。
住宅ローンは、建物が完成して引き渡されないとローンの実行がされないので融資が下りません。しかし、家の建築をする際には、以下のようなお金の支払いが融資前に必要となります。
住宅ローン融資実行前に必要となる支払い
- 土地の購入費用
- 工事の契約時必要となる契約金(手付金):工事費全額の10%程度の額
- 着工金(着工時の地鎮祭費用なども含む):工事費全額の30%程度の額
- 上棟時に必要となる中間金:工事費全体の30%程度の額
これらを合わせると、家の建築を契約してから工事期間を経て家が完成し、住宅ローンが実行されるまでの間に工事費全額の約7割を先に支払うということ算段となります。
住宅ローンを組んで注文住宅を建てる場合に最も懸念される点が、建物の工事中にハウスメーカーなどに支払う費用の捻出です。
しかし、つなぎ融資を使えば、建物が完成して住宅ローンが実行されるまでの間に支払うこれらの費用を工面でき、費用負担を軽くすることができるといえます。
5-2.つなぎ融資のメリットとデメリット
注文住宅でも住宅ローンを使うための方法として有効なつなぎ融資ですが、メリットだけでなくデメリットもあります。
つなぎ融資のメリット
つなぎ融資のメリットとしてあげられるのは、自己資金が少なかったとしても、注文住宅が建てられるという点です。
建築工事中に支払う費用の準備ができなければ、住宅ローンを活用して購入できるのは、すでに建物が完成している建売やマンションに限られてしまいます。
しかし、つなぎ融資を使えば、まだ建物が完成していない注文住宅でも住宅ローンを利用して建てられるようになります。
つなぎ融資のデメリット
一方、つなぎ融資のデメリットとしてあげられるのが、金利が高い点、そして住宅ローンとは別に融資の事務手続きや事務手数料などが必要になる点です。
現在、住宅ローンの金利は1%以下や1%台に設定されているなか、つなぎ融資の金利は一般的に約2〜3%台と高めになっているのが現状です。
つなぎ融資を受ければ、住宅ローンの融資が実行されて、つなぎ融資分を全額返済するまで、その金利での利息を支払わなければなりません。
また、住宅ローンを借りている場合のメリットの1つである住宅ローン控除(減税)には、つなぎ融資が対象にならない点にも注意してください。
5-3.つなぎ融資利用の流れ
家の完成まで融資が実行されない住宅ローンと、その間の資金を補う「つなぎ融資」を活用して注文住宅を建てる際の流れについて解説します。
「つなぎ融資」を利用する流れ
- 家の建築を依頼するハウスメーカーに建築費用の概算を出してもらい、金融機関で住宅ローンの事前審査を受けます。その際につなぎ融資の利用の申し込みも必要ですので忘れずに行ってください。
- 事前審査が通過すれば家の建築の工事契約を締結します。
- 住宅ローンとつなぎ融資の契約を締結します。
- 家を建てている間の工事期間中に必要となる費用はつなぎ融資が実行され、支払いに充てられます。
- 家の完成・引き渡し後、住宅ローンの実行により融資がおりたら、建築費用の残金決済とつなぎ融資を一括返済します。
- 住宅ローンの返済が開始します。
ちなみに、つなぎ融資の利息の支払いは、つなぎ融資を借りている期間中に支払う場合、もしくは一括返済の際にまとめて支払う場合の2つのパターンがあります。必ず事前に確認しておきましょう。
5-4.住宅ローンの2本立てとつなぎ融資の併用
「土地の購入」と「建物の建築費」でローンを2本立てにしてつなぎ融資を利用することもできます(詳細は【ケース③】土地と建物、別々に住宅ローンを組む場合(2本立て)をご参照下さい)。
この場合、土地購入の融資はすぐに行われるため、複数回の支払いが必要となる工事の「手付金」「着工金」「中間金(上棟金)」がつなぎ融資の対象となるケースが多いでしょう。
注文住宅を建てる土地を探して購入申し込みする、また建築を依頼するハウスメーカーを選んで概算を計算するところまでは、先で説明した流れと同じです。
そして、それぞれのローンの事前審査を受け、事前審査が通れば土地の売買契約とハウスメーカーとの建築契約を結び、金融機関にローンとつなぎ融資の申し込みを同時に行います。
土地購入と家の建築費を一本化する場合のつなぎ融資
もちろん「土地の購入」と「建物の建築費」を一本立てにする場合も、つなぎ融資を使用することができます。
土地の購入費、建物の建築費の概算が決まったら、住宅ローンとつなぎ融資を同時に審査に出します。ローンの審査が通れば、土地購入費用の残金(手付金は間に合わないので不可)につなぎ融資が実行されます。
また、家の建築工事中に必要な支払いをする資金も、実行されたつなぎ融資から実行することが可能です。家の完成・引き渡しとともに、住宅ローンが実行され、つなぎ融資を一括返済すればすべての手続きが完了します。
※契約時や工事中の代金の支払い方法については、各社によって異なります。
6.土地購入と建築費を一本化した「分割融資」を使う方法
住宅ローンとは別の融資を受けるつなぎ融資とは異なり、住宅ローンの融資額を分けて実行してもらうのが分割融資です。
ここでは、分割融資のメリット・デメリットから利用する流れについて説明します。なお、土地代から融資を受けたい方は、3章をご覧ください。
6-1.分割融資のメリットとデメリット
分割融資のメリットとしてあげられるのは、住宅ローンとなるため、つなぎ融資よりも金利が低い点です。
また、条件を満たすことで、住宅ローン控除の対象となります。これらのメリットは、つなぎ融資のデメリットとは対照的といえるでしょう。
一方、デメリットとしてあげられるのは、取り扱っている金融機関が少ない点です。
さらに、ローン手続きや抵当権設定費用が土地と建物とそれぞれ必要になるので、手数料などがつなぎ融資よりも高くなる点もデメリットになります。
6-2.分割融資の流れと注意点
分割融資を利用する流れ
家を建築している間に必要となる支払い費用との融資分を分割して実行してもらう際の流れを解説します。
「分割融資」を利用する流れ
- 家の建築費の概算を出し、金融機関の住宅ローン事前審査を受けます。その際に同時に分割融資の申し込みも行います。
- 審査が通ったら、建築工事の契約を結びます。
- 契約締結後、住宅ローンの本審査を経て分割融資を含めたローン契約を締結します。
- 工事中に必要となる費用に対し、融資を先に実行してもらい、実行された融資で費用を支払います。
- 家が完成して、引き渡し時に残りの融資が実行され、残金を支払います。
- 住宅ローンの返済が開始します。
分割融資の注意点
分割融資の利用を検討する場合、以下のポイントに注意しましょう。
分割融資を利用する際の注意点
- 金融機関が限られる
- 原則として、住宅の利用が前提となる
(「建築プランが必須」「○年以内に家を建築する」など条件は各社異なる) - 分割できるタイミングや回数にも制限がある場合がある
(「土地購入時に1度、家の完成・引き渡し時に1度」など) - 返済開始のタイミング、対象・金額を確認しておく
(「1回目の融資実行後から返済開始」「全ての融資完了するまで利息のみの返済」など各社異なる)
分割融資は、つなぎ融資よりも金利が低いものの、取り扱う金融機関が限られ、分割される回数やタイミングに制限があるため、状況によっては使いにくい点も多くあります。
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7.住宅ローンを利用する際の注意点
最後に、注文住宅で住宅ローンを利用する際の注意点について説明します。
7-1.取り扱い金融機関を確認する
注文住宅で利用できる住宅ローンは、取り扱っている金融機関が限られています。
また、つなぎ融資や分割融資の内容や条件などは、一般的な住宅ローンよりも金融機関ごとの条件の違いが大きいです。
注文住宅でつなぎ融資や分割融資などを含めた住宅ローンの利用を検討する場合は、まず取り扱い金融機関をしっかりと確認しておいてください。
7-2.金利の変動を考慮する
注文住宅で住宅ローンを利用する際は、金利の変動を考慮することが大切といえます。
なぜなら、ローンを組んだ時点とローンの実行時点では、金利が変動する可能性があるからです。
特に、つなぎ融資を利用する場合、家の建築中に金利が上がってしまうとローンの支払い総額が高くなるおそれが生じます。注文住宅を建てている間に金利が上昇しそうな場合は、分割融資の利用を検討するとよいでしょう。
7-3.諸費用や利息の額を把握する
一般的な住宅ローンと違い、注文住宅での住宅ローンは手続きや融資の実行が数回になったり手続きが煩雑になったりするため、諸費用や利息の支払いなどがわかりにくくなってしまいます。
土地代や建築費用だけを注視していると、思いがけず費用がかさんでしまうおそれがあるので注意が必要です。
注文住宅で住宅ローンを利用する際は、お金の動きや流れを把握したうえで、諸費用や利息の支払いを含んだしっかりとした資金計画を立てることが大切です。
7-4.手付金など融資が「間に合わないお金」がある
注文住宅を建てるために、土地の売買契約・工事の請負契約の契約前、もしくは契約締結時に「申込金」や「手付金」が必要となるケースがあります。
特に土地の契約時の「申込金」や「手付金」については、まだ融資の申し込みも行えない段階のため、自己資金である頭金での支払いを検討する必要があります。
必要な費用の項目だけでなく、どの時点でどれだけのお金の支払いが必要かどうかをしっかりと整理しておきましょう。また、できるなら、思わぬ出費に備えて、余裕を持たせた金額の借り入れを行うとよいでしょう。
まとめ
住宅ローンを利用して注文住宅を建てる際には、建物が完成する前に申し込んだりローンの契約をしたりすることになるので、通常の住宅ローンよりも手続きや流れが複雑になります。
注文住宅での住宅ローン利用方法として、つなぎ融資や分割融資などがありますが、いずれも取り扱っている金融機関が限られているので確認しておくことが大切でしょう。また、利用の際には融資の条件や金利変動などにも注意が必要です。
注文住宅で住宅ローンを利用する際は、まず手続きや支払いの流れを把握し、理解することが重要なポイントになります。借入金の額や返済額のシミュレーションをしっかりと行ったうえで、無理のない資金計画を立てるようにしてください。
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