- 変更日:
- 2026.03.27

住宅ローンには、いくつか審査基準があります。一般的に審査基準は公開されていません。金融機関によって、審査の結果が異なるケースはあり得ます。
住宅ローンは、長期間にわたって確実に返済する必要があります。金融機関からすると、「本当にしっかり返済してもらえる力があるのか」という点を厳しく審査します。
勤め先が大企業や公務員でも、必ず審査に通るとは限りません。資産状況や信用情報など、さまざまな情報を複合的に勘案したうえで、審査結果が出る点に留意しましょう。
この記事では、住宅ローンの審査に関するアレコレを、金融機関で住宅ローンを担当していた筆者が徹底的に解説していきます。
【こんな疑問を解決!】
- 住宅ローンの審査基準
- 審査に落ちる理由と対策
- 住宅ローンを借りて注文住宅を建てるときのポイント
住宅ローンの審査をスムーズに通過してマイホームを手に入れるため、ぜひ参考にしてください。
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住宅ローンについてプロに相談をしたい方は、こちらの記事もご覧ください。

柴田 充輝
FP1級技能士・社会保険労務士・行政書士・宅建士。
厚生労働省や保険業界・不動産業界での勤務を通じ、社会保険や保険、不動産投資の実務を担当。多くの家庭の家計見直しや資産運用に関するアドバイスを行っている。金融メディアを中心に1,000記事以上を執筆。
目次
1. 住宅ローンの審査基準

住宅ローンの審査では、実際にどのような項目が審査され、どんな理由で審査に落ちてしまうのか、対策も合わせて解説していきます。
主に審査の際に考慮される10項目
- 勤続先
- 雇用形態
- 年収・返済負担率
- 勤続年数
- 年齢
- 借金・滞納
- 健康状態
- 担保価値
- 資産状況
- 連帯保証
以下より、それぞれ詳しく解説していきます。
1-1. 勤続先
住宅ローンは返済期間が長期になり、安定した収入が見込めるかが審査されます。勤務先は、収入の安定性や継続性の裏付けとなる要素の一つです。業種・規模だけでなく、勤続の見込みや職種の専門性も材料になります。
1-2. 雇用形態
雇用形態は、収入の安定性を評価するうえで重要な情報です。一般的に、正社員であれば雇用の安定性や収入の継続性が高く評価されます。
契約社員や派遣社員でも、長期間にわたって安定した収入を確保しており、今後も見込めれば審査に通過できる可能性はあります。
ただし、パートやアルバイト、日雇い労働者など、臨時的に雇用される方は対象外となるのが一般的です。申し込みの要件は金融機関ごとに異なるため、事前確認をしておきましょう。
1-3. 年収・返済負担率
「住宅ローンを無理なく返済できるかどうか」は、住宅ローンの審査における重要項目です。借入希望額から返済負担率を計算し、長期的に問題なく返済できるかどうか審査されます。
返済負担率とは、年収に占める年間返済額の割合のことです。返済負担率が高すぎると、生活費を圧迫したり、急な出費に対応できなくなったりするリスクがあります。
返済負担率は住宅ローンの返済額だけでなく、車のローン・カード分割・リボ払い・カードローンも合算して計算されます。これらの負債があると審査上不利になるため、申し込み前に完済・整理を進めておきましょう。
不要なカードの解約やキャッシング枠の縮小も、審査において有効な対策になります。心当たりがある場合は、申し込み前に信用情報機関(CIC・JICC)に照会、確認しておきましょう。
なお、家計の安全域の目安は返済負担率20〜25%程度です。金利上昇局面でも返済を継続できる水準かどうか、シミュレーションで確認しておくことをおすすめします。
1-4. 勤続年数
勤続年数は、今後も安定した収入を見込めるかどうかを判断する際の材料になります。勤続年数の基準は「3年以上」としていたり、「1年以上」としていたり、金融機関によってさまざまです。
転職直後は勤続年数が短いため、審査において不利になりやすい傾向です。しかし、転職理由と年収根拠(契約条件)を説明できると悪影響を回避できる可能性があります。
たとえば、転職まもない場合でも、キャリアアップによる転職や安定した収入が見込める場合には、その旨を伝えるとよいでしょう。
1-5. 年齢
年齢は、「申込時」と「完済時」がチェックされます。審査では申込時の年齢だけでなく、完済時の年齢も重要な確認事項です。完済が高齢になるほど、定年後の返済原資(収入源)を厳しくチェックされます。
金融機関は「借入時の年齢が20歳以上70歳以下、完済時に80歳以下」のような基準を設けているため、まずはこれらの前提条件を満たしている必要があります。
独身の若い方や定年間近の方は、収入の安定性や住宅購入の必然性について質問される可能性があります。
特に、完済時年齢が65歳以上になると、収入が年金のみになる可能性があるため、返済計画を慎重に考えなければなりません。
返済期間をただ延ばすのではなく、繰上返済の余力と生活防衛を見込んだ計画を立てることが大切です。将来の支出増や金利上昇も織り込んだうえで、シミュレーションをしておきましょう。
1-6. 借金・滞納
住宅ローンの審査では、借入や滞納の有無を知るために、個人信用情報に問題ないかどうかが確認されます。具体的には、借金の有無や滞納歴などです。
個人信用情報で確認される「借入」は、マイカーローンやカードローンなどの他に、クレジットカードの割賦代金、携帯電話の割賦代金も含みます。
延滞履歴は個人信用情報に記録され、審査に悪影響を与えます。滞納の履歴があり、いわゆるブラックリストに載っていると信頼性や返済能力が疑問視されるため、延滞の内容や時期によっては審査が極めて厳しくなります。
1-7. 健康状態
住宅ローンを借りるときには、団体信用生命保険(団信)への加入が必須条件となっている金融機関がほとんどです。
団信とは、借り入れた人が死亡・高度障害などの万が一のときに、保険金で住宅ローンが返済される仕組みです。健康状態に問題があると団信に加入できない可能性があり、これでは審査を通過できません。
持病や既往症があると団信の告知審査で引っかかり、加入が難しくなる場合があります。その場合は引き受け基準を緩和したワイド団信や、団信加入が任意のフラット35などを検討しましょう。
団信なしで金利上乗せが発生する場合は、総返済額も含めて比較することが重要です。団信なしで借りるなら、万一に備えて生命保険を活用し、家族を守るための保障を確保しておく必要もあります。
ただし、告知事項に当てはまる事項があり団信に加入できないときでも、団信が必須でない住宅ローンを利用する方法があります。詳しくは、次の2-4で詳しく解説します。
1-8. 担保価値
住宅ローンの借り入れでは、建物や土地に抵当権を設定します。住宅ローンを返済できなかったとき、金融機関は建物や土地を競売にかけて貸したお金を回収するため、土地・建物の担保価値も評価されます。
土地・建物の担保価値の評価(担保評価)では、実際に処分するときの価格が重視されます。
そのため、「市街化調整区域」など建築に一定の制限がある土地に家を建てようとしている場合には、売却しにくいため融資対象とならない可能性があります。
また、違反建築物には融資されないため、法令上問題ない建築計画になっているか確認されます。
担保評価が低いと融資額が伸びにくく、自己資金の追加や借入条件の変更が必要になります。市街化調整区域の制限や違反建築リスクがある物件は、特に注意が必要です。
建築基準法上の接道義務(幅員4m以上の公道に2m以上接すること)を満たさない「再建築不可物件」は、担保評価が著しく低くなり、多くの金融機関で融資対象外となります。中古住宅の購入を検討する際は、物件の接道状況や都市計画上の制限を事前に確認しておくと、融資段階での想定外を防げます。
物件の価格だけでなく、流動性(将来的に売りやすいか)も確認しておきましょう。書類不備は審査遅延の原因になるため、提出前に漏れがないかチェックしてください。
1-9. 資産状況
頭金の支払い能力や、万が一の際の返済原資があるかを確認するために、資産状況も審査されます。具体的には、預貯金残高や保有有価証券、保険の解約返戻金などが挙げられます。
安定した収入があるかどうかに加えて、総合的な返済能力を判断するうえで資産状況の確認は欠かせません。
不安定な雇用形態や転職歴が多い場合などは、余裕資産の有無も合わせて、総合的に判断されるケースがあります。
頭金と諸費用を支払った後に、生活防衛資金が手元に残るかどうか、必ず確認しましょう。預貯金残高が心もとないと、返済の継続性が疑問視されるだけでなく、生活に悪影響が出る可能性もあります。
頭金を入れすぎて手元資金が枯渇しないよう、バランスのとれた資金計画を立てましょう。
1-10. 連帯保証
住宅ローンは「保証会社」に保証してもらうため、基本的に連帯保証人は必要ありません。
ただし、一人だけの収入では借り入れが難しいときには、配偶者などの収入を合算して連帯保証人となることもあります。この場合、連帯保証人の収入と合わせて返済負担率の審査基準を満たせば借入可能になるケースがあります。
特に、ここ数年は共働き世帯の増加もあり、ペアローンを利用するケースが増加傾向です。収入合算やペアローンを活用することで、審査が通過しやすくなる場合があります。
ただし、連帯債務は双方に返済責任が生じるため、片方が休職・退職した場合の返済継続性も含めて設計することが大切です。名義の持ち分や住宅ローン控除の扱いも事前に確認しておきましょう。

柴田 充輝
住宅ローンの審査に通過するためには、事前準備が欠かせません。申込み前に個人信用情報を自分で確認し、携帯料金やクレジットカードの延滞がないかチェックしましょう。また、他のローンがある場合は可能な限り完済してから申し込むことで返済負担率を改善できます。
「勤務先の安定性」については、上場企業でなくても、地域密着で長年営業している企業は高く評価されることがあります。転職直後の方は、前職との関連性や年収アップの根拠を明確に説明できるよう準備しておくことが重要です。
さらに、複数の金融機関で事前審査を受けることも効果的です。審査基準は金融機関ごとに異なるため、一つがダメでも他で通る可能性があります。特に地方銀行や信用金庫は、メガバンクとは違った視点で審査することもあります。
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2. 住宅ローンの審査に落ちてしまう理由と対策
審査が通らなかった場合、なぜ落ちたのかという理由は金融機関から教えてもらえません。
しかし、一般的に次の4つの理由のいずれかに当てはまることが多いです。
審査に落ちる理由(一例)
- 年齢・雇用形態・勤続年数の条件を満たさない
- 返済負担率が高すぎる
- 滞納履歴がある
- 健康状態に不安がある
これから住宅ローンの審査を受けようとしている方は、「落ちそうな理由」をあらかじめ回避できるようにしましょう。
2-1. 年齢・雇用形態・勤続年数の条件を満たさない
年齢については、金融機関の定める「借入時」と「完済時」の利用可能年齢がホームページ等に記載されています。要件に該当していなければ審査は通過できないため、必ず確認しましょう。
住宅ローンの申込条件や利用条件は、金融機関や商品ごとに異なります。借入時・完済時の年齢、勤続年数、雇用形態を最初に確認し、条件を満たさない場合は商品変更や収入合算での設計見直しを検討しましょう。
住宅ローン審査に落ちないための対策
高齢の場合でも、子どもを後継者とする「親子リレーローン」なら融資対象になる可能性があります。親子間での合意形成が不可欠ですが、検討する価値はあるでしょう。
年齢が若すぎる場合・雇用形態が正社員以外の場合・転職歴が多い場合などは、金融機関によって判断が分かれます。複数の金融機関で相談し、利用できる可能性があるかどうかを確認しましょう。
転職したばかりでも、安定した収入が見込めるなら審査をクリアできる可能性はあります。
経歴書の提出を求められたら、キャリアアップによる転職であることを客観的に説明できるようにしっかり記載しましょう。
こうしたケースでは、充分な自己資金を準備して信用度を高めることをおすすめします。
▶理想の条件を押さえた家づくり、最適価格を知る方法(無料)2-2. 返済負担率が高すぎる
返済負担率は、各金融機関が30~35%程度の基準を定めています。返済負担率が高いほど、今後の返済能力が疑問視されるため、審査に落ちてしまうケースがあります。
審査に通過できたとしても、返済負担率が高すぎると、今後の生活が苦しくなってしまいます。収入が減ったり支出が増えたりすると、健全な家計運営が困難になるかもしれません。
その結果、返済を滞納してしまうと信用情報に傷がついたり、最悪の場合は自宅を失ってしまったりする可能性があるため、冷静に検討しましょう。金利上昇局面も想定し、安全域に収まるかどうか再シミュレーションすることが大切です。
住宅ローン審査に落ちないための対策
返済負担率を下げる方法は3つあります。
- 住宅ローンの借入額を減らす
- 他の借入(カードローン・マイカーローンなど)を完済する、もしくは一部返済する
- 使わないクレジットカードを解約する(キャッシング枠が借入額に加算される可能性があるため)
見落としやすいのが、使っていないクレジットカードに付帯するキャッシング枠です。実際に借りていなくても、金融機関によってはキャッシング枠を「借入可能額」として返済負担率に加算するケースがあります。
「審査に通過する」という観点だけでなく、マイホーム取得後の家計にも配慮しながら資金計画を立てましょう。
2-3. 滞納履歴がある
延滞情報は、信用情報機関に一定期間(最長5〜7年程度)記録されます。完済しても即座には回復しないため、申し込み前に信用情報を確認して状況を把握することが重要です。
滞納した履歴があると、「安心してお金を貸せない」という印象を持たれるため、住宅ローンの審査を通過するのはほぼ不可能です。
住宅ローン審査に落ちないための対策
この場合は記録が消えるまで申し込みを待つ、または審査基準の異なる金融機関を選ぶなど、戦略的に動きましょう。
不安な場合は、自分の信用情報を確認してみることもできます。
個人信用情報機関は3つあり、郵送などで請求できます。
- シー・アイ・シー(CIC)(https://www.cic.co.jp/)
- 日本信用情報機構(JICC)(https://www.jicc.co.jp/)
- 全国銀行個人信用情報センター(KSC)(https://www.zenginkyo.or.jp/pcic/open/)
信用情報の登録期間は機関ごとに異なり、CICやJICCでは延滞解消から約5年、全国銀行個人信用情報センター(KSC)では自己破産の場合に最長7年間記録が残ります。
クレジットカードの短期間の延滞などならば、金融機関の担当者に稟議書を書いてもらえば審査を通過できる可能性もあるため、事情を伝えて相談してみてください。
2-4. 健康状態に不安がある
持病などがあって団信に加入できないと、住宅ローンが借りられないのが一般的です。通常の団信に加入できない場合は、引受基準を緩和したワイド団信や、団信が任意加入のフラット35を検討しましょう。団信なしで借りる場合は、万一の際に返済原資を確保できるよう、生命保険で備えておくことが前提になります。
住宅ローン審査に落ちないための対策
以下の2つを検討してみてください。
- ワイド団信を利用する
- 「団信」へ加入しなくても利用できる住宅ローンを探す
健康状態に不安があっても加入できるように基準が緩和された「ワイド団信」を使って住宅ローンを組める金融機関もあります。
また、持病があって団信へ加入できなくても、日常生活を問題なく送ることができて安定した収入も得ている方もいるでしょう。この場合、団信へ加入しなくても住宅ローンが借りられる金融機関もあります。なお、「フラット35」は団信の加入が任意です。
ただし、団信に加入しない場合、債務者に万が一のことがあったときに遺族が住宅ローンを返済し続けなければなりません。
万が一の際に遺族が困ってしまう事態を防ぐためにも、生命保険を活用して住宅ローンを返済できるように備えておく、といった対応が必要です。
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家づくりのとびらコラム
審査に落ちてしまったらどうしたらよいか
審査基準は金融機関によって異なるので、A銀行で落ちても、B銀行なら通るということもあります。
住宅ローンの審査に落ちてしまった場合には、思い当たる理由を解消した上で、あきらめずに別の金融機関に審査を出してみてください。
なお、事前審査に通ったのに本審査に通らないこともありえます。
その場合の理由で多いのは、事前審査と本審査の内容の相違、新たな延滞の発生、勤務先の変更などです。
住宅ローンに関する失敗例も事前にチェックしながら、スムーズに住宅ローンを組めるよう準備しておきましょう。

柴田 充輝
住宅ローン審査で落ちた際には、「原因の特定と改善」を行いましょう。金融機関が定めている条件をクリアするのは大前提として、自分の信用情報を確認することをおすすめします。
返済負担率が原因と考えられる場合、借入額を下げたり他の借金を先に完済したりすると効果的です。特にリボ払いやカードローンは金利が高いため、住宅ローン前に必ず整理しましょう。
健康状態が不安な方は、まずワイド団信を検討し、それでも難しい場合はフラット35を活用してください。ただし、団信なしの場合は必ず別途生命保険で備えることが重要です。
3. 住宅ローンを借りる際のポイント3つ

住宅ローンを借りて注文住宅を建てるときには、次の3つのポイントを押さえておくとスムーズです。
住宅ローンを借りる際のポイント
- 審査が厳しそうなら「金融機関」「借入額」「住宅ローンの組み方」を変更する
- 早めに事前審査を受けてから建築プランの詳細を決める
- 「つなぎ融資」を利用するなら信用度の高いハウスメーカーを選ぶ
それぞれ詳しく見ていきましょう。
3-1. 審査が厳しそうなら「金融機関」「借入額」「住宅ローンの組み方」を再検討する
住宅ローンの仮審査を申し込んだけれど落ちてしまった方や、これから審査を受けようと思っているけれど通るかどうか自信がない方は、以下の3つを検討してみてください。
審査が通る自信がない時の対策
- 金融機関を変える
- 借入額を下げる
- 住宅ローンの組み方を変える
(a)金融機関を変える
金融機関によって住宅ローンの審査基準は異なります。以下のように、収入の安定性に自信がない方は、申し込む金融機関を変えることを検討しましょう。
- 自営業で開業したばかりの方
- 正社員でない方
- 転職回数が多い方
1つの金融機関で落ちてしまっても、あきらめないで他の金融機関に申請してみてください。実際に、「A銀行では審査に落ちたけどB銀行では通過した」というケースは少なくありません。
ネット銀行は金利の低さが魅力ですが、年収基準や勤続年数の要件が厳しめで、審査も機械的に判断される傾向があります。一方、地方銀行や信用金庫は、担当者との面談を通じて個別事情を考慮してもらえる場合があります。
たとえば自営業で開業3年未満の方や、転職直後で勤続年数が短い方は、地元の金融機関に相談することで道が開けるケースも少なくありません。金利だけで選ばず、自分の属性に合った金融機関を選びましょう。
(b)借入額を下げる
住宅ローンを借りすぎると、長期的に生活に無理が生じてしまいます。
「借りられるだけ借りる」のではなく、「余裕を持って返せるだけ借りる」という意識を持つことが大切です。
借入額を抑えるためには、家の予算を減らす方向と、頭金を増やす方向があります。
家の予算を減らす方法として、シンプルな間取りを採用したり、ローコスト住宅を得意とするハウスメーカーに依頼したりする方法があります。家の予算をうまく抑えて、借入額を減らせるか検討してみてください。
(c)住宅ローンの組み方を変える
住宅ローンを1人で組んで審査に通過できない場合でも、2人で組めば可能になるケースがあります。
共働きなら「夫婦でそれぞれ借りるパターン」と、「収入合算するパターン」があり、2人分の収入に基づいて審査を受けることが可能です。
親子間でも、親子のリレーローンやペアローンといった商品があります。
なお、住宅金融支援機構の利用者調査によると、約8割の方が変動金利型を選択しています。ただし現在が低金利だからと借入額を増やすと将来の金利によっては返済負担率が上がるため、複数の金融機関で事前審査を受けて総費用を比較することがリスク回避に有効です。
▶理想の条件を押さえた家づくり、最適価格を知る方法(無料)3-2. 早めに事前審査を受けてから建築プランの詳細を決める
まずは早めに事前審査を受けて借入可能額を知り、家づくりの予算をはっきりさせることが大切です。
予算がはっきりすれば、建築プランも検討しやすくなります。
注文住宅の予算は、1,000万円台~4,000万円台くらいまで幅広いものです。
自分の希望をすべて反映させると予算がふくらむため、事前に予算との折り合いをつけることが欠かせません。
はっきりとした予算を念頭に置いて、ハウスメーカーや間取りなどの建築プランを決めていくことをおすすめします。優先順位を付けたうえで、希望の住まいと予算との折り合いをつけることが大切です。
事前審査を受けるときには、間取りプランも合わせて提出が必要ですが、提出した間取りやハウスメーカーで建てなければいけないわけではありません。
まずはハウスメーカーや間取りを最終的に決める前でかまわないため、「これくらいの規模・値段の家を建てたい」というイメージに合うプランを手に入れたら、早めに事前審査を申し込んでおきましょう。
間取りや仕様を細かく決めた後に減額承認となると、設計のやり直しが必要になり手戻りが大きくなります。概算プランの段階で事前審査を通し、借入可能額のレンジを把握してから土地・建物・諸費用の配分を決めるのが安全かつ効率的な進め方です。
▶あなたにとって最適なメーカーを提案してもらう(無料)3-3. 「つなぎ融資」を利用するなら信用度の高いハウスメーカーを選ぶ
注文住宅の建築代金は、3~4回に分割して支払うのが一般的です。
建築代金の支払い(一例)
- 契約時:5~10%
- 着工時:30%
- 中間金:30~40%
- 完成時:30%
ところが、一般的な「住宅ローン」は、住宅が完成した時点で融資金が振り込まれます。
そのため、家が完成する前の支払いをどうするのかが問題になります。
多くの金融機関では、「つなぎ融資」や「分割実行」という制度が用意されていて、建物が完成する前の資金を一時的に融資してもらうことができます。
ただし、そのような制度がない金融機関もあるため、事前に確認が必要です。
建物完成前の資金を全て自己資金で支払う予定でなければ、「つなぎ融資」等を利用できる金融機関で事前審査を受けておきましょう。
ただし、「つなぎ融資」等は建物の完成前にハウスメーカーに資金を支払います。
工事の途中でハウスメーカーが倒産するリスクを考えて、信用度の高いハウスメーカーでないと融資審査が通らない可能性がある点に注意しましょう。
つなぎ融資は住宅ローンより金利が高く設定されることが多いため、利用期間を短くするほど総費用を抑えられます。工期の見通しが立てやすく、実績のある施工会社を選ぶことで、融資スケジュールのズレによるリスクを軽減できます。
「つなぎ融資」を利用したいときは、大手のハウスメーカーや、建築実績が豊富なハウスメーカーを選ぶようにしましょう。
「大手・優良ハウスメーカーの中から選択肢を絞り込みたい」という方は、無料の「HOME4U 家づくりのとびら プラン作成依頼サービス」をご利用ください。
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柴田 充輝
注文住宅では、事前審査を早めに行うことが重要です。理想の家を描いてから予算不足に気づくケースが非常に多く、気づくのが遅れると無理な返済計画になりかねません。
つなぎ融資については、金利が住宅ローンより高く設定されているため、利用期間を最小限に抑える工夫が必要です。工期の短いハウスメーカーを選ぶことで、つなぎ融資の負担を軽減できます。
また、夫婦でローンを組む場合は、将来のライフプランも考慮しましょう。出産や転職で収入が変わる可能性があるなら、収入減を見越した返済額に抑えることをおすすめします。
4. 住宅ローンはどれくらい借りられるのか
次に、住宅ローンは、具体的にどのくらい借りられるのかについて見ていきましょう。
借入希望額が多すぎると、審査を通過することはできません。住宅ローンで「どれくらい借りられるか」は、返済期間が35年の場合「年収の6〜7倍」が上限の目安です。ただし、「無理なく返せる額」の目安は年収の5倍前後です。
住宅ローンを申し込んだときの希望額が多すぎると、融資額を減らされた上で審査が可決されることがあります(減額承認)。
その場合、資金計画を立て直す必要があるため、住宅プランにも修正が必要になってしまいます。
自分たちの場合、どのくらいの金額であれば借りられるのか、事前に目安を立てておくことが大事です。
ポイントは以下の2つです。
住宅ローンで借りられる金額目安のポイント
- 住宅ローンは「年収の6~7倍」借りられる可能性がある
- 重視されるのは「返済負担率」
以下より1つずつ解説します。
4-1. 住宅ローンは「年収の5~7.5倍」借りられる可能性がある
年収倍率とは、「年収の何倍まで借りられるのか」という目安です。
一昔前までは、年収の6~8倍くらいと言われていましたが、ここ数年は年収の5~7.5倍程度が相場です。
住宅金融支援機構のフラット35利用者調査(2024年度)によると、年収倍率(所要資金÷世帯年収)の全体平均は6.5倍です。
ただし頭金を差し引いた実際の借入額では倍率が下がるため、「年収の何倍まで借りられるか」は頭金の多寡によっても変わります。
出典:住宅金融支援機構「2024年度 フラット35利用者調査」
▶理想の条件を押さえた家づくり、最適価格を知る方法(無料)4-2. 重視されるのは「返済負担率」
金融機関が重視するのは、実は年収倍率よりも「返済負担率」です。
返済負担率とは、「返済額が収入の何割にあたるか」という指標で、次の式で求められます。
返済負担率=年間の返済額÷年収
年間の返済額とは:利用しようとしている住宅ローンの返済額だけでなく、マイカーローン、カードローン、クレジットカードの分割払いなども含む。
年収とは:サラリーマンなら給与支給額。個人事業主なら、収入から経費を差し引いた申告所得額。
返済負担率については、各金融機関がそれぞれ一定の審査基準を定めていますが、30~35%程度という金融機関が多いです。
※「フラット35」とは:返済期間中の金利がずっと変わらない「全期間固定金利」の住宅ローン。住宅金融支援機構(「住宅金融公庫」の業務を引き継いだ機関)と提携している全国の金融機関が扱っています。
参考:住宅金融支援機構「住宅ローン:長期固定金利住宅ローン 【フラット35】」
ただし金融機関の定める返済負担率の上限基準が30~35%であったとしても、実際に長期間にわたって返済できるとは限りません。
返済に余裕を持たせるためには、25%以内にしておくことが望ましいでしょう。また、金利が上昇した際にも返済を継続できる水準かどうか、複数のシナリオでシミュレーションしておくことが大切です。
▶理想の条件を押さえた家づくり、最適価格を知る方法(無料)家づくりのとびらコラム
借入可能額が少なくても注文住宅をあきらめないでOK!
事前審査を受けた結果、思ったよりも借入可能額が少なくても注文住宅をあきらめる必要はないかもしれません。
注文住宅では予算を抑える方法はいくつかあります。
- 建築費が抑えられるような間取りにする
- 数百の間取りパターンの中から選ぶ「セミオーダー」で注文住宅を建てる
- 低コストを得意とするハウスメーカーを選ぶ
予算を抑えながら、どれだけ良い家を建てられるかは、プロの腕の見せどころです。
HOME4U 家づくりのとびら プラン作成依頼サービスを活用しながら、効率よくあなたに合ったハウスメーカー・工務店を探してくださいね。
5. 住宅ローンの審査を申し込むタイミングと審査期間
注文住宅を建てるときには、ハウスメーカーを選んで間取りなどを決めていくことになります。
住宅ローンの審査を申し込むタイミングや、「事前審査」と「本審査」という2種類の審査の方法と審査期間について解説していきます。
5-1. 住宅ローンの審査を申し込むタイミング
注文住宅を建てるときの流れは次の通りです。
注文住宅の流れ
- ハウスメーカーを選ぶ
- 住宅ローンの事前審査
- 建築プランを打ち合わせ
- 工事請負契約
- 住宅ローンの本審査
住宅ローンの審査は、「事前審査(仮審査とも呼ばれます)」と「本審査」という二段階で行うのが一般的です。
まずは必要書類の少ない簡易的な「事前審査」で、希望額の融資が可能かどうか「仮に」確認しておきます。
そして、詳細な建築プランが決まって、ハウスメーカーと工事請負契約を結んだら「本審査」という流れになります。
なお、「事前審査」は飛ばしていきなり「本審査」でもかまわないという金融機関もあります。
注文住宅は支払いのタイミングが複雑なため、早めの事前審査で借りられる金額の目安を把握してから仕様を詰めるのが基本です。金融機関によって事前審査の基準は異なるため、複数行で比較したうえで本命を絞り込みましょう。
5-2. 「事前審査(仮審査)」の方法と審査期間
(1)事前審査の結果が出るまでの審査期間
事前審査は、通常、2日~1週間くらいで結果が出ます。
(2)事前審査に必要な書類
必要書類は次のようなものですが、金融機関によって異なります。
事前審査の必要書類(一例)
- 所得証明書類(源泉徴収票、確定申告書の写しなど)
- 本人確認書類、健康保険証
- 建築予定の家の間取り図、見積もり書
事前審査の申込には、間取り図が必要になるのが一般的ですが、これは最終決定したものではなく仮のプランでかまいません。
なお、インターネット経由で事前審査の申し込みが完了する金融機関が増えています。
事前審査は簡易的とはいえ、年収・借入状況などの申告内容を正確に伝えることが重要です。見積もり書や間取り図は仮の状態でよい場合が多く、結果が出たら借入額と返済負担率を再計算して安全域を確認しておきましょう。
5-3. 「本審査」の方法と審査期間
(1)本審査の結果が出るまでの審査期間
本審査の結果が出るまでは、通常、1~2週間くらいですが、3週間ほどかかることもあります。
本審査の審査期間は、大企業などに長く勤めている場合や公務員など、信用力が高ければ短い傾向があります。
審査期間が長めになりやすいのは、次のようなケースです。
審査期間が長引くケース(一例)
- 収入が不安定な職業や自営業の場合
- 借入希望額が高すぎるとき
- 書類に不備が多いとき
- 金融機関の繁忙期
(2)本審査に必要な書類
本審査では、ハウスメーカーや建築プランをしっかり固めた上で、さまざまな書類を添付して申し込みます。
必要書類は次のようなものです。
本審査に必要な書類(一例)
- 所得証明書類(源泉徴収票、住民税課税証明書、確定申告書の写しなど)
- 工事請負契約書(ハウスメーカーとの契約書の写し)、間取り図、見積もり書
- 建築確認済証
- 住民票
- 印鑑証明書(本審査の申込書に実印を押印する)
- 本人確認書類(マイナンバーカード、健康保険証、運転免許証など)
記載ミスや添付書類不足で審査期間が延びたり審査が通らなかったりするのはもったいないので、細心の注意を払って本審査を申し込みましょう。
また、上記以外にも経歴書等を求められたり、ヒアリングされたりするケースもありますが、前向きに審査が進んでいる証拠なので誠実に対応することをおすすめします。
本審査では提出書類が増え、保証会社と団信の審査も加わります。申し込み後に勤務先を変更したり新たな延滞が発生したりすると否決される要因になりかねないため、カード利用や転職などには注意が必要です。
追加資料の要請があった際は、迅速に対応することで審査期間を短縮できます。

柴田 充輝
住宅ローンの借入額は、「借りられる金額」より「無理なく返せる金額」を意識することが欠かせません。年収の6〜7倍借りられる場合でも、実際の返済は年収の20〜25%以内に抑えることをおすすめします。
注文住宅では、建築後の外構工事や家具購入で追加費用が発生する可能性が高いため、余裕を持った資金計画を立てましょう。
審査のタイミングについては、事前審査を複数の金融機関で同時に行うことが効果的です。金融機関によって審査基準が異なるため、より良い条件を比較検討できます。ただし、本審査は工事請負契約後の1社に絞って行いましょう。
6. 住宅ローン審査基準に関するよくある質問(FAQ)
Q1: 住宅ローン審査の基本条件は?
A: 金融機関ごとに対象年齢(借入時・完済時)、勤続年数、雇用形態、返済期間などの条件があります。
まずは、申込時年齢や完済時年齢などの最低条件を満たすか確認します。次いで、返済負担率(他ローン含む)・信用情報・物件の担保評価等を踏まえて、総合的に判断されます。
正規雇用か否かも審査上の重要な判断材料となるため、雇用形態が安定しているタイミングでの申し込みが有利です。
Q2: 住宅ローン審査に通るコツは?
A: 返済負担率を下げる(借入額圧縮・他ローン完済・不要カード枠整理)、申告内容と書類の整合を取る、以上をしたうえで複数行で事前審査を行い条件を比較しましょう。
審査前に信用情報機関(CICやKSCなど)で自身の情報を開示・確認しておくことで、リスクを把握して対策を取ることができます。
Q3: 月々の返済額はいくらが妥当でしょうか?
A: 借入額・期間・金利で決まります。変動/固定で金利が違うため、金利別に試算し「生活費+将来支出が残るか」で判断しましょう。目安として総返済負担率は20~25%程度を意識すると安全です。
特に変動金利を選ぶ場合は、将来の金利上昇を想定した「ストレステスト」として、1〜2%程度金利が上がった場合の返済額も試算しておくと安心です。家計に余裕が生まれる返済プランを組むことが、長期的なリスク管理につながります。
Q4: 住宅ローン 審査で失敗しやすいポイントは?
A: 借入上限でローンを組んで手元資金が薄いケース、リボ・分割払いなど他のローンが審査に悪影響を与えるケースなどが代表例です。
また、物件購入に関わる諸費用(仲介手数料・登記費用等)を見落として資金が不足するケースも多いため、総額を正確に把握しておくことが重要です。
Q5: 住宅ローン 審査基準でおすすめの金融機関は?
A: 一律のおすすめはなく、金利・団信・手数料・審査の重視点で相性が分かれます。
なお、ネット銀行は金利の低さが魅力ですが、審査が厳しめの傾向です。地方銀行は地域密着で柔軟な対応が期待できることもあります。
団信の保障内容も金融機関によって異なるため、金利だけでなく保障の充実度も含めて総合的に選ぶことをおすすめします。
7. まとめ
注文住宅を建てるときには、ハウスメーカーや間取りを検討していく途中段階で、早めに住宅ローンの「事前審査」を受けておきましょう。
最終的な建築プランが決定して、ハウスメーカーと契約を結んだら、住宅ローンの「本審査」を受けます。
住宅ローンの審査で特に重視される項目は、「勤務先」「雇用形態」「年収・返済負担率」「勤続年数」「年齢」「借金・滞納」「健康状態」「担保価値」「資産状況」「連帯保証」です。
審査に落ちてしまうケースについても解説しましたが、当てはまりそうな場合は対策を事前に確認しておきましょう。
また、住宅ローンを借りて注文住宅を建てるときに押さえておきたいポイントは次のとおりでした。
- 審査が厳しそうなら「金融機関」「借入額」「住宅ローンの組み方」を変更する
- 早めに事前審査を受けてから建築プランの詳細を決める
- 「つなぎ融資」を利用するなら信用度の高いハウスメーカーを選ぶ
借入希望額が多すぎれば審査は通りませんので、家の予算をできるだけ抑えつつ、理想を実現してくれるようなハウスメーカーを探すことも大切です。
住宅ローンの審査を突破して、理想のマイホームを手に入れてくださいね!
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