住宅ローンの審査基準とは?元担当者が年収や年齢を解説!

住宅ローンには審査基準があります。金融機関同士の「住宅ローン貸し出し競争」は激化しているため、借入の申し込みは基本的に歓迎されます。

しかし、住宅ローンは長期間にわたって確実に返済する必要があります。金融機関からすると、「本当にしっかり返済してもらえる力があるのか」という点を厳しく審査します。

勤め先が大企業や公務員でも、必ず審査に通るとは限りません。資産状況や信用情報など、さまざまな情報を複合的に勘案したうえで、審査結果が出る点に留意しましょう。

この記事では、住宅ローンの審査に関するアレコレを、金融機関で住宅ローンを担当していた筆者が徹底的に解説していきます。

【こんな疑問を解決!】

  • 住宅ローンの審査基準
  • 審査に落ちる理由と対策
  • 住宅ローンを借りて注文住宅を建てるときのポイント

住宅ローンの審査をスムーズに通過してマイホームを手に入れるため、ぜひご参考にしてください。

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住宅ローンについてプロに相談をしたい方は、こちらの記事もご覧ください。

この記事の監修者
柴田 充輝

FP1級技能士・社会保険労務士・行政書士・宅建士。
厚生労働省や保険業界・不動産業界での勤務を通じ、社会保険や保険、不動産投資の実務を担当。多くの家庭の家計見直しや資産運用に関するアドバイスを行っている。金融メディアを中心に1,000記事以上を執筆。

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1.住宅ローンの審査基準

3.	住宅ローンの審査基準と「落ちてしまう理由」 家模型と通帳

住宅ローンの審査では、実際にどのような項目が審査され、どんな理由で審査に落ちてしまうのか、対策も合わせて解説していきます。

審査の際に考慮される10項目

  1. 勤続先
  2. 雇用形態
  3. 年収・返済負担率
  4. 勤続年数
  5. 年齢
  6. 借金・滞納
  7. 健康状態
  8. 担保価値
  9. 資産状況
  10. 連帯保証

以下より、それぞれ詳しく解説していきます。

1-1.勤続先

住宅ローンは一般的に返済期間が長期になります。安定した収入が見込めるかどうかは、特に重点的に審査されるでしょう。

申込者本人の収入状況だけでなく、勤務先の規模の大小や勤務先の経営状況なども、審査対象に含まれます。

1-2.雇用形態

雇用形態は、収入の安定性を評価するうえで重要な情報です。

一般的に、安定した正社員であれば、高く評価される可能性があります。

契約社員や派遣社員でも、長期間にわたって安定した収入を確保しており、今後も見込めれば審査に通過できる可能性はあります。

ただし、パートやアルバイト、日雇い労働者など、臨時的に雇用される方は対象外となるのが一般的です。

自営業者の場合は、過去3年の確定申告書から、事業の安定性・継続性が審査されます。

1-3.年収・返済負担率

「住宅ローンを無理なく返済できるかどうか」は、住宅ローンの審査における重要項目です。借入希望額から返済負担率を計算し、年収の30~35%以内かどうか審査されます。

返済負担率とは、年収に占める年間返済額の割合のことです。返済負担率が高すぎると、生活費を圧迫したり、急な出費に対応できなくなったりするリスクがあります。

なお、返済負担率は住宅ローンだけでなく、マイカーローンをはじめとした他のローンの返済額も含めて計算されます。

年収が高くても、借入希望額が多く返済負担率が高すぎれば、審査には通らない可能性がある点に注意が必要です。

1-4.勤続年数

勤続年数は、今後も安定した収入を見込めるかどうかを判断する際の材料になります。勤続年数を「3年以上」という基準を設けていたり、「1年以上」としていたり、金融機関によってさまざまです。

一般的に、勤続年数が長いほど審査で有利です。

ただし、転職歴が多い場合でも、やみくもに転職を繰り返しているのではなく「転職歴に一貫性があるのか」が重視されます。

また、転職まもない場合でも、キャリアアップによる転職や安定した収入が見込める場合には、審査に通過できる可能性があります。

1-5.年齢

年齢は、「申込時」と「完済時」がチェックされます。

金融機関は「借入時の年齢が20歳以上70歳以下、完済時に80歳以下」のような基準を設けているため、まずはこれらの前提条件を満たしていることが条件です。

独身の若い方や定年間近の方は、収入の安定性や住宅購入の必然性について質問される可能性があります。

特に、完済時年齢が65歳以上になると、収入が年金のみになる可能性があるため、返済計画を慎重に考えなければなりません。

1-6.借金・滞納

住宅ローンの審査では、借入や滞納の有無を知るために、個人信用情報に問題ないかどうかが確認されます。具体的には、借金の有無や滞納歴などです。

個人信用情報で確認される「借入」は、マイカーローンやカードローンなどの他に、クレジットカードの割賦代金、携帯電話の割賦代金も含みます。

滞納の履歴があり、いわゆるブラックリストに載っていると信頼性や返済能力が疑問視されるため、審査に通過するのはほぼ不可能です。

1-7.健康状態

住宅ローンを借りるときには、団体信用生命保険(団信)への加入が必須条件となっている金融機関がほとんどです。

団信とは、借り入れた人が死亡・高度障害などの万が一のときに、保険金で住宅ローンが返済される仕組みです。健康状態に問題があると団信に加入できない可能性があり、これでは審査に通過できません。

ただし、告知事項に当てはまる事項があり、団信に加入できないときでも、団信が必須でない住宅ローンを利用する方法があります。詳しくは、次の2-4で詳しく解説します。

1-8.担保価値

住宅ローンの借り入れでは、建物や土地に抵当権を設定します。住宅ローンを返済できなかったとき、金融機関は建物や土地を競売にかけて貸したお金を回収するため、土地・建物の担保価値も評価されます。

土地・建物の担保価値の評価(担保評価)では、実際に処分するときの価格が重視されます。
そのため、「市街化調整区域」など、建築に一定の制限がある土地に家を建てようとしている場合には、売却しにくいため融資対象とならない可能性があります。

また、違反建築物には融資されないため、法令上問題ない建築計画になっているかどうか確認されます。

1-9.資産状況

頭金の支払い能力や、万が一の際の返済原資があるかを確認するために、資産状況も審査されます。具体的には、預貯金残高や有価証券、保険の解約返戻金などが挙げられます。

安定した収入があるかどうかに加えて、総合的な返済能力を判断するうえで資産状況の確認が欠かせません。

不安定な雇用形態や転職歴が多い場合などは、余裕資産の有無も合わせて、総合的に判断されるケースがあります。

1-10.連帯保証

住宅ローンは「保証会社」に保証してもらうため、基本的に連帯保証人は必要ありません。

ただし、一人だけの収入では借り入れが難しいときには、配偶者などの収入を合算して連帯保証人となることもあります。この場合、連帯保証人の収入と合わせて返済負担率の審査基準を満たせば借入可能になるケースがあります。

柴田 充輝

住宅ローンの審査に通過するためには、事前準備が欠かせません。申込み前に個人信用情報を自分で確認し、携帯料金やクレジットカードの延滞がないかチェックしましょう。また、他のローンがある場合は可能な限り完済してから申し込むことで返済負担率を改善できます。

「勤務先の安定性」については、上場企業でなくても、地域密着で長年営業している企業は高く評価されることがあります。転職直後の方は、前職との関連性や年収アップの根拠を明確に説明できるよう準備しておくことが重要です。

さらに、複数の金融機関で事前審査を受けることも効果的です。審査基準は金融機関ごとに異なるため、一つがダメでも他で通る可能性があります。特に地方銀行や信用金庫は、メガバンクとは違った視点で審査することもあります。

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2.住宅ローンの審査に落ちてしまう理由と対策

審査が通らなかった場合、なぜ落ちたのかという理由は銀行から教えてもらえません。

しかし、一般的に次の4つの理由のいずれかに当てはまることが多いです。

審査に落ちる理由(一例)

  1. 年齢・雇用形態・勤続年数の条件を満たさない
  2. 返済負担率が高すぎる
  3. 滞納履歴がある
  4. 健康状態に不安がある

これから住宅ローンの審査を受けようとしている方は、「落ちそうな理由」をあらかじめ回避できるようにしましょう。

2-1.年齢・雇用形態・勤続年数の条件を満たさない

年齢については、金融機関の定める「借入時」と「完済時」の利用可能年齢がホームページ等に記載されています。要件に該当していなければ審査には通過できないため、必ず確認しましょう。

また、不安定な雇用形態や勤続年数が所定の期間を満たさない場合も同様です。金融機関ごとに定められている基準が異なるため、詳細な要件を確認しましょう。

住宅ローン審査に落ちないための対策

高齢の場合でも、子どもを後継者とする「親子リレーローン」なら融資対象になる可能性があります。親子間での合意形成が不可欠ですが、検討する価値はあるでしょう。

年齢が若すぎる場合・雇用形態が正社員以外の場合・転職歴が多い場合などは、金融機関によって判断が分かれます。複数の金融機関で相談し、利用できる可能性があるかどうかを確認しましょう。

転職したばかりでも、安定した収入が見込めるなら審査をクリアできる可能性はあります。
経歴書の提出を求められたら、キャリアアップによる転職であることを客観的に説明できるようにしっかり記載しましょう。

こうしたケースでは、充分な自己資金を準備して信用度を高めることをおすすめします。

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2-2.返済負担率が高すぎる

返済負担率は、各金融機関が30~35%程度の基準を定めています。返済負担率が高いほど、今後の返済能力が疑問視されるため、所定の基準をクリアできずに審査に落ちてしまうケースがあります。

審査に通過できたとしても、返済負担率が高すぎると、今後の生活が苦しくなってしまいます。
その結果、返済を滞納してしまうと信用情報に傷がついたり、最悪の場合自宅を失ってしまったりする可能性があるため、冷静に検討しましょう。

住宅ローン審査に落ちないための対策

返済負担率を下げる方法は3つあります。

  • 住宅ローンの借入額を減らす
  • 他の借入(カードローン・マイカーローンなど)を完済する
  • 使わないクレジットカードを解約する(キャッシング枠が借入額に加算される可能性があるため)

マイホーム入居後の家計にも配慮しながら資金計画を立てましょう。

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2-3.滞納履歴がある

借り入れを滞納した場合の記録は、個人信用情報のシステム(いわゆるブラックリスト)に5年間残ります。

滞納した履歴があると、「安心してお金を貸せない」という印象を持たれるため、住宅ローンの審査を通過するのはほぼ不可能です。

住宅ローン審査に落ちないための対策

滞納の記録が消えるまで待ってから住宅ローンを申し込むのが一つの方法です。
不安な場合は、ご自分の信用情報を確認してみることもできます。
個人信用情報機関は3つあり、郵送などで請求できます。

クレジットカードの短期間の延滞などは、金融機関の担当者に稟議書を書いてもらえば審査を通過できる可能性もあるため、事情を伝えて相談してみてください。

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2-4.健康状態に不安がある

持病などがあって団信に加入できないと、住宅ローンが借りられないケースが一般的です。

住宅ローン審査に落ちないための対策

以下の2つを検討してみてください。

  • ワイド団信を利用する
  • 「団信」へ加入しなくても利用できる住宅ローンを探す

健康状態に不安があっても加入できるように基準が緩和された「ワイド団信」を使って住宅ローンを組める金融機関もあります。

また、持病があって団信へ加入できなくても、日常生活を問題なく送ることができて安定した収入も得ている方もいるでしょう。この場合、団信へ加入しなくても住宅ローンが借りられる金融機関があります。

ただし、団信に加入しない場合、債務者に万が一のことがあったときに遺族が住宅ローンを返済し続けなければなりません。
万が一の際に遺族が困ってしまう事態を防ぐためにも、生命保険を活用して住宅ローンを返済できるように備えておく、といった対応が必要です。

なお、「フラット35」は団信の加入が任意です。

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家づくりのとびらコラム

審査に落ちてしまったらどうしたらよいか

審査基準は金融機関によって異なるので、A銀行で落ちても、B銀行なら通るということもあります。

住宅ローンの審査に落ちてしまった場合には、思い当たる理由を解消した上で、あきらめずに別の金融機関に審査を出してみてください。

なお、事前審査に通ったのに本審査に通らないこともありえます。
その場合の理由で多いのは、事前審査と本審査の内容の相違、新たな延滞の発生、勤務先の変更などです。

住宅ローンに関する失敗例も事前にチェックしながら、スムーズに住宅ローンを組めるよう準備しておきましょう。

柴田 充輝

住宅ローン審査で落ちた際には、「原因の特定と改善」を行いましょう。金融機関が定めている条件をクリアするのは大前提として、自分の信用情報を確認することをおすすめします。

返済負担率が原因と考えられる場合、借入額を下げたり他の借金を先に完済したりすると効果的です。特にリボ払いやカードローンは金利が高いため、住宅ローン前に必ず整理しましょう。

健康状態が不安な方は、まずワイド団信を検討し、それでも難しい場合はフラット35を活用してください。ただし、団信なしの場合は必ず別途生命保険で備えることが重要です。

3.住宅ローンを借りる際のポイント3つ

住宅ローンを借りて注文住宅を建てるとき知っておきたい3つのポイント 3つの家模型

住宅ローンを借りて注文住宅を建てるときには、次の3つのポイントを押さえておくとスムーズです。

住宅ローンを借りる際のポイント

  1. 審査が厳しそうなら「銀行」「借入額」「住宅ローンの組み方」を変更する
  2. 早めに事前審査を受けてから建築プランの詳細を決める
  3. 「つなぎ融資」を利用するなら信用度の高いハウスメーカーを選ぶ

それぞれ詳しく見ていきましょう。

3-1.審査が厳しそうなら「銀行」「借入額」「住宅ローンの組み方」を再検討する

住宅ローンの仮審査を申し込んだけれど落ちてしまった方や、これから審査に出そうと思っているけれど通るかどうか自信がない方は、以下の3つを検討してみてください。

審査が通る自信がない時の対策

  • 銀行を変える
  • 借入額を下げる
  • 住宅ローンの組み方を変える

(a)銀行を変える

金融機関によって住宅ローンの審査基準は異なります。以下のように、収入の安定性に自信がない方は、申し込む銀行を変えることを検討しましょう。

  • 自営業で開業したばかりの方
  • 正社員でない方
  • 転職回数が多い方

1つの金融機関で落ちてしまっても、あきらめないで他の金融機関に申請してみてください。

(b)借入額を下げる

住宅ローンを借りすぎると、長期的に生活に無理が生じてしまいます。
「借りられるだけ借りる」のではなく、「余裕を持って返せるだけ借りる」という意識を持つことが大切です。

借入額を抑えるためには、家の予算を減らす方向性と、頭金を増やす方向性があります。

家の予算を減らすとして、シンプルな間取りを採用したり、ローコスト住宅を得意とするハウスメーカーに依頼したりする方法があります。家の予算をうまく抑えて、借入額を減らせるか検討してみてください。

(c)住宅ローンの組み方を変える

住宅ローンを1人で組んで審査に通過できない場合でも、2人で組めば可能になるケースがあります。

共働きなら「夫婦でそれぞれ借りるパターン」と、「収入合算するパターン」があり、二人分の収入に基づいて審査を受けることが可能です。

親子間でも、親子のリレーローンやペアローンといった商品があります。

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3-2.早めに事前審査を受けてから建築プランの詳細を決める

まずは早めに事前審査を受けて借入可能額を知り、家づくりの予算をはっきりさせることが大切です。

予算がはっきりすれば、建築プランを検討しやすくなります。
注文住宅の予算は、1,000万円台~4,000万円台くらいまで幅広いものです。
自分の希望をすべて反映させると予算がふくらむため、事前に予算の折り合いをつけることが欠かせません。

はっきりとした予算を念頭に置いて、ハウスメーカーや間取りなどの建築プランを決めていくことをおすすめします。

事前審査を受けるときには、間取りプランも合わせて提出が必要ですが、提出した間取りやハウスメーカーで建てなければいけないわけではありません。

まずはハウスメーカーや間取りを最終的に決める前でかまわないため、「これくらいの規模・値段の家を建てたい」というイメージに合うプランを手に入れたら、早めに事前審査を提出しておきましょう。

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3-3.「つなぎ融資」を利用するなら信用度の高いハウスメーカーを選ぶ

注文住宅の建築代金は、3~4回に分割して支払うのが一般的です。

建築代金の支払い(一例)

  • 契約時:5~10%
  • 着工時:30%
  • 中間金:30~40%
  • 完成時:30%

ところが、一般的な「住宅ローン」は、住宅が完成した時点で融資の代金が振り込まれます。
そのため、家が完成する前の支払いをどうするのかが問題になります。

多くの金融機関では、「つなぎ融資」や「分割実行」という制度が用意されていて、建物が完成する前の資金を一時的に融資してもらうことができます。

ただし、そのような制度がない金融機関もあるため、事前に確認が必要です。
建物完成前の資金を全て自己資金で支払う予定でなければ、「つなぎ融資」等を利用できる金融機関で事前審査を受けておきましょう。

ただし、「つなぎ融資」等は建物の完成前にハウスメーカーに資金を支払います。
工事の途中でハウスメーカーが倒産するリスクを考えて、信用度の高いハウスメーカーでないと融資審査が通らない可能性がある点に注意しましょう。

「つなぎ融資」を利用したいときは、大手のハウスメーカーや、建築実績が豊富なハウスメーカーを選ぶようにしましょう。

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柴田 充輝

注文住宅では、事前審査を早めに行うことが重要です。理想の家を描いてから予算不足に気づくケースが非常に多く、気づくのが遅れると無理な返済計画になりかねません。

つなぎ融資については、金利が住宅ローンより高く設定されているため、利用期間を最小限に抑える工夫が必要です。工期の短いハウスメーカーを選ぶことで、つなぎ融資の負担を軽減できます。

また、夫婦でローンを組む場合は、将来のライフプランも考慮しましょう。出産や転職で収入が変わる可能性があるなら、収入減を見越した返済額に抑えることをおすすめします。

4.住宅ローンはどれくらい借りられるのか

次に、住宅ローンは、具体的にどのくらい借りられるのかについて見ていきましょう。

借入希望額が多すぎると、審査を通過することはできません。
住宅ローンを申し込んだときの希望額が多すぎると、融資額を減らされた上で審査が可決されることがあります(減額承認)。

その場合、資金計画を立て直す必要があるため、住宅プランにも修正が必要になってしまいます。

自分たちの場合、どのくらいの金額であれば借りられるのか、事前に目安を立てておくことが大事です。
ポイントは以下の2つです。

住宅ローンで借りられる金額目安のポイント

  • 住宅ローンは「年収の6~7倍」借りられる可能性がある
  • 重視されるのは「返済負担率」

以下より1つずつ解説します。

4-1.住宅ローンは「年収の6~8倍」借りられる可能性がある

年収倍率とは、「年収の何倍まで借りられるのか」という目安です。

一昔前までは、年収の5~6倍くらいと言われていましたが、最近は金利が低いため6~8倍くらいが目安になります(物件の種類によって異なります)。

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4-2.重視されるのは「返済負担率」

金融機関が重視するのは、実は年収倍率よりも「返済負担率」です。
返済負担率とは、「返済額が収入の何割にあたるか」という指標で、次の式で求められます。

返済負担率=年間の返済額÷年収

年間の返済額とは:利用しようとしている住宅ローンの返済額だけでなく、マイカーローン、カードローン、クレジットカードの分割払いなども含む。

年収とは:サラリーマンなら給与支給額。個人事業主なら、収入から経費を差し引いた申告所得額

返済負担率については、各金融機関がそれぞれ一定の審査基準を定めていますが、30~35%程度が審査基準という金融機関が多いです。
なお、フラット35の返済負担率は、「年収400万円未満は30%以下、年収400万円以上は35%以下」が利用の条件と公表されています。

「フラット35」とは:返済期間中の金利がずっと変わらない「全期間固定金利」の住宅ローン。住宅金融支援機構(「住宅金融公庫」の業務を引き継いだ機関)と提携している全国の金融機関が扱っています。

参考:住宅金融支援機構「住宅ローン:長期固定金利住宅ローン 【フラット35】

ただし金融機関の定める返済負担率の上限基準が30~35%であったとしても、実際に長期間にわたって返済できるとは限りません。
返済に余裕を持たせるためには、25%以内にしておくことが望ましいでしょう。

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家づくりのとびらコラム

借入可能額が少なくても注文住宅をあきらめないでOK!

事前審査を受けた結果、思ったよりも借入可能額が少なくても注文住宅をあきらめる必要はないかもしれません。

注文住宅では予算を抑える方法はいくつかあります。

  • 建築費が抑えられるような間取りにする
  • 数百の間取りパターンの中から選ぶ「セミオーダー」で注文住宅を建てる
  • 低コストを得意とするハウスメーカーを選ぶ

予算を抑えながら、どれだけ良い家を建てられるかは、プロの腕の見せどころです。

HOME4U 家づくりのとびら プラン作成依頼サービスを活用しながら、効率よくあなたに合ったハウスメーカー・工務店を探してくださいね。

5.住宅ローンの審査を申し込むタイミングと審査期間

注文住宅を建てるときには、ハウスメーカーを選んで間取りなどを決めていくことになります。

住宅ローンの審査を申し込むタイミングや、「事前審査」と「本審査」という2種類の審査の方法と審査期間について解説していきます。

最後に、「事前審査」と「本審査」という2種類の審査の方法と審査期間について解説していきます。

5-1.住宅ローンの審査を申し込むタイミング

注文住宅を建てるときの流れは次の通りです。

注文住宅の流れ

  1. ハウスメーカーを選ぶ
  2. 住宅ローンの事前審査
  3. 建築プランを打ち合わせ
  4. 工事請負契約
  5. 住宅ローンの本審査

住宅ローンの審査は通常、「事前審査仮審査とも呼ばれます)」と「本審査」という二段階で行うのが一般的です。

まずは必要書類の少ない簡易的な「事前審査」で、希望額の融資が可能かどうか「仮に」確認しておきます。

そして、詳細な建築プランが決まって、ハウスメーカーと工事請負契約を結んだら「本審査」という流れになります。

なお、「事前審査」は飛ばしていきなり「本審査」でもかまわないという銀行もあります。

5-2.「事前審査(仮審査)」の方法と審査期間

(1)事前審査の結果が出るまでの審査期間

事前審査は、通常、2日~1週間くらいで結果が出ます。

(2)事前審査に必要な書類

仮審査の必要書類は次のようなものですが、金融機関によって異なります。

仮審査の必要書類(一例)

  • 所得証明書類(源泉徴収票、確定申告書の写しなど)
  • 本人確認書類、健康保険証
  • 建築予定の家の間取り図、見積書

仮審査の申込には、間取り図が必要になるのが一般的ですが、これは最終決定したものではなく仮のプランでかまいません。

なお、インターネット経由で事前審査の申込が完了する金融機関が増えています。

5-3.「本審査」の方法と審査期間

(1)本審査の結果が出るまでの審査期間

本審査の結果が出るまでは、通常、1~2週間くらいですが、3週間ほどかかることもあります。

本審査の審査期間は、大企業などに長く勤めている場合や公務員など、信用力が高ければ短い傾向があります。
審査期間が長めになりやすいのは、次のようなケースです。

審査期間が長引くケース(一例)

  • 収入が不安定な職業や自営業の場合
  • 借入希望額が高すぎるとき
  • 書類に不備が多いとき
  • 銀行の繁忙期

(2)本審査に必要な書類

本審査では、ハウスメーカーや建築プランをしっかり固めた上で、様々な書類を添付して申し込みます。
必要書類は次のようなものです。

本審査に必要な書類(一例)

  • 所得証明書類(源泉徴収票、住民税課税証明書、確定申告書の写しなど)
  • 工事請負契約書(ハウスメーカーとの契約書の写し)、間取り図、見積書
  • 建築確認済証
  • 住民票
  • 印鑑証明書(本審査の申込書に実印を押印する)
  • 健康保険証、運転免許証

記載ミスや添付書類不足で審査期間が伸びたり審査が通らなかったりするのはもったいないので、細心の注意を払って本審査を申し込みましょう。

また、上記以外にも経歴書等を求められたり、ヒアリングされたりするケースもありますが、前向きに審査が進んでいる証拠なので誠実に対応することをおすすめします。

柴田 充輝

住宅ローンの借入額は、「借りられる金額」より「無理なく返せる金額」を意識することが欠かせません。年収の6〜7倍借りられる場合でも、実際の返済は年収の20〜25%以内に抑えることをおすすめします。

注文住宅では、建築後の外構工事や家具購入で追加費用が発生する可能性が高いため、余裕を持った資金計画を立てましょう。

審査のタイミングについては、事前審査を複数の金融機関で同時に行うことが効果的です。金融機関によって審査基準が異なるため、より良い条件を比較検討できます。ただし、本審査は工事請負契約後の1社に絞って行いましょう。

まとめ

注文住宅を建てるときには、ハウスメーカーや間取りを検討していく途中段階で、早めに住宅ローンの「事前審査」を受けておきましょう。
最終的な建築プランが決定して、ハウスメーカーと契約を結んだら、住宅ローンの「本審査」を受けます。

住宅ローンの審査で特に重視される項目は、「勤務先」「雇用形態」「年収・返済負担率」「勤続年数」「年齢」「借金・滞納」「健康状態」「担保価値」「資産状況」「連帯保証」です。

審査に落ちてしまうケースについても解説しましたが、当てはまりそうな場合は対策を事前に確認しておきましょう。

また、住宅ローンを借りて注文住宅を建てるときに押さえておきたいポイントは次のとおりでした。

  • 審査が厳しそうなら「銀行」「借入額」「住宅ローンの組み方」を変更する
  • 早めに事前審査を受けてから建築プランの詳細を決める
  • 「つなぎ融資」を利用するなら信用度の高いハウスメーカーを選ぶ

借入希望額が多すぎれば審査は通りませんので、家の予算をできるだけ抑えつつ、理想を実現してくれるようなハウスメーカーを探すことも大切です。

住宅ローンの審査を突破して、理想のマイホームを手に入れてくださいね!

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この記事の編集者

「家づくりのとびら」編集部

NTTデータグループ会社が運営する注文住宅相談サービス「家づくりのとびら」編集部です。難しい住まいづくりの情報を、わかりやすく正確にお伝えします。記事は不動産鑑定士や宅地建物取引士などの不動産専門家による執筆、監修記事がメイン。初めての住まいづくりをサポートします!

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