- 変更日:
- 2024.04.11
家を建てるなら、10月頃や4月頃など、春や秋の時期に着工するのがおすすめです。
これは、基礎工事にあたるコンクリート打ちが夏・冬よりも気温の安定した春・秋のほうが適しているからです。
固まる前のコンクリートは、外気温の影響を受けやすいのです。
しかし、人によって状況は異なるため、春や秋に着工するのが難しい方もいらっしゃるでしょう。そういった場合には、以下のポイントを押さえながら着工時期を決めるとよいです。
家を建てる時期を決めるポイント
- 着工から竣工までには4~6ヶ月かかる
- 基礎工事は冬や真夏を避ける
- 固定資産税は1月1日時点で発生する
なお、家を建てる際には、資金面や生活面で問題が生じてスケジュール通りに進まないこともあります。
この記事で家を建てる時期のポイントを押さえ、余裕のあるスケジュールを組みましょう。
この記事でわかること
- 家を建てる時期を決める3つのポイント
- 家を建てるのにおすすめの季節と各スケジュール例
- 家を建てる時期を決める際の注意点
これから家を建てるための計画を立てる方、スケジュールを作りたい方はぜひ参考にしてください。
まとめて依頼
注文住宅がどのような工程で建つのか知りたい方は「注文住宅の流れ」の記事もご覧ください。
1.家を建てる時期を決める3つのポイント
いつ家を建てようかと迷ったときは、次の3つのポイントに注目すると時期を決めやすくなります。
- 着工から竣工までには4~6ヶ月かかる
- 基礎工事は冬や真夏を避ける
- 固定資産税は1月1日時点で発生する
それぞれのポイントについて詳しく見ていきましょう。
1-1.着工から竣工までには4~6ヶ月かかる
ハウスメーカーや設計内容にもよりますが、着工から竣工までに平均4〜6ヶ月かかります。逆算することで、おおよその着工時期を決めることができるでしょう。
例えば4月から新居で生活したい場合であれば、前年の10〜12月ごろに着工すれば間に合う計算になります。引っ越しに時間がかかることも考慮すれば、前年の9月の着工も視野に入れておきましょう。
土地探しは余裕を持って始めよう
ハウスメーカーに依頼すれば、通常であれば4〜6ヶ月で住宅を建てることが可能です。しかし、土地が決まっていない場合は土地探しから始めなくてはいけないため、さらに時間がかかってしまいます。
土地がなかなか決まらず予定よりも着工が遅れるというケースもあるので、新居に入居するおおよその時期を決めている方は、余裕を持って早めに土地探しを始めましょう。
土地探しもできるハウスメーカー・工務店がおすすめ!
ハウスメーカー・工務店のなかには、土地探しから住宅建築までをトータルで進められる会社があります。
ハウスメーカー・工務店に土地探しを依頼するメリットは、主に以下の2つです。
- 建てたい家の間取りや住宅プランに合う土地を探してくれる
- 予算を抑えやすい「建築条件付土地」を検討できる
もちろん、不動産会社に頼んだり、自力で探したりすることも可能ではありますが、建築を依頼するハウスメーカー・工務店に土地探しもセットで依頼できれば、窓口が減る分買主側の負担を大きく減らすことができます。
1-2.基礎工事は冬や真夏を避ける
着工すると、まずは基礎工事が始まりますが、時期によっては工事が進みにくいこともあります。特に冬季は注意が必要です。寒さが厳しい時期に基礎工事をすると、凍害が起こり、十分なコンクリート強度が得られないこともあります。
また、夏場の基礎工事にも注意が必要です。気温が高すぎるとコンクリートが固まるときにひび割れが起こり、強度が下がる可能性があります。地域によっても想定されるトラブルは異なるので、ハウスメーカーと話し合い、丈夫な基礎を作れる時期を選んで着工しましょう。
1-3.固定資産税は1月1日時点で発生する
土地や建物などの不動産を所有している場合は、固定資産税が発生します。固定資産税がどの程度かかるのかも考えてから、家を建てる時期を決めるのも一つの方法です。
固定資産税を計算する際に覚えておきたいルールをいくつかご紹介します。
- 固定資産税はその年の1月1日時点で所有しているかどうかで判断する
- 建物が建っている土地の200平米以下の部分に関しては固定資産税が1/6になる
- 新築住宅は120平米以下の部分に関しては最初の3年間は建物の固定資産税が1/2になる
- 土地と建物の固定資産税は別々に計算される
- 建物が完成するまでは建物の固定資産税は発生しない
例えば100平米の土地を2023年6月に取得し、床面積100平米の建物を同年9月に着工して2024年の2月に竣工したとしましょう。この場合、固定資産税は以下のように発生します。
年 | 土地の固定資産税 | 建物の固定資産税 |
---|---|---|
2023年 | ー | ー |
2024年 | あり | ー |
2025年 | あり(本来の1/6) | あり(本来の1/2) |
2026年 | あり(本来の1/6) | あり(本来の1/2) |
2027年 | あり(本来の1/6) | あり(本来の1/2) |
2028年 | あり(本来の1/6) | あり |
土地の固定資産税評価額が高いときは、更地のまま所有する期間を短くし、早く建物を建てて宅地にすることで税額を抑えられることがあります。固定資産税についても考慮して、土地を購入するタイミング、建物を竣工するタイミングを決めるようにしましょう。
このように、家を建てるタイミングによって得をしたり損をしたりもするので、スケジュールは事前にしっかり考えておきたいものです。
自分たちが入居したい時期に確実に間に合うよう、まずは無料のHOME4U 家づくりのとびら プラン作成依頼サービスでハウスメーカー・工務店の数を絞り込んでおきましょう。
「予算に合わない」「施工対応エリア外」などのハウスメーカー・工務店を避けながら比較できるので、効率よくあなたに合った建築依頼先を探すことができます。
2.家を建てるのにおすすめの季節、各スケジュール例
地域にもよりますが、コンクリートに凍害やひび割れが起こる時期は、家を建て始める時期に向かないことがあります。真夏と真冬を避けたおすすめスケジュール例を2つご紹介します。
- スケジュール例1:4~5月に着工、8月~11月に竣工
- スケジュール例2:10~11月に着工、2~3月に竣工
以下より詳しく解説します。
2-1.スケジュール例1: 4~5月に着工、8月~11月に竣工
「春に着工・夏に竣工」のプランであれば、基礎工事のときに凍害やひび割れが起こる心配はほぼないでしょう。
ただし上棟の時期は、木材が露出した状態となります。梅雨と重なるとまれに木材にシミが生じたり、強度が低下したりすることがあるため、注意が必要です。
天候に対して、しっかりと対策を取ってくれる確かなハウスメーカー・工務店を選ぶのが大切です。
2-2.スケジュール例2:10~11月に着工、2~3月に竣工
秋着工・冬竣工のプランも、基礎工事のときに凍害やひび割れが起こることはまずないでしょう。ただし、着工時期に遅めの台風が来ると、工事の日程にずれが生じるかもしれません。
なお、冬季は雪が降る寒冷エリアでも問題なく家を建てることができます。しかし、除雪をしながらの作業となる場合、会社によっては追加料金を請求される可能性もあるため、事前に確認しておきましょう。
また、1月1日よりも前に建物が完成すると、建物も固定資産税の対象となりますが、その分、土地の固定資産税が減額対象となります。
3.その他に家を建てる着工・竣工時期を検討する方法
家を建てる時期は、次の2つの要素でも検討できます。
- ハウスメーカーが空いている時期を選ぶ
- ライフステージに合わせて選ぶ
それぞれの要素からどのように着工時期、竣工時期を決めることができるのか、詳しく見ていきましょう。
3-1.ハウスメーカーが空いている時期を選ぶ
家を建てたい方が多い時期は、ハウスメーカーも混み合い、工事スタッフや外注業者を確保できないことがあります。そのため、思ったよりも日数がかかり、新生活を始めたい時期に入居できないかもしれません。ハウスメーカーに相談し、比較的空いている時期を選ぶのもおすすめの方法です。
なお、一般的に春先は注文住宅の購入を検討する方が増えます。春の着工を目指すのであれば、早めにハウスメーカーに声をかけ、工事スタッフや外注業者を抑えてもらうのも一つの方法です。
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3-2.ライフステージに合わせて選ぶ
結婚する、子どもが幼稚園や小学校に入るなど、ライフステージに合わせて着工時期・竣工時期を選ぶこともできます。ライフステージが変わると生活も大きく変わるので、新居に引っ越して新生活を始めるには適した時期と考えられるでしょう。
入居が出産時期以外になるように調整
妊娠や出産などもライフステージが変わる時期ですが、引っ越しなどの労力を伴う作業にふさわしい時期ではないので少しずらすほうが良いでしょう。特に入居後は荷物を片づけるなどの作業がたくさんあるので、入居時期は出産時期と重ならないように調整することをおすすめします。
家族の人数に合わせて選ぶ
家族の人数が変わる時期も、家を建て始める時期に適しています。子どもが生まれたとき、親と同居するとき、子どもが独立したときなどのタイミングに合わせて、住宅建築を検討してみましょう。
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3-3.【賃貸の場合】契約の更新時期に合わせて時期を選ぶ
賃貸住宅にお住まいの場合は、契約の更新時期に合わせて家を建てることができます。更新時には更新料が必要なこともあるので、更新時期までに竣工するようにスケジュールを調整しましょう。
もし竣工が更新時期を過ぎてしまうと、仮住まいを探す必要が生じるだけでなく、賃貸から仮住まい、仮住まいから新居へと2回引っ越すことになり、引っ越し費用もかさんでしまいます。また、家具や家電を置くためにも、ある程度の広さの仮住まいを借りるとなると、家賃も高くなるでしょう。
家具や家電が入り切らないときはレンタル倉庫などを借りる費用も発生します。仮住まいを回避するためにも、何らかの事情で工事が遅れたケースも想定して、着工時期を早めにし、余裕を持ったスケジューリングを心掛けましょう。
なお、更新料はすべての賃貸住宅で設定されているわけではありません。地域や物件によっては更新料不要のケースもあります。また、通常は家賃1ヶ月分が相場ですが、家賃2〜3ヶ月分の物件もあるので注意が必要です。
以上が、着工・竣工時期を検討する方法です。
家づくりで一番大事なのは、ハウスメーカー・工務店選びといわれています。
これは、ハウスメーカー・工務店によって得意分野が異なるためです。
自分の要望に強みを持つハウスメーカー・工務店が見つけられるかどうかが、家づくり成功のカギになるので、ハウスメーカー・工務店選びは慎重に行いたいところ。
しかし、全国に数万社あるといわれているハウスメーカー・工務店を自分たちだけで1社ずつ調べ、情報整理していくのは非常に手間や時間がかかり大変です。
特に、入居日に希望があったり、補助金申請の都合上ある程度スケジュールが決まっていたりする方は段取りよく家づくりを進める必要があります。
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4.家を建てる時期を決める際の注意点
注文住宅を建てるとき、着工時期や竣工時期を考えることも重要ですが、次の点にも注意してください。
- 頭金は十分にあるか
- 通学に影響を及ぼさないか
- 補助金制度が適用されるか
以下より詳しく解説します。
4-1.頭金は十分にあるか
住宅ローンを利用して注文住宅を建てるときは、頭金が十分にあるかも確認しておきましょう。頭金が多いとその分、住宅ローンによる借入額を減らすことができます。借りる金額が少なくなると利息も減り、返済期間も短くなるかもしれません。
また、住宅ローンによっては頭金が多いと適用金利が下がるものもあるので、頭金は多めに用意しておくほうが望ましいでしょう。例えばフラット35を利用する場合は、融資率(フラット35で借り入れる金額÷住宅の建築費・購入価格)が90%を超えると、90%以下のときよりも高い金利が適用されます。
ただし、預金を全額頭金として出してしまうのはおすすめできません。住宅を建てるときには税金や手数料などの諸費用がかかり、そのうちの多くは現金で支払う必要があります。
新築住宅の場合、諸費用は住宅購入にかかる費用の10%程度とされているので、おおよその金額を求め、それ以上の現金を残しておくようにしましょう。
また、新居に入居してから家具や家電を購入する費用も必要になります。十分に手元に資金を残し、無理のない程度の頭金を支払うようにしましょう。
4-2.通学に影響を及ぼさないか
現在の居住地と新居の学区が異なるときは、転校することになります。新学期が始まる前に引っ越しを完了しておくと、学期途中に転校するといった事態を回避できるでしょう。
新学期が始まった後に竣工する場合は、転校先が現在の居住地と近く、また期間も長引かないのであれば、学校側に事情を話して引っ越し前から新しい学校に通えるかもしれません。子どもが負担を抱えないように配慮して、家を建てる時期を選ぶようにしましょう。
4-3.補助金制度が適用されるか
家を建てるときは、国や自治体の補助金制度を利用できることがあります。補助金制度が適用されると、建築費の一部を補助金として受け取れるため、住宅購入の経済的な負担を軽減できるでしょう。
補助金制度は予算が決まっていることが多く、先着順で適用可否が決まることがあります。また、申請時期が決まっていることもあるので、利用したい補助金制度が決まっているときは、早めに建てるほうが良いかもしれません。
なお、どのような補助金制度を利用できるかについては、ハウスメーカーや工務店に尋ねてみましょう。また、新居を建てる自治体でも補助金制度を実施していることがあるので、市区町村役場に問い合わせてみることもできます。
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まとめ
家を建てる時期の決め方には、以下のようにさまざまな方法があります。
- 入居したい時期から逆算する
- 凍害やひび割れが起こりそうな時期の着工を避ける
- 固定資産税について計算してから決める
- ライフステージ・家族構成が変わるタイミングで決める
- ハウスメーカーがあまり混まない時期を選ぶ
閑散期は工事スタッフや外注業者を確保しやすくなり、スケジュールが遅れないように調整できることもあります。
いずれの時期を選ぶときでも、予定通りにスケジュールが進まないときについて考えておくことが必要です。子どもの通学に影響を及ぼすことや仮住まいの利用を避けたい場合は、早めに着工し、余裕を持ってスケジュールを組むようにしましょう。
この記事のポイント
家を建てる時期でおすすめは?
10月頃や4月頃など、春や秋の時期に着工するのがおすすめです。
これは、基礎工事にあたるコンクリート打ちが夏・冬よりも気温の安定した春・秋のほうが適しているからです。
家を建てる時期を決めるポイントは?
- 着工から竣工までには4~6ヶ月かかる
- 基礎工事は冬や真夏を避ける
- 固定資産税は1月1日時点で発生する
詳細は「1.家を建てる時期を決める3つのポイント」をご覧ください。
家を建てる時期を決める際の注意点は?
- 頭金は十分にあるか
- 通学に影響を及ぼさないか
- 補助金制度が適用されるか
「4.家を建てる時期を決める際の注意点」で詳細をご確認ください。
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