- 変更日:
- 2024.10.04
この記事は後悔なく「基礎断熱を設置するかどうか」を決められるよう判断材料を提供し、サポートする内容になっています。
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注文住宅の構造・工法の種類について知りたい方はこちらの記事もご覧ください。
目次
1. 基礎断熱の決め方&メリット・デメリット一覧
近年「基礎断熱」が注目されており、気になっている方も多いと思います。
ここでは、基礎断熱の設置を迷った時の決め方と、メリット・デメリットを一覧でご紹介します。
1-1.基礎断熱の決め方
基礎断熱の決め方は一言で言うと
床断熱と基礎断熱のどちらの方が合っているか
どちらがいいかではなく、どちらがお住まいの地域や住居スタイルに合っているかです。
後悔しないためにきちんと見極めてください。
合っている人の特徴 | |
床断熱 |
|
基礎断熱 |
|
※全館空調とは、床下を含めた家の中の空気を循環させて、家全体を温めたり冷やしたりする冷暖房システムです。
1-2.基礎断熱のメリット一覧
基礎断熱を設置するメリットは以下の3つです。
- 配管が凍結しない
- 年間通じて安定した室温を確保できる
- 気密性が高く光熱費も抑えられる
詳しくは、「3.基礎断熱のメリット・デメリット解説」より、「3-1.基礎断熱のメリット」をご覧ください。
1-3.基礎断熱のデメリット一覧
基礎断熱を設置するデメリットは以下の3つです
- 基礎部分のひび割れなどの不具合が見つけづらい
- シロアリ侵入のリスクがある
- 新築から1〜2年はカビのリスクがある
詳しくは、「3.基礎断熱のメリット・デメリット解説」より、「3-2.基礎断熱のデメリットと後悔しないためのコツ」をご覧ください。
1-4.床断熱と基礎断熱の違い
床断熱は、一般的に建てられる家で採用されている工法で、1階の床の下面に断熱材を張る工法のことを言い、床下からの外気の影響を受けやすいと言われています。
基礎断熱は、寒冷地で確立した技術でここ最近は注目されていて、建物の基礎のコンクリートに断熱材を設置する工法を言い、外気の影響を受けづらいと言われています。
2.基礎断熱の特徴と決め方
ここでは、基礎断熱の特徴2つと、決め方についてご紹介します。
2-1. 基礎断熱の特徴
2-1-1. 特徴1 年間通じて全ての部屋の室温が安定する
床断熱は1階の床の下面から断熱材を壁、屋根に張るのに対して、基礎断熱は建物の基礎コンクリートから断熱材を張るので、家全体を断熱材で包むような構造になっています。
基礎断熱は家全体に外気が入ってこない造りなので、気密性が高く床下は室内と同じ温度になり、年間通じて温度が安定し、夏は涼しく冬は暖かいお家になります。
また室内温度が年間通じて15度前後の地中温度が基準になり、室温が安定していて部屋ごとの室温の差が少ないことが特徴です。
一方、床断熱の場合は床下を外気が通るので、外気温の影響を受けやすい特徴があります。
2-1-2. 特徴2 床下のカビ対策やシロアリ対策が必要
新築から1〜2年は、コンクリートから水蒸気が出るのに加えて床下の気密性が高く、換気が難しいためカビのリスクが高いという特徴があります。
さらにシロアリは、湿度が高く水分が豊富な場所を好み、土に接している基礎コンクリートや束石などから建物へと侵入してきます。
なので、保温性の高い断熱材をシロアリの侵入経路の基礎に断熱材を敷く基礎断熱は、必然とシロアリ対策が必要になります。
一方、床断熱は基礎部分のコンクリートが外気に触れ、換気もされているのでほとんどカビの心配はありません。
2-2. 基礎断熱の決め方のポイント
ここでは、基礎断熱の方が合っているかの決め手となる具体的なチェックポイントを、より詳しく説明します。
全館空調を入れたいか | 冬の生活を快適にしたいか | 定期点検が苦ではないか |
---|---|---|
全館空調設置をお考えの方は、基礎断熱が必須 | 冬の寒さで不便さを感じる地域か | カビやシロアリの被害が無いか定期的に確認できるか |
2-2-1. 全館空調を入れたいか
全体を一律に管理する全館空調の導入を考えている人は、気密性の高い基礎断熱の施工が必須です。
廊下や階段、ロフトや吹き抜けのある家でも室温が一定になり冬でも夏でも快適に過ごせる冷暖房システムなので、お年寄りの方が注意したい、温度差で起こりやすいヒートショックの心配が少なくなります。
2-2-2. 冬の生活を快適にしたいか
夏涼しく、冬暖かいのが基礎断熱の特徴ですが、一番基礎断熱の効果を感じられるのは冬です。
気密性が高く外気の影響を受けにくいので、暖房効率がよく、家全体が暖かくなるのが早いです。
高い温度でいつまでも部屋を温める必要がなくなるので、光熱費も抑えられ節約に繋がりますし、「寒いから動きたくない」ということもなくなるので、家事効率も落としません。
加えて、冬に配水管が凍る地域の方は基礎断熱にするとあの煩わしさからも解放されますので、こういった冬の寒さが厳しい地域の方は基礎断熱を選ぶと冬が快適に過ごせます。
2-2-3. 定期点検が苦ではないか
基礎断熱は気密性が高い反面、床下に湿気がたまりやすく、カビやシロアリのリスクがあります。
もちろん、床断熱にもシロアリのリスクはありますが、シロアリの侵入経路に断熱材が敷いてある基礎断熱の方がそのリスクは高くなります。
カビが発生していないか、シロアリの侵入はないかを定期的に確認することで早期発見に繋がり、被害も最小限に食い止められます。
家のお手入れなどを苦にせず行える方は、基礎断熱の検討をおすすめします。
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3.基礎断熱のメリット・デメリット解説&後悔しないためのコツ
ここでは基礎断熱のメリット・デメリットの解説に加え、デメリットをカバーする「後悔しないためのコツ」を紹介します。
3-1.基礎断熱のメリット
基礎断熱のメリットは以下の3つです。
- 配管が凍結しない
- 年間通じて安定した室温を確保できる
- 気密性が高く光熱費も抑えられる
以下では一つずつのメリットを解説します。
3-1-1. メリット1配管が凍結しない
寒い地域でなくても冬は、配管が凍結することも少なくありません。
基礎断熱をすると、床下を通る配管が外気にさらされることもないので、配管が凍って水が出ないという心配がありません。
3-1-2. メリット2 年間通じて安定した室温を確保できる
基礎断熱は床下も室内として断熱材で覆うため、地中温度が室内温度の基本になります。
断熱材に覆われた地面の温度は年間通して15度前後であり、冬の寒さ対策だけでなく、夏の暑さ対策にもなります。
3-1-3. メリット3 気密性が高く光熱費も抑えられる
基礎断熱は床下も室内空間とするため、床下の機密パッキンにより外気が床下に入らず、気密性が高くなっています。
冬でも床が冷たくならず、快適に過ごせます。
また、断熱材で守られた地中温度は年中安定しているので空調のコストを削減することができ、基礎断熱を採用した家庭の光熱費は、そうでない家庭に比べて、年間で約30%い例もあります。
3-2.基礎断熱のデメリットと後悔しないためのコツ
基礎断熱のデメリットは以下の3つです。
- 基礎部分のひび割れなどの不具合が見つけづらい
- シロアリ侵入のリスクがある
- 新築から1〜2年はカビのリスクがある
これから一つずつ解説します。
3-2-1. デメリット1基礎部分のひび割れなどの不具合が見つけづらい
基礎断熱は基礎の部分に断熱材を敷くので、日常的に基礎部分が見えているということはありません。
家の基礎は大事な部分ですので、ひび割れなどがあればすぐに対処をしたい箇所でもあります。
見えていれば、発見も早く被害も費用も少なく済みますが、不具合が出てからでは大きな修繕工事が必要になる可能性もあります。
後悔しないためのコツ:点検方法を事前に確認する
施工時に点検しやすいように設置してもらい、点検方法を教えてもらう。点検が難しい場合は、施工業者さんに頼むのが得策です。
3-2-2. デメリット2 シロアリ侵入のリスクがある
基礎断熱は、断熱材からシロアリの侵入を許すリスクがあり、早期発見が重要です。
断熱材を目視で確認できるようにしてもらい、定期的に目視確認をしましょう。
後悔しないためのコツ:防蟻加工されたものを使用する
断熱材は防蟻加工されたものを採用してください。侵入を防止する薬もありますが、数年で効果が切れるので、使う場合は注意しましょう。
3-2-3.デメリット3 新築から1〜2年はカビのリスクがある
「基礎断熱」は床下が「室内」で、換気が難しいため、カビのリスクがあります。
特に新築から1〜2年は、コンクリートから水蒸気が出るため、カビのリスクが高まります。
後悔しないためのコツ:エアコン設置
床下のカビ対策には、床下にエアコンを設置する対策が有効です。
4.基礎断熱の費用相場
ここでは、基礎断熱の費用相場と、基礎断熱を設置した場合の費用シミュレーションをご紹介します。
4-1. 床下断熱と基礎断熱の費用相場概要
床下断熱と基礎断熱の断熱材の費用に関しては、大きく変わりません。
床下断熱と基礎断熱の費用は断熱材の種類やグレードによって異なりますが、基礎断熱によく使われるポリスチレンフォームとウレタンフォーム(樹脂系のボードタイプ)、セルロースファイバーの相場は下記の通りです。
材料 | 1㎡あたりの金額 | 100㎡あたりの費用 |
---|---|---|
ポリスチレンフォーム ウレタンフォーム | 約3,000~6,000円 | 約49〜約60万円 |
セルロースファイバー | 約6,000~9,000円 | 約60~約90万円 |
4-2.基礎断熱の設置費用シミュミレーション
ウレタンフォームの断熱材を用いて基礎断熱を行った場合のシミュレーションです。
ウレタンフォームの断熱材を用いて一棟あたり50坪(約165㎡)の基礎断熱の施工した場合のシミュレーション
設置費用の合計:約495,000〜約990,000円
※あくまでも編集部で試算したシミュレーションです。お住まいの地域によって変動するのでハウスメーカー・工務店に確認しましょう。
5. 【事例】基礎断熱でできる事&起こりうるトラブル
最後に基礎断熱を設置してできる事と、考えられるトラブルを編集部で想定し、その事例とトラブル対処の工夫を示します。
5-1.基礎断熱を設置してできる事
冬の寒さが苦手な人におすすめの、基礎断熱を設置した一般的な事例を想定してみました。
基礎断熱を設置した家 | 冬でも暖かなリビング | 家族みんなが集まれる |
できる事 |
---|
|
できる事:夏でも冬でも快適なリビングにすることができる
「家を建てるなら暖かい家がいい」という理由から基礎断熱を選ぶ方もいるはず。
冬は暖かく、家族みんながリビングで過ごすことが多くなるかもしれません。
さらに、夏の過ごしやすさもあります。
エアコンをつけていなくても。基礎断熱だと夏も過ごしやすくなるので検討してみるのも良いでしょう。
5-2.基礎断熱と全館空調を導入した二世帯住居でできる事&起こりうるトラブル
全館空調は、基礎断熱を施せば導入できる空調システムです。その導入例を想定しました。
二世帯住宅 | 全館空調で快適に |
できる事 | 起こりうるトラブル |
---|---|
|
|
できる事:全館空調でヒートショックの心配がなく暖房効率が良い家にできる
基礎断熱と全館空調で、室温が一定に保たれるためお年寄りにもヒートショックの心配が少なく安心です。
また、気密性が高いため洗濯物が暖房をかけるとあっという間に乾いてしまいます。雨の日でも部屋干しできるようになります。
起こりうるトラブル:乾燥しすぎてしまい、対策によっては結露が起こるかも
暖房効率が良く洗濯物が乾くのはいいのですが、空気が乾燥しすぎてしまったり、結露が発生しやすくなったりする可能性があります。
トラブルを防ぐ工夫例:
① 加湿器を利用する
② 窓を結露しにくいものにする
全館空調で、暖房を入れる場合は加湿器を用意した方がいいと言えます。
加湿器を使用する場合気をつけたいのが結露。
結露しやすい窓は高性能ペアガラスや断熱性の高いサッシを導入するといいかもしれません。
併せて防湿効果の高い断熱材を選ぶと壁のカビも防げます。
5-3.温度差の少ない住宅で子育てしながらできる事
喘息気味の子供がいる家庭に24時間換気システムのため基礎断熱を導入する事例を想定してみました。
24時間換気システムを導入 | 子供が過ごしやすいリビング | 光熱費もお特に |
できる事 |
---|
|
できる事:換気が万全に。省エネでエコなため光熱費も安くできる
喘息持ちのお子様がいる家庭なら、基礎断熱を選び空気の24時間換気システムの導入もいいかもしれません。
規模の大きい換気システムは新鮮な空気を室内に循環させることができます。
エアコンを過度に使わなくなるだけでなく、空気清浄機の出番も減れば、光熱費も安くなるでしょう。
ここまで様々な観点から考えうる事例をご紹介しましたが、予算を考慮しながら注文住宅の仕様を考えるのは大変です。
理想のマイホームを建てるうえで後悔しないためにも、家づくりのとびらで複数社のプランを比較したり、注文住宅のプロに相談することをおすすめします。
まとめ
基礎断熱について、決め方やメリット・デメリット、費用相場などについてお伝えしました。
それではおさらいです。
この記事のポイント
基礎断熱のデメリットは?
- 基礎部分のひび割れなどの不具合が見つけづらい
- シロアリ侵入のリスクがある
- 新築から1〜2年はカビのリスクがある
「3-2.基礎断熱のデメリットと後悔しないためのコツ」では、上記詳細と、対策についてお伝えしています。
基礎断熱の工法(構造)は?
基礎断熱は建物の基礎コンクリートから断熱材を張り、家全体を断熱材で包むような構造です。
詳細は「2-1-1. 特徴1 年間通じて全ての部屋の室温が安定する」で解説しています。
基礎断熱で起こりうる後悔は?
例えば、「乾燥しすぎてしまい、対策によっては結露が起こる」ということがあるかもしれません。
詳しくは「5-2.基礎断熱と全館空調を導入した二世帯住居でできる事&起こりうるトラブル」をご覧ください。
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