木造の在来工法とは?ツーバイフォー工法との違いやメリット・デメリットをわかりやすく解説!

木造の注文住宅を検討している方は必見!
間取りや設備・性能などの希望を叶える家づくりをするのに、ハウスメーカー選びと同じくらい重要なのが、「工法」の決め方です。

木造の代表的な工法には、「在来工法」「ツーバイフォー(2×4)工法」がありますが、それぞれの工法に適しているのは、おおよそ以下のような方です。

在来工法に適した方

間取りにこだわりがある方(広いリビング、吹き抜け、採光性の高い大きい窓、ハイドア など)

ツーバイフォー(2×4)工法に適した方

耐震性、防火性、断熱性を重視する方

この記事では、「在来工法とツーバイフォー(2×4)工法、どちらか自分にとって適した工法か?」がわかるよう、以下の内容を分かりやすく解説していきます。

この記事でわかること

  • 在来工法とツーバイフォー工法のメリット・デメリット
  • 在来工法とツーバイフォー工法の費用相場
  • どちらの工法が良いか迷ったときの決め方

ぜひ最後までご覧いただき、スムーズな家づくりのための参考にしてください。

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注文住宅の流れや、予算の決め方などを知りたい方は「注文住宅の基礎知識」の記事もご覧ください。

1.木造の「在来工法」の特徴

在来工法(木造軸組工法)

木造の在来工法とは、柱と梁(はり)で建物全体を支える工法です。「木造軸組工法」とも呼ばれ、昔から用いられてきた工法を改良・発展させた工法であるといわれています。

在来工法では、早い段階で屋根を取り付けるため、施工中、構造の内部や資材を雨から守ることが可能です。構造や資材が傷みにくくなるため、雨が多い日本では採用する人が多いです。

国内のハウスメーカーではほとんどのメーカーが取り扱っており、間取りの自由度が高く、リノベーションしやすい点が魅力です。(在来工法のメリット・デメリットは4章で解説します。)

2.木造の「ツーバイフォー工法」との違い

ツーバイフォー(木造壁式)工法

骨組みで建物を支える在来工法とは異なり、ツーバイフォー工法では壁で建物を支えます。
「木造壁式工法」とも呼ばれ、四方の壁と天井、床の6枚の板で空間を作るため、ボックス型の構造になります。

ツーバイフォー工法は、建物の下部から作り上げていきます。これは雨量が少ない北アメリカならではの建て方で、専門技術がなくても積み重ねるだけで住宅を完成できることから、アメリカ全体に広がっていったようです。

柱や梁で骨組みを作る在来工法と比べると凹凸がなく、すっきりとした空間を作ることが可能です。また、建材を接着剤と金具で接合するため、地震や台風などの外力による変形が少なく、家具・家屋の倒壊や損傷の被害も低く抑えられる傾向にあります。(ツーバイフォー工法のメリット・デメリットは5章で解説します。)

ここがポイント!
プロ・専門家の視点

在来工法とツーバイフォー工法は、外観だけで見分けられることもあります。一般的に、凹凸がなく、シンプルな形状で全体的に箱を積み重ねたような建物は、ツーバイフォー工法のことが多いです。一方、2階の壁の真下に1階の壁がないなどの自由度の高い建物は、在来工法である可能性が高いです。

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3.【比較表】各工法のメリット・デメリット

在来工法とツーバイフォー工法のメリット・デメリットを以下にまとめたので、比較してみましょう。

木造工法のメリット・デメリット比較表
工法メリットデメリット
在来工法
  • 間取りの自由度が高い
  • 取り扱うハウスメーカーが多い
  • リノベーションしやすい
  • 工期が長め
  • 費用が高め
  • ハウスメーカーによって品質の差がある
ツーバイフォー工法
  • 工期が短め
  • ハウスメーカーによる品質の差が少ない
  • 耐震性・防火性・断熱性に優れている
  • 開口部が狭め
  • 大規模なリノベーションは難しい
  • ハウスメーカーが限られる

次章より詳しく解説します。

4.在来工法のメリットとデメリット

日本の風土に合わせて発展してきた在来工法は、メリットの多い工法です。しかし、その一方でデメリットもあります。

在来工法のメリット・デメリット
メリット
  • 間取りの自由度が高い
  • 取り扱うハウスメーカーが多い
  • リノベーションしやすい
デメリット
  • 工期が長め
  • 費用が高め
  • ハウスメーカーによって品質の差がある

以下より1つずつ見ていきましょう。

4-1.在来工法のメリット

先述のとおり、日本の木造住宅の多くは、在来工法で建てられています。

令和3年 新設住宅の工法の割合

  • 在来工法・・・79%
  • ツーバイフォー工法・・・19%
  • その他・・・2%

参考:林野庁「令和3年度 森林・林業白書(令和4年5月31日公表)第1部 特集2 第2節 建築分野における木材利用の動向(1)」

在来工法の人気が高いのは、メリットが多いからに他なりません。主なメリットについて、見ていきましょう。

【メリット1】間取りの自由度が高い

在来工法では、柱と梁を組み合わせて自由に間取りを決めることができます。
例えば、20畳や30畳などの広い空間も、在来工法であれば可能です。また、柱と梁さえ組み合わせれば、吹き抜けなどの高さのある空間も実現できます。

【メリット2】取り扱うハウスメーカーが多く選択肢が多い

在来工法は、木造住宅の建て方の中でもっともスタンダードな工法であり、多くのハウスメーカーで請け負っています。そのため、ハウスメーカーの選択肢が多く、好みのスタイルや希望に合うテイストを提供するハウスメーカーを見つけやすいです。

【メリット3】リノベーションしやすい

在来工法では、柱と梁、屋根を取り付けてから、壁や床などの内部構造を取り付けます。そのため、後から壁だけ、床だけを取り外すことも簡単です。
間取りを変える大規模なリノベーションも実施しやすく、変わりゆくライフスタイルや家族構成に合わせた住まいが叶いやすいです。

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4-2.在来工法のデメリット

在来工法は、状況によっては望ましくない工法になることがあります。特に注意したい点を、デメリットとして説明します。

【デメリット1】工期が長め

在来工法は、住宅ごとに柱・梁・壁などを1つひとつ組み合わせていく工法のため、工期が長くなる傾向にあります。フルオーダーメイドの住宅ができるという点はメリットとも捉えられますが、住宅に対してこだわりが少なく、早期に完成したいと考えている方にとってはデメリットといえます。

【デメリット2】費用が高め

在来工法では住宅プランに合わせて柱や梁、壁などのサイズを決めます。そのため、工場で大量生産できず、費用も高額になりがちです。また工期が長い分、人件費がかさみ、さらに費用が高くなります。

【デメリット3】ハウスメーカーによって品質の差がある

在来工法は、現場で1つひとつ作り上げていく建て方です。ハウスメーカーや職人さんによって品質の差が出やすいため、ハウスメーカーの見極めが大切です。
必ず複数社の住宅プランを比較し、今までの実績や実際に建てた家などもしっかりと見て、納得できる技術力のハウスメーカーを選ぶようにしましょう。

また、ハウスメーカーによっては、ある程度の資材は工場でカットするなど、品質が一定になるための工夫をしていることがあります。職人さんの腕に左右されない住宅を建てるためにも、ハウスメーカー側の品質管理の方法もチェックしておきましょう。

このように、ハウスメーカーを決める際には比較すべき点が多数あります。
工法だけでなく、「デザインは好みかどうか」「地震への対策はどうか」といった点も気になるという方は多いでしょう。

とはいえ、自分たちの要望を複数のハウスメーカーに伝え、同じような条件で住宅プランを提案してもらうのはなかなか大変です。
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5.ツーバイフォー工法のメリットとデメリット

ツーバイフォー工法のメリットとデメリットについても理解しておきましょう。

ツーバイフォー工法のメリット・デメリット
メリット
  • 工期が短め
  • ハウスメーカーによる品質の差が少ない
  • 耐震性・防火性・断熱性に優れている
デメリット
  • 開口部が狭め
  • 大規模なリノベーションは難しい
  • ハウスメーカーが限られる

以下より1つずつ解説します。

5-1.ツーバイフォー工法のメリット

かつて、ツーバイフォー工法の資材は輸入木材に頼っていました。しかし、2015年(平成27年)にツーバイフォー工法部材の規格が一部改正され、国産木材を利用するハウスメーカーも増えてきました。
現在では国産木材によるツーバイフォー工法の資材が量産化され、安定供給が実現しています。

【メリット1】短期間で完成する

ツーバイフォー工法では、資材のサイズなどが決まっているため、工場で量産して現場で組み立てるスタイルで建てていきます。そのため、作業が効率化され、完成までの期間も短い傾向にあります。

【メリット2】施工が安定している

ツーバイフォー工法では現場で資材を加工しないため、職人さんの腕によって建物の状態が左右されることが少ないと考えられます。
ただし、工場での生産過程や管理は資材の品質を大きく左右します。そのため、ハウスメーカー選びが重要なのは、在来工法もツーバイフォー工法も同じです。

【メリット3】耐震性・防火性・断熱性に優れている

ツーバイフォー工法では、壁部分に石膏ボードを取り付けるため、万が一、火事になっても石膏ボードに含まれる結晶水が熱分解を起こし、消火効果が発揮されます。
また、枠組の資材が一定間隔で組み込まれているため、火が燃え広がりにくい点も特徴です。

このように防火性に優れていることから、ツーバイフォー工法の建物は在来工法よりも火災保険料が低めに設定されていることが多いです。火災保険は毎年支払うものなので、ランニングコストの節約になるでしょう。

また耐震性が高いことも、ツーバイフォー工法の特徴です。ツーバイフォー工法では揺れによる衝撃を面(壁、床)で受けるため、一点に力がかかりにくく、衝撃を分散しやすくなります。

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耐震性の高い在来工法住宅もある!

一般的には、在来工法よりもツーバイフォー工法のほうが耐震性に優れていますが、近年では、在来工法の住宅でも強度が高くなるよう工夫しているハウスメーカーが増えています。

具体的には、柱と梁で作った枠の中に木材を斜めに入れる(筋交いを入れる)ことが多いです。
柱や梁などの建材を伝統工法でつなぎ合わせ、金具で補強することで、風や揺れなどの外力を受け流すことを可能にしています。また、強度の高い合板を用いることもあります。

5-2.ツーバイフォー工法のデメリット

災害に強い住宅を目指すのであれば、耐震性・防火性に優れたツーバイフォー工法はうってつけです。以下のようなデメリットも踏まえたうえで、よく検討しましょう。

【デメリット1】開口部が狭め

パネルで住宅を組み立てていくツーバイフォー工法では、開口部のサイズが制限されます。そのため、何十畳もあるような広々とした空間や吹き抜けなどを作るのは難しいでしょう。

【デメリット2】大規模なリノベーションは難しい

ツーバイフォー工法では壁や床で住宅を支えているため、壁・床だけを取り払うことはできません。そのため、在来工法のように柱や梁だけを残した大規模なリノベーションは難しく、間取りを大幅に変えることもできません。
家族構成やライフスタイルに合わなくなってきたときは、リノベーションではなく、建て替えを検討しましょう。

【デメリット3】ハウスメーカーが限られる

在来工法と比べると、ツーバイフォー工法に対応しているハウスメーカーは少ないです。選択肢が限られることで、理想的なハウスメーカーが見つからない可能性もあります。

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6.在来工法とツーバイフォー工法の費用相場

在来工法の坪単価:50万~70万円
ツーバイフォー工法の坪単価:20万~60万円

在来工法のほうがツーバイフォー工法よりも坪単価が高いのは、先述のとおり、以下のような理由が挙げられます。

  • 資材を工場で大量生産しないから
  • 工期が長引く分、人件費もかかるから

柱や梁、壁などのサイズを決めます。そのため、工場で大量生産できず、費用も高額になりがちです。また工期が長い分、人件費がかさみ、さらに費用が高くなります。

なお、上記は相場です。設備や資材のグレードなどによっては、坪単価が相場を超えることもあるので注意してください。
建築依頼先を決める際には、複数のハウスメーカーから見積もりを取り、費用やプランを比較してから選びましょう。また、担当者の対応やアフターサービスなども比較すると、より満足度の高いハウスメーカーを選択できます。

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7.在来工法かツーバイフォー工法かで悩んだら…

在来工法かツーバイフォー工法かで迷ったときは、次のようなこだわりがあるかどうかをチェックしてみてください。

こだわりから見るおすすめの工法
こだわりおすすめの工法
  • 住宅のデザインや間取りにこだわりがある
  • 将来的に大規模なリノベーションを実施して、長く暮らしたい
在来工法
  • できるだけ早く住宅を完成させたい
  • デザインや間取りよりも機能性を重視したい
ツーバイフォー工法

在来工法ではフルオーダーメイドの家づくりが可能なため、理想に近い住宅を実現しやすいです。
また、柱や梁などの基礎部分だけを残して取り外せるため、将来的に大規模なリノベーションが可能です。

一方、ツーバイフォー工法では工場で資材を製造するため、在来工法よりも短期間で完成します。また、間取りやデザインに制約があるため、建築までの打ち合わせも短期間で済む傾向にあります。
耐震性・防火性・断熱性に優れた工法でもあり、住宅に安心や安全を求める方にもおすすめです。火災保険料が低く抑えられるので、経済的に安心を高められるのもツーバイフォー工法の魅力です。

まとめ

木造住宅を建てるのであれば、まずは在来工法かツーバイフォー工法のどちらの工法で建てるかを決めておくと、ハウスメーカーが絞りやすくなります。
メリット・デメリットについての理解を深め、目指したい住宅に合う工法を選びましょう。

工法が決まったら、次はハウスメーカー選びです。
どちらの工法もハウスメーカーによって住宅が大きく左右されるため、無料サポートサービスを活用しながら慎重に選んでくださいね。

この記事のポイント

木造の在来工法とは?

柱と梁(はり)で建物全体を支える工法です。
「木造軸組工法」とも呼ばれ、昔から用いられてきた工法を改良・発展させた工法であるといわれています。

詳細は「1.木造の「在来工法」の特徴」をご覧ください。

ツーバイフォー工法との違いは?

骨組みで建物を支える在来工法とは異なり、ツーバイフォー工法では壁で建物を支えます。
詳細な工法の特徴は「2.木造の「ツーバイフォー工法」との違い」でご確認ください。

在来工法のデメリットは?

  • 工期が長め
  • 費用が高め
  • ハウスメーカーによって品質の差がある

4-2.在来工法のデメリット」で各デメリットの詳細を確認し、後悔のない工法を選びましょう。

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この記事の編集者

「家づくりのとびら」編集部

NTTデータグループが運営する注文住宅相談サービス「家づくりのとびら」編集部です。難しい住まいづくりの情報を、わかりやすく正確にお伝えします。記事は不動産鑑定士や宅地建物取引士などの不動産専門家による執筆、監修記事がメイン。初めての住まいづくりをサポートします!

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