- 変更日:
- 2024.09.10
「注文住宅を建てたいけれど、予算の決め方が分からない」
「注文住宅を建てるが、自分の収入ではどのくらいの予算が適切?」
家を建てたいという方からそのような疑問を聞くことがあります。実際に、注文住宅を建てるときの予算はどうやって決めればいいのでしょうか。
今回は、注文住宅の予算の決め方について、以下の内容を徹底解説してきます。
この記事を読んだらわかること!
- 注文住宅の予算を決める3つのステップ
- 注文住宅の予算相場や費用内訳
- 注文住宅の予算を決める際の注意点
注文住宅の費用相場について、全体像を把握したい方はこちらの記事もご覧ください。
目次
1.家を建てるとき、まず「予算」を決めるべき2つの理由!
注文住宅を建てるにあたり、まず大切なのは「しっかりとした資金計画をして予算を決めること」です。最初に「なぜ予算を決める必要があるのか」という理由を2つの観点から理解しておきましょう。
(1)予算不足(ローンの借り過ぎ・貯金の取り崩し)を防ぐため
もっとも大きな理由は「予算不足を防ぐため」です。想定していた予算が足りないということになると、以下のような事態におちいってしまいます。
予算不足を補うための行動 | 結果 |
---|---|
住宅ローンの借り入れ金額を大きくする | 月々の返済金額が多くなり、日々のやりくりに困り、貯金もできなくなる |
将来のために残しておきたかった預貯金に手を付ける | 子供の教育費、親の介護費、自分たちの老後の蓄えが足りなくなる‥ |
予算不足によって、日々の生活をひっ迫する事態は避けなければいけません。そのためには、月々の返済額を踏まえた資金計画を立て、それを踏まえた家づくりをすることが大切です。
(2)「もっと家に予算をかければよかった‥」と後悔しないため!
予算が余った場合は、ローンの返済などに充てることができますが、あまりに予算を切り詰めすぎて、満足ができる家づくりができず、後悔が残ってしまう可能性もあります。
以下のような後悔するパターンを避けるためにも、しっかりと自分たちのニーズを踏まえて予算を立てましょう。
家を建てた後に後悔しがちなパターン
- もう一部屋増やしておけばよかった
- 土地にお金をかけ過ぎた
- 駐車場スペースをもっと広く取っておけばよかった
- もっと耐震に予算をかけておけばよかった
- 高気密・高断熱の性能を重視しておけばよかった など
家づくりに関して最初に知っておくべき知識をまとめて知りたい方には、「HOME4U 家づくりのとびら」の無料オンライン相談サービスがおすすめです。住宅の専門家が予算決めからハウスメーカーの選び方まで後悔しないマイホームづくりをサポートします。
2.注文住宅の予算を決める3つのステップ
それでは、注文住宅を建てる予算の決め方を以下の3つのステップで見ていきましょう。
ステップ1. 自己資金(頭金)をいくら出せるか確認する
最初に、家を建てるための自己資金(頭金)をどの程度出せるかを確認することから始めてください。自己資金(頭金)は主に「住宅ローンの頭金」「住宅ローンの実行前に必要な費用の支払い」に使います。
まずは以下の項目から、自己資金になりうるお金の総額を割り出します。
自己資金にカウントできるもの
- 手元にある貯金
- 親からの援助(生前贈与)
- 現在住んでいる住居の売却金(※所有している場合)
次に将来必要な資金やもしもの時のためとっておきたい貯蓄を差し引いて、注文住宅の新築に使える自己資金の総額を把握します。残しておくべき貯蓄を安易に取り崩すことは避けましょう。
将来、または万が一の際のために残しておきたい貯蓄 | |
---|---|
(1)病気や災害のときのための費用 | 生活費の半年分が手元にあると安心 |
(2)子どもの教育費 | 高校・大学などの進学費用・塾や習い事にかかる費用など |
(3)介護費用 | 介護サービスの利用費用、老人ホームや施設への入居金や月額費用など |
ローンの頭金に充てられる金額を確認する
自己資金の中から、住宅ローンの頭金として使える金額を割り出します。
家の建築にかかる土地購入費用、工事費用は住宅ローンでまかなうことができますが、土地の売買契約、工事契約の手付金や諸費用、引っ越し費用は、自己資金で支払うのがベストです。
以下のような費用は、ローンの頭金としてカウントしないように注意しましょう。誤ってすべての自己資金を住宅ローンの頭金に回してしまうと、そのほかの支払いに現金が足りなくなり、高利ローンを借りて余計な利息が発生する可能性があります。
自己資金での支払いが必要な費用 | |
---|---|
(1)土地売買・家の新築工事における契約の手付金 | 土地価格・工事価格の10%前後 |
(2)家の新築工事にかかる諸費用 | 費用全体の10%程度 |
(3)引っ越し関連費用 | 必要に応じて、新居の家電・家具の購入費用が必要。住み替えの場合は工事中の仮住まいの費用も発生する |
土地の購入や建築費用以外にかかるお金については、本記事の「4. 注文住宅にかかる建築費用・税金の内訳」を合わせてご参照ください。
ステップ2. 住宅ローンの借り入れ可能金額・月々の返済額を見てみる!
自己資金をどのくらい出せるかを計算した後で確認したいのは「住宅ローンをどの程度借りられるか」「月々の返済額はいくらか」という点についてです。
年収から大まかな借入金額・月々の返済金額を把握する
返済に無理が生じない住宅ローンの年間返済金額ですが、一般的には年収の25%以内といわれています。
以下の表では、年収ごとに25%の返済負担率を設定した場合の年間および毎月の返済額をシュミレーションしてみました。また、毎月の返済額から、住宅ローンをどのくらい借りられるか、総返済額も確認することができます。
年収 | 年間返済額 (年収の25%) | 月々の返済額 | 借入可能額 | 総返済額 |
---|---|---|---|---|
400万円 | 100万円 | 約8.3万円 | 2,790万円 | 3,486万円 |
500万円 | 125万円 | 約10.4万円 | 3,500万円 | 4,368万円 |
600万円 | 150万円 | 12.5万円 | 4,210万円 | 5,250万円 |
700万円 | 175万円 | 約14.5万円 | 4,890万円 | 6,090万円 |
800万円 | 200万円 | 約16.6万円 | 5,590万円 | 6,972万円 |
900万円 | 225万円 | 約18.7万円 | 6,300万円 | 7,854万円 |
1,000万円 | 250万円 | 約20.8万円 | 7,010万円 | 8,736万円 |
今回は全期間固定金利のため、変動金利よりも高い金利が設定されていますが、基本的に住宅ローンは利息の支払いがあるため、総返済額は借入可能額よりも高くなることを理解しておきましょう。
借入可能額上限まで借りるのはいいのですが、返済しないといけない総返済額のことも考えてからにしましょう。
注文住宅の予算シュミレーションツールで見てみよう
「HOME4U 家づくりのとびら」にある予算シュミレーションツールでは、各項目を埋めることで、実際の返済額や想定できる費用バランスを一度に確認することができます。
月々のローン返済の負担額から全体の借入金額を知りたい方は「毎月返済額から借入額を算出してみる」、希望する家の費用感がつかめている方は「借入額から毎月返済額を算出してみる」をご活用ください。
ステップ3. 土地代・建築工事費用のバランスを考える
土地購入と建築工事にかかる費用、二つのバランスは大体4:6~3:7の割合で考えるとよいでしょう。
失敗例として多いのは、土地の費用にお金をかけ過ぎて、満足できる家づくりができなかったというケースです。予算を立てる時点で、二つのバランスを決めておきましょう。
「予算の立て方がわからない‥!」「資金計画って何?」
家づくりの予算や資金計画を立てるには、いろいろと確認しておくべき事項があります。そのため、混乱してなかなか前に進めることができない、という方も少なくないでしょう。
そんな方におすすめなのが「HOME4U 家づくりのとびら」の無料相談サービスです。
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住宅ローンや新築費用のシミュレーションはわかりづらいのが難点ですが、専門アドバイザーとともに疑問をひとつずつ解決しながら、着実に計画を進めることができます。
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3. 注文住宅建築にかかる費用の相場
ここからは、注文住宅を建築する際にどの程度の費用がかかるのかを、過去の調査データから見ていきましょう。
住宅金融支援機構の「2020年フラット35利用者調査」によると、注文住宅を建てる際の所要資金は全国平均で3,534万円という調査結果が出ています。
土地付注文住宅を作る際の所要金額は4,397万円で、住宅の新築工事のみの平均金額と比べると、約860万円の差があります。
出典)住宅金融支援機構「2020年フラット35利用者調査」
家づくりのとびらコラム
コラム:費用相場は地域によって変わる
上記でご紹介した費用相場は、あくまで全国平均です。地域ごと(首都圏、近畿圏、東海圏、その他地域)にどの程度の違いがあるのかを、以下のグラフから確認してみましょう。
出典)住宅金融支援機構「2020年フラット35利用者調査」
住宅購入にかかる平均費用は首都圏が最も高く、近畿圏や東海圏と比べると約200万円、その他の地域とでは約500万円も多くなります。
土地購入が必要な場合(土地+住宅購入)も、首都圏・近畿圏・東海圏の順に、都市部における土地の購入費用は高くなるため、住宅購入のみの場合と比べて、地域差が大きくなります。
首都圏で注文住宅を建てるのであれば、その他の地域の建築と比べ数百万円は多く準備しておく必要があります。もしくは、共働き家庭であれば、ダブルローンなど住宅ローンの組み方に工夫が必要となるでしょう。
住宅ローンの基本的な流れについて、詳しく知りたい方は他記事「【注文住宅】住宅ローンを利用する基本の流れ|つなぎ融資・一本化のフローを解説」をご参照ください。
土地代と住宅購入は「費用バランス」が大切
土地の坪単価は、エリアや土地の形状によって異なるため、ご自身の予算に合わせて、購入する土地を選ぶ必要があります。土地代・住宅購入費のバランスを見ながら家づくりを進めるためには、土地探しをしながら、ハウスメーカーや住宅ローン選びを並行して始めることが大切です。
「HOME4U 家づくりのとびら」の無料オンライン相談サービスでは、専門家に希望する土地の相場を聞きながら、住宅ローンやハウスメーカーについて、何度でも相談することができます。専門家の意見を聞ける相談サービスを活用して、スムーズに家づくりの計画を進めましょう。
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4.注文住宅にかかる建築費用・税金の内訳
注文住宅の新築工事費用・税金は、大枠として、上記の3つの費用に分けて考えます。
「建物本体工事費」「付帯工事(別途工事)費」「諸費用」の大まかな項目は、以下一覧をご参照ください。
建物本体工事費 | 建物そのものの建築にかかる費用 |
---|---|
躯体工事費 | 「仮設工事(足場)」「基礎工事」「木工事(構造や骨組み)」にかかる費用 |
仕上げ工事費 | 「内外装工事」「屋根・内壁・外壁・天井の仕上げ」などにかかる費用 |
設計料 | 会社によっては本体工事費に含まれる |
付帯工事(別途工事)費 | 建物本体の建築以外にかかる費用 |
---|---|
地盤調査・地盤改良工事費 | 地盤に関してかかる費用 |
外構工事 | 建物の外側(駐車場や庭、門、塀など)にかかる費用 |
インフラ関連の工事 | 水道管やガス管を敷地内に引き込む工事費用 |
設備の取り付け工事 | 照明やエアコン、カーテンなどの購入・取り付けにかかる費用 |
諸費用(税金含む) | 建物本体の建築以外にかかる費用・税金 |
---|---|
税金 | 不動産取得税・登録免許税・印紙税 など |
住宅ローンの関連費用 | 住宅ローン事務手数料・保証料・団体信用生命保険(団信)料 |
登記費用 | 土地の所有権移転、表示登記、所有権保存登記にかかる費用。 |
司法書士への報酬 | 上記、登記に関する手続きを依頼する場合に発生する費用 |
引っ越し費用 | 建て替えの場合は、仮住まいの費用も必要となる可能性がある。 |
注文住宅にかかる費用・税金についてより詳しく知りたい方は、以下の関連記事を合わせてご確認ください。
「注文住宅の費用内訳が細かすぎてよくわからない‥」
注文住宅にかかる費用は内訳が細かく、さらに土地や建物工事の契約時・工事中・家の引き渡し時など、支払うタイミングもさまざまです。
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5.注文住宅の予算を決める際に注意すべきこと
注文住宅の予算を検討して決める際には、以下の内容に注意しましょう。
5-1.頭金は大事だが、貯蓄の崩しすぎには注意
予算の計画をするうえで、住宅ローンの負担を小さくしようとするあまり、頭金(自己資金)の割合を増やしすぎて失敗したケースはよく見られます。
子供の教育・進学にかかるお金やご両親の介護に必要な費用とは別に、何かのトラブル、病気など万が一のことがあったときを想定して、半年程度の生活費を確保しておきましょう。
5-2.先に住みたい家をイメージしておくこと
予算を決める前に、住みたい家のイメージや条件をしっかりと明確にもっておきましょう。家づくりは、「何を優先させるか」「何を大切に考えているか」ということを明確にしておくことで、その後の選択がやりやすくなります。お金だけでなく、住みたい家を具体的にしっかりとイメージしておきましょう。
自分の住みたい家のイメージを具体的にしたい方に
自分が住みたい家のイメージを具体的に持つことは、意外と難しいことです。ぼんやりとした家のイメージを「間取り」「デザイン」「性能」「耐震」など、さまざまな側面から整理していかなければならないからです。
しかし、こうしたイメージの具体化を最初にしっかりと行うことは、家づくりで失敗しないための第一歩となります。
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まとめ
本記事では、注文住宅を建てる際の予算の決め方について解説しました。お伝えした内容は以下の通りです。
- どうして、最初に家を建てるための「予算」を決めるべき理由なの?
詳細は「1.家を建てるとき、まず「予算」を決めるべき2つの理由!」をご参照ください。
- 注文住宅の予算を決める3つのステップとは?
ステップ1. 自己資金(頭金)をいくら出せるか確認する
ステップ2. 住宅ローンの借り入れ可能金額・月々の返済額を見てみる!
ステップ3. 土地代・建築工事費用のバランスを考える3つのステップについては「2.注文住宅の予算を決める3つのステップ」にて詳しく解説しています。
- 注文住宅建築にかかる費用の相場は?
- 注文住宅を建てる際の所要資金は全国平均で3,534万円。
- 土地付注文住宅を作る際の所要金額は4,397万円で、費用相場がおよそ860万円ほど上がる。
費用相場の詳細については、「3. 注文住宅建築にかかる費用の相場」をご覧ください。
- 注文住宅建築にかかる費用・税金の内訳は?
建物本体工事費 躯体工事費 仕上げ工事費 設計料 付帯工事(別途工事)費 地盤調査・地盤改良工事費 外構工事 インフラ関連の工事 設備の取り付け工事 諸費用(税金含む) 税金 住宅ローンの関連費用 登記費用 司法書士への報酬 引っ越し費用 各費用項目の詳細については、「4.注文住宅にかかる建築費用・税金の内訳」にある一覧をご参照ください。
- 注文住宅の予算を決める際の注意点は?
各費用項目の詳細については、「5.注文住宅の予算を決める際に注意すべきこと」にある一覧をご参照ください。
家づくりの予算を立てる際は、無理のない住宅ローンの返済計画や、土地代・工事費用以外にかかる税金や手数料についても考慮するようにしてください。
注文住宅の費用・相場解説記事
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この記事の編集者