- 変更日:
- 2024.08.28
「遮音」とは、音を遮断して外部に音を漏れさせないようにすることです。
音を吸収して反射を防ぐ「吸音」と組み合わせることで、防音につながります。
防音性の高い家にすることで、静かな暮らし、周囲に迷惑をかけない暮らしを実現しやすくなりますよ。
これから家を建てる方は、遮音・吸音を意識した、防音性の高い家づくりを検討しましょう。
防音性を特に意識したほうがよい人の特徴
- 近隣がにぎわっているエリアや大きな道路に面した土地に家を建てる人
- 小さな子どもがいる人
- 楽器演奏、映画鑑賞などの趣味がある人
- 自宅で動画を撮影する機会がある人
なお、防音性の高い家を作るには、プランを立てる段階でいくつかのポイントを押さえる必要があります。
この記事でわかること
- 外の音をシャットダウンする家づくりのポイント
- 住宅内の音を漏らさない家づくりのポイント
- 防音対策でおすすめのハウスメーカー・工務店
目的が「外の音をシャットダウンしたい」なのか、「住宅内の音を漏らしたくない」なのかによって、家づくりのポイントが異なります。
この記事を参考に、防音性の高い家でご近所トラブルのない快適な暮らしを実現してくださいね。
注文住宅の工法・構造について知りたい方は、こちらの記事もご覧ください。
目次
1.遮音・吸音・防音とは?
まずは遮音・吸音・防音の違いについて理解しておきましょう。
1-1.遮音とは
冒頭でもお伝えしたとおり、遮音とは、音を遮断して外部に音を漏れさせないようにすることです。
密度が高く重い素材(遮音材)を使うことで、音を跳ね返して音漏れを防ぎます。
なお、遮音性は高すぎると、音が室内に反響しやすくなります。
1-2.吸音とは
吸音とは、音を吸収することにより、音の反響を防ぐことです。
細かい孔が多数ある素材(吸音材)を使うことで、音を取り込んで吸収します。
通り抜ける音は、吸音材によってある程度軽減されます。
吸音性が高すぎると、反響音が減るため寂しい印象になることがあります。
1-3.防音とは
防音とは、遮音と吸音を組み合わせ、外部の音が室内に入ったり、室内の音が外部に漏れたりするのを防ぐことです。
室内で防音対策を実施するときは、以下の順番で遮音材と吸音材を組み合わせるとよいです。
遮音と防音の順番
- 壁に遮音材を貼る(外部への音漏れを防ぐ)
- その上に吸音材を重ねる(室内の反響音を防ぐ)
このように、家の防音性を考える際には、まず、防音に関する基礎知識が必要です。
自分たちで調べるのもよいですが、家づくりは防音性のほか、耐震性や断熱性といった住宅性能、エリアの特徴、間取りづくりのコツなど、調べることが山ほどあります。
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2.防音性の高い家づくりのポイント
防音性の高い家に仕上げるには、次の3つのポイントに注目しましょう。
防音性の高い家づくりのポイント
- 断熱材の吸音性に注目する
- 間取りにも気を配る
- 鉄筋コンクリート造の家を検討する
それぞれのポイントについて解説します。
2-1.断熱材の吸音性に注目する
グラスウールやロックウールなどの繊維系の断熱材は、音のエネルギーを吸収するため、吸音材としても活用できます。
断熱材を吸音材として取り入れるポイント
- 断熱材の外側に遮音材を入れる
- コンクリート造の住宅に繊維系の断熱材を内張りする
1章でも解説したとおり、外側に密度が高く重い遮音材を、内側に吸音材を貼ることで、室内の音が外部に漏れにくく、室外の音が内部に入りにくい家になります。
断熱材について検討する際には、断熱性能だけでなく、防音性についてもチェックしてみるとよいでしょう。
2-2.間取りにも気を配る
音は床を通して階下に伝わります。
たとえば、2階にトイレや浴室などの水回りを配置するとき、その下に寝室や勉強部屋など静かに過ごしたい空間を配置すると、音が気になってしまうかもしれません。
また、ピアノやドラムといった楽器を設置するときは、外壁の裏側ではなく、室内を区切る壁側に置くようにしてください。隣家に音を漏らさないための対策になります。
2-3.鉄筋コンクリート造の家を検討する
鉄筋コンクリート造の住宅は、木造や軽量鉄骨造と比べると密度が高く、重量もあるため、遮音効果が高いです。
天井や壁、床に吸音材を貼ることで、防音性の高い住宅に仕上げやすいでしょう。
以上が、防音性の高い家づくりのポイントです。
ただし、これらのポイントを効果的に取り入れられるかどうかは、ハウスメーカーや工務店の営業担当者の力量によるところも大きいです。
なお、一般的には、営業担当者をオーナー側が指名することはできず、カタログ請求や住宅展示場でたまたま付いた営業がそのまま担当者となるケースが多いです。
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3.【外の音】をシャットダウン家づくり
近隣がにぎわっているエリアや大きな道路に面した土地に家を建てるときは、外部からの騒音をシャットダウンする方法について押さえておきましょう。
家を建てたあとからでも対策できますが、家づくりの段階で対策したほうが、より優れた防音性に期待できます。
外の音をシャットダウンする方法
- 外壁や屋根に防音塗料を使用する
- 窓の大きさや位置、サッシの種類を工夫する
- 換気扇・排気口の位置に気を付ける
- 防音フェンスを設置する
以下より、それぞれの方法について解説します。
3-1.外壁や屋根に防音塗料を使用する
防音塗料とは、多量のセラミック粒子が含まれた塗料のことです。
硬度の高いセラミック粒子が音を跳ね返すだけでなく、粒子の凹凸で表面積が大きくなることにより、吸音性も高まります。
外壁や屋根に遮音パネルを貼るのもよいですが、外観デザインに大きく影響が出るうえ、費用も高額になってしまいます。
防音塗料の場合、セラミックの粒子により多少輝きが増しますが、外観デザインを大きく変えることなく、費用も抑えて防音性を高められるでしょう。
3-2.窓の大きさや位置、サッシの種類を工夫する
防音効果のある窓もありますが、一般的に窓は壁よりも遮音性が低く、窓が大きければ大きいほど外部の音が入り込みやすくなります。
また、窓は壁よりも音漏れしやすいため、道路や隣家の窓と近い位置に窓を取り付けると、車が通る音や隣家の話し声が聞こえやすくなるかもしれません。
外の音が気になるときは、小さめの窓を選び、道路や隣家の窓から離れた場所に取り付けましょう。
サッシの種類にも注目してください。
二重サッシなら外部から入る音を低減するだけでなく、気密性が向上して断熱効果にも期待できます。
3-3.換気扇・排気口の位置に気を付ける
壁や床に防音材を敷き詰めても、換気扇(排気口)から外部の音が入り込みます。
換気扇や排気口の位置を変更するには壁を開ける工事が必要になるため、設計段階で適切な位置に配置するようにしましょう。
換気扇・排気口の位置を決めるポイント
- 交通量が多い道路側を避ける
- 隣家と接している場所を避ける
住宅周辺全体がにぎやかな場合や、家を建てた後で騒音が増えた場合は、換気扇や排気口にノズルフィルターや防音フードを取り付ける方法も検討してみましょう。
3-4.防音フェンスを設置する
防音フェンスとは、住宅の周りに設置して防音性を高める設備です。
幹線道路や鉄道沿いに設置されている防音壁と同じ仕組みで、外部の騒音を跳ね返します。
交通量の多い道路に面している場合や、公園や学校などの人が集まる施設が近くにある場合は、塀の代わりに防音フェンスを設置してみてはいかがでしょうか。
4.【住宅内の音】を漏らさない家づくり
子どもが走り回る音や夜泣き、楽器演奏、映画鑑賞など、室内の音が近隣への迷惑にならないか不安な場合には、室内の音を漏らさないための対策が必要です。
実施したい防音対策としては、次のものが挙げられます。
住宅内の音を漏らさない方法
- 床・壁・天井は二重構造にする
- 仕切りの下地に防音材を埋め込む
- 排水管・配管スペースにも対策する
- 防音ドアを取り付ける
- 遮音フローリングを敷く
以下より、それぞれの方法について解説します。
4-1.床・壁・天井は二重構造にする
床・壁・天井を二重構造にすると、音が外部に伝わりにくくなります。
床 | コンクリートに直接床材を貼らず、空間を空けて床材を敷く |
---|---|
壁 | 外壁の内側に石膏ボードを貼ってから内装用のクロスを貼る |
天井 | 1階の天井には上階の床の下に板材を吊ってから天井材を貼る |
床を二重構造にすると、音の振動が直接外部に伝わらなくなるため、遮音性を高められます。
また、天井を二重構造にすることには、防音性を高められるだけでなく、梁やダクトが見えなくなり、見た目がすっきりするというメリットもあります。
4-2.仕切りの下地に防音材を埋め込む
壁の仕切りの下地に防音材を埋め込む方法もあります。
壁板とクロスの間に防音材を埋め込めば、内部の音が漏れにくくなるだけでなく、断熱効果も高まります。
また、グラスウールやロックウールなどの吸音性の高い断熱材を使えば、反響音を抑えられ、さらに防音効果を高められます。
4-3.排水管・配管スペースにも対策する
排水の音が気になるときは、排水管に防音材を直接巻く方法も検討できます。
上階にトイレや浴室などの水回り設備がある家なら、階下への音漏れを防ぐためにぜひ実施しておきましょう。
配管がとおるスペースの壁面に遮音シートを貼る方法もあります。
流水音が気になる場合は、排水管と配管スペース両方の防音対策を実施するのがおすすめです。
4-4.防音ドアを取り付ける
防音ドアとは、その名のとおり防音性の高いドアで、重く、気密性が高い点が特徴です。
楽器を演奏する部屋やシアタールームなど、ドアからの音漏れが気になる部屋には、防音ドアを設置してみてはいかがでしょうか。
4-5.遮音フローリングを敷く
上階の床の音が気になる場合は、遮音フローリングを敷きましょう。
遮音フローリングとは、遮音材が組み込まれたクッション性のある床材で、床の衝撃音を軽減してくれます。
無垢フローリングと比べて弾力性があるため、転倒した際のケガのリスクを抑えられ、高齢の親世帯が暮らす空間や、子ども部屋の床材におすすめです。
5.【空間別】注文住宅の防音対策ポイント
プランを1から作れる注文住宅なら、部屋の用途に合わせた防音対策が可能です。
ここでは、空間別に注文住宅の防音対策のポイントを解説します。
5-1.本格的な自宅レコーディングスタジオや音楽室
向いている人の特徴
- 自宅で楽器演奏をする
- 自宅にレコーディングスタジオを設置したい
- 自宅で音楽教室を開きたい
天井・床・壁のすべてに防音材を敷き、防音ドアを取り付けましょう。
窓を付けないのであれば、さらに防音効果が高まります。
5-2.シアタールーム
向いている人の特徴
- 映画・音楽鑑賞が趣味
- 定期的にホームパーティを開きたい
窓を取り付けるときは、隣家の窓と向かい合う形にならないように注意し、音漏れを防ぎましょう。
5-3.子どもが元気に遊べる部屋
向いている人の特徴
- これから子供を産む予定がある人
- 小さな子供がいる人
遮音フローリングなら、走り回る音が伝わりにくいだけでなく、転倒したときにも衝撃を抑えられます。
6.防音対策でおすすめのハウスメーカー
注文住宅を成功させられるかどうかは、ハウスメーカー・工務店選びにかかっているといっても過言ではありません。
必ず複数社の特徴を比較・検討してください。
ここでは、防音対策に定評があるハウスメーカー厳選3社を紹介します。
6-1.ダイワハウス
引用元:ダイワハウス 公式HP
ダイワハウスの「音の自由区」は、防音・静音を実現した空間です。
ドラムやホームシアター向けの快適防音室と、外部からの音が気になりにくい快適静音室があり、ライフスタイルや部屋の使用目的に応じた防音対策を提案してくれます。
6-2.セキスイハイム
引用元:セキスイハイム 公式HP
セキスイハイムでは、壁・窓・屋根で騒音をブロックし、床・間仕切り・排水管で音漏れを防ぐ独自の防音対策を実施しています。
家屋内の音漏れも防ぐため、プライバシーが気になる二世帯住宅にもおすすめです。
6-3.クレバリーホーム
引用元:クレバリーホーム 公式HP
クレバリーホームでは、防音室のショールームがあり、防音効果を体験できます。
防音室は防音効果と音響効果によって通常・スタンダード・プレミアムの3つのタイプがあり、演奏する楽器の種類や期待する効果によって選択できます。
以上が、防音対策でおすすめのハウスメーカーです。
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7.防音対策の建築コストを抑えるコツ
防音対策の整った家は、一般的な家よりも建築費用が高くつく傾向にあります。
建築費用を抑えたい場合は、以下のような方法も試してみてください。
防音対策の建築コストを抑えるコツ
- 壁と床に防音材を敷く・追加する
- 防音壁を取り付ける
- 床にカーペットを敷く
- 窓に遮音カーテンや防音テープを取り付ける
- 壁に家具を配置する
- 防振ゴムを設置する
高い防音効果は見込めないかもしれませんが、住宅プランを予算内におさめるのはとても大事なことです。
優先順位を整理しながら、自分たちに合った選択をしてくださいね。
まとめ
音漏れを防ぎ、外の騒音を取り込まないためには、遮音と吸音の両方に注目した防音対策が必要です。
窓や排気口などの位置も重要な要素となるため、設計段階で防音対策を講じておきましょう。
この記事のポイント
防音と吸音と遮音の違いは何ですか?
防音とは、遮音と吸音を組み合わせ、外部の音が室内に入ったり、室内の音が外部に漏れたりするのを防ぐことです。
詳しくは「1.遮音・吸音・防音とは?」で解説しています。
防音性の高い家はどうやって作りますか?
以下のポイントを押さえるとよいでしょう。
- 断熱材の吸音性に注目する
- 間取りにも気を配る
- 鉄筋コンクリート造の家を検討する
「2.防音性の高い家づくりのポイント」で詳細を確認しましょう。
防音対策でおすすめのハウスメーカーは?
この記事では、以下のハウスメーカーの防音対策に関する特徴を解説しています。
- ダイワハウス
- セキスイハイム
- クレバリーホーム
詳しくは「6.防音対策でおすすめのハウスメーカー」をご覧ください。
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この記事の編集者