- 変更日:
- 2025.06.27
家を探す際に間取りを確認していると、「1SLDK」や「2SLDK」という表記を見かけることがあります。間取り図の「S」とは、サービスルームのことです。
建築基準法で居室に区分されていない部屋のことを指しますが、書斎・仕事部屋やシアタールーム、プレイルームなど、さまざまな用途で活用できるでしょう。
この記事でわかること
- サービスルームがある物件のメリット・デメリット
- サービスルームの活用法
- サービスルームがある間取り例
実際の間取り例も参考に、理想の住まいづくりを実現してください。
理想の間取りプランを
まとめて依頼
間取り図の記号をまとめて確認したい方は「間取り図の記号」の記事もご覧ください。
目次
1.家の間取り「S」の意味とは
間取り図で1SLDKや2SLDKと表記されている場合の「S」は、サービスルームのことです。建築基準法において、「居室の条件を満たさない部屋」をサービスルームと表記しています。
建築基準法によると、居室の定義は「人が長い時間過ごすと想定される部屋」とされており、採光が確保できる広さの窓や、換気に必要な開口部が必要です。
そのため、採光や換気のための窓・開口部がない部屋は居室扱いできません。居室扱いできない部屋は、図面上で「納戸」「DEN」「サービスルーム」などと表記されます。
このような部屋は採光や換気の条件を満たしていないため、短時間の作業や収納として使われることが多いです。
また、サービスルームには広さの定義はありません。十分な広さがあったとしても、条件を満たしていない場合はサービスルームに区分されます。
家づくりのとびらコラム
「S」以外の不動産用語「N」「SB」「DEN」とは
サービスルームは、S以外のアルファベットで表記される場合もあります。「N」は納戸、「SB」はシューズボックス、「DEN」は書斎・ワークスペースです。
使い方が特定されている場合にS以外で表記されることがありますが、「居室の条件を満たさない部屋」という意味合い自体は変わりません。
参考：e-Gov 法令検索「建築基準法」
2.物件にS（サービスルーム）があるメリット
サービスルームには、通常の居室にはない特有のメリットが存在します。物件にサービスルームがあるメリットは、以下の3つです。
サービスルームのメリット
- 価格が抑えられる
- デッドスペースを有効活用できる
- 日光の影響を受けづらい
それぞれのメリットについて、詳しく解説します。
2-1.価格が抑えられる
サービスルームがある住宅は、同じ広さの住宅よりも価格が抑えられる場合が多いというメリットがあります。サービスルームは居室に含まれないためです。
例えば、LDKと3つの個室がある住宅の場合、個室がすべて居室なら3LDK、居室が2つでサービスルームが1つなら2SLDKや2LDK+Sと表記されます。
3LDKと2SLDKを比較すると、広さや部屋数が同じだったとしても2SLDKのほうが価格は安く設定されている場合が多いです。
そのため、居室の数にこだわりがなく、ゲストルームや仕事部屋として使用できる予備部屋を確保したい場合は、サービスルームがある住宅も有力な選択肢といえます。
できる限り住宅の価格を抑えつつ、広さを確保したいという方にもおすすめです。
▶【サービスルームがある】などで失敗しない方法（無料）を漫画でチェック2-2.デッドスペースを有効活用できる
デッドスペースを有効活用できる点も、サービスルームのメリットです。
住宅は、間取りや家具のレイアウトを考えていくうちに、広さや場所の関係で居室としての活用が難しい「デッドスペース」が生まれる場合があります。
例えば、「構造上、窓の設置が難しい」「柱が邪魔で部屋を分けなければならない」などが理由です。
このような場合に、本来デッドスペースとなる空間をサービスルームとして活用すれば、快適で過ごしやすい住宅を実現できます。
サービスルームは使い方に制約がないため、書斎や仕事部屋、オーディオルームなど多彩な活用法が考えられるでしょう。
▶【サービスルームがある】などで失敗しない方法（無料）を漫画でチェック2-3.日光の影響を受けづらい
採光を確保できる窓がなく日光の影響を受けづらい点は、メリットにもなり得ます。日光に弱い冊子やポスター類、ファッション小物などの、保管に適しているためです。
日当たりに弱いものを、劣化を気にすることなく大切に保管したい場合は、広めの収納スペースとして大いに機能するでしょう。
ただし、サービスルームの条件は採光だけではありません。換気や天井高なども条件のため、採光が確保されているサービスルームも存在します。
サービスルームを日当たりに弱いものの収納スペースとして活用したい場合は、事前に部屋をよく確認するようにしましょう。
▶【サービスルームがある】などで失敗しない方法（無料）を漫画でチェック3.S（サービスルーム）のデメリットや注意点
サービスルームには、メリットだけでなく以下のようなデメリット・注意点も存在します。
サービスルームのデメリット・注意点
- エアコンを設置できないケースが多い
- 湿気が溜まりやすい
それぞれのデメリット・注意点について詳しく見ていきましょう。
3-1.エアコンを設置できないケースが多い
サービスルームに、エアコンを設置すること自体は違法ではありません。しかし、設備の関係でエアコンを設置できないケースが多いです。
専用のコンセントや空調が用意されていないため、そのままではエアコンの設置は難しいでしょう。
専用のコンセントや空調は後からでも準備できますが、手間や費用が掛かるのはもちろんのこと、賃貸住宅の場合は大家への許可も必要です。
また、エアコンは室内機と室外機を接続して使用するため、サービスルームが屋外に面していない場合はエアコンを設置できません。
このデメリットはエアコンだけでなく、テレビやインターネットのモジュラージャックなども同様です。一般的な居室のように、快適に過ごすのが難しい可能性は十分に考えられます。
サービスルームを書斎や仕事部屋として活用する際は、「コンセントはあるのか」「インターネットは利用できるか」などをしっかりと確認しておきましょう。
夏場や冬場の気温に対応できるかどうかも、確認することをおすすめします。
▶【サービスルームがある】などで失敗しない方法（無料）を漫画でチェック3-2.湿気が溜まりやすい
採光や換気の条件が悪いサービスルームは、どうしても湿気が溜まりやすくなってしまいます。日当たりや風通しが悪い部屋は、部屋内の湿気が十分に乾燥されずに蓄積してしまうためです。
特に日本は湿度が高いため、湿気が溜まりやすい点は無視できないデメリットといえるでしょう。
湿気はカビや虫が発生する原因にもなるので、十分な湿気対策が必要です。家具と壁の間にスペースを確保するだけでも、湿気の蓄積を抑えられます。
除湿機や除湿剤、サーキュレーターなどの使用もおすすめです。除湿機は、部屋の広さに合った除湿能力が備わったものを使いましょう。
除湿剤には容器タイプやシートタイプ、ハンガータイプなどの種類があります。サービスルームで使用する場合は、湿気をしっかりと吸収できる容器タイプがおすすめです。
サーキュレーターは除湿機ほどの除湿効果はありませんが、除湿機と併用することでより効果的な湿気対策につながります。
▶【サービスルームがある】などで失敗しない方法（無料）を漫画でチェック4.S（サービスルーム）の活用法
サービスルームは居室の条件を満たしていないものの、以下のようなさまざまな活用法が考えられます。
サービスルームの活用例
- 書斎・仕事部屋
- シアタールーム・オーディオルーム
- ゲストルーム・プレイルーム
それぞれの活用法について、詳しく見ていきましょう。
4-1.書斎・仕事部屋
サービスルームは、書斎や仕事部屋として活用可能です。通常の居室は寝室や子ども部屋として利用する場合が多く、なかなか書斎や仕事部屋を確保できない場合が多いでしょう。
しかし、サービスルームを活用すれば、念願の書斎・仕事部屋を手に入れられます。リビングや寝室とは別の空間を確保することで、気分を切り替えたい場合にも役立つはずです。
ただし、書斎や仕事部屋としてサービスルームを活用する場合は、コンセント・エアコンの有無や採光不足が課題となるでしょう。
採光不足に関しては、コンセントさえあればデスクライトを設置してカバーできます。コンセントがない場合は、電池タイプや充電タイプのデスクライトを設置しましょう。
特に、在宅勤務の場合は長時間仕事部屋として利用することになるため、快適に利用できるような工夫が必須です。
▶【サービスルームがある】などで失敗しない方法（無料）を漫画でチェック4-2.シアタールーム・オーディオルーム
窓がないサービスルームは、シアタールームやオーディオルームなどの趣味部屋にも適しています。窓がないことで光や音が遮断され、趣味に没頭できるためです。
シアタールームやオーディオルームとしての活用であれば、採光不足で部屋が暗めでもさほど問題ありません。
ただし、快適に趣味を楽しむ場合は、書斎・仕事部屋と同じくコンセントやエアコンを確保したほうがよいでしょう。コンセントの有無やエアコンを設置できるかどうかを、事前に確認することをおすすめします。
▶【サービスルームがある】などで失敗しない方法（無料）を漫画でチェック4-3.ゲストルーム・プレイルーム
サービスルームは、ゲストルームやプレイルームとして活用することも可能です。
基本的に長時間の利用には適していないものの、デメリットをある程度解消できていれば、来客や子どもが一時的に利用できる空間として活用できます。特に小さいお子さんがいる家庭では、プレイルームとしての活用がおすすめです。
子どもがリビングで遊んでいる場合、リビングが絵本やおもちゃで散らかってしまうケースは少なくありません。リビングが散らかっていれば、人の目も気になってしまうでしょう。
しかし、サービスルームをプレイルームとして活用すれば、きれいに片付いたリビングを維持できます。サービスルームは人の出入りが少ないため、おもちゃが散らかっていたとしてもさほど気になりません。
来客や子どもが快適に利用できるよう、空調や湿気の問題はなるべく解消しておきましょう。
▶【サービスルームがある】などで失敗しない方法（無料）を漫画でチェック5.S（サービスルーム）がある間取り例
ここからは、サービスルームがある間取りをいくつか紹介します。
5-1.1SLDKの間取り
サービスルームを、WIC（ウォークインクローゼット）として活用できる1SLDKの間取りです。
リビングから寝室、ウォークインクローゼットまでを一直線につなげられる配置にすることで、風が北側まで抜けるよう工夫されています。間仕切りをあまり設けていないため、ゆったりと暮らせる点も特徴的です。
また、サービスルームを丸ごとウォークインクローゼットとして活用することで、衣類だけでなく、布団やカバンなどもしっかりしまえる使い勝手の良さを実現しています。
LDKが広くて明るいため、開放的な空間を演出できている点も魅力です。
▶【サービスルームがある】などで失敗しない方法（無料）を漫画でチェック5-2.2SLDKの間取り
※CL…クローゼット
※WIC…ウォークインクローゼット
地下室にサービスルームを配置した、2SLDKの間取りです。地下室に配置することで、広々としたサービスルームの確保を実現できています。
キッチンは、リビングダイニングを見渡しながら料理ができる対面式となっています。
▶【サービスルームがある】などで失敗しない方法（無料）を漫画でチェック5-3.3SLDKの間取り
サービスルームを配置した、3SLDKの間取りです。1階にサービスルームとLDKが配置されており、家族が集まりやすい間取りとなっています。
キッチン横に配置されたサービスルームは、お子さんのプレイルームや仕事部屋として活用できるほか、洗濯物の片付けやアイロンがけといった家事スペースとしても活用可能です。
LDKは対面式のキッチンとなっており、大容量のクローゼットが配置されています。ロータイプのカップボードがついているため、すっきりとしたキッチン回りを実現できるでしょう。
2階の居室は、子どもの成長に合わせて2部屋に区切れるような拡張性を残しています。
▶【サービスルームがある】などで失敗しない方法（無料）を漫画でチェック5-4.4SLDKの間取り
※CL…クローゼット
※WIC…ウォークインクローゼット
サービスルームを、ウォークインクローゼットとして活用できる4SLDKの間取りです。
寝室横にウォークインクローゼットを配置することで、起床後すぐに着替えができます。寝室に、大きな家具を置く必要がなくなる点も魅力です。
LDKに隣接している約3帖の畳コーナーは段差がないため、小さいお子さんが安心して遊べるスペースとなっています。
フローリングとは違いクッション性があるので、遊んでいる最中にお子さんが転んでしまっても安心です。
リビング収納は壁が有孔ボードになっており、収納の幅が大きく広がります。リビング側からは見えないため、人目についてほしくないものを収納する際におすすめです。
▶【サービスルームがある】などで失敗しない方法（無料）を漫画でチェック
ここまでの代表例から、
好みのイメージは見つかりましたか？
好みのイメージが見つかったら、次は、HOME4U 家づくりのとびら プラン作成依頼サービスをご利用ください！
スマホからあなたにあった間取り図・資金計画・土地のプランが無料で手に入るので、家づくりがスムーズに進みますよ。
見つからなかった場合も、本サービスを使えば、ここでご紹介した代表例以外のイメージもご紹介可能です。
まとめ
間取りで目にする2SLDKや2LDK＋Sなどの「S」は、サービスルームを意味します。サービスルームとは、居室の条件を満たしていない部屋のことです。
採光や換気などが一定の条件を満たしていない場合に、サービスルームに区分されます。
サービスルームは居室ではないため、サービスルームのある住宅は同じ広さ、部屋数の住宅よりも価格を抑えられる場合が多い点がメリットです。日光の影響を受けづらいため、日光に弱いものの収納スペースとしても適しています。
ただし、エアコンを設置できない場合が多い、湿気が溜まりやすいといった点は無視できないデメリットです。
特にサービスルームを書斎や仕事部屋として活用する際は、デメリットをできる限り解消できるような工夫が求められるでしょう。サービスルームは、書斎や仕事部屋、ゲストルームなどさまざまな活用法が考えられます。
今回紹介した間取り例も参考に、サービスルームを最大限活用した理想の住まいづくりを実現してみてください。
注文住宅の「間取りの作り方」特集
間取りプラン一括依頼で
複数ハウスメーカーを比較！
こだわりの間取りで家を建てるなら、実際にハウスメーカーから「間取りプランを提案してもらうこと」が一番です。
そんな方におすすめなのが、HOME4U 家づくりのとびら 間取りプラン作成依頼サービスです。
スマホから必要事項を入力するだけで、あなたのご要望に沿ったハウスメーカーを複数社ピックアップ。
気になるハウスメーカーを最大5社までお選びいただくと、【完全無料】で間取りプランを一括依頼することができます。
この記事の編集者
