【注文住宅の見積り】適切な依頼方法・見方・比較方法を伝授

注文住宅は間取りやデザインを自由に選べるのが魅力です。
ところが「自由に選べる」ということは、「値段がわかりにくい」というデメリットにつながります。
自分の希望に合わせた建築プランを作ってみないと、正確な見積もりは出ません。
注文住宅の最多価格帯は1,500~3,000万円くらいですが、どんな家を建てるかによって見積もりは大きく変わります

そこで注文住宅を建てるときにはまず、ハウスメーカーや工務店などの建築会社に依頼して、建築プラン(間取り図)と見積もり書を作成してもらうことになります。
その際、2~3社の建築会社の提案内容を比較すると、自分に合った会社を選びやすくなります
とはいえ、建築会社は「全く同じモノ」を作っているわけではないので、単純に値段だけでは決められません。

「家を建てるのが初めてで、依頼する建築会社の選び方がわからない」
「見積もり書の比較の仕方がわからない」
こんな方のために、この記事では注文住宅の見積もりについて徹底的に解説していきます。

見積もりの依頼方法・見積もり書の記載内容・どこに注意すべきなのかといったポイントをしっかり押さえて納得のいくマイホームを実現しましょう

予算検討から引き渡しまで、注文住宅の流れについて知りたい方は、こちらの記事もご覧ください。

1. 注文住宅の見積もり作成の流れ

では早速、「注文住宅の見積もり作成の流れ」から見ていきましょう。

1-1.ハウスメーカー等の特徴を調べる

まずはハウスメーカー・工務店等の特徴をしっかり調べ、見積もり依頼の段階までに2~3社まで絞りこみましょう
ハウスメーカーを選ぶ上で重視したいのは構造の特徴です。
ハウスメーカーごとに、木造・軽量鉄骨・重量鉄骨・鉄筋コンクリートといった違いがあります。
耐震性や断熱性など重視したい点があれば、各ハウスメーカーの性能も調べてみましょう。
コストの違いも重要ですし、設計力のある建築会社、自分の好みの外観が選べる会社といった面も押さえたいものです。

とはいえ、このようなハウスメーカー等の特徴を調べるのは手間も時間もかかり、それなりの知識も必要となるため不安もありますよね?

そこで便利なのが、「HOME4U 家づくりのとびら」です。

HOME4U 家づくりのとびら」は、家づくりのプロである専門アドバイザーに無料で相談することができるサービスです。
オンラインによるWEB面談のため、小さなお子様がいらっしゃるご家庭でも出かける必要がありません。

中立な立場の専門家があなたの希望をしっかりヒアリングした上で、条件に合ったハウスメーカーを案内してくれるのでぜひご活用ください。

1-2.気に入ったハウスメーカーに設計プランと見積もりの提示を依頼

契約まで進んでもいいと思える会社を2~3社に絞り、設計プラン(間取り図)と見積もりの作成を依頼します。
あまり多くの建築会社に依頼をすると、間取りの要望を伝えるのも大変ですし、提案内容も細かくチェックできなくなるので、自分の条件に合いそうな建築会社を2~3社に絞って依頼するのがおすすめです。

注文住宅のプラン作成は、建築主の要望を反映して、一邸ずつゼロから作り上げてもらえます。
間取りづくりに必要な情報は、建築会社の担当者がヒアリングしてくれます。
主な内容は予算、建設予定地、希望の間取り、こだわりたい設備、デザインなどです。
あなたの好みに合わせたプランを作成してもらうために、要望をしっかり伝えましょう。
イメージ写真や理想に近い間取り図などを用意しておくと要望を伝えやすくなります。

なお、詳しい建築プランを作らずに、おおまかな延面積を想定して概算見積もりを作成する方法もありますが、どこまでの費用が含まれているのかわからず、様々な追加費用が発生する可能性があります。
概算見積りだけで建築会社を比較・決定するのはおすすめしません

1-3.設計プランと見積もり内容をじっくり検討して建築会社を決める

各建築会社から設計プランと見積もりが提示されたら、内容を吟味して1社に絞っていきます
例えば、自分の希望が取り入れられた間取りになっているか、魅力的な間取りの提案であるか、そして予算の範囲でプランが作られているかどうかなどをしっかりと見極めましょう。
住宅展示場を見学して説明を聞いてみるのも参考になりますが、住宅展示場を作らずにコストダウンを図っている優良な会社もあります。
また、工事中の現場見学会や工場見学ができるハウスメーカーもあります。
家づくりは長丁場になるので、コミュニケーションを取りやすく、相性の良い担当者を選ぶことも大切です。

建築会社を決定したら、納得いくまで打ち合わせを繰り返し、提案されたプランで気になる点があれば変更するという作業を繰り返してプランを練り上げます。
プラン変更に合わせて当然見積もり書も変更になります。
こだわりを詰め込みすぎると予算を超えてしまうこともあるので、バランスを見ながら決めていきましょう。

2. 見積もりにはどんな内容が記載されるの?

見積もり書の書式や内容は、建築会社によって異なります。
見積もりの内訳は、建築費(本体工事費)・諸費用・別途工事費用ですが、初回の見積もり書提示の段階で全て詳細に記載するといった決まりはありません。
大手のハウスメーカーでは諸費用等も記載した見積書(資金計画書)を作成してくれるケースが多いのですが、本体工事費のみの見積もり書を作成する建築会社もあります。
そのため、一見安く見える見積もり書でも注意が必要です。
見積もりの総額だけでなく、どこまでの費用が含まれているのか内容をしっかり確認しましょう

この章では、「予算として把握しておくべき見積もりの主な内容」について、

  1. 建築費(本体工事費)
  2. 諸費用
  3. 別途工事費用(その他工事費用)

以上の3つを詳しく解説していきます。

2-1.建築費(本体工事費)

建築費(本体工事費)とは、建物そのものを建てるための費用です。
建築費は、見積もり総額の7~8割くらいを占めます。
具体的な内容は、基礎や躯体など建物の構造にかかる工事、外壁工事、屋根や窓、内装、キッチン・トイレ・浴室などの設備工事、配管・配線工事等の費用を含んだ金額です。
ただし、本体工事費と付帯工事費の細かい内訳は、建築会社によって異なることがあります。

建築会社の広告で、「●円で家が建てられる」と記載されているときには、建築費(本体工事費)を指す場合が多く、諸費用等は含まないのが一般的です。

本体工事費は、

坪単価(建築費÷延床面積)

で表示されることもあるので注目されがちですが、本体工事費だけで家が建つわけではないことを知っておきましょう。

2-2.諸費用

諸費用は、総額で100~150万円くらいになることが多いです。
目安としては、見積もり総額の約5~10%です。
初回の見積もりでは全てが記載されていない場合もありますが、予算に織り込んでおきましょう。
諸費用については、ハウスメーカーごとの差が出にくい部分です。

主な諸費用はこちらの通りです。

  • 工事請負契約書印紙代
  • 住宅ローンの諸費用
  • 火災保険料、地震保険料
  • 水道負担金
  • 登記費用
  • 地盤調査費用
  • 建築確認申請費用
  • 不動産取得税
  • 地鎮祭費用(希望する場合)

諸費用については自己資金で用意しておくのが理想的ですが、諸費用も含めて借りられる住宅ローンもあります。

2-3.別途工事費用(その他工事費用)

別途工事費は最終的に100万円以上かかることが多いのですが、土地の面積や建物の設計によって大きく変わってきます。
初回の見積もりでは不明点が多いので概算金額になっていたり、記載されていないことも多いので注意しましょう。

別途工事費用の主な内容はこちらの通りです。

  • 給排水工事・・・給水管、排水管等を敷地内に引き込むための費用
  • 外構工事・・・門、塀、駐車場、庭など。ハウスメーカーではなく造園の専門会社に依頼することもできます
  • 地盤改良工事・・・地盤が軟弱な場合に発生する工事費用
  • 照明、カーテン工事・・・選ぶものによって大きく費用が変わります
  • エアコン工事
  • 太陽光発電設備・・・太陽光パネルの設置工事
  • 取り壊し工事費・・・建て替えの場合
  • 設計費用・・・ハウスメーカーは設計費用が工事費に含まれていますが、設計事務所に依頼する場合は別途発生します。

この中でも地盤改良工事については、地盤調査の結果次第で金額が変わるので初期段階ではわかりにくいです。
地盤が強ければ費用はかかりませんが、地盤が軟弱であるほど工事費用が高くなり、50~200万円ほどかかる可能性もあります。

3. 見積もりを比較して建築会社を決めるときの5つのポイント

いくつかの建築会社から見積もりをもらったら、比較検討してどの会社に頼むのか決めましょう。
比較する際の5つのポイントは次のとおりです。

  1. できるだけ同じ土俵で比べる
  2. 総額が予算におさまるかどうか検討する
  3. 見積もりが「上がる可能性」を聞いてみる
  4. 見積もりが「下がる可能性」を聞いてみる
  5. 見積もり依頼から提案までの対応を見極める

それぞれ詳しく見ていきます。

3-1.できるだけ同じ土俵で比べる

「どんな建物を前提としているか」に注意して見積もり書の内容を見ることが大切です。
各社の見積もりを比較しやすいようにするためには、設備などを同等のグレードにしてなるべく同じ土俵で比較することが重要になります。
同じ土俵にすると分かりやすくなるのが、ハウスメーカーごとの建物の性能ランクの違い等による金額差です。
本体工事費の金額、内訳に注意して比較しましょう。
また、要望が取り入れられているか、見積もりに不足している項目がないかもチェックします。
事前の打ち合わせで伝えていた、取り入れたい外装・内装・設備がハイグレードなものばかりだと見積もり書が高額になってしまうこともあります。
そのためにも、絶対に取り入れたい仕様や設備を予め各社に伝えて優先順位も決めておくことをおすすめします。

金額の差を比較する際に注目すべき具体的なポイントをいくつか挙げておきます。

  • 床面積・・・面積が広くなれば工事費も上がります。
  • 建物性能・・・耐震等級、断熱性能、遮音性能などのランクをチェックしましょう。
  • フローリング・・・傷がつきにくいもの、床暖房対応、質感が良いものは高いです。無垢の床が最も高額になります。
  • 外壁の種類・・・一般的によく使われるサイディングも様々で、厚みがあって高級感があるタイプは高くなります。タイル張りはサイディングより高額です。
  • 設備・・・キッチン・風呂などのグレードもチェックしましょう。

3-2.総額が予算におさまるかどうか検討する

諸費用、別途工事費なども含めて、総額が予算におさまるかどうか検討しましょう
最終的に予算オーバーにならないよう、現実的な数字をつかむことが大切です。
総額を把握するためには、現時点で費用がわからない項目についても、概算の金額を仮に入れてみてください。
例えば照明・カーテンなどは、「この規模なら●円くらいが平均的ですよ」という数字を聞いて概算で入れておきます。

もしも総額が予算オーバーだったとしても、建物の強度を落としてしまうようなコストダウンは避けたい方がほとんどだと思います。
予算を抑えるために工夫できる部分は、間取りや内装・設備のグレードです。
好みのものを選んでハイグレードのものばかり取り入れてしまった結果、予算オーバーになってしまったら、住み心地に影響が少ないものは標準仕様にするなどメリハリをつけて選択しましょう。

3-3.見積もりが「上がる可能性」を聞いてみる

まず登記費用やローン諸費用など、諸費用を入れずに「安く見える見積り書」になっていないかチェックしましょう。
その上で、更に後から予算が上がってくるかもしれない部分があるか聞いてみましょう。
例えば、地盤調査の結果、土地が軟弱で地盤改良工事が必要になると50~200万円くらいかかる可能性もあります。
また、フェンスや駐車場、造園などの外構工事費用は、後から必要なことに気づいて焦ってしまうことがあります。

安めの見積もりを提示して後からどんどん追加費用がかかる建築会社より、後から総額が跳ね上がることのないような見積もり書を提案してくれる建築会社は信頼性が高いと言えます。
初回の見積もり書に記載されていない費用や、今後予想される追加費用について、担当者の目線で分かることを正直に言ってくれるかどうか、信頼度もチェックしましょう。

3-4.見積もりが「下がる可能性」を聞いてみる

見積もりが予算オーバーでもすぐに諦めずに、コストを下げる工夫ができるか相談してみましょう。
機能性やデザイン性を損なわずに、コストダウンできるポイントがあるかもしれません。
例えば窓の数を減らすか小さくしたり、床面積を減らしたり、建物の形状をシンプルにすると建築費は下がります。
また、ハウスメーカーでは価格帯の違う商品ラインナップがあることも多いので、別の選択肢を提案してもらえるかもしれません。

予算を抑える方法として有力なのが、セミオーダー(規格住宅)です。
セミオーダーは、完全自由設計よりも間取りの自由度は落ちますが、予算を抑えつつ理想の家が建てられる可能性があるため、条件が合えば提案されることもあります。

各建築会社の見積もり書を比較検討するときには、見積もりを下げる方法を聞いてみることで、代替案を用意してくれるなど、予算内で希望の家づくりができるように根気強く付き合ってくれるような担当者かどうか判断しましょう。

3-5.見積もり依頼から提案までの対応を見極める

見積もり依頼は、金額を知ることも大切な目的ですが、家づくりのパートナーとして信頼できるかどうか見極めるチャンスです。
見積もり依頼を通して、担当者の対応や提案力などをしっかり比較しましょう。

注目したい点は、

  • 見積もりを依頼するときに、こちらの考えをしっかり聞いてくれるか
  • 家族の意見をうまくまとめてくれるか
  • 要望をかなえるために工夫をしてくれるか

よい担当者に出会えれば、プロの視点で問題を指摘してくれたり、思いがけない魅力的なプランを提示してくれるかもしれません。
見積もりをしっかり検討し、長期間一緒に家づくりをするパートナーを見極めましょう。

まとめ

それではおさらいです。
注文住宅の見積もりを依頼するときには、まずハウスメーカー等の特徴をしっかり調べます。
2~3社に絞り込んだら、予算、希望の間取り・設備・デザイン等を伝えて、建築プランと見積もり書の作成を依頼します。

ご自身で適切な2~3社を選ぶことに自信がない方は、ぜひ無料で使える「HOME4U 家づくりのとびら」で、専門アドバイザーからご希望にあうハウスメーカーの案内を受けてみてください。

各企業の提案を受けたら、設計プランと見積もりを比較検討して1社に決め、打ち合わせを繰り返して理想の家づくりを進めていきます。

見積もり書の書式や内容は、建築会社によって異なるので、内容をしっかり確認することが大切です。
本体工事費の他に、諸費用や別途工事費用がどこまで含まれているのか注意してください。

見積もりを比較検討して建築会社を決めるときのポイントは次のとおりでした。

  • できるだけ同じ土俵で比べる
  • 総額が予算におさまるかどうか検討する
  • 見積もりが「上がる可能性」を聞いてみる
  • 見積もりが「下がる可能性」を聞いてみる
  • 見積もり依頼から提案までの対応を見極める

見積もりの依頼は、信頼できる家づくりのパートナーを見つけるための大切なステップです。
この記事で紹介した手順を踏んで、適切なハウスメーカー選びを実践してくださいね。


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この記事の編集者

「家づくりのとびら」編集部

NTTデータグループが運営する注文住宅相談サービス「家づくりのとびら」編集部です。難しい住まいづくりの情報を、わかりやすく正確にお伝えします。記事は不動産鑑定士や宅地建物取引士などの不動産専門家による執筆、監修記事がメイン。初めての住まいづくりをサポートします!

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