【土地なしで注文住宅を建てる流れとコツ】完全ガイド

好きな場所に土地を買って、自由に家を建てられる注文住宅。
できあがった建売住宅を買うよりも、ちょっと大変なのは事実です。

でも注文住宅なら、立地・間取り・デザイン・機能性など「全ての面で満点!」といえるマイホームを手に入れることができます。
家づくりの大変さも含めて、家族の一大イベントとして楽しみたいですね。

ただ、土地を購入することから始めようとする場合、土地探しが難航してしまうと、入居できるまで2年近くかかってしまうケースがあります。
できればそんなことにならずに、「スムーズに理想の家を手に入れたい」と誰もが思うことでしょう。

そこでこの記事では、土地から購入して注文住宅を建てるまでの流れとコツを詳しく解説していきます。
また、土地と建物の代金を支払うタイミングと、住宅ローンの使い方についても解説していきます。

ダンドリをしっかり予習して、納得のマイホームを手に入れましょう!

はじめての注文住宅で不安」という方は、本記事をご覧になった上で、「HOME4U 家づくりのとびら」で、家づくりについて相談してみることをおすすめします。
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注文住宅がどのような工程で建つのか詳しく知りたい方には「注文住宅の流れ」の記事もおすすめです。

1.土地を購入して注文住宅を建てるまでの流れ

はじめに、土地を購入して注文住宅を建てるまでの流れを見ていきましょう。
全部で10のステップとなります。

【ステップ1】土地・建物の予算を考える

まずは、家づくり全体の予算を検討します。

予算の計算方法

予算合計額=自己資金+住宅ローン

現在の貯蓄と両親からの援助などを合わせると、どのくらいの自己資金が用意できるでしょうか。
また、無理のない住宅ローン借入額はどのくらいなのか把握しましょう。

住宅ローンの借入額は、金融機関のホームページなどでシミュレーションできるので参考にしてください。
諸費用も含めて借りられる住宅ローンもありますが、土地の「手付金」などは早い段階で支払いが必要になるため、ある程度は自己資金を準備しておく必要があります。

予算の総額が決まったら、土地と建物それぞれの予算配分を考えましょう。

例えば、予算総額が4,000万円の場合、土地に1,600万円(土地代金1,500万円+諸費用100万円)、建物に2,400万円(建築費・その他工事費2,300万円+諸費用100万円)というように振り分けます。

土地・建物それぞれ5%くらいの諸費用がかかることを意識しておくのが、予算オーバーしないポイントです。

なお、注文住宅の費用と相場については、「注文住宅の費用相場」で詳しく紹介しています。

【ステップ2】どんな家にしたいか考える

次に、どんな家にしたいのか考えていきます。
具体的には次のような内容です。

  • 間取り・・・プライベートを大切にしたい、家族のコミュニケーションが取りやすい間取りにしたい、収納が沢山欲しい、ペットに配慮した間取りにしたいなど
  • 外観・・・洋風、純和風、モダンなど
  • 構造・・・木造・鉄骨造・鉄筋コンクリート造など
  • 階数・・・2階建て、3階建て、平屋など
  • 性能・・・地震に強い家、冬暖かく夏は涼しい家、省エネルギーの家など
  • その他のイメージ・・・木の温もりが感じられる家、モノトーンでまとめたスタイリッシュな家など

なお、家のイメージづくりについては、「注文住宅のイメージ」の記事で詳しく解説しています。

【ステップ3】ハウスメーカーを選ぶ・土地を探す

(1)ハウスメーカー選び

注文住宅の依頼先は大きく分けて、ハウスメーカー・地元工務店・設計事務所があります。

ハウスメーカーは工場で木材などをある程度まで加工することが多いため一定の品質が保たれて工期が短く、アフターサービスが充実している傾向があります。
また、住宅展示場を実際に見ることができたり、建築地が遠方でも対応してもらえたりするのもメリットです。

地域密着型の工務店の場合、比較的コストを抑えられる可能性がありますが、会社の規模や品質は様々です。

設計事務所は、デザイン性の高い家づくりが期待できますが、コストが高めになる傾向にあります。

さまざまな住宅商品が用意されている点や、企業としての安定度を考えると、初めての家づくりの際にはハウスメーカーを中心に検討することがおすすめです。

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(2)土地探し

建築の希望エリアが決まったら、予算をもとに土地を探しましょう。

土地を探す方法としては、ネットで探すほか、家を建てたいエリアの不動産会社に依頼しておく方法や、ハウスメーカーに土地探しも手伝ってもらう方法があります。

一般的な土地よりも安い傾向にある「建築条件付きの土地」の場合、指定されたハウスメーカーで建てることが条件ですから、自分の希望するハウスメーカーを選べないことがあるので注意しましょう。

また、希望の土地が見つからない場合には、古家付きの土地を買って建物を取壊す方法も選択肢に入れると物件が見つかりやすくなります。

土地探しについては、「土地の探し方・選び方」の記事もご覧ください。

【ステップ4】候補の土地に建てられる間取りの提案→土地・建物の住宅ローン事前審査

(1)候補地の建築プランの検討

気に入った土地が見つかったら、ハウスメーカーに間取りプランの作成を依頼します。

土地の形や面積、道路の方角などによって、建てられる家は変わってきます。
あらかじめ書き出しておいた家族の間取りの希望などを伝えて、自分たちのライフスタイルに合った間取りを作成してもらいましょう。

はじめのプラン依頼ではハウスメーカーを一社に絞らず、複数の会社に依頼してプラン内容・対応力などを比較してみることをおすすめします。

また、ラフプランと同時に見積書も作成してもらいます。
自己資金で土地を買える場合は、ハウスメーカーが決まる前に土地だけ買ってしまうこともできますが、思い描く家がその土地に建つのかどうか確認しておくことが大切ですので慎重に決断しましょう。

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一般的なカタログ請求と異なり、間にコーディネータが入るので、情報や要望の整理もスムーズです。

(2)住宅ローンの事前審査

土地も合わせて住宅ローンを借りる場合には、土地購入前に住宅ローンの事前審査(仮審査)を申し込みます。
事前審査では、金融機関に間取りプランや見積り(仮のプランでOK)を提出する必要があるのが一般的です。

【ステップ5】土地を決めて売買契約を締結する

プラン作成をしてもらい、希望の家が建てられる土地だとわかったら、土地の売り主へ「買い付け申込書」を提出します。

売買契約前には、重要事項説明書によく目を通して契約内容を確認しましょう。
問題がなければ売買契約を結び、手付金の支払いとなります。

手付金は一般的に土地代金の5~10%です。
手付金や土地の仲介手数料、印紙代などは自己資金で用意しておきましょう。

【ステップ6】ハウスメーカーを決める

間取り作成を複数の会社に依頼した場合は、設計力やコスト、建物の性能、アフターフォローなどしっかりと比較して、ハウスメーカーを1社に絞ります。

見積書には諸費用が含まれている場合とそうでない場合があるので、明細までじっくりと確認することが大切です。

ハウスメーカーを選んだら「仮契約」を結び、敷地調査と地盤調査を行います。
敷地調査は、土地の形状や法的な制限について調査することをいいます。
地盤調査は、地盤の強さを調べて地盤改良工事が必要な土地なのかを判断するために行うものです。

【ステップ7】建築プランの詳細を打ち合わせる

決定したハウスメーカーと打ち合わせを重ねて、建築プランの詳細を決めていきます。
打ち合わせの回数はかなり個人差が大きく、10~20回くらいかかる場合もあります。

現在のライフスタイルだけでなく将来まで予想しながら、長く快適に暮らせる家づくりを目指しましょう。
注文住宅はこだわりを詰め込むとどんどん予算が上がっていくので、こだわりたい部分には優先順位をつけて取捨選択することも大切です。

ハウスメーカーとの打ち合わせ内容は多岐に渡ります。
外壁の種類・内装・設備から、コンセントの位置のような細かいところまで決めていきます。

ハウスメーカーに所属する設計士やインテリアコーディネーターがしっかり相談に乗ってくれるので、迷ったときはプロの意見を参考にしてみるのもおすすめです。

家は設計図面をもとに建築されるので、着工直前や建築が始まってからの変更はほとんどできません。
できたとしても追加費用がかかる可能性が高いです。

そのため、完璧な最終図面をつくるということは実はとても大切ですので、打ち合わせを重ねて細部までしっかりと決めていきましょう。

【ステップ8】工事請負契約の締結→住宅ローン本審査

(1)工事請負契約(本契約)

間取り・設備・仕様の詳細が決まったら、ハウスメーカーと工事請負契約を結びます。

契約書の内容は工事請負契約書、見積書、設計図には家の設計プランが詳細に記載されます。

とてもボリュームのある書類ですが、間違いがないか事前に細かくチェックしましょう。
設計内容が細かく決まっていないのに、「とりあえず概算で契約しましょう」と言うようなハウスメーカーは、後からどんどん費用が上がってくる可能性が高いのでご注意ください。

なお、工事請負契約を締結した後で、設計内容に変更が発生した場合は改めて変更契約を結ぶことになります。

(2)建築確認申請

建築請負契約を結んだら、市区町村に建築確認の申請を行います。

これは、建築プランが建築基準法などの法令に対して問題がないかを審査するもので、これをクリアして建築確認済証が交付されたら着工できます。

(3)住宅ローン本審査

交付された建築確認済証、工事請負契約書、土地の売買契約書などの写しを金融機関に提出して、住宅ローンの本審査を受けます。

仮審査を通過していても、本審査までの間に勤務状況や借入状況などに変更があると、本審査が通らないことがあります。

【ステップ9】土地の引き渡し・着工

土地の代金を自己資金や住宅ローンで支払いし、正式に土地の引き渡しを受けます。
その後、建物の着工となります。

地鎮祭や上棟式は施主が希望する場合は行います。
段取りや準備については、ハウスメーカーがサポートしてくれるので相談しましょう。

【ステップ10】竣工・建物引き渡し

建物が完成したら、ハウスメーカーの担当者や現場監督の立ち合いのもとチェックをします。

建具の動きはスムーズか、床材や壁紙に汚れや傷がないかなど細かくチェックして、問題点が見つかった場合は修理を依頼します。

引き渡しが済んでから傷が見つかった場合、修理に追加費用がかかる可能性が高いため、遠慮せずに指摘しましょう。
引き渡しまでに修理が間に合うように、日程を明確にしておくことも大切です。

「引き渡し」の日には、住宅ローン等で残りの建築代金を支払い、家があなたの名義で登記され、家の鍵や保証書などを受け取ります。

以上が、土地を購入して注文住宅を建てるまでの大まかな流れです。

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同じような見積もり金額でも、ハウスメーカーによって費用項目は異なるため、「A社は〇〇込みで総額を出しているのに、B社には含まれていない」というケースもあります。

自分たちだけで住宅プランを比較する際には、多くの専門知識や情報が必要で大変ですが、本サービスなら、コーディネーターが情報や要望の整理のサポートをするので、疑問点やお悩み事をすぐ質問できますよ。

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2.土地を買って家を建てる場合の住宅ローンの使い方

土地を買って注文住宅を建てる場合の代金支払いスケジュールや、住宅ローンの使い方について見ていきましょう。

2-1.代金を支払うタイミングが複数回に分かれるので注意

土地と建物の購入をする際は、代金支払いのタイミングがバラバラなので注意が必要です。

土地代金は契約時に手付金を支払って、残りは引き渡し時に支払います。
注文住宅の建築代金は、引き渡しまでの間に3~4回に分けて代金を支払うのが一般的です。

例えば、支払いスケジュールは次のようになります。

支払いスケジュール
支払のタイミング内容
土地の売買契約土地代金の5~10%(手付金)
土地の引き渡し土地代金の残り
ハウスメーカーとの仮契約5~10万円前後
工事請負契約建物代金の約30%
中間金(建物の骨組みが完成)建物代金の約30~40%
竣工時竣工時 建物代金の約30%

基本的にハウスメーカーの担当者が支払いタイミングをわかりやすくサポートしてくれますので、しっかり確認しましょう。

また、融資と自己資金との割合を相談して、しっかりとした資金計画をたてることが大切です。

2-2.事前審査と本審査の提出タイミング

住宅ローンの審査には、事前審査と本審査があります。

事前審査は、年収や勤続年数等をもとに、住宅ローンの借入が可能かどうかを仮にチェックするものです。
事前審査のタイミングは、候補の土地が見つかった時点です。
所得証明書類に間取りの仮プランと見積書を添えて審査を依頼します。

本審査は、正式な住宅ローンの申し込み審査です。
土地の売買契約や建物の工事請負契約を結んだタイミングで、それらの書類のコピーを追加提出して審査を受けます。

2-3.土地代金などに使える「つなぎ融資」

住宅ローンは、建物が完成してから、家を担保に融資が実行される(=入金される)のが基本です。

そのため、土地の代金や建物完成前の「着工金」「中間金」の支払いには、正確に言うと「住宅ローン」ではなく「つなぎ融資」を利用する方法があります。
つなぎ融資を利用した場合、建物完成前には金利だけを支払い、建物が完成したら住宅ローンで借り換えます。

ただし、つなぎ融資を扱っていない金融機関もあります。
他にも「先行融資」「分割実行」といった名称で、住宅ローンの一部が先に融資される形で利用できる金融機関もあるので、利用したい金融機関に問い合わせてみましょう。

なお、つなぎ融資・先行融資は建物完成前に資金を融資するため、信用力の高いハウスメーカーを選ばないと利用できないことがあります。

つなぎ融資について詳しく知りたい方は「つなぎ融資の仕組みや注意点」の記事も参考にしてください。

また、住宅ローンについては「住宅ローンの基本の流れ」の記事に詳しくまとめています。

「まだいい土地が見つかっていない」「どのような住宅ローンを組むべきか」「資金計画をどう立てたらよいか」とお悩みの方は、ぜひ無料オンライン相談サービス「HOME4U 家づくりのとびらにご相談ください。

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3.土地なしで注文住宅を建てる場合に知っておきたいコツ

土地から探して注文住宅を建てる場合には、注意点があります。
後悔しない家を建てるためには次の3つのコツを押さえておいてください。

  1. 土地と建物の予算配分を慎重に
  2. 土地しだいで建築プランが変わってくることを意識
  3. 土地探しとハウスメーカーを同時に探す

それぞれ詳しく見ていきましょう。

3-1.土地と建物の予算配分を慎重に

総額でどのくらいの予算にするのか決めたら、土地と建物のバランスを考えて予算配分を考えましょう。
このとき、諸費用についても予算に組み入れておくことが大切です。

例えば土地の値段が2,000万円なら、土地購入の諸費用が約5%、つまり100万円くらいかかります。
また、純粋な「建築費(本体工事費)」だけでは家は建ちません。

「建築費は1,500万円ですよ」と言われたとしても、その他に外構工事などで200~400万円、諸費用が100万円くらいかかるかもしれません。
「土地2,000万円+建築費1,500万円=3,500万円なんだ」というイメージでいると予算オーバーになって慌ててしまうのでご注意ください。

なお、諸費用は通常、自己資金で用意しておく必要があります。
ただし、諸費用も含めて借りられる住宅ローンもありますので、余裕を持って資金計画を立てましょう。

3-2.土地しだいで建築プランが変わってくることを意識

家の建築プランは土地の条件によって影響を受けます。

具体的に言うと、土地の面積や、間口・奥行・方位・周辺環境によって建築プラン(間取り)は左右されます。

例えば、複雑な形の土地に家を建てる場合は凹凸が多い建物になり、建築費が割高になってしまうことが多いです。
また、接道の方位によって玄関の位置は左右されますし、隣の家との距離や向き合う場所の窓の位置にも考慮した間取りづくりをする必要があります。

購入したい土地を見つけたら、必ず候補の土地をハウスメーカーに見せてラフプランを作ってもらってください。
好みの間取りがその土地で実現できるのかどうか確認してから、土地を決定すれば安心です。

3-3.土地探しとハウスメーカーを同時に探す

土地探しとハウスメーカー探しを同時に進めるのは、本当に大変です。

中には、ハウスメーカーは決めたのに、土地探しに疲れてしまって何年も家づくりが中断してしまう人もいます。
逆に、「土地が見つかったけれど、ハウスメーカーが全く決まっていない」というのでは、その土地に希望の間取りが実現できるのかすばやく相談できる人がいないので、住宅ローンの事前審査も出せません。

スムーズに進めるためには、早めにハウスメーカーを絞り込んでおいて、良い土地が出たときにすぐに動くことが大切です。

土地探しは「縁とタイミング」が意外と重要なので、多方面からアプローチしましょう。
不動産サイトで検索するだけでなく、建築希望エリアの不動産会社に売り出し物件が出たら連絡をくれるようにあらかじめ依頼しておいたり、ハウスメーカーの力も借りたりすることをおすすめします。

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まとめ

それではおさらいです。
土地を購入して注文住宅を建てるまでの10ステップの流れを見てきました。

土地を買って家を建てる場合には、代金の支払いタイミングが細かく分かれるので、担当者にしっかり確認しながら進める必要があります。
土地代金にも住宅ローンを利用するときは、「つなぎ融資」や「先行融資」の制度を使える銀行を選びましょう。

土地から探して後悔しない家を建てるために注意したいコツは次の3つでした。

  • 土地と建物の予算配分を慎重に
  • 土地しだいで建築プランが変わってくることを意識
  • 土地とハウスメーカーを同時に探す

土地と建物のバランスをとりながら計画することが大切です。
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この記事の編集者

「家づくりのとびら」編集部

NTTデータグループが運営する注文住宅相談サービス「家づくりのとびら」編集部です。難しい住まいづくりの情報を、わかりやすく正確にお伝えします。記事は不動産鑑定士や宅地建物取引士などの不動産専門家による執筆、監修記事がメイン。初めての住まいづくりをサポートします!

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