引き戸の一種、引き込み戸は後悔する?特徴やメリットとデメリットを解説

注文住宅を建てる際、扉をどのタイプにするか迷う方は多いでしょう。開放感のある空間を演出し、スペースを有効活用したい方におすすめなのが引き込み戸です。

引き込み戸は、パブリックな空間とプライベートな空間を仕切る際にも活躍します。しかし、引き込み戸にはデメリットもあります。設置後に後悔しないためには、引き込み戸の特徴について正しく理解することが大切です。

この記事では、引き込み戸について以下の内容を解説します。

この記事でわかること

  • 引き込み戸の特徴やメリット・デメリット
  • 引き込み戸の掃除方法
  • 引き込み戸が向いている部屋の特徴

引き込み戸の掃除方法も紹介しているため、引き込み戸を採用したい方はぜひ参考にしてください。

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1.引き込み戸とは

引き込み戸とは、戸をスライドさせ、壁と壁の間に引き込むタイプの戸のことで、引き戸の一種です。

戸が前後に動いて開閉する開き戸と異なり、スライドして横に動かします。壁と壁の間に戸袋が作られており、引き込み戸を開けると戸が戸袋の中に収納されて見えなくなるのが特徴です。

引き込み戸は、引き戸の一種です。引き戸とは、溝やレールを使い、横に開閉するタイプの戸のことで、リビングや水場付近をはじめ、様々な部屋、玄関に至るまで利用されています。

引き戸には以下のような種類があります。

  • 引き込み戸
  • 片引き戸
  • 引き違い戸
  • 引き分け戸

このうち、戸袋(戸が収納されるように箱状に作られた部分のこと)が設置されているものが引き込み戸です。

以下では、引き込み戸とほかの戸との違いや、引き込み戸のタイプについて解説します。

1-1.引き込み戸と片引き戸の違い

引き込み戸と片引き戸の違い イメージ

引き戸の中でもオーソドックスなのが、片引き戸です。片引き戸は、開けた際に壁の上に戸が重なった形になります。一方、引き込み戸を開けたときは戸が戸袋の中に入るため、見えなくなるのが特徴です。

▶【引き込み戸や片引き戸を取り入れた間取り】など、自分の理想を叶える方法をチェック
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1-2.引き込み戸と引き違い戸の違い

引き込み戸と引き違い戸の違い イメージ

引き違い戸は、2枚以上の戸を左右どちらにも移動させて開閉するタイプの戸です。押し入れや襖の戸を思い浮かべるとわかりやすいでしょう。引き戸の枚数によって、2枚戸、3枚戸、4枚戸などがあります。

引き込み戸は、左右どちらからしか出入りできません。一方、引き違い戸は左右どちらの戸からも出入りできるため、利便性が高いという特徴があります。

▶【引き込み戸や引き違い戸を取り入れた間取り】など、自分の理想を叶える方法をチェック
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1-3.引き込み戸と引き分け戸の違い

引き込み戸と引き分け戸の違い イメージ

引き分け戸は、引き込み戸を左右両側に設け、左にも右にも両方の壁に戸袋があるタイプの戸です。左右に両方の戸を開くことができ、開放感のある大きな開口部が特徴です。
引き込み戸は左右一方に戸袋を作る形で済みますが、引き分け戸は左右両側に戸袋を作る必要があります。

▶【引き込み戸や引き分け戸を取り入れた間取り】など、自分の理想を叶える方法をチェック
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1-4.引き込み戸のタイプ

引き込み戸のタイプ イメージ

引き込み戸には、レールタイプと上吊りタイプがあります。

レールタイプは、床にレールが敷かれており、その上を戸がスライドするタイプです。一方、上吊りタイプは天井や壁の上部にレールが設置されており、戸を吊してスライドできるようになっています。

レールタイプは安定感がありますが、レールにホコリがたまりやすいのが難点です。

上吊りタイプは床にレールがないため、掃除しやすいのがメリットです。また、床に段差ができないため、つまずいたり車椅子が引っかかったりするリスクを防げます。家を、バリアフリーにしたい方におすすめです。

一方、床とドアに隙間ができるため、気密性や遮音性が劣るというデメリットがあります。

▶【引き込み戸を取り入れた間取り】など、自分の理想を叶える方法をチェック
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2.引き込み戸にする3つのメリット

引き込み戸にする3つのメリット イメージ

引き込み戸を設置するメリットは、以下のとおりです。

  • 室内が広く見える
  • 開口部のスペースが不要
  • スペースを有効活用できる

それぞれのメリットについて解説します。

2-1.室内が広く見える

引き込み戸にすることで、室内が広く見えるのがメリットです。

前述のとおり、引き込み戸を開けると戸が見えなくなります。見た目がすっきりするため、開けっぱなしにする際は開放感を演出できます。

また、開き戸のように目立つドアノブもありません。全体的にスタイリッシュな見た目であるため、室内が広く見えるでしょう。

2-2.開口部のスペースが不要

引き込み戸は、開口部のスペースが不要となるメリットもあります。戸を横にスライドして開け閉めするため、戸の前後のスペースを確保する必要がありません。

一方、開き戸は前後に開け閉めするタイプであるため、前後のスペースを開けておく必要があります。戸がぶつかってしまうため、付近には物を置けずデッドスペースになってしまいます。

引き込み戸なら、開口部のスペースがデッドスペースにならないのが魅力です。

2-3.スペースを有効活用できる

引き込み戸は、戸袋両面の壁も壁として利用できるため、スペースを有効活用できます。

片引き戸の場合、戸を閉めると壁に、引き違い戸の場合は戸同士が重なります。開け閉めする度に重なる部分が動くため、物を置くことは難しいです。

一方、引き込み戸では、戸を開け閉めしても戸袋の部分の壁が動くわけではありません。そのため、戸袋の両面に家具やインテリアを置き、スペースを活用できるのがメリットです。

ここまで、引き込み戸のメリットをご紹介しましたが、希望する戸を取り入れた間取りを実現するには、どんなパターンがあって、どんな予算感になるのか、気になる方も多いのではないでしょうか。
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3.引き込み戸は後悔する?3つのデメリット

引き込み戸は後悔する?3つのデメリット イメージ

一方、引き込み戸には以下のようなデメリットがあげられます。

  • 気密性や遮音性が低い
  • 戸袋の掃除がしにくい
  • 戸を引き込むスペースが必要

設置後に後悔しないためには、メリットとデメリットを比較検討して選びましょう。

3-1.気密性や遮音性が低い

引き込み戸は、開き戸と比べると気密性や遮音性が低いのがデメリットです。戸とレールや、戸と戸袋の間に隙間ができてしまうためです。声が隣の部屋に聞こえたり、冷暖房効率が悪くなったりする恐れがあります。

とくに、上吊りタイプは戸と床に隙間ができるため、隙間風に悩まされる可能性が高いです。

そのため、気密性や遮音性を高めたい場合は、開き戸を採用するのがおすすめです。

しかし、気密性が低いことは、通気性がよいことを意味します。風通しをよくしたい場所や湿気がこもりやすい場所には、引き込み戸を採用するとよいでしょう。

3-2.戸袋の掃除がしにくい

引き込み戸は、戸袋の掃除がしにくいのも難点です。戸袋の中を綺麗に掃除するためには、戸を外す必要があります。奥まで掃除するためには、長さがある掃除道具も必要です。

また、戸袋に物が入り込んでしまった場合も、戸を外して取り出さなければなりません。戸袋の中にペンが転がって入り込んだり、子どもの小さなおもちゃが入ったりする可能性があります。

レール式の引き込み戸の場合は、掃除の手間がかかりがちなため注意が必要です。引き込み用のレールにホコリや抜け毛がたまりやすいため、定期的に掃除して取り除くことで、快適に利用できるでしょう。

3-3.戸を引き込むスペースが必要

引き込み戸を設置するためには、戸を引き込むスペースがないと設置できません。そのため、狭い部屋には引き込み戸を設置できない可能性があります。開き戸のように、設置場所を柔軟に選ぶことが難しいのがデメリットです。

注文住宅で引き込み戸を設置する際は、戸を引き込むスペースも考えて、間取りや家具の配置を検討しましょう。

メリットだけでなく、デメリットもありながら、その検討のポイントや対策があることも分かりましたね。
希望する戸を取り入れた間取りの場合、どんな配置が適切か、後悔しない間取り設計をハウスメーカー出身のアドバイザーに相談してみることもできますよ。
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4.引き込み戸の掃除方法

引き込み戸の掃除方法 イメージ

ここでは、掃除の大変さがネックで引き込み戸の設置を迷っている方に向けて、引き込み戸の掃除方法を紹介します。

引き込み戸では、とくにレールのお手入れが重要です。汚れを放置すると、引き戸の動きが重くなり開け閉めがしにくくなります。ダニやカビなどが繁殖し、健康上の問題を引き起こす恐れもあるため、こまめに掃除しましょう。

4-1.レールの掃除方法

レールタイプの場合は、レールのこまめなお手入れが欠かせません。

日頃のお手入れでは、掃除機でレールの溝を吸い、ゴミがたまらないようにしましょう。隙間掃除用のノズルを取りつけると、レールを簡単に掃除できます。

ホコリや抜け毛などがたまっている場合は、レールにアルコールスプレーを吹きかけてから、歯ブラシやサッシ用のブラシで汚れをかき出すのがおすすめです。アルコールをかけることで、汚れを取り除きやすくなります。最後に、乾いた雑巾で乾拭きしましょう。

引き戸とレールの隙間にたまったホコリが取れない場合は、輪ゴムを使うのが効果的です。レールの上に輪ゴムを2、3個置き、その状態で引き戸を開け閉めしましょう。輪ゴムに汚れが絡まり、綺麗に取り除けます。

戸の動きが悪いと感じたら、レールに潤滑油を差すことで、スムーズに開閉できるようになります。

4-2.戸袋の掃除方法

戸袋内を掃除する際は、引き込み戸を取り外さなければなりません。取り外し方は、次の項目で紹介します。

引き込み戸を取り外した後、掃除機やハンディモップを使って中の汚れを取り除きましょう。掃除機に延長パイプを取りつけたり、ハンディモップに長い棒をつけたりすることで、奥まで掃除できます。

中には、戸袋の壁の下に掃除用の穴を開けた状態で引き込み戸を設置するケースもあります。穴から掃除機やモップを入れれば戸袋内を掃除できるため、引き込み戸を取り外す必要がありません。掃除のしやすさを重視する方は、検討してみてはいかがでしょうか。

4-3.引き込み戸の取り外し方


引き込み戸の取り外し方

引用元:内装ドア上吊り戸袋引き戸の、扉の外し方を教えてください。 – 内装ドア – Panasonic

引き込み戸の取り外し方はメーカーによって異なりますが、自身で取り外せるケースが多いです。
たとえば、パナソニック製品の上吊りタイプの場合は、以下(および上記画像)の手順で取り外せます。

  1. 本体引き手側のランナーを外す
  2. 戸を回転させながら戸袋側を戸袋から引き出す
  3. 戸袋側のランナーを外す

取り付けは、取り外し方と逆の手順で行いましょう。

引き込み戸を取り外す際は、取り外した戸が倒れないよう注意が必要のため、2人以上で作業しましょう。

また、床を傷つけないように床にマットを敷くことが大切です。

5.引き込み戸の設置が向いている部屋の特徴

引き込み戸の設置が向いている部屋の特徴 イメージ

最後に、引き込み戸の設置が向いている部屋の特徴を4つ紹介します。

  • 家族の出入りが多い部屋
  • バリアフリーにしたい部屋
  • 脱衣所や水回り
  • 開き戸がぶつかる場所

戸の種類を迷っている方は参考にしてください。

5-1.家族の出入りが多い部屋

引き込み戸は、リビングのような家族の出入りが多い部屋に設置することがおすすめです。

家族の出入りが多い部屋では、戸を開け閉めする回数も増えるため、その度に音が気になってしまいがちです。引き込み戸なら開けっぱなしにしやすいため、戸を開け閉めする手間を省けます。さらに、開けた際に戸袋に収納できるため、人が多い部屋でもすっきりした空間になるというメリットもあります。

とくに、リビングと子ども部屋が隣接している場合は、引き込み戸を設置するのがおすすめです。引き込み戸にして戸を開けておくことで、リビングから子どもの様子を確認できます。子どもが成長したときは、戸を閉めることで子どものプライベートも確保できます。

子どもが閉めるときに指を挟まないか不安な方は、ゆっくりと閉まるよう設計された引き込み戸を選ぶとよいでしょう。戸が閉まる直前にブレーキがかかるようになっており、手や足を挟んでしまう事故を防げます。

5-2.バリアフリーにしたい部屋

引き込み戸は、バリアフリーにしたい部屋に設置するのがおすすめです。

引き込み戸なら、戸を前後に開け閉めする必要がありません。ドアストッパーがなくても開けっぱなしにしやすいため、車椅子でも通りやすいでしょう。

とくに、上吊りタイプの引き込み戸であれば、床をフラットな状態にできるため安全です。高齢者や子どもがつまずいたり、車椅子がつっかえたりする事故を防げます。

5-3.脱衣所や水回り

引き込み戸は通気性に優れているため、湿気がこもりやすい脱衣所や水回りに適しています。開けっぱなしにもしやすいため、換気がしやすいというメリットもあります。また、中に人がいる状態で戸を開けても、人にぶつかる恐れがないのもポイントです。

ただし、部屋の広さや奥行きによっては引き込みスペースを確保できない場合があるため、注意しましょう。

5-4.開き戸がぶつかる場所

開き戸をどちらも開けるとぶつかってしまうような場所では、片方を引き込み戸にするのがおすすめです。

狭いスペースにドアを複数設置する場合は、ドア同士がぶつかる、あるいは距離が近くなりすぎてしまうこともあるでしょう。引き込み戸であれば、ドア同士の干渉を防げます。

開き戸を設置したい場合は、開き戸の位置や前後のスペースとのバランスを考えながら、適宜引き込み戸も採用してみてはいかがでしょうか。

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まとめ:引き込み戸を設置して開放的な家を実現しよう

引き込み戸は、戸を横にスライドさせて壁と壁の間に引き込む戸のことです。戸を閉めた際に戸袋に収納されるため、開放感のある空間にしやすいというメリットがあります。また、戸の前後のスペースを確保する必要がなく、戸袋の前後の壁にも物を置けるため、スペースを有効活用できるのも魅力です。

引き込み戸を設置する際は、戸を引き込むスペースを十分に確保できるかを確認しましょう。また、汚れがレールや戸袋内にたまらないよう、こまめな掃除が大切です。

本記事を参考に、最適なドア設計を考慮の上、素敵な住宅を手に入れてくださいね。

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この記事の編集者

「家づくりのとびら」編集部

NTTデータグループが運営する注文住宅相談サービス「家づくりのとびら」編集部です。難しい住まいづくりの情報を、わかりやすく正確にお伝えします。記事は不動産鑑定士や宅地建物取引士などの不動産専門家による執筆、監修記事がメイン。初めての住まいづくりをサポートします!

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