- 変更日:
- 2025.01.17

新築の注文住宅を建てる際には、窓を見直すことでコストダウンが可能です。
ただし、注文住宅における窓は、建築費用を左右するだけではなく、デザイン面や通風、採光などの住み心地にも関係するので、やみくもに窓を減らしたり種類を変えたりすることはおすすめしません。
そこで、この記事では、注文住宅の窓の種類や配置について悩んでいる方に向け、以下の情報をまとめました。
この記事でわかること
- 窓の価格相場
- 窓の種類と各メリット・デメリット
- 窓の種類・位置を決めるポイント
窓を選ぶ際の失敗事例や注意点についても解説するので、ぜひ注文住宅のプランニングにお役立てください。
注文住宅の内装例や導入方法について知りたい方は、こちらの記事もご覧ください。
目次
1.注文住宅の窓の価格相場
「新築の注文住宅の見積もりをしてみたら、想定している予算以上に費用がかかってしまった」という方は多いでしょう。建築費用を抑えたい場合にはさまざまなポイントがあり、窓を見直すこともその1つです。
まず、注文住宅の窓やサッシの費用には、「本体価格」と「施工費用」がかかり、種類はさまざまです。
オーナー側からの要望がない場合は基本的に引き違い窓が採用されることが多く、引き違い窓が採用された場合、3万~10万円程度が価格相場となります。
もしも作る窓が出窓であれば、造作工事で小物を置くスペースのようなものを作成する必要があります。その分造作工事費用が高くなるため、引き違い窓よりも高い費用がかかります。
また、窓の大きさや施工する地域、防火戸仕様かどうかなどによっても価格相場は異なるでしょう。
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窓が持つ役割とは?
注文住宅の窓が持つ役割や機能は、大きく分けると「視認」「採光」「通風」「デザイン」の4つです。
窓があることで外を見られるようになり、太陽からの光を取り入れられて、風を通せるようになります。
また、窓はデザインの面でも大きな役割を果たします。一般的な引き違い窓であればシンプルに仕上がりますし、出窓であれば洋風のイメージを演出できるでしょう。
予算オーバーの際、窓を削減するとコストダウンしやすいからといって安易に減らすと、「視認」「採光」「通風」「デザイン」に変えた住宅になってしまうかもしれません。
費用を抑えたい場合は、他の窓で代用できないか、あるいは設備や外構工事などでコストダウンできる箇所はないかなど、視野を広く持って検討しましょう。
2.注文住宅の窓の種類とメリット・デメリット~開き方編~
注文住宅の窓の種類を理解しておくことは、プランを立てたり見直したりする際のヒントになります。
注文住宅の新築時によく採用される窓の開き方の種類は、以下のとおりです。
【開き方別】窓の種類
- 引き違い窓
- 片開き窓・両開き窓
- 縦すべり出し窓
- 横すべり出し窓
- FIX窓(はめ殺し窓)
このほかにも、2枚の窓ガラスを使い上下にスライドして開ける「上げ下げ窓」や、左右の窓枠を軸に開閉する「両開き扉」、上部の窓枠を軸に開閉する「突き出し窓」など、さまざまな種類があります。
ここでは代表的な窓の開き方の特徴や、それぞれのメリット、デメリットを詳しくお伝えします。
2-1.引き違い窓

引き違い窓とは、昔から多くの住宅で使われている横すべり方式の窓です。2枚の窓ガラスを左右に引くことで開閉します。
メリット |
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デメリット |
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2-2.片開き窓・両開き窓

片開き窓とは、左右どちらかの窓枠を軸として開閉する窓のことを指します。外観のアクセントとして、よく選ばれている窓です。
両開き窓というものもあり、これらは欧米の住宅でよく使われています。
メリット |
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デメリット | 可動域が大きい分、破損しやすい |
片開き窓や両開き窓は、可動域が大きい分、強風などの際に窓を開けていると破損してガラスが飛散してしまいやすいといったデメリットもありますが、そのリスクを低減するため、ストッパーがついたタイプも多いです。
2-3.縦すべり出し窓

縦すべり出し窓は、ハンドル部分や取手を掴み回すことで、縦方向を軸に屋外側へと飛び出すように開く窓です。外側に押し出す外開きタイプだけではなく、手前に引く内開きタイプもあります。回転軸が垂直方向にあるため、動きはドアのようです。全開にした場合には、90度まで窓を開けられます。
メリット |
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デメリット | 雨が降ったときに窓を開けると、室内が濡れやすい |
縦すべり出し窓を開けると、窓ガラスがウインドキャッチャーの働きをします。正面以外からの屋外の風もよく入れられるため、通風性を高めたい方は縦すべり出し窓を上手に活用するといいでしょう。
2-4.横すべり出し窓

縦すべり出し窓と横すべり出し窓の構造の違いは、開けたときに軸となる方向です。
横すべり出し窓は、窓の下側を押すと、横方向を軸として屋外側に飛び出すように開きます。縦軸と横軸をあわせた呼び方である「すべり出し窓」は、現在の住宅でとくに多く使われている窓の種類です。
メリット |
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デメリット |
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2-5.FIX窓(はめ殺し窓)

FIX窓とは、サッシとガラス戸が固定されていて、開閉できない窓のことを指します。
FIX窓のFIXの読み方は「フィックス」であり、はめ殺し窓とも呼ばれるタイプの窓です。FIX窓には「外からの光を取り入れる」「外の景色を楽しむ」という2つの役割があり、吹抜けや高窓などによく使われています。
メリット |
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デメリット |
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FIX窓はデザインの自由度が高く、絵画のように風景を見せる「ピクチャーウィンドウ」として使えます。
ほかの開き方をする窓にも、部分的にFIX窓を使っている場合があります。例えば、2枚の窓ガラスを使い上下にスライドして開ける「上げ下げ窓」は、上部の窓ガラスがはめ殺しになっています。
以上が、注文住宅の窓の主な種類です。
しかし、実際に住宅プランを考える際には、窓だけでなく、住宅性能や間取り、資金計画などにもこだわりたい方が多いでしょう。
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比較する項目が絞れる分、より細かい要望にも気を配れるようになりますよ!
3.注文住宅の窓の種類とメリット・デメリット~デザイン編~
注文住宅の窓はどのように開くかだけではなく、デザインによっても種類や特徴があります。
デザインによる注文住宅の窓の種類は、以下のとおりです。
【デザイン別】窓の種類
- 掃き出し窓
- 肘掛け窓・腰高窓
- スリット窓
- 出窓
- 地窓(ローサイドライト)
- 天窓(トップライト)
- 高窓(ハイサイドライト)
2章同様に、それぞれのデザインの特徴やメリット、デメリットなどを詳しくお伝えします。
3-1.掃き出し窓

掃き出し窓とは、床から天井付近まであるタイプの大きな窓を指します。
掃除の際にほうきで掃いて、窓からほこりを吐き出していたことが由来で、床面に接しているタイプの窓を掃き出し窓と呼ぶようになりました。
メリット |
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デメリット |
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掃き出し窓はバルコニーに接する場所やリビングなどに付けられることが多く、「テラス窓」と呼ばれることもあります。
3-2.肘掛け窓・腰高窓

肘掛け窓は、床に座ったときに肘を掛けられるほどの高さに作られた窓のことで、和室に設けられていることが多いです。基本的には、床面から窓の底辺までがおおよそ36~45cmの高さになるように設置されています。
メリット |
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デメリット |
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3-3.スリット窓

スリット窓は、縦か横に細長い窓です。複数スリット窓を並べることで建物の外観を良くするなど、デザイン性を高めるためによく使われています。
メリット |
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デメリット | 設置位置や天候次第では採光性が低くなる |
3-4.出窓

出窓とは、建物の壁よりも外に張り出す形で設置する窓のことです。
ほとんどの場合、出窓部分の部屋側はカウンターになっています。FIX窓や片開き窓と組み合わせるケースが多いです。
メリット |
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デメリット |
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3-5.地窓(ローサイドライト)

床面に接している窓のうち、掃き出し窓よりも高さがなく低い場所のみに設置されるものが地窓です。ローサイドライトとも呼ばれています。
メリット |
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デメリット |
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3-6.天窓(トップライト)

天窓とは、屋根に取り付けて天井から光を取り入れられるようにした窓のことです。トップライトやルーフウィンドウともいいます。
メリット |
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デメリット | 夏場は暑くなってしまう場合がある |
3-7.高窓(ハイサイドライト)

高窓とは、一般的な窓よりも天井に近い位置に設けた窓のことです。ハイサイドライトともいい、明かり取りを主な目的として設置されています。
メリット |
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デメリット |
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ここまでの代表例から、
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4.注文住宅の窓の位置を決める際のポイント

家づくりにおいて窓の配置決めは、住宅の性能をしっかりと引き出して快適な生活を送れるかどうかを左右する重要な項目です。
窓の位置を決める際には、特に以下の観点に注目してください。
窓の位置決めのチェックポイント
- 眺め
- 採光性
- 風通し
- 断熱性
- 掃除のしやすさ
- デザイン性
- プライバシー・防犯性の確保
また、「どの場所にどのような窓が適しているのか」の目安が知りたい場合は、以下の表を参考にしてください。
場所 | ポイント |
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玄関 | 地窓 高窓 FIX窓 |
リビングダイニング | 引き違い窓 片開き窓・両開き窓 FIX窓 出窓 掃き出し窓 スリット窓 天窓 |
キッチン | 高窓 FIX窓 すべり出し窓 |
洗面所 | すべり出し窓 |
トイレ | 高窓 FIX窓 すべり出し窓 |
注文住宅は十人十色のため、最適な窓はプランによって異なります。
ハウスメーカーに相談しながら、満足感の高いものを選んでください。
5.注文住宅の窓を選ぶ際の失敗事例と注意点
最後に、注文住宅の窓を選ぶ際にしてしまいがちな失敗事例と、後悔しないために知っておくべき注意点をチェックしておきましょう。
5-1.機能性を重視すればよかった
注意点:各窓の機能性を理解して配置しよう!
スリット窓はオシャレな見た目です。しかし、窓が細いため採光性はそれほどでもありません。採光性が必要な部屋には、FIX窓などの窓ガラス面積が広いタイプを選択するとよいでしょう。
5-2.窓が少なすぎた

自然光が入らない閉塞感のある空間に…
予算オーバーだったので、単純に窓を減らせば安くなると思い、玄関の窓はなくしました。これのせいで、家に入った直後の開放感がなくなり、息が詰まる空間になってしまいました…。
注意点:空間全体を意識して窓の設置を決めよう!
窓を減らすことで最初に感じるデメリットが、日当たりの悪さです。そのため、窓を完全になくしてしまうと、日の光が入らない暗い印象になりやすいです。こだわりのデザインコンセプトがあるならよいのですが、開放的な空間を演出したい場所で窓をなくす際には、代わりに自然光を感じやすい玄関ドアを採用したり、間仕切りを減らしたりなど、空間全体を見ながら調整する必要があります。
以上が、注文住宅の窓に関する失敗例と注意点です。夢のマイホームを建てるなら「絶対に後悔したくない」ですよね。
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悩むことがあれば、お気軽にコーディネーターにご相談くださいね。
注文住宅の【内装】を考える記事まとめ
まとめ
新築の注文住宅を建てる際は、窓の部分を見直すことでコストダウンが可能です。
しかし、窓の役割を知らずに安易に減らすと、窓が持つ「視認」「採光」「通風」「デザイン」といった面に欠けた住宅になってしまうかもしれません。
減らすのではなく窓の種類を変えてみたり、場所に合った最適な窓を選択したりすることで、理想の住空間を実現してくださいね。
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この記事の編集者
スリット窓の採光性が期待外れだった
部分的におしゃれな窓を取り入れたくてリビングにスリット窓を配置したけど、晴れた日もなんだか暗い感じ…。違う窓にしたほうがよかったかも。