- 変更日:
- 2024.08.28
床下収納を設置することで、部屋のスペースを減らすことなく、床下を収納スペースとして活用できます。しかし、「物の出し入れが面倒で使わなくなるのではないか」「入れた物が腐るのではないか」など、使い勝手に疑問を抱いている方もいるでしょう。
この記事では、床下収納について以下の内容を解説します。
この記事でわかること
- 床下収納の種類や設置場所
- 床下収納に入れるのが適している物
- 床下収納を上手に活用するためのアイデア
床下収納の設置を検討している方はぜひ参考にしてください。
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目次
1.床下収納とは
床下収納とは、床下部分に設置される収納スペースのことです。
建築基準法では、住宅の床は地面から45センチメートル以上の高さと決められています。このスペースを収納として有効活用できるのが、床下収納の魅力です。収納用の家具を設置することなく、収納場所を増やせます。
1-1.床下収納の4つのタイプ
床下収納には、主に4つのタイプがあります。
- 蓋が固定されているタイプ
- 蓋を取り外すタイプ
- 収納スペースをスライドできるタイプ
- 跳ね上げタイプ
それぞれのメリットとデメリットについて見ていきましょう。
1-1-1.蓋が固定されているタイプ
1つ目は、蓋が固定されており扉のように開け閉めできるタイプです。片手で開閉でき、物を持っている状態でも簡単に開け閉めできます。
一方、物を出し入れする際に扉が邪魔になってしまうことがあるのが難点です。
1-1-2.蓋を取り外すタイプ
2つ目は、蓋を取り外して開閉するタイプです。蓋を外した状態にもできるため、大きな物も収納できます。
物を出し入れしやすいのもメリットです。
一方、蓋の取り外しが面倒なのが難点です。収納スペースが大きい場合は、その分外す蓋の枚数も増えます。
1-1-3.収納スペースをスライドできるタイプ
3つ目は、収納スペースをスライドできるタイプです。複数の収納ボックスが連結しており、スライドさせることでそれぞれのボックスに収納できます。大容量で多くの物を収納できる一方、物を入れすぎるとボックスが重くなり、スライドさせにくくなるのがデメリットです。
1-1-4.跳ね上げタイプ
4つ目は、畳1畳分ほどの扉を開閉して利用する跳ね上げタイプです。和室や寝室などに設置されることが多く、容量が大きいため多くの物を収納できます。一方、ある程度のスペースがなければ設置できません。
1-2.床下収納の設置場所
床下収納は、キッチンや洗面所に設置されることが多いです。物が多くてごちゃごちゃしがちな場所に設置することで、家をスッキリと保てます。
床下収納は、家のどこでも設置できるわけではありません。具体的には、以下のような場所に設置するのは難しいです。
- 床下に深さがない場合
- 配管設備や基礎がある場所
- 床下通風口をふさいでしまう場所
また、普段から床に物を置いている場所に設置するのはおすすめしません。床下収納を開け閉めする度に、物をどかさなければならないためです。
2.床下収納の設置にかかる費用相場
床下収納の設置にかかる費用相場は、通常の床下収納であれば10万~30万円程度、跳ね上げタイプであれば20万~40万円程度です。もちろん、床下収納のタイプや大きさなどによって費用は異なります。
床下収納の中でも、蓋を取り外すタイプは比較的安く設置できることが多いです。一方、スライドタイプや跳ね上げタイプは、ほかの種類よりも費用が高くなる傾向にあります。
3.床下収納を設置するメリット
床下収納を設置するメリットは以下のとおりです。
- 居住スペースを減らすことなく収納を増やせる
- 人目につかない場所に収納できる
- 床下点検口としても活用できる
それぞれのメリットについて解説します。
3-1.居住スペースを減らすことなく収納を増やせる
床下収納を設置することで、居住スペースを減らすことなく収納を増やせるのが大きなメリットです。
収納を増やすためにクローゼットや棚を設置したりする場合、その分居住スペースが減ってしまいます。
床下収納であれば、床下というデッドスペースを活用して収納を増やせるのがメリットです。特に、物が増えがちなキッチンや洗面所に床下収納を設置することで、空間をスッキリさせられます。
3-2.人目につかない場所に収納できる
床下収納なら、人目につかない場所に物を収納できるのも魅力です。派手なパッケージの商品や日用品のストックなど、生活感が出てしまうアイテムを床下に隠して収納できます。インテリアにこだわりがある方におすすめです。
また、子どもやペットが触ったら危ないものを収納する際にも床下収納が役立ちます。
床下収納の扉や枠などが気になる場合は、上にマットを敷いて隠すことも可能です。
3-3.床下点検口としても活用できる
床下収納は、床下点検口としても活用できます。
床下点検口とは、その名のとおり床下の状態を確認するために設置される点検口です。配管に異常はないか、床下に腐食が進んでいないかなどをチェックするために必要です。床下点検口がない場合は、床下の様子を確認するためにフローリングに穴を開けたり、畳を外したりしなければなりません。こまめな点検が難しくなり、異常に気づくのが遅れてしまう可能性もあります。
床下収納があれば、普段は収納として、メンテナンス時には点検に使えるため便利です。
4.床下収納を設置するデメリット
一方、床下収納には以下のようなデメリットがあります。
- 物の出し入れがしにくい
- 床に段差ができる
- 床の強度が落ちる
- 湿気対策が必要
床下収納を設置する際は、メリットとデメリットを勘案したうえで設置するかを検討しましょう。
ここでは、それぞれのデメリットについて解説します。
4-1.物の出し入れがしにくい
床下収納は、物の出し入れがしにくいのがデメリットです。物を出し入れするためには、しゃがんだり膝をついたりする必要があります。出し入れが億劫になって、せっかく設置した床下収納を使わなくなってしまう可能性があります。
特に深型の床下収納の場合は、物を取り出すのが大変です。滅多に使わない物を下や奥に入れ、比較的よく取り出すものを上の方に収納するのがおすすめです。
4-2.床に段差ができる
床下収納を設置することで、床に段差ができるというデメリットもあります。床下収納の扉や枠の部分が段差となり、つまずきやすくなってしまうため注意が必要です。小さな子どもや高齢の家族がいる場合は、上にマットを敷いて転倒対策を行いましょう。
また、枠の部分に髪の毛や埃が溜まりやすくなるのも難点です。
4-3.床の強度が落ちる
床下収納を設置することで、床の強度が落ちやすくなるのもデメリットです。床下収納の仕様によっては、通常のフローリングに比べて強度が落ちてしまうことがあります。
床下収納の上を家族が頻繁に行き来する場合はさらに劣化が進みやすくなり、ほかの部分より早くメンテナンスが必要になることもあるでしょう。
強度が落ちた結果、歩くたびにミシミシと床鳴りが起こってしまう可能性もあります。
強度が気になる場合は、床下収納の上をなるべく通らないようにすることが大切です。
4-4.湿気対策が必要
床下部分は湿気が溜まりやすいため、湿気対策が欠かせません。湿気によってカビが生え、収納している物がダメになってしまったり、カビ臭さが気になったりする恐れがあります。特に梅雨の時期は、カビが生えて物が腐りやすくなるため注意が必要です。
さらに、暗くて湿気が多い場所は虫が出やすいため、虫が繁殖してしまうこともあるでしょう。
湿気対策として、除湿剤を入れることが重要です。ほかにも、床下収納を時々開けて換気する、床下部分に新聞紙を敷き詰めて湿気を吸わせる、などの方法もあります。また、物同士の距離が近いと通気性が悪くなるため、スペースを空けて収納することが大切です。
5.床下収納に入れるのが適している物
床下収納には、軽い物やかさばる物、頻繁に出し入れしない物などを入れるのがおすすめです。
具体的には、以下のような物を収納するのが適しています。
- 長期保存ができる食品
- 日用品のストック
- 頻繁に使わない調理器具
- 防災グッズ
それぞれについて見ていきましょう。
5-1.長期保存ができる食品
床下収納で食品を保管したい場合は、長期保存ができるものを選びましょう。
床下は湿気が多く、温度のコントロールも難しいです。そのため、生鮮食品や開封済みの食品を保管するのには適していません。
一方、未開封のペットボトルや缶詰、瓶詰めなどは、温度や湿度の影響を受けにくく比較的長持ちします。
ただし、長期保存ができるからといって長期間放置してしまうと、期限が切れてしまいます。収納する際に期限をメモしておき、定期的に様子をチェックしましょう。
5-2.日用品のストック
シャンプーや洗剤の詰め替え、ティッシュといった日用品のストックを保管するのもおすすめです。
特売日に日用品を大量に購入し、収納場所に困ってしまうことも少なくありません。日用品のストックは頻繁に出し入れするものではなく、湿気の影響も受けにくいめ、床下収納に保管しておくのに適しています。
特に、洗面所に床下収納を設置する場合は、日用品のストックを保管する場所として活用しましょう。
5-3.頻繁に使わない調理器具
頻繁に使わない調理器具を保管する場所としても利用できます。具体的には、来客時のみ使用するホットプレートや卓上コンロなどです。
滅多に使用しない調理器具をキッチンの棚に収納する場合、その分食品や食器などを収納するスペースが減ってしまいます。
床下収納であれば、貴重なスペースを邪魔することなく収納でき、床下収納を頻繁に開け閉めすることもなくなります。
5-4.防災グッズ
床下収納は、防災グッズの収納にもおすすめです。災害時に備えて、以下のような物を備えておく必要があります。
- 飲料水
- 非常食
- 懐中電灯
- 簡易トイレ
- 衛生用品・救急用品
- 携帯ラジオ
- ヘルメット など
このように、防災グッズとしては多くの物を準備しておかなければならず、棚やパントリーに収納するとかさばってしまいます。
床下収納であれば、収納スペースが減ることを気にせずに収納でき、万が一の事態にも備えられるため安心です。
6.床下収納を上手に活用するアイデア6選
最後に、床下収納を上手に活用するためのアイデアを6つ紹介します。
- 横に並べるように収納する
- マスキングテープやラベルシーツを活用する
- ファイルボックスに入れる
- 取手付きのケースに入れる
- コの字ラックを使う
- 突っ張り棒を活用する
床下収納を使いやすくするためには、物をより収納できるように、そして物が取り出しやすくなるよう工夫することが大切です。
それぞれのアイデアについて見ていきましょう。
6-1.横に並べるように収納する
床下収納には、物を横に並べるように収納することがポイントです。上に積んでしまうと、下の物を取り出すのが大変になってしまいます。仕切りやボックスを活用し、横に並べるように収納しましょう。
とはいえ、深型の床下収納の場合は、上に重ねないと無駄なスペースが生まれてしまいます。その場合は、後述のように取手付きのケースやコの字ラックなどを使い、下に入れた物をすぐに取り出せるよう工夫することが大切です。
6-2.マスキングテープやラベルシールを活用する
マスキングテープやラベルシールに収納している物の名前を記入し、物やボックスの上側に貼っておくのも1つの方法です。床下収納を開けてすぐに、どこに何が入っているのかがわかります。
収納ボックスに貼る場合は、貼って剥がせるマスキングテープを使いましょう。入れる物を変えた際は、剥がして新たなマスキングテープを貼るだけで対応できます。
食品にシールを貼る場合は、名前と一緒に賞味期限や消費期限を書いておくのもおすすめです。
6-3.ファイルボックスに入れる
複数の種類の物を収納したい場合は、ファイルボックスに入れて区切るとよいでしょう。種類別に仕切れるため、物がごちゃごちゃになることがありません。
ファイルボックスにはスリムタイプとワイドタイプがあり、入れる物によって適切なサイズのファイルボックスを選べます。石鹸や歯ブラシといった細々したものはスリムタイプに、大きな洗剤の詰め替えやペットボトルはワイドタイプに入れるなど、ファイルボックスを使い分けてすっきりと収納できます。
6-4.取手付きのケースに入れる
物の出し入れがしやすくなるよう、取手付きのケースに入れるのもポイントです。
取手を掴めば簡単にケースごと持ち上げられるため、物を一つずつ取り出したり、かがんで両手でボックスを持ち上げたりする必要がなくなります。
特におすすめなのが、持ち手が長く上に上げられるタイプのバスケットです。お店で買い物をする際に使うカゴをイメージするとわかりやすいでしょう。片手で持てるため、より楽に取り出せます。収納時は持ち手を倒せるため、持ち手が邪魔になることもありません。
6-5.コの字ラックを使う
深さがある床下収納の場合は、コの字ラックを使うことで物を上下に収納できます。下に入れた物を取り出す際、わざわざ上の物を取り出す必要がありません。床下収納の中でも比較的よく使う物を上に、滅多に使わないものを下に入れる、などの棲み分けもできます。
床下収納という限られたスペースを有効活用したい方に適した方法です。
コの字ラックを使う際は、上に重い物を乗せないようにしましょう。
6-6.突っ張り棒を活用する
床下収納の中に突っ張り棒を入れて、仕切りを作るのもおすすめです。仕切りを作ることで、どこに何が入っているかがわかりやすくなり、物をすぐに取り出せます。
また、突っ張り棒を2本使ってカゴや収納ボックスを引っ掛けるという方法もあります。深さがある床下収納の場合、ボックスを重ねてスペースを活用したいという方も多いでしょう。しかし、ボックスを重ねてしまうと下のボックスに入れた物を取り出すのが難しくなってしまいます。突っ張り棒にボックスを引っ掛けてスライドできるようにすることで、上のボックスを取り出すことなく、簡単に物を取り出せます。
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まとめ:床下収納は設置場所と使い方の工夫が重要!
床下収納を設置することで、床下を活用して収納場所を増やせるのがメリットです。居住スペースを削ることなく多くの物を収納でき、部屋をスッキリさせられます。
床下収納は便利なスペースですが、湿気が溜まりやすく出し入れが面倒など、デメリットも存在します。床下収納を活用するためには、設置場所や床下収納のタイプを慎重に検討しましょう。また、ラベリングしてどこに何が入っているかを分かりやすくしたり、取手付きのケースを使って物を取り出しやすくしたりなど、使いやすくするための工夫が大切です。
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