建て替え中の仮住まいの探し方は？一軒家入居前の費用や種類・特徴を解説

変更日:

2025.04.11

建て替えに伴う仮住まいの選択は、期間や費用、住まいの種類など多くの要素が絡むため、慎重に検討する必要があります。このように、住まいを選択する場合、どのように仮住まいを探すべきなのか、わからない方もいることでしょう。

本記事では、建て替えの進行に合わせた仮住まいの期間や費用の内訳、住まいの種類ごとの特徴を解説します。

仮住まいに関する不安や疑問を解消し、安心して次の住環境へ移行するための一助にしてください。

予算検討から引き渡しまで、注文住宅の流れについて知りたい方は、こちらの記事もご覧ください。

1.仮住まいが必要になる期間

まずは、仮住まいが必要になる期間について見ていきましょう。建て替えで仮住まいが必要になるのは、解体工事開始～新居の引渡しまでの期間です。

具体的には、以下の期間が目安になります。

そのため、トータルで見ると仮住まいが必要になる期間は半年～1年程度です。

ただし、工期は請け負う会社によって異なり、施工ミスや自然災害などで期間が延びる可能性もあるため、余裕を持って期間を設定しておくことをおすすめします。

2.仮住まいにかかる費用の内訳

仮住まいにかかる費用には以下のようなものがあります。

それぞれどの程度の費用が必要なのか、詳しく見ていきましょう。

2-1.家賃・契約関連費用の詳細

賃貸物件や短期契約の場合、敷金や礼金などの初期費用がかかります。費用の内訳は以下のとおりです。

賃貸物件というとアパートやマンションのイメージがありますが、一軒家を借りることもできます。一軒家の場合でも、初期費用の目安は同様です。

そのほか、前家賃、日割り家賃、鍵の交換費用、火災保険料などもかかる可能性があります。

物件によってはこれらの費用を求められる場合があるため、契約前によく確認しておきましょう。

なお、親族の持ち家や実家を仮住まいにする場合は、これらの初期費用は発生せず、引っ越し費用のみで済みます。

2-2.引っ越しやその他の費用

家賃・契約関連の費用以外では、引っ越し費用やトランクルーム利用料などが発生します。仮住まいの際の引っ越し費用は、旧居から仮住まい、仮住まいから新居への2回分が必要です。

トランクルーム利用料は、荷物の量や期間によって異なります。トランクルームにはルームタイプや倉庫タイプといった種類がありますが、熱に弱いものを預ける場合は、空調が完備されているルームタイプを選びましょう。

なお、仮住まい専門の不動産会社であれば、トランクルームのレンタルがセットになったプランが用意されている場合があります。

トランクルームを利用する際は、仮住まい専門の不動産会社に依頼するとよいでしょう。

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3.仮住まい候補の種類と特徴

ここからは、仮住まい候補の種類と特徴を紹介します。主な仮住まい候補は以下のとおりです。

それぞれの特徴やメリット・デメリットについて、さらに詳しく解説します。

3-1.親族・実家での仮住まい

親族の持ち家や実家を仮住まいとする最大のメリットは、家賃・契約関連費用が発生しないことです。そのため、仮住まいの費用を大きく抑えられます。

引っ越し費用は、引っ越すエリアまでの距離によって異なります。実家を仮住まい先とする場合、自身が長く生活してきた環境なので、リラックスした状態で日々を過ごすことが可能です。

ただし、実家が旧居から遠い場合は、通勤や通学が不便になる可能性があります。

また、家族との生活リズムが異なるとストレスに感じる場合もあるため、事前に家族とルールを決めておくことが大切です。

3-2.賃貸住宅および短期賃貸物件

賃貸住宅および短期賃貸物件は、仮住まいを探す際の一般的な選択肢です。バリエーションが豊富なため、好みや予算に合わせた物件を選択できます。

費用の目安は以下のとおりです。

また、賃貸によっては、鍵の交換費用や保証料、万が一の災害などに備えるための火災保険料なども支払うケースがあります。保証料とは、家賃保証会社に加入するための費用です。近年では連帯保証人ではなく、家賃保証会社による保証を求めるオーナーが増えています。

借りる賃貸によって、契約内容は様々なので、入居する前・引っ越し前などに事前に確認しておくことをおすすめします。

賃貸住宅の広さ次第では、上記に加えてトランクルーム利用料が発生する場合もあります。また、短期賃貸物件は家具や家電が備わっている傾向もあるため、基本的にトランクルームを利用することになるでしょう。

3-3.ホテルやユニットハウスの利用

ホテルやユニットハウスも、仮住まいとして利用可能です。これらは選択肢としては少数派ですが、賃貸契約が不要というメリットがあります。

ホテルを利用する場合の費用目安は、以下のとおりです。

ユニットハウスとは、軽量鉄骨で建てられた箱型の建物を指します。レンタルする場合の費用目安は、以下のとおりです。

ユニットハウスに水回りの設備を設置する場合は、さらに費用が必要になります。
また、ユニットハウスは特殊な環境になるため、ストレスを感じてしまう可能性がある点にも注意が必要です。

間取りやデザインの選択肢も狭いことから、仮住まいのためにユニットハウスを建てる方は多くありません。

4.仮住まいの探し方

仮住まいは、以下の方法で探すのが一般的です。

それぞれの探し方について、詳しく解説します。

4-1.不動産会社・仲介会社を利用する

不動産会社・仲介会社の利用は、仮住まいを探す際に選ばれることが多い方法です。ただし、長期入居を前提とした物件が多いため、物件探しが難航する可能性があります。

そこでおすすめなのが、仮住まい専用の不動産会社です。仮住まいに適した物件の情報を豊富に持っており、礼金や仲介手数料がかからない物件の紹介もしています。

一般的な賃貸物件に対しての仮住まい交渉も行っているため、専門の不動産会社を利用すれば、効率よく物件を探すことができるでしょう。

4-2.ハウスメーカーを利用する

仮住まいを探す際は、ハウスメーカーの利用もおすすめです。ハウスメーカーは不動産会社とつながりがあったり、グループ内で不動産会社を展開したりしている場合があるため、良質なサポートを受けられます。

ハウスメーカーが持つつながりを活用すれば、優良物件を融通してもらうことは十分に可能です。

基本的に仮住まい前提の物件を紹介してもらえるため、入居期間を交渉する必要もありません。

4-3.インターネットを利用する

仮住まいは、インターネットを利用して探すことも可能です。「定期借家契約　地域名」で検索したり、不動産ポータルサイトを利用したりして仮住まいを探せます。

インターネットから簡単に検索できるため、物件の条件を比較検討しやすい点がメリットです。

ただし、不動産ポータルサイトの物件は長期入居を想定したものが多く、理想の物件を見つけることは難しいでしょう。

マンスリーマンションの場合は専門のポータルサイトが存在するため、エリアや条件を指定して検索できます。

なお、マンスリーマンションは単身者向けのものが多く、ファミリー向けの物件を探すのは難しいので用途に合わせて臨機応変に探すのをおすすめします。

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5.仮住まいに必要な各種手続き

建て替えで仮住まいに引っ越す際は、以下のような手続きが必要です。

それぞれの手続きについて、詳しく解説します。

5-1.郵便物の転送手続き

まずは、郵便局にて郵便物の転送手続きをしましょう。転送手続きをすることで、郵便物を自動的に仮住まいへ転送させる手配ができます。

一度転送手続きをしてしまえば、1年間は郵便物を転送してもらうことが可能です。1年以内に建て替えが完了した場合は、仮住まいから新居への転送手続きをしましょう。

転送手続きは郵便局のホームページからも可能ですが、提出した転送届けが登録されるまでには多少の時間がかかります。余裕を持って、引っ越しの1週間前には手続きをすませておくとよいでしょう。

なお、クレジットカードやキャッシュカードなど「転送不要」と記載されている郵便物は、転送手続きの対象外です。

5-2.各種サービスやライフラインの停止・仮住まいでの契約手続き

仮住まいへ引っ越す際は、電気・ガス・インターネットなどの契約変更や停止手続きもする必要があります。

契約変更や停止手続きをしなかった場合、使用していなくても基本料金を支払うことになってしまうため、必ず契約変更や停止手続きをするようにしてください。

電気やガスの停止手続きをする際は、「解体工事のための停止手続き」と必ず伝えるようにしましょう。

このように伝えなかった場合、電気・ガスは停止されるものの、電気メーターやガスボンベなどが撤去されないためです。

また、インターネットを解約し仮住まいで新たに契約する場合は、短期契約になるので解約時に違約金が発生する場合があります。

なるべく違約金が発生しないよう、どの会社・プランを選ぶか事前に検討することが大切です。

6.仮住まいを探すポイント

仮住まいを探す際は、以下のポイントをおさえておきましょう。

それぞれのポイントについて、詳しく解説します。

6-1.仮住まいの期間は余裕のある設定にする

仮住まいの期間は、余裕をもって設定しておきましょう。なんらかの理由で工期が延びた場合、建て替え期間中に仮住まいの契約が終了してしまうためです。

仮住まいでは「定期借家契約」を用いることが多く、事前に契約期間を設定して契約する必要があります。定期借家契約は契約の更新がないため、契約が満了したら仮住まいを明け渡さなくてはなりません。

工期が延びる可能性を考慮して、工期より1か月ほど長めに契約期間を設定することをおすすめします。

参考：定期借家制度｜国土交通省

6-2.希望する条件は最初に決める

ペット同居希望や駐車場の有無など、希望する条件がある場合は最初に決めておきましょう。

特にペット可かつ短期入居可能な物件は少なく、話が進む前に詳細な条件を不動産会社や仲介会社に伝えておく必要があります。

ペット可の物件でも種類や頭数が制限されている場合があるため、大型犬を飼っている、多頭飼いしているなどの場合は、その旨も伝えることが大切です。

また、マンションやアパートでは、管理規約でペットのルールが定められている場合があります。ルールを破ることがないよう、必ず管理規約を確認するようにしてください。

駐車場が必要な場合は、大きさや車種を伝えておきましょう。駐車場がある物件だとしても、駐車場の大きさが車に合わない可能性があるためです。

6-3.子供がいる場合は学区を確認する

子供がいる場合は、学区を確認することも大切です。仮住まいの場所によっては、保育園や幼稚園、学校の学区が変わってしまう可能性があります。

学区が変わることによる転校・転園を避けたい場合は、できる限り同じエリア内で仮住まいを探すようにしましょう。

なお、学区が変わってしまう場合でも通園・通学の継続許可がもらえる場合があります。同じエリア内に仮住まいが見つからない場合は、保育園や学校に相談してみましょう。

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7.仮住まいを探すときの注意点

仮住まいを探す際は、いくつかの注意点が存在します。

スムーズに仮住まいを見つけられるように、注意点を事前に把握しておきましょう。それぞれの注意点について、詳しく解説します。

7-1.一般的な賃貸契約より割高になりやすい

仮住まいのような短期間の契約は、一般的な賃貸契約よりも初期費用が割高になりやすいでしょう。また、退去時の費用も通常より高くなる可能性があります。そのため、できる限り費用を抑えられるよう、さまざまな方法を実践することが大切です。

例えば、地元密着型の不動産会社を利用した場合、賃貸物件のオーナーと有効な関係を築けている可能性があるため、初期費用や賃料を交渉してくれる場合があります。

建て替え専用のプランがある引っ越し会社を利用することも、引っ越し費用を抑えるうえで効果的です。

7-2.短期間だけ入居できる物件やペット可物件は少ない

基本的に短期間だけ入居できる物件は少ない傾向にあります。短期契約では、大家の家賃収入が少なくなってしまうためです。そのため、条件の揃った物件を見つけることは難しいでしょう。

一般的な賃貸物件を契約し、途中解約するケースもありますが、トータル的な費用が高くなる恐れがあります。一般的な賃貸物件は契約期間が2年あり、契約満了前に解約した場合、違約金が発生してしまうので、あまりおすすめとは言えません。

また条件面でいえば、短期入居可能かつペット可物件となるとさらに数は少なくなります。
一軒家の賃貸物件であれば隣人トラブルのリスクが低いため、ペット不可の物件でもオーナーと交渉できる場合がありますが、ペットを飼うことで、部屋に匂いがついたり、騒音トラブルになったりする可能性があるためです。

短期入居可能な物件がどうしても見つからない場合は、親族の持ち家や実家を仮住まい先も視野に入れるのもよいでしょう。

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まとめ

建て替えに伴って仮住まいを探す場合、期間や費用、住まいの種類など多くの要素を考慮する必要があります。

仮住まいが必要になる期間は半年～1年が目安です。しかし、工期は請け負う会社によって異なり、施工ミスや自然災害などで期間が延びる可能性もあるため、余裕を持って期間を設定しておきましょう。

費用に関しては、家賃・契約関連費用や引っ越し費用が必要です。トランクルームを利用する場合は、トランクルーム利用料も必要になります。

また、建て替えで仮住まいに引っ越す際は、郵便物の転送手続きやライフラインの契約手続きなどをしなくてはなりません。

今回紹介した仮住まいを探すポイントや探すときの注意点を踏まえたうえで、スムーズな仮住まい探しを実現してみてください。

この記事の編集者

「家づくりのとびら」編集部

NTTデータグループ会社が運営する注文住宅相談サービス「家づくりのとびら」編集部です。難しい住まいづくりの情報を、わかりやすく正確にお伝えします。記事は不動産鑑定士や宅地建物取引士などの不動産専門家による執筆、監修記事がメイン。初めての住まいづくりをサポートします！

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