【参考事例付】高級感がある新築「外壁タイル」の選び方とメリット・デメリット

この記事は「外壁タイルを設置するかどうか」迷ったとき、若しくは自分に合った「外壁タイル」はどんなタイプのものか迷ったときに、しっかり選択・判断して決める事ができるような内容になっています。

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目次

1.高級感がある外壁タイルの選び方はズバリ「工法とサイズ」&メリット・デメリット一覧

ここでは、外壁タイルの簡単な選び方と、タイルの代替品としてもよく選ばれる窯業系サイディングとの違いに加え、メリット・デメリットを一覧でご紹介いたします。

1-1.高級感がある外壁タイルはズバリ「工法とサイズ」で選ぶ

外壁タイルの選び方は、一言で言うと

工法とサイズで選ぶ!

タイル外壁はほかのどんな壁材と比べても、抜群の高級感・重厚感を持っています。
これを更によく活かすのが「工法」「サイズ」です。選ぶ際には、このようなことを念頭においてみて下さい。

  • 高級感・格調を増すなら湿式工法を選択
  • おしゃれで芸術的な印象にするならブリックタイルかボーダータイルを選択

タイル張りには2つの工法があり、それぞれ以下のような特徴があります。

<表 タイル張り 工法とその特徴>
工法特徴
乾式工法現在の主流で、マンションや建売住宅にもよく使用される。目地がはっきりと見える。
湿式工法職人の技術を必要とする専門的な工法で、モルタルによって一枚一枚張り付けるため、目地とタイルがなじみ、自然でアンティークな印象になる。

見た目はこのように違ってきます。

<両工法によるイメージ>

湿式工法
乾式工法

タイル張り住宅はただでさえ高級な印象を与えますが、更に差をつけられるのがこの工法です。
湿式工法を選択すると、更に格調高く、美しい印象が増します。

また、タイルには以下6種類のサイズがあります。

<表 外壁タイルのサイズ6種の特徴と価格>
寸法などの特徴1㎡あたりの価格
45二丁タイル95㎜×45㎜。 約300㎜×300㎜のシートでまとめ張りにされて売っており、最も価格が安い。約3,000円/㎡~
二丁掛タイル227㎜×60㎜。 最近の主流。種類が豊富。約8,000/㎡~
ボーダータイル227㎜×30㎜。見た目の良いタイル。約13,000円/㎡~
50角タイル45㎜×45㎜。小さなモザイクタイルのサイズで、他のタイルと組み合わせて使う。約5,000円/㎡~
小口平タイル108㎜×60㎜。近年の流行ではなく、種類も少なめ。約7,000円/㎡~
ブリックタイル多種多様なサイズあり。レンガ風でイメージされやすいタイル。質感に高級感がある。約12,000円/㎡~

このうち、「ボーダータイル」「ブリックタイル」を使うことで、格段におしゃれ度・オリジナリティが増します。

工法、サイズについて、詳しくは「2.外壁タイルの特徴と選び方」をご覧ください。

1-2.窯業系サイディングとの比較

窯業系サイディングとは、セメント質原料、繊維質原料などからなる混合原料から作られる外壁材で、現在日本の住宅のおよそ8割に使用されています。デザインが豊富で、全ての外壁材のなかでもかなり安価です。

窯業系サイディングかタイルかで迷ったときの決め手は以下の2点です。

  • 見た目の美しさよりも、とにかく初期費用を安く済ませたい人→窯業系サイディング
  • 高くても見た目が美しく耐久性が良いものが良い人→タイル外壁

まず、窯業系サイディングとタイルでは見た目の差が歴然としています。
タイルに似せた窯業系サイディングと本物のタイルとを比べると、見た目の違いは以下の通りです。

<窯業系サイディング>
窯業系サイディング
<タイル>
タイル

人工素材の窯業系サイディングと比べて、元が粘土や石などの自然素材からなるタイルでは、高級感・重厚感が全く違ってくるのです。

とはいえ、窯業系サイディングはタイルに比べて初期費用がかなり安いので、タイルに手が出せない人が代替品として使うことも多いですが、意外と気づかないのが、維持費用の高さです。
タイル外壁と窯業系サイディングの新築・維持費用はおおむね以下のようになっています。

<表 外壁タイルのサイズ6種の特徴と価格>
初期費用維持費用※10年ごと
タイル約1万円/㎡~約50万円/㎡~
窯業系サイディング約5,000円/㎡~約140万円~
差分タイル外壁は窯業系サイディングの約2倍タイル外壁は窯業系サイディングの約3割

初期費用では㎡単価がおよそ5,000円程度なのに対して、タイルは㎡単価1万円超えが普通。
30坪の一般的なお家なら、少なくとも150万円以上はかかると言われています。

ですが維持費用は窯業系サイディングの約3割で済むので、長い目で見ればコストパフォーマンスは抜群です。

他の家と差を付けたいなら、外壁タイルに勝るものなしです。

1-3.外壁タイルのメリット一覧

外壁タイルのメリットは以下の3点です。

  • 高級感があり、デザイン性抜群
  • 耐久性に優れ、いつまでもきれいな外観を保つ
  • メンテナンス費用が他外壁材の約4割

外壁タイルの最大のメリットは、やはり見た目の美しさと優れた耐久性でしょう。
何十年も住み続けるのであれば、コストパフォーマンスもばっちりです。

詳しくは3章「外壁タイルのメリット・デメリット解説」の「3-1.外壁タイルのメリット」をご覧ください。

1-4.外壁タイルのデメリット一覧

よいこと尽くめの外装タイルですが、デメリットもいくつかあります。それらは以下の3つです。

  • 初期費用が高い
  • 固定資産税が高め
  • 職人の腕前次第で、浮きや剥離の危険性がある

詳しくは3章「外壁タイルのメリット・デメリット解説」の「3-2.外壁タイルのデメリット」をご覧ください。

なお、これらのデメリットは長期的な目線で見れば、多くがカバー可能です。それについては、同章の「3-3.外壁タイルの3つのデメリットの対策方法」をご覧ください。

2.外壁タイルの特徴と選び方

ここでは、「素材」「釉薬の有無」「工法」「サイズ」「形状」の以上5つの外壁タイルの特徴をもとに、趣向にあった選び方をご提案いたします。
選び方の概要は以下の通りです。

  • ご自分の趣向で素材と釉薬の有無を決める(光沢があり華のある色合いが好きか、素朴な風合いが好きか)
  • なるべく安くしたいか、それとも高級感を追求したいかで工法、サイズ、形状を決める

2-1.外壁タイルの特徴

2-1-1. 特長1 素材

外壁タイルには2つの素材があります。それぞれの特徴と併せて、以下の表をご覧ください。

<表 外壁タイル 素材の違いによる特徴の比較>
素材特徴
磁器質吸水率が1%以下と最も低い。固く透明性がある。※見た目差分
せっ器質吸水率が5%以下。素材そのものの色むらが出る。

2-1-2. 特長2 釉薬の有無

釉薬とは、タイルの上に塗るうわぐすりのことです。それを施すか施さないかで以下のような差分が出ます。

<表 外壁タイル 素材の違いによる特徴の比較>
釉薬の有無特徴
施釉つややかになり、色合いも様々。
無釉素材そのものの素朴な風合い。

2-1-3. 特長3 工法

外壁タイルの工法は2つの方法があり、特徴は以下の通りです。

<表 外壁タイル 工法による特徴の比較>
工法特徴
乾式工法職人の腕が問われず仕上がりが均一。タイル張りのマンションや建売住宅などはほとんどがこの工法による。
湿式工法下地にモルタルを塗り、職人が一つ一つ張り付けるため、腕が試される。継ぎ目がタイルになじみ、高級感ある仕上がりに。

見た目には、このような違いがあります。

<両工法によるイメージ>

湿式工法
乾式工法

この工法で、だいぶ見た目に差が出ます。

湿式工法は、下地にモルタルを使い、その上に職人が一枚一枚タイルを張り付けます。モルタルはどろりとしたペーストで、目地とタイルがなじむため、仕上がりが自然です。

乾式工法は、下地に窯業系サイディングを使い、その上に接着剤でタイルを張り付けるのが一般的で、見た目にも目地がはっきりと通ります。

2-1-4. 特長4 サイズ

外壁タイルには以下の6種類があります。それぞれの特徴と価格帯は以下の通りです。

<表 外壁タイルのサイズ6種の特徴と価格>
寸法などの特徴1㎡あたりの価格
45二丁タイル95㎜×45㎜。 約300㎜×300㎜のシートでまとめ張りにされて売っており、最も価格が安い。約3,000円/㎡~
二丁掛タイル227㎜×60㎜。 最近の主流。種類が豊富。約8,000/㎡~
ボーダータイル227㎜×30㎜。見た目の良いタイル。約13,000円/㎡~
50角タイル45㎜×45㎜。小さなモザイクタイルのサイズで、他のタイルと組み合わせて使う。約5,000円/㎡~
小口平タイル108㎜×60㎜。近年の流行ではなく、種類も少なめ。約7,000円/㎡~
ブリックタイル多種多様なサイズあり。レンガ風でイメージされやすいタイル。質感に高級感がある。約12,000円/㎡~

2-1-5. 特長5 形状

外壁タイルの形状は以下の3種類です。
種類と特徴は以下のようになっています。

<表 外壁タイル 形状による特徴の比較>
形状特徴
ユニットタイル平物タイルをつなげてシート張りにしたもの。45二丁タイルや50角タイルなどがここに該当。
平物タイル長方形・正方形をした平らなタイル。
役物タイル平面でない場所に使うL字型タイル。

2-2. 外壁タイルの選び方のポイント

外壁タイルを選ぶにあたっては、

  • ご自分の趣向で素材と釉薬の有無を決める(光沢があり華のある色合いが好きか、素朴な風合いが好きか)
  • なるべく安くしたいか、それとも高級感を追求したいかで工法、サイズ、形状を決める

で選んでください。
それぞれの特徴における選び方は以下の通りです。

<選び方のポイント5つ>
素材で選ぶ色合いで選ぶ工法で選ぶ
おすすめは磁器質。素朴な風合いが好きならせっ器質つややかで華がある印象にしたいなら施釉タイル。ナチュラルにしたいなら無釉タイル安く済ませたいなら乾式工法。デザイン性を追求したいなら湿式工法
サイズで選ぶ形状で選ぶ
安くしたいなら45二丁か50角タイル。デザイン性を追求したいならブリックタイルかボーダータイル安くしたいならユニットタイル。一般的には平物タイルをメインに、役物は最小限で

以下でひとつずつ解説いたします。

2-2-1.素材で選ぶ

おすすめは磁器質タイルです。非常に硬く、吸水率も1%以下と低いため、凍害にも強く楽にお手入れが出来ます。ただ、光沢があるタイプなので、素朴な素材の色むらなどがお好きな方はせっ器質のタイルをお選びいただいても良いでしょう。

2-2-2. 色合いで選ぶ

施釉タイルはタイル自体にガラスの覆いをつけたような仕上がりになっているため強度が増しており、外壁タイルはほとんどが施釉タイルです。
光沢の強弱に加え、釉薬のかけ方・回数によっても見た目が全然違ってきますので、幅広い表現が可能になります。

ただ、特にそうした加工は必要でなく、タイルそのものの風合いを大事にするのであれば、無釉タイルの方が良いでしょう。ほこりがたまりやすいので、丁寧なお手入れをする必要があります。

2-2-3. 工法で選ぶ

お安くしたいのであれば、乾式工法一択です。仕上がりは均一で、職人を選びません。ですが、継ぎ目が目立ち、画一的な見た目になるというデメリットがあります。タイル張りのマンションなどはほとんどがこの工法によるものです。

一方の湿式工法は費用が数十万円上乗せになるものの、継ぎ目は目立たず、カントリー風の高級感ある仕上がりになります。デザイン性を追求したいのであれば湿式工法を選んだ方が良いでしょう。

2-2-4. サイズで選ぶ

お安くしたい場合には、45二丁タイルか、50角タイルがおすすめです。これはユニットタイプで販売していることも多く、予算が心配な方でも選びやすい価格帯のものが揃っています。

一方でおしゃれ・個性的な外観にしたい場合にはボーダータイルブリックタイルがおすすめです。高級感がありますし、組み合わせでオリジナリティある外観になります。

2-2-5. 形状で選ぶ

ユニットタイルはずば抜けて安く、役物は平物の50%上乗せと言われるほど高価になっています。

コーナー部分に使われる役物タイルですが、お安く済ませるのであればなるべく使わないようにしましょう。
ただ、意匠性を持たせるなら壁面に使って悪いことはありません。とても前衛的なデザインが作れるでしょう。

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3.外壁タイルのメリット&デメリット解説

ここでは外壁タイルのメリット・デメリットそれぞれについて、具体的に解説します。

3-1.外壁タイルのメリット

外壁タイルのメリットについて、下記3つの項目でご紹介します。

  • 高級感があり、デザイン性抜群
  • 耐久性に優れ、いつまでもきれいな外観を保つ
  • メンテナンス費用が他外壁材の4割

3-1-1. メリット1 高級感があり、デザイン性抜群

外壁タイルの最大のメリットは、なんといっても「高級感があり、デザイン性抜群」であること。

表面の質感や、粘土・石といった素材の差、さらに光沢や美しい色合いを出す釉薬(うわぐすり)の有無で、幅広い表現が出来ます。
サイズも6種類あり、異なった大きさのタイルを組み合わせたりすれば、とてもアーティスティックな仕上がりに。

3-1-2. メリット2耐久性に優れ、いつまでもきれいな外観を保つ

デザイン性だけでなく、その優れた耐久性も注目すべきところです。

外壁タイルは元が石や粘土といった自然由来の素材であるため変色・劣化がしにくく、耐水性もばっちり。
更に表面に汚れがついたとき、雨で洗い流す性質を持っているので汚くなりにくく、釘でひっかいた程度ではびくともしない耐傷性も持ち合わせているのです。

3-1-3. メリット3 メンテナンス費用が他外壁材の約4割

タイルは、お手入れも簡単で費用が安価。
他の外壁材だと10年に一回塗り替えがあります。

しかし、タイルは洗浄がメインになるので、維持コストが他外壁材と比べてわずか約4割程度で済むのです。

3-2.外壁タイルのデメリット

外壁タイルのデメリットについて、下記3つの項目でご紹介します。

  • 初期費用が高い
  • 固定資産税が高め
  • 職人の腕前次第で、浮きや剥離の危険性がある

以下で一つずつ解説いたします。

3-2-1. デメリット1 初期費用が高い

外装タイルを選ぼうとして、初期費用が高すぎるから諦めてしまうという方も多いと思います。

例えば、最も安価な外壁材の一つ、窯業系サイディングと比較すると、その価格差は一般的に2倍以上。
外壁をタイル張りにする時には、タイルの下に窯業系サイディングを張ってからタイルを張り付けるため、ただでさえ高額なタイルの値段に加えて、下地の窯業系サイディングの費用が入っているので、㎡ごとの施工費用が高くなっているのです。

3-2-2. デメリット2 固定資産税が高め

知っている人はごくわずかですが、タイルは他の全ての外壁材と比べても、固定資産税の高さがトップレベルです。
これも安価な窯業系サイディングと比べると、㎡ごとの差分は61円。単純計算すると120㎡の家では7320円の差が出ることになります。
出典:総務省「固定資産評価基準」

3-2-3. デメリット3 職人の腕前次第で、浮きや剥離の可能性がある

施工する職人の腕前が未熟だと、浮きや剥離が発生する可能性もゼロではありません。

3-3.外壁タイルの3つのデメリットの対策方法

外壁タイルの3つのデメリットは、長期的に考えるならほぼ対策可能である事が多いです。

3-3-1. 「初期費用が高い」の対策方法

最も簡単に初期費用をカバーする方法は、

  • 安いタイルを選ぶこと

です。

現在は1㎡の施工料が1,000円程度の激安タイルも出ています。
例えば以下にご紹介するタイルメーカー、「TILE LIFE」で扱いがあります。
https://www.tilelife.co.jp/item/onecoin/

また、長期的に考えれば、タイルは維持費用が圧倒的に安価です。
10年ごとにかかる維持費用はタイルが一般的に大体50万円前後なのに対し、窯業系サイディングでは約140万円もかかります。
単純に比較すると、40年では約360万円も差が開くことになるのです。
しかも、窯業系サイディングは一般的に築25~30年で張り替えが発生するので、そうなると更に300万円ほどかかります。

長期的に見れば、たとえ初期費用が高くても、外装タイルの方が圧倒的にコスパは良いです。

3-3-2. 「固定資産税が高め」の対策方法

タイル外壁の固定資産税は確かに割高ですが、実は外壁材以外でも、以下のような様々なところで固定資産税が課税される可能性があります。

  • 屋根の勾配
  • コンセントの数
  • インターホンの種類
  • トイレの数

そのため、外壁材以外のところで賢く計算すれば、その分を補うことは十分可能でしょう。

3-3-3. 「職人の腕前次第で浮きや剥離の可能性がある」の対策方法

施工が職人の腕前によるのは、なにもタイルに限ったことではありません。
その上、今は接着剤の技術も発達しており、よほどずさんな施工をしない限り、剥離の危険性はほとんどなく、耐震性が弱いなどと言われていたのも過去の話です。

施工会社を選ぶときには、以下のようなことに注意して、複数社に依頼しましょう。

  • 施工実績が豊富で、ネットでもみられるかどうか
  • 見積もりは無料で取ってくれるかどうか
  • 質問に対して、スピーディーに感じよく対応してくれるかどうか
  • 他の会社と比べて、見積額が高すぎたり低すぎたりしないかどうか
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4.【他壁材との比較つき】費用相場&新築設置・維持費用シミュレーション

ここでは、外壁タイルの費用相場と、新築設置・維持費用を安価な窯業系サイディングと比較したシミュレーションを行います。

4-1.外壁タイルの費用相場概要

外壁タイルの㎡単価は、およそ以下の通りです。

<表 外装タイル おおよその費用内訳 1㎡ごと>
タイル費用約5,000円~30,000円
タイルの下に張る窯業系サイディング費用約3,000円~5,000円
合計約8,000円~35,000円

激安タイルだともう少し安くなりますが、一般的にはこのくらいが相場になっています。

外壁にタイルを張るときは、まず下地として窯業系サイディングを張り、その上に接着剤でタイルを張るのが一般的です。
そのため、タイル自体の費用に足して、下の窯業系サイディングの費用もみなければなりません。

4-2.外壁タイルの新築費用シミュレーション&窯業系サイディングとの比較

まず、外壁タイルの新築設置費用をシミュレーションしてみましょう。
なお、これは外壁面積に㎡ごとの施工費用をかけただけの簡単なシミュレーションです。
メーカーや工法が違ってもだいぶ価格に差が出ますので、その点をご了承の上、ご参照ください。

【30坪の新築戸建てをタイル外壁にした場合のシミュレーション】

坪数:30坪
外壁面積:120㎡
タイルの値段:15,000円/㎡
下地の窯業系サイディングの値段:約4,000円/㎡

まず、タイル本体の値段と下地の窯業系サイディングの値段を足します。
15,000円+4,000円=19,000円/㎡

これに外壁面積をかけます。
19,000円×120㎡=228万円

30坪の一戸建てをタイル外壁にすると……
総額 約228万円

※あくまでも編集部で試算したシミュレーションです。お住まいの地域の土壌によって変動するのでハウスメーカー・工務店に確認しましょう。

これはあくまでも基本だけの値段で、これに加えて諸経費がかかってくる場合もあります。

次に、比較として窯業系サイディングの場合を計算してみましょう。
こちらも他の経費を含まない素材のみの計算です。

【30坪の新築戸建てを窯業系サイディング外壁にした場合のシミュレーション】

坪数:30坪
外壁面積:120㎡
下地の窯業系サイディングの値段:約4,000円/㎡

外壁面積と窯業系サイディングの値段をかけます。
4,000円×120㎡=48万円

30坪の一戸建てを窯業系サイディング外壁にすると……
総額 約48万円

※あくまでも編集部で試算したシミュレーションです。お住まいの地域の土壌によって変動するのでハウスメーカー・工務店に確認しましょう。

その差、約180万円

比べてみると、約180万円もの差があります。
いかにタイル外壁の初期費用が高いかがこれでお分かりいただけると思います。

4-3.外壁タイルの維持費用シミュレーション&窯業系サイディングとの比較

次に、外壁タイルの維持費用をシミュレーションしてみましょう。

外壁タイルと、窯業系サイディングを含む他の壁材では、維持費用の内訳にこのような差があります。

  • 外壁タイル……洗浄やコーキング(タイルとタイルをつなげる目地部分)の打ち替えメイン
  • 他壁材……塗り替えメイン※サイディングではシーリング(サイディング同士をつなげる目地部分)の打ち替えも

他壁材は、塗り替えをしないと色合いのみならず、防水や紫外線防止といった壁としての機能が失われていくため、塗り替えは避けられません。
メンテナンスは10年ごとに行いますので、これにかかる費用を大雑把にシミュレーションすると、以下のようになります。

<表 タイル外壁と窯業系サイディングの家 築年数別維持費用の差分>
築10年築20年築30年築40年
タイル外装高圧洗浄とコーキング打ち替え 約50万円高圧洗浄とコーキング打ち替え 約50万円高圧洗浄とコーキング打ち替え 約50万円高圧洗浄とコーキング打ち替え 約50万円
窯業系サイディング塗り替えとシーリング補修 約140万円塗り替えとシーリング補修 約140万円塗り替えとシーリング補修 約140万円塗り替えとシーリング補修 約140万円
差額約90万円約180万円約270万円約360万円

比べてみると、築40年では約360万円もの差が開くことが分かります。
更に窯業系サイディングの場合、築25年あたりでサイディングそのものを取り換える「張り替え」が発生し、これにかかる費用は約100~300万ですので、ここでも大きく差が開きます。

こうしてみると、初期費用さえ都合できれば、タイルはとてもコストパフォーマンスに優れた素材だということがお分かりいただけると思います。

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5. 【事例】外壁タイルでできる事&起こりうるトラブル

最後に外壁タイルを設置してできる事と、考えられるトラブルを編集部で想定し、その事例とトラブル対処の工夫を示します。

5-1.全面タイル張り(乱形石)にしたらできる事&起こりうるトラブル

とにかく個性的な家にしたいと、乱形石の全面タイル張りの家にしたケースを想定します。

<できる事の例>
存在感抜群家の中まで
できる事起こりうるトラブル
  • 乱形石で個性が出せる
  • 湿式工法を選ぶと目地が目立ちにくい
  • 湿式工法はメンテナンスが必須

できる事:乱形石と湿式工法でデザイン性の高い家にできる

乱形石って床タイルのイメージがありませんか?
形がすごく個性的だから、全面張りにすると主張が大きすぎちゃう気もしますよね。
でも屋根以外は全部乱形石っていう壁の家を作ることもできるんです!
湿式にすれば目地も目立たず自然な仕上がりになるはずです。

起こりうるトラブル:タイルが剥がれ落ちてしまうかも

HaScasa

目地が目立たなくて仕上がりも自然な湿式工法ですが、タイルが剥離したり落下したりしてしまう可能性があります。

トラブルを防ぐ工夫例
① 定期的なメンテナンスをする

外壁タイルのメンテナンスは、10年ごとにするのが良いとされています。
定期的なメンテナンスを欠かさないようにしましょう。

5-2.全面タイル張り(レンガタイル)にしたらできる事&起こりうるトラブル

アンティークなイメージを強くしたい時には、輸入物のレンガタイルを使うこともおすすめです。

<できる事の例>
これぞ、アンティーク重厚感夫婦の憩いの場所にも
できる事起こりうるトラブル
  • アンティーク調の外観にできる
  • 家のデザインをタイルに合わせないと違和感が残る

できる事:アンティーク調タイルの家で外観の雰囲気が良い邸宅にすることができる

HaScasa

輸入物のレンガタイルを使えばアンティーク調の外観の家にすることができます。
さまよい歩いていた村人が、ふっと目を上げたら、不思議な雰囲気の美しい邸宅が……みたいな。ちょっと古びた雰囲気がロマンスのある家になるかも。

起こりうるトラブル:雰囲気が思っていたものと違うものになるかも

HaScasa

窓や色などをタイルに合わせた雰囲気で作らないと、思っていたイメージに仕上がらない可能性があります。

トラブルを防ぐ工夫例
① 家の雰囲気を十分に考えてデザインする

アンティーク調にするのか、カントリー風にするのか、最初にきちんと計画を立てておくと満足したものができあがるでしょう。

5-3.一部タイル張り(乱形石)にしたらできる事&起こりうるトラブル

「白雪姫の小人のお家みたいな感じにしたい」そんな人のために乱形石の一部タイル張りのケースを想定してみました。



<できる事の例>
一見ごつい乱形石タイルまるで小人のお家みたい
できる事起こりうるトラブル
  • 予算を抑えつつおしゃれにできる
  • タイルの使用面積が少ないと不満が残る可能性も

できる事:予算を抑えて一部を乱形石にするだけでも、おしゃれな家にすることができる

全面タイル張りは重苦しいと思っている人には、一部タイル張りがおすすめ。
少しでもタイルを取り入れることで空間が一気におしゃれになります。

起こりうるトラブル:使用するタイルが少ないと後から不満がでるかも

タイルは値段が高いのでと、最低限の面積にしてしまうと出来上がってから不満に思ってしまうかもしれません。

トラブルを防ぐ工夫例
① 予算と相談しつつ、納得いく量のタイル張りにする

どれくらいの面積をタイル張りにするか十分に確認しておくことで、後からの後悔を防ぐことができます。

6.おすすめのおしゃれ&高級なタイルメーカー紹介

最後におすすめのおしゃれなタイルメーカーを3社ご紹介いたします。

6-1. MARUSHIKA

出典:丸鹿セラミックス

世界各国の輸入タイルを扱っており、レンガ調のものや石目調のものなど、高級感のあるタイルが選べます。

MARUSHIKA ランパートストーンページ:http://www.marushika.com/material/detail.html?item_bno=142&main_no=3&sub_no=20&list2=1&list1=1

6-2.NOBEL STONE

出典:ノベルストーン

3,000円台のお手軽なタイルから、2万円超えの高級品まで取り扱っており、特に擬石タイルの種類が豊富です。

ノベルストーン 商品案内:https://www.nobelstone.co.jp/product

6-3. キャンエンタープライゼズ

出典:キャンエンタープライゼズ

輸入品のおしゃれなレンガ調・石目調のタイルを中心に取り扱っています。アンティーク調のものから、アメリカンなワイルド系のものまで、高級感のある壁材が揃います。

キャンエンタープライゼズ 商品案内:https://www.can-net.co.jp/products/

まとめ

ここまで様々な観点から考えうる事例をご紹介しましたが、予算を考慮しながら仕様を考えるのは大変です。
理想のマイホームを建てるうえで後悔しないためにも、家づくりのとびらで複数社のプランを比較したり、注文住宅のプロに相談することをおすすめします。

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この記事のポイント

タイル外壁の種類は?

  • 45二丁タイル
  • 二丁掛タイル
  • ボーダータイル
  • 50角タイル
  • 小口平タイル
  • ブリックタイル

各タイル外壁の特徴や費用相場は「1-1.高級感がある外壁タイルはズバリ「工法とサイズ」で選ぶ」をご覧ください。

タイル外壁のデメリットは?

  • 初期費用が高い
  • 固定資産税が高め
  • 職人の腕前次第で、浮きや剥離の危険性がある

詳細は「3-2.外壁タイルのデメリット」をご覧ください。

タイル外壁でおすすめのメーカーは?

6.おすすめのおしゃれ&高級なタイルメーカー紹介」では、以下のおすすめメーカーの特徴を解説しています。

  • MARUSHIKA
  • NOBEL STONE
  • キャンエンタープライゼズ

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「家づくりのとびら」編集部

NTTデータグループが運営する注文住宅相談サービス「家づくりのとびら」編集部です。難しい住まいづくりの情報を、わかりやすく正確にお伝えします。記事は不動産鑑定士や宅地建物取引士などの不動産専門家による執筆、監修記事がメイン。初めての住まいづくりをサポートします!

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