注文住宅に駐車場は必要?サイズは?知っておきたいポイント・失敗例

注文住宅に駐車場をつけたい場合、まず気になるのが必要な面積と費用です。

注文住宅に駐車場をつける際には1台につき幅2m以上、長さ3.6m以上の広さが必要で、コンクリートを敷き詰める費用はおよそ20万円~が相場です。

ただし、駐車場に必要な面積や費用は、自動車の大きさや台数、駐車場の素材、屋根の素材などによって異なります。

注文住宅の駐車場を決める要素

  • 広さ
  • タイプ
  • 駐車の仕方
  • 素材(床部分)
  • エクステリア、充電器
  • 防犯システム

この記事では、「どのように駐車場を検討していったらいい?」という方に向け、駐車場をつくる前に知っておきたい次のポイントを解説します。

この記事でわかること

  • 注文住宅に駐車場が必要か判断するポイント
  • 注文住宅の駐車場を決める要素の詳細
  • 費用相場や失費事例

家を建てた後、駐車場をあとからつくるのは大変です。
満足できる住宅に仕上げるためにも、設計段階から駐車場についてしっかりと考えておきましょう。

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その他の設備の詳細を知りたい方はこちらの記事もご覧ください。

1.駐車場が必要か判断するポイント

そもそも、これから建てるマイホームには、本当に駐車場が必要でしょうか?
注文住宅を建てる際、かならずしも駐車場をつくる必要はありません。

車を持っていない場合だけでなく、近所に使い勝手のよい月極駐車場がある場合も、駐車場をつくらないという選択肢を検討できます。

駐車場をつくるかどうか迷ったときは、次の2つのポイントに注目すると判断しやすくなります。

駐車場が必要か判断するポイント

  • スペースを確保できるか
  • 土地代や工事費に見合っているか

それぞれのポイントについて、見ていきましょう。

1-1.スペースを確保できるか

狭小地に注文住宅を建てる場合は、駐車場のスペースを取ることで、建坪が狭くなってしまいます。

また、十分な広さのある敷地でも、駐車台数が2台、3台と増えるとスペースの確保が難しくなるでしょう。

駐車場をつくるかどうか、つくるときは何台分にするかを決めるときは、まずスペースをどの程度確保できるのか調べておくことが大切です。
駐車場は借りられますが、リビングや寝室は基本的には借りられません。居住スペースを確保できないときは、駐車台数を減らす、あるいは駐車場をつくらないという選択肢も検討しましょう。

1-2.土地代や工事費に見合っているか

駐車スペースの確保が難しいときは、住宅と一体となった地下駐車場ビルトインガレージ(インナーガレージ)も検討できます。
建物内に駐車スペースを設けると、延床面積の5分の1を上限として容積率の計算から除外できるため、居住スペースが確保しやすくなります。

しかし、地下駐車場やビルトインガレージは工事費用がかさむため、月極駐車場を借りるほうがよい場合もあります。特に、土地代が高めの場所に注文住宅を建てるときには、駐車スペースの確保に必要な費用と月極駐車場に支払う費用を比較してみてください。

土地代や工事費に見合わないと判断したときは、無理に敷地内に駐車場をつくらず、月極駐車場を借りるという選択肢も検討しましょう。月極駐車場が近くにない場合、駅やバス停が近くにあるのであれば、車を手放すことを視野に入れてもよいかもしれません。

2.注文住宅の駐車場を決める6つの要素

スペースを確保でき、なおかつ土地代や工事費に見合っていると判断できるときは、具体的に駐車場建設のプランを立てていきます。
次の要素に注目すると、プランを立てやすくなります。

注文住宅の駐車場を決める要素

  • 広さ
  • タイプ
  • 駐車の仕方
  • 素材(床部分)
  • エクステリア、充電器
  • 防犯システム

それぞれの要素について、詳細を見ていきましょう。

2-1.広さ

駐車場に必要な広さは、自動車の大きさ・台数によって異なります。
一般的な大きさと広さの目安については、以下をご覧ください。

駐車場1台分の広さの目安
自動車の種類駐車場の横幅駐車場の奥行
軽自動車2.4m4.3m
小型車2.7m5.0m
中型車2.7m5.7m
大型車3.0m5.7m
ワンボックス2.7m5.7m

横幅については、自動車を端に寄せて駐車したときに、運転席ドアを全開できる幅を目安としています。
冒頭で、一般的な広さは1台につき幅2m以上、長さ3.6m以上が目安であるとお伝えしましたが、前後に余裕を持って駐車するためには、表のように幅2.4m以上、長さ4.3m以上あると望ましいのです。

なお、駐車スペースの中央部分に自動車を停め、両側から乗り降りできるようにするには、車種を問わず横幅が少なくとも3.5mあると安心です。車椅子での乗り降りもしやすくなるため、土地に余裕があるときは1台分の横幅を3.5m程度に設定しましょう。

土地が狭い場合は、ビルトインガレージも検討してください。ビルトインガレージにするときは、高さにも配慮しなくてはいけません。もっとも車高の高いワンボックスで2.0mの高さのため、開口部の高さも2.0mを超えるように設計してください。

2-2.タイプ

注文住宅の駐車場のタイプは、以下の4つが主流です。

注文住宅のタイプ

  • ビルトインガレージ
  • ガレージタイプ
  • カーポートタイプ
  • オープンタイプ

ビルトインガレージ(インナーガレージ)

ビルトインガレージ(インナーガレージ)

住宅の一部として駐車スペースを設けるタイプです。

土地が狭い場合だけでなく、大切な車を天候や心無いいたずらから守りたいとき、居住内から外に出ることなく駐車スペースに移動したいときにも検討してみてください。

ガレージタイプ

ガレージタイプ

屋根と三方向以上の壁がついた駐車スペースです。

シャッターを取り付ければ、盗難やいたずらからも車を守れます。
倉庫としての活用もでき便利ですが、建物との距離が近いと建物内の採光に影響を与えるため注意しましょう。

カーポートタイプ

カーポートタイプ

屋根と支柱だけで構成されたシンプルな駐車スペースです。

後方が壁で遮られていないため、トランクからモノを取り出しやすい点もメリットです。屋根があることで、ある程度天候から車を守れますが、横殴りの雨や鳥のフンなどから完全に守れるわけではない点に注意してください。

オープンタイプ

オープンタイプ

屋根や壁のない野ざらしの状態の駐車スペースです。

天候や汚れの影響を受ける点はデメリットですが、建物に影を落とすことがないため、駐車場と建物が近いときは屋内が明るくなるというメリットがあります。

2-3.駐車の仕方

1台分の駐車場をつくる場合は、縦向き駐車か横向き駐車かを決めます。

  • 縦向き駐車:道路に対し直角に駐車する
  • 横向き駐車:道路に対し並列に駐車する

縦向きに駐車する場合は、前面の道路の幅が十分にあるか確認しておきましょう。4mよりも狭い道路に面している場合には、駐車スペースの横幅を広げ、スペース内で切り返しができるようにしておくことが必要です。

また、複数台の車を停める場合であれば、縦列駐車か横並び駐車かを決めます。

縦列駐車
横並び駐車

出し入れするのは横並び駐車のほうが楽ですが、車と車の間の距離が短いと駐車しにくくなるのでご注意ください。少なくとも60cm、できれば90cm程度は確保しておきましょう。

2-4.素材(地面部分)

地面部分の素材も決めておきます。一般的な素材と特徴は以下をご覧ください。

地面部分の素材と特徴
素材メリットデメリット
砕石
  • 安価
  • 防犯性が高い
  • 砕石で車が傷つくこともある
  • 音が近所迷惑になることがある
  • 安価
  • 砕石と比べると駐車時の音が静か
  • 水が溜まることがある
  • 車が汚れることがある
アスファルト
  • コンクリートより安価
  • 水はけがよい
  • 熱がこもりやすい
  • コンクリートより耐久性が低い
コンクリート
  • 耐久性に優れている
  • 維持費がほとんどかからない
  • 建築時の工事費用が高い
  • 撤去時の工事費用が高い

2-5.エクステリア、充電器

例えば、カーポートに照明をつけると、夜間も車に乗り降りしやすくなります。
また、防犯面も強化できます。

照明以外にも、植栽やカーゲートなどのエクステリアも検討してみましょう。建物と外構をトータルコーディネートすると、よりおしゃれな住宅に仕上がります。

電気自動車を使用中の場合は、充電器も必要です。車にケーブルが届く位置に、200Vの屋外コンセントを設置しておきましょう。
電気自動車を使用していない場合でも、将来に備えてコンセントをつけておくのもおすすめです。

2-6.防犯システム

車の盗難やいたずらを防ぐためにも、防犯システムが必要です。
ガレージならシャッター、カーポートならカーゲートの設置も計画してみましょう。

特にガレージは視界を遮るため死角が増えがちです。不審者の侵入を防ぐためにも、照明・防犯カメラの導入を検討してみてください。

以上が、注文住宅の駐車場を決める6つの要素の詳細です。

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3.注文住宅に駐車場をつけるときの費用相場

注文住宅に駐車場をつけるときの費用相場 イメージ

注文住宅に駐車場をつけるときの費用相場は、駐車場の種類によって異なります。

素材や設備、依頼する業者によっても異なりますが、価格が低い順にオープンタイプ・カーポートタイプ・ガレージタイプ・ビルトインガレージとなることが一般的です。

なお、カーポートタイプやオープンタイプを選ぶときは、地面部分の素材によっても費用相場が異なります。
コンクリートのほうがアスファルトよりも高額になりますが、1~2台分程度の駐車場であれば、材料代よりも機械代のほうが料金を左右しやすいため、大きな差はありません。

駐車場の費用相場
駐車場の種類床部分の素材費用相場
オープンタイプコンクリート1台:20万円~ 2台:40万円~
アスファルト1台:20万円~ 2台:40万円~
砂利1台:18万円~ 2台:32万円~
カーポートタイプコンクリート1台:35万円~(43万円~) 2台:70万円~(82万円~)
アスファルト1台:35万円~(43万円~) 2台:70万円~(82万円~)
砂利1台:33万円~(41万円~) 2台:62万円~(74万円~)
ガレージタイプコンクリート*1台:100万~300万円 2台:200万~600万円
ビルトインガレージコンクリート*1台:200万~400万円 2台:500万~800万円

* カーポートタイプ・ガレージタイプの地面部分はコンクリートが一般的
※1台あたり15平米で概算

以上が、注文住宅の駐車場の費用相場です。
実際には、デザインや照明や防犯システムなどの取り付けによって大きく変動するものなので、あくまで目安として見ておきましょう。

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4.注文住宅に駐車場を付けた際の失敗事例

注文住宅の駐車場は、持っている自動車の大きさや駐車場の種類の選択を誤ると、使いづらい駐車場に仕上がることがあるため注意しましょう。

最後に、よくある失敗事例を紹介します。ぜひ参考にして、使い勝手のよい駐車場に仕上げてください。

4-1.駐車場を2台ギリギリにしてしまった

自家用車が2台あるのに、駐車場を2台が入るギリギリの広さにすると、隣の車が気になってドアを大きく開けられない可能性があります。
また、目測を誤って勢いよくドアを開けてしまい、傷がついて高額な修理費用がかかることもあるでしょう。

車の出し入れだけでなく、ドアの開閉をスムーズにおこなうためにも、駐車場は余裕のある広さを確保してください。
とりわけ注意したいのは、駐車場の横幅です。横幅に余裕がないと、何度も車を切り返す必要が生じるため、車の出し入れに時間がかかってしまいます。

4-2.メンテナンスが大変

カーポートタイプやオープンタイプの地面部分の素材として土や砂利を選ぶと、徐々に土・砂利が減っていくため、定期的に補充する必要があります。

また、アスファルトを選んだ場合は、熱や経年変化により修繕が必要になることもあります。いずれも放置しておくと見た目が悪くなるだけでなく、水はけなどにも問題が生じるため、適時メンテナンスをしましょう。

ほかにも、カーポートの屋根部分やカーゲート、チェーンポールなども汚れや不具合がないか、こまめにチェックとメンテナンスをすることが必要です。

駐車場は住宅の前面に配置することが多いため、トラブルや汚れがあると、住宅全体の印象にも影響します。定期的にチェックして、常に良好な状態に維持するようにしましょう。

4-3.ボディのダメージが大きい

駐車場をつくるとき、費用が気になる方も多いでしょう。
費用を抑えるならば、カーポートタイプやオープンタイプがおすすめです。

先述のとおり、ビルトインガレージやガレージを建てるときは100万円を超える費用がかかりますが、カーポートタイプやオープンタイプなら18万円程度からつくれます。

しかし、ビルトインガレージやガレージのように雨や雪などの天候の影響を完全に防げるわけではないため、徐々に車のボディにダメージが生じます。悪意のあるいたずらなどで人為的にダメージが生じることもあり、修理費用がかさむこともあるでしょう。

寒さの厳しい地域なら、冬場はエンジンがかかりにくくなることもあります。大切な車を守るため、また、スムーズな乗車のためにも、ビルトインガレージやガレージも検討してみてください。

4-4.固定資産税がかかる

ビルトインガレージやガレージタイプのように、3方向以上を壁に囲まれている駐車スペースは、固定資産税の課税対象です。駐車場が広くなればなるほど固定資産税額にも反映されるため、注意が必要です。

なお、カーポートタイプは3方向以上を壁に囲まれていないため、基本的には固定資産税の課税対象ではありません。しかし、固定資産税は地方税のため、自治体によってはカーポートも課税対象になる可能性があります。
カーポートをつくる前に、お住まいの自治体に問い合わせておきましょう。

まとめ

注文住宅の駐車場を検討する際には、まず、本当に必要かどうかを考えてみましょう。

土地代が高めのエリアにお住まいの場合や、近くに駅やバス停などがある場合は、敷地内に駐車場をつくらずに月極駐車場を借りるほうがよいこともあります。

よく考えたうえで駐車場がある注文住宅を建てるのであれば、以下のポイントをおさらいしておきましょう。

この記事のポイント

注文住宅の駐車場のタイプは?

主に以下の4つが主流です。

  • ビルトインガレージ
  • ガレージタイプ
  • カーポートタイプ
  • オープンタイプ

各タイプの解説は「2-2.タイプ」をご覧ください。

注文住宅の駐車場のサイズは?

駐車場に必要な広さは、自動車の大きさ・台数によって異なります。
例えば、軽自動車であれば、横幅2.4m、奥行き4.3m程度あるとよいでしょう。

自動車の種類ごとの駐車場の広さは「2-1.広さ」を参考にしてください。

注文住宅の駐車場にコンクリートを敷く場合、費用は?

注文住宅の駐車場にコンクリートを敷く場合、費用は自動車1台あたり20万円~が相場です。

その他駐車場タイプの費用相場は「3.注文住宅に駐車場をつけるときの費用相場」でお伝えしています。

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この記事の編集者

「家づくりのとびら」編集部

NTTデータグループが運営する注文住宅相談サービス「家づくりのとびら」編集部です。難しい住まいづくりの情報を、わかりやすく正確にお伝えします。記事は不動産鑑定士や宅地建物取引士などの不動産専門家による執筆、監修記事がメイン。初めての住まいづくりをサポートします!

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