【2025年】賃貸併用住宅の建築費・価格の相場はいくら?価格を抑える方法も解説

賃貸併用住宅は自分の居住スペースを確保しながら家賃収入を得られる建築形態として人気があります。しかし、実際に建てる際にはどれくらいの費用がかかるのでしょうか?本記事では、2025年における賃貸併用住宅の建築費・価格の相場を構造別に紹介するとともに、価格を抑えるための実践的な方法についても解説します。予算計画を立てる際の参考にしてください。

この記事の監修者
桜井 鉄郎

東証プライム上場の金融機関でファイナンシャルプランナーを担当しながら、金融・不動産・相続に特化したライターとしても活動中。 住宅ローンの相談販売においては審査からローン実行まで全ての業務を担当し、マイホーム購入に関連する法令・税額控除制度等について通じている。
保有資格:1級ファイナンシャル・プランニング技能士、宅地建物取引士、行政書士、証券外務員1種、ビジネス実務法務エキスパート

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1.賃貸併用住宅の価格・建築費の相場

賃貸併用住宅の価格・建築費はどのくらい?イメージ

賃貸併用住宅の建築費は構造や規模によって大きく異なります。一般的な住宅と比較すると多くの設備が必要となるため、総じて高額になる傾向があります。

1-1.【構造別】賃貸併用住宅の坪単価

賃貸併用住宅の建築費は、選ぶ構造によって大きく異なります。それぞれの構造別の坪単価は以下のとおりです。

構造坪単価特徴
木造80万円~100万円/坪最も安価だが、耐久性や防音性に劣る
鉄骨造90万円~120万円/坪耐久性と間取りの自由度が高い
RC造(鉄筋コンクリート造)100万円~120万円/坪耐久性・防音性に優れるが最も高価

例えば、30坪の土地に賃貸併用住宅を建てる場合、木造で約2,400万円から3,000万円、鉄骨造で約2,700万円~3,600万円、RC造で3,000万円~3,600万円程度の費用がかかると想定されます。

構造選びは長期的な収益性と初期投資のバランスを考慮して決定することが重要です。木造は初期費用が抑えられる一方、鉄骨造やRC造は耐久性が高く長期的なメンテナンス費用を抑えられる可能性があります。

なお、坪単価は地域やハウスメーカー、内装・設備、間取りによっても変動します。

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1-1.建築費の内訳

賃貸併用住宅の建築費がどのように配分されているのか理解することで、コスト削減のポイントが見えてきます。一般的な建築費の内訳は以下のとおりです。

家づくりにかかる費用
  • 本体工事費:全体の約70%
  • 付帯工事費:全体の約20%
  • 諸費用:全体の約10%

さらに本体工事費の内訳は以下のように分けられます。

  • 躯体部分:40%(建物の骨組み)
  • 仕上げ部分:40%(内装・外装)
  • 設備部分:20%(水回り、電気設備など)

仕上げ部分の仕様をシンプルにすることで大幅なコスト削減が可能です。高級感のある内装材や最新設備の導入は魅力的ですが、費用対効果を慎重に検討する必要があります。

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2.賃貸併用住宅の価格が高くなる理由

一般的な一戸建て住宅と比較して、賃貸併用住宅の建築費が高くなる理由はいくつかあります。
高くなる理由は、主に次の2つです。

賃貸併用住宅が高い理由

  • 賃貸部分の住宅設備が多いため
  • 自宅部分にもこだわりたいケースが多いため

この背景を理解することで、より効果的なコスト削減策を検討できます。

2-1.賃貸部分の住宅設備が多いため

賃貸併用住宅では、賃貸部分ごとにキッチン、トイレ、浴室などの住宅設備を個別に設置する必要があります。たとえば、自宅部分に加えて2戸の賃貸部分を設ける場合、合計3セットの水回り設備が必要となります。

また、各部屋の独立性を確保するための防音・遮音対策や、各戸別のエアコン設置、電気・ガス・水道のメーター設備なども追加費用となります。賃貸部分の数が増えるほど設備面での投資が比例して増加するため、計画段階で適切な戸数設定を行うことが重要です。

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2-2.自宅部分にもこだわりたいケースが多いため

賃貸併用住宅を建てるオーナーは、自宅部分については一般的な注文住宅と同様に、快適性や利便性を高めるためにグレードの高い設備や内装を希望するケースが多くあります。

賃貸部分ではコストパフォーマンスを重視する一方で、自宅部分では高級キッチンや大型バスルーム、床暖房などの設備を導入することで、全体の建築費が膨らみがちです。自宅部分と賃貸部分の仕様バランスを適切に設定することが、予算内で理想の住まいを実現するポイントとなります。

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3.賃貸併用住宅の価格を抑える方法

賃貸併用住宅の価格を抑える方法イメージ

自宅部分の面積割合が全体の50%以上であることを、多くの金融機関では住宅ローン申込の前提条件としています。

また住宅ローン控除は住宅部分にのみ適用されるため、家の広さや控除に重きをおくのであれば自宅部分の割合を多くすれば良いですが、かといって多すぎると賃貸部分が少なくなり、家賃収入が減ってしまいます。

例えば、総額4,000万円の借入れを35年間で返済する場合、固定金利1%と3%では月々の返済額で約4万円、総返済額では約1,723万円もの差が生じます。

低金利の住宅ローンを利用できることで長期的な負担を大きく軽減できるため、自宅部分と賃貸部分のバランスは慎重に検討すべきです。

賃貸併用住宅の建築費を抑えながらも、長期的な収益性を確保するための工夫はいくつかあります。以下に具体的な方法を紹介します。

3-1.間取りを横割り(上下)にする

横割り・縦割りのイメージ

横割り・縦割りのイメージ

賃貸併用住宅の間取りを検討する際、縦割り(左右)よりも横割り(上下)の方がコスト削減につながる場合があります。上下で分けた間取りでは、給排水管などの設備配管を効率的に集約できるためです。

例えば、1階に賃貸部分、2階と3階に自宅部分を配置することで、水回りの設備を上下に配置できます。これにより配管工事が効率化され、水回り設備の集約で建築コストを5~10%程度削減できる可能性があります。

3-2.建物の形状をシンプルにする

建物の形状が複雑になるほど、建築コストは上昇します。シンプルな四角形の建物は、複雑な形状の建物と比較して躯体工事費を抑えられます。

3-3.建物の間取りをシンプルにする

賃貸部分については必要最小限の機能を持たせたシンプルな間取りにすることで、建築費を抑えながらも入居者にとって使いやすい空間を提供できます。凹凸の少ない外観デザインと効率的な室内レイアウトで工事費を大幅に削減することも可能です。

3-4.自宅部分を50%以上にする

自宅部分の床面積を建物の延床面積の50%以上にすることで、金利が低い住宅ローンを利用できるというメリットがあります。一般的なアパートローンの金利は2~5%程度であるのに対し、金融機関にもよりますが、住宅ローンの金利が1%以下というところもあります。

3-5.各賃貸部分の延床面積を40平米以上にする

賃貸部分の延床面積を40平米以上に設計することで、不動産取得税の軽減措置を受けることができます。不動産取得税は通常、固定資産税評価額の4%(2027年3月31日までは特例で3%)に相当する額ですが、この要件を満たすことで大きな節税効果が得られます。

具体的には、1戸あたりの延床面積が40平米以上240平米以下の場合、1戸につき1,200万円が住宅部分の課税標準から控除されます。税制優遇を最大限に活用できる面積設計を行うことで初期費用を大幅に削減できるため、計画段階から税制面も考慮した設計が重要です。一戸建て住宅と比較して、賃貸併用住宅の建築費は、どうしても高くなってしまいます。少しでも建築費を抑えるために可能な限りの対策を講じましょう。

このような不動産税の対策も含め、自分に合った賃貸併用住宅を建築するためには、実績を多く持った頼れるハウスメーカーと一緒に家づくりを進めていくことが大切です。

検討段階では複数のハウスメーカーの住宅プランを比較し、「本当に自分たちに合った建築依頼先」をしっかり吟味することが大事です。

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4.建築後にかかる費用

賃貸併用住宅の運営では、建築費だけでなく建築後のランニングコストについても把握しておく必要があります。長期的な収支計画を立てる上で、以下の費用を考慮しましょう。

4-1.賃貸経営のランニングコスト

賃貸部分の管理費用は経営形態によって異なります。主な管理方式には以下の2種類があります。

管理費の種類例
管理委託管理会社と管理の委託契約を締結する方式
サブリース転貸(又貸し、転貸し)による管理方式

また、固定資産税や都市計画税などの税金も定期的に発生します。ただし、賃貸併用住宅は一定の要件を充たせば、小規模住宅用地の特例による税額軽減が適用されます。

税金の種類軽減措置
固定資産税1戸あたり200平米までの部分は評価額が1/6に軽減
都市計画税1戸あたり200平米までの部分は評価額が1/3に軽減

税制優遇を最大限に活用した資金計画を立てることで長期的な負担を軽減できます。ローン返済計画とあわせて、月々・年間のキャッシュフローを事前にシミュレーションしておくことが重要です。

4-2.修繕・メンテナンス費用

賃貸併用住宅を長期間運営していくためには、定期的な修繕やメンテナンスが必要です。主な修繕項目と費用の目安は以下のとおりです。

修繕・メンテナンス費用一例
修繕項目費用目安修繕周期
クロス・フローリング
の張り替え
6万~8万円/戸5~10年
給湯器の交換数千円~6万円/戸8~10年
外壁塗装約200万円/棟10~15年
屋根の修繕約100万円~/棟15~20年

建物の構造によってメンテナンスの頻度や費用は異なりますが、年間の家賃収入の10~15%程度をメンテナンス費用として積み立てておくことで、突発的な支出に備えることができます。賃貸部分の修繕費用は、基本的にはオーナーが負担します(入居者の故意や過失によるものは入居者の負担)。外壁塗装や屋根の修繕などの費用は多額になるため、定期的に積み立てて準備する必要があります。

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賃貸併用住宅はマイホームを確保でき、不動産投資もできる魅力的な住宅形態です。ただ難点は建築費用が一般住宅より高いことです。その理由として、賃貸部分の設備やオーナーの自宅部分へのこだわりなどがあります。
建築費用を抑えるには、間取りを横割りにしたり、建物の形状をシンプルにするなどがあります。また住宅ローンの利用で返済額を抑えたり、賃貸部分の面積を40平米以上にして税制優遇を受ける方法もあります。
賃貸併用住宅の建築を考え始めたら、実績豊富なハウスメーカーや金融機関などに相談しアドバイスを求めるといいでしょう。

このように、家づくりの際には念頭に置いておきたい出費が多々あります。

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まとめ

賃貸併用住宅の建築費は構造によって異なり、木造が80万円~100万円/坪、鉄骨造が90万円~120万円/坪、RC造が100万円~120万円/坪が相場です。価格が一般住宅より高くなる理由は、賃貸部分ごとに水回りなどの設備が必要になるためです。

建築費を抑えるには、自宅部分を50%以上にして住宅ローンを利用したり、間取りを横割りにして設備を集約したり、賃貸部分の面積を40平米以上にして税制優遇を受けるなどの方法があります。また建築後も管理費や修繕費などのランニングコストがかかるため、長期的な収支計画を立てることが重要です。


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この記事の編集者

「家づくりのとびら」編集部

NTTデータグループ会社が運営する注文住宅相談サービス「家づくりのとびら」編集部です。難しい住まいづくりの情報を、わかりやすく正確にお伝えします。記事は不動産鑑定士や宅地建物取引士などの不動産専門家による執筆、監修記事がメイン。初めての住まいづくりをサポートします!

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