- 変更日:
- 2024.02.15
住宅を建てたいと考えている方のなかには、今の年収でも家を建てられるのかどうかで迷っている方も多いでしょう。
本記事では、住宅を建てる際に知っておきたい年収の目安に関する情報を解説します。
この記事でわかること
- 家を建てる年収の目安
- 年収ごとにどの程度の費用の家を建てられるのかの目安
- 少ない手取りで家を建てるコツ、ローン返済で困らないためのポイント
本記事を読んでいただければ、ご自身の収入から、建てられる家のイメージをはっきりともつことができ、具体的な検討に進めることができます。ぜひご参考ください。
まとめて依頼
注文住宅の住宅ローンを組む際の基本的な流れが知りたい方は、こちらの記事もご覧ください。
目次
1.家を建てられる年収の目安はいくら?
家を建てる年収の目安や年齢の目安を、令和2年度(2020年度)のフラット35利用者調査のデータから解説します。
参考:住宅金融支援機構「2022年フラット35利用者調査」
住宅ローン「フラット35」を利用した方の中では、注文住宅を建てた家庭の世帯年収は、400万〜600万円未満の世帯が特に多いという結果でした。
この点から、家を建てるにあたり、世帯収入400万円はひとつの目安と言えます。
また、マンション購入者と注文住宅を新築した方の平均年収は以下の通りです。
種別 | 平均年収 |
---|---|
注文住宅の新築 | 624万円 |
新築マンション購入 | 844万円 |
注文住宅を新築した方の年収平均は、新築マンションの購入者の年収平均よりも、195万円低く、マイホーム購入において、より手に取りやすい選択肢であることがわかります。
2.年収からみる家を建てる目安金額の計算方法
家を建てる目安金額を計算するために、年収からおおよその金額を算出する方法を見ていきましょう。
2-1.家を建てる金額の大まかな目安は年収の5倍まで
参考:住宅金融支援機構「2022年フラット35利用者調査」
年収倍率(購入資金を年収で割った数値)の全国平均は、土地付き注文住宅は7.7倍、注文住宅・建売住宅は6.9倍です。
近年の傾向として、年収倍率はどんどん上がってきています。
その理由として考えられるのが、「超低金利時代」です。
近年は金利が大きく下がっている状況が続いており、資金を借り入れしやすいという背景のもと、年収のおよそ7倍の住宅ローンを組むという選択肢も増えています。
もちろん、これはあくまでも大まかな目安であって、個々人の事情が考慮されていません。
もし、より安全な返済計画でマイホームを建てたい方は、年収の5倍を大まかな目安として計算しておくのがよいといわれています。
つまり、年収・年収倍率に見る費用目安は以下の通りです。
年収 倍率 | 年収 400万円 | 年収 500万円 | 年収 600万円 |
---|---|---|---|
5倍 | 2,000万円 | 2,500万円 | 3,000万円 |
6倍 | 2,400万円 | 3,000万円 | 3,600万円 |
7倍 | 2,800万円 | 3,500万円 | 4,200万円 |
支出が多い家庭の場合、ローン金利が高い場合などは月々の返済負担が重くなるため、それぞれのケースにあわせて住宅購入費用を考える必要があります。
2-2.予算上限は「頭金+住宅ローン借入可能額」で計算する
実際に購入可能な住宅の金額は、頭金+住宅ローン借入可能額で算出できます。
頭金とは、購入する住宅の費用のうち、始めに自己資金として現金で支払えるお金のことです。
住宅ローン借入可能額は、購入予定者の年収や借入状況、頭金、マイホームの購入費用などによって異なります。
住宅ローンの借入可能限度額は、年間返済額が一般的に年収の30%までのラインです。
上記はあくまでも住宅ローンが借りられる限度額であり、理想の返済額は年収の20〜25%までだといわれています。
また、ローンの利子(金利)分の支払いが別途必要となるため、注意が必要です。
例えば年収400万円の方が住宅ローンで借りられる額や家を建てる予算金額は以下のようになります。
年収 | 約400万円 |
---|---|
年間の返済額 (年収の20%で算出) | 約80万円* |
住宅ローンの借入限度額 (35年返済) | 約2,800万円* |
頭金 | 約300万円 |
家を建てる費用予算 | 約3,100万円 |
*いずれも利子分を含む支払い額を想定しています。
なお、このように住宅の購入可能額が知りたい場合は、「HOME4U 家づくりのとびら 注文住宅予算シミュレーションツール」をご確認ください。借入額、もしくは毎月の返済額からの2つのシミュレーションができるため、自分の状況にあった購入可能額がわかりやすくなります。
2-3.頭金の計算は諸費用や貯蓄用のお金も念頭に
注意が必要なのが、今現在の貯蓄額をそのまま頭金に使えるわけではないことです。
頭金の計算をする際は、住宅購入にかかる諸費用や貯蓄用のお金も念頭に入れなければなりません。
頭金が多いほうが住宅ローンの返済額が減るからといっても、すべての貯蓄を頭金にしてしまうと困ることになります。
住宅購入にかかる諸費用
住宅購入時には以下のような諸費用が発生します。
諸費用一例
- 土地売買・新築工事請負契約の印紙税
- 土地・建物の登記費用
- 住宅ローンの諸費用・手数料
- 不動産取得税
- (不動産業者を通した場合)土地購入の仲介手数料
住宅ローンが融資実行される前に支払う必要があるため、事前に考慮に入れておきましょう。
貯蓄用のお金
子どもの教育費や親の介護費用以外にも、病気やけがなど万が一の場合に備えて、生活予備費用を残しておきます。
生活予備費用の目安
- 派遣社員や自営業者の方:6ヶ月〜1年分
- 正社員の方:3〜6ヶ月分
上記にならうと、正社員で働いている毎月の必要な生活費が20万円の家庭の場合、60万~120万円ほど残すのがおすすめです。
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3.【年収別】住宅ローンの借入可能額と建築費用の目安
それでは、住宅ローンの借入可能額と、建てられる家の目安を年収別でチェックしていきましょう。
なお、借りられる金額と無理なく返済できる金額は違います。
住宅ローンの借入可能額だけで判断せずに、実際の状況に合わせて住宅ローンの借入額を判断してください。
3-1.年収300万円で家を建てるケース
年間の返済額(25%) | 約75万円 |
---|---|
ローンの返済期間 | 30年 |
ローンの借入金額 | 約2,250万円 |
頭金の金額 | 建築予算の総額 |
---|---|
0円 | 約2,250万円 |
300万円 | 約2,550万円 |
500万円 | 約2,750万円 |
800万円 | 約3,050万円 |
上記の場合、借入金額は約2,250万円になります。
借入金額にプラスして300万円の頭金が用意できた場合は、2,250万円+300万円=2,550万円を使って家を建てられるということです。
なお、ローコスト住宅であれば、2,250万円前後の住宅購入資金でも十分に注文住宅を新築することができます。
世帯年収300万円の計算なら一人暮らしでも手が届きそうですし、二人暮らしなら共働きをしてワンランク上の住宅の購入も考えられます。
3-2.年収400万円で家を建てるケース
年間の返済額(25%) | 約100万円 |
---|---|
ローンの返済期間 | 30年 |
ローンの借入金額 | 約3,000万円 |
頭金の金額 | 建築予算の総額 |
---|---|
0円 | 約3,000万円 |
300万円 | 約3,300万円 |
500万円 | 約3,500万円 |
800万円 | 約3,800万円 |
上記の場合、借入金額を計算すると約3,000万円です。
3,000万円あると、土地がすでにある場合にはデザインにこだわった家を建てることもできます。
土地取得費の全国平均が約1,500万円のため、頭金や土地がない場合でも土地取得費以外の1,500万円ほどを住宅の建設費にかけられ、土地がない場合でもローコスト住宅であれば購入可能です。(参考:住宅金融支援機構「 2022年度 フラット35利用者調査」)
頭金が用意できれば、さらに余裕ができるでしょう。
3-3.年収500万~700万円で家を建てるケース
年間の返済額(25%) | 約125万円 |
---|---|
ローンの返済期間 | 30年 |
ローンの借入金額 | 約3,750万円 |
頭金の金額 | 建築予算の総額 |
---|---|
0円 | 約3,750万円 |
300万円 | 約4,050万円 |
500万円 | 約4,250万円 |
800万円 | 約4,550万円 |
上記のケースで借入金額を計算すると、年収500万円では約3,750万円、年収600万円で約4,500万円、年収700万円では約5,250万円と算出できます。
年収500万円の方も、頭金が300万円ほどあれば4,000万円以上の予算を使用可能です。
4,000万円ほどの購入予算があれば、グレードの高い注文住宅であってもある程度希望を叶えられるでしょう。
高いグレードの素材や設備なども選べ、家に中庭を作ることも可能です。
3-4.年収800万円以上で家を建てるケース
年間の返済額(25%) | 約200万円 |
---|---|
ローンの返済期間 | 30年 |
ローンの借入金額 | 約6,000万円 |
頭金の金額 | 建築予算の総額 |
---|---|
0円 | 約6,000万円 |
300万円 | 約6,300万円 |
500万円 | 約6,500万円 |
800万円 | 約6,800万円 |
年収800万円で家を建てるケースでは、借入金額を計算すると約6,000万円です。
5,000万円以上の住宅は一般的にハイクラス住宅といわれており、どのような家を建てたいのか、ニーズに合わせたオーダーメイドの家づくりができます。
もちろん、そこまでローンの借入をすることなく、家を建てるという選択肢もあります。
例えば、オリジナルキッチンの造作をしたり、海外ブランドの製品を使った住宅を建てたりなど、住宅を建てる方の好みにあった家が建てられるでしょう。
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4.年収・手取りが少なくても家を建てるポイント
年収や手取りが少なくても家を建てるためのポイントもチェックしていきましょう。
年収・手取りが少なくても家を建てるポイント
- シンプルな建物にして費用を削減する
- 土地代を抑える工夫をする
- 共働きをして世帯年収を増やす
- 親からの借入や援助で足りない金額を補填する
- 住宅ローン控除(減税)制度を利用する
ポイントを押さえながら安く家を建てられれば、予算内で理想の住宅をかなえやすくなるでしょう。
以下より1つずつ解説します。
4-1.シンプルな建物にして費用を削減する
デザインにこだわらないシンプルな建物は建築費用を抑えられるため、年収が多くない方でも手が届きやすくなるでしょう。
また、以下の工夫をすることで、建築費用を削減することができます。
建築費用を削減するコツ
- 廊下を少なくする
- 部屋の数を減らす
- リビングに階段を作る
- 水回りをまとめておく
- キューブ型などシンプルな形状にする
シンプルな内装・外観はセンス良くまとめることでおしゃれな住宅にも仕上げられます。
4-2.土地代を抑える工夫をする
土地代を抑える工夫として一番簡単なのが、最寄駅から少し離れた位置にある土地を探すことです。
移動手段などの関係から、住みたいエリアを譲れない場合は、三角地や旗竿地などの変形地であれば、比較的安めに購入できます。
また、祖父母・両親に使っていない土地がある場合は、敷地の一角を譲ってもらうのもおすすめです。
なお、その場合は生前贈与の対象になるため、税金などの対応も必要となります。
4-3.共働きをして世帯年収を増やす
パートナーがいる方は、自分だけの年収で足りないようであれば、共働きをして世帯年収を増やしてローンの借り入れを行うという方法も取れます。
住宅ローンには収入合算契約やペアローンという共働き世帯にぴったりの種類もあるため、活用すると良いでしょう。
4-4.親からの借入や援助で足りない金額を補填する
年収や手取りが少なくても、貯金があれば頭金を増やして家を建てることができますが、貯金もない場合には親からの借入や援助をお願いして、足りない金額を補填することを検討してみましょう。
親から借入する場合には金利や返済期間などを自由に決められるため、親と相談して決定してください。
4-5.住宅ローン控除(減税)制度を利用する
「住宅ローン減税(住宅ローン控除)」とは、住宅ローンを組んで家を買ったら年末の住宅ローン残高の0.7%の税金が13年間にわたって還元されるという税金の優遇措置です。
2024年1月以降に建築確認を受けた新築住宅の場合、省エネ基準を満たす住宅が対象となるため、長期優良住宅やZEHを積極的に検討してみましょう。
なお、2024年度からは借入限度額が引き下げられる予定でしたが、以下の世帯に関しては限度額が据え置きになりました。
- 子育て世帯(18歳以下の子どもがいる)
- 若者夫婦世帯(夫婦のいずれかが39歳以下)
上記世帯は認定住宅で5,000万円、ZEH水準省エネ住宅で4,500万円、省エネ基準適合住宅で4,000万円が控除の限度額です。
なお、新築住宅の床面積要件を40平米以上に緩和する措置(合計所得金額1,000万円以下の年分)の建築確認の期限は2023(令和5)年12月31日から2024(令和6)年12月31日に延長されています。(参考:国土交通省「住宅ローン減税」)
5.【月々のローン返済額】家を建てるお金を無理なく支払うためのポイント
家を建てた後、月々のローン返済額を無理なく支払うためのポイントもチェックしていきましょう。
5-1.住宅ローンの額は現在の家賃も目安にする
住宅ローンの借入可能額は、実際に自分が返せる額とは異なります。
実際に自分が返せる住宅ローンの額を算出したいときは、現在住んでいる住宅にかかっている家賃を目安にするとわかりやすくておすすめです。
今の家賃支払いが無理なくできているかどうか、確認してみましょう。
また、現在家を建てるための費用として貯蓄にまわしているお金がある場合には、その金額も含めて毎月の返済可能額を算出できます。
5-2.支出の多い時期でも支払えるかを考慮する
住宅ローンの返済には、とても長い期間がかかります。
その期間中、ずっと今と同様の支出であるわけではありません。家族一人ひとりの生活にあわせて支出が増える時期があるため、ギリギリの返済計画では破綻してしまいかねません。
支出が増える時期にも無理なく支払いができるように、子どもの教育費や進学費用、親の介護費用などの貯蓄を行うなど、ライフプランにあわせた資金計画を立てましょう。
5-3.定年後も返済が残るかどうかチェックする
35年ローンなどの長い返済期間がある場合、定年後も返済が残ってしまうケースがあります。
定年後は収入が減ってしまうため、できれば返済を定年までに終われるような計画が望ましいです。
頭金を用意しておくなどの工夫ができれば、返済額に余裕が出てローンの年数を減らすことも可能です。
5-4.繰り上げ返済も検討する
ボーナスが出る場合、返済に余裕がある場合には、前倒しで返済していく繰り上げ返済も検討するとよいでしょう。
余裕がある時期に繰り上げ返済をおこなうと、定年後や支出が多い時期にもゆとりをもって返済ができます。
繰り上げ返済によって将来の返済額を減らしておけば、もしも見通し通りにならずに収入が少なくなってしまった場合にも、対応しやすくなるでしょう。
このように、家を建てる際には「収入」に関するさまざまなことが気になるでしょう。
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まとめ
本記事では家を建てる際に気になる年収に関する情報を解説しました。
注文住宅を建てた全国の家庭の世帯年収でとくに多いのは、400万〜600万未満の世帯でした。
高年収の方はもちろん高級路線の家づくりもニーズに合わせてできますが、年収が高くなくてもシンプルな建物にして費用を削減するなどの工夫によって家を建てることが可能です。
年収・手取りが少なくても家を建てるポイントや、家を建てるお金を無理なく支払うためのポイントなどを参考にして、快適な住まいを手に入れましょう。
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この記事の編集者
「家づくりのとびら」無料サポートサービス
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