タマホームやアイダ設計で500万円の家は建てられる?間取り例やコストを抑えるコツ

500万円の家を建てることは可能です。ただし建築費が500万円程度でも、地盤改良費や外構工事費、ガスや水道の引き込み工事費などの付帯工事費がかかるため、実際に支払う金額は500万円を超えてしまいます。また、土地なしの場合は土地代もかかるため、さらにハードルが上がるでしょう。

この記事では、500万円の家について以下の内容を解説します。

この記事でわかること

  • 500万円の家の間取り
  • 500万円の家を実現するハウスメーカー
  • 格安住宅を建てるポイント

ぜひ最後までご覧いただき、予算を抑えてマイホームを実現してくださいね。

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注文住宅の予算の決め方について知りたい方はこちらの記事もご覧ください。

この記事の監修者
柴田 充輝

FP1級技能士・社会保険労務士・行政書士・宅建士。
厚生労働省や保険業界・不動産業界での勤務を通じ、社会保険や保険、不動産投資の実務を担当。多くの家庭の家計見直しや資産運用に関するアドバイスを行っている。金融メディアを中心に1,000記事以上を執筆。

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1.新築500万円の家は可能?

新築500万円の家は可能? イメージ

新築500万円の家は不可能ではありません。理想通りの家を完成させるのは難しいと考えられますが、資材や設備のグレードを抑え、広さを求めないのであれば、500万円の予算で居住空間を確保できる可能性はあります。

かつてタマホームやアイダ設計では、建築費500万円の家が実在しました。いずれもすでに販売を終了しているため、新たに購入できませんが、工夫をすれば500万円での住宅建設が不可能ではないことを示しているといえます。

1-1.土地ありなら新築一戸建て500万円の家は可能?

マイホームを建てるときには、建築費とは別に土地代がかかることを忘れてはいけません。仮に建築費を500万円で抑えられても、土地代を含めるとなると、500万円をオーバーしてしまいます。

すでに土地を持っている場合でも、土地関連の費用がかからないわけではありません。土地代そのものは浮いても、次のような費用がかかることがあります。

  • 古家が建っている場合は解体費用がかかる
  • 整地ができていない場合は整地費用がかかる
  • 地盤に問題があるときは地盤改良工事費用がかかる
  • 隣地との境界があいまいなときは測量費用がかかる

すでに完璧に整地できている土地であっても、住宅を建てるときには土地の状態を調べる費用がかかることもあります。予算を立てるときには、不動産会社にも相談し、土地関連の費用がどの程度かかるのかも確認しておきましょう。

1-2.500万円の家を建てられるハウスメーカーとは?

セレンディクスは、3Dプリンターを使った住宅事業を日本で初めて実現化した企業です。セレンディクスの「Fujitsubo」は延床面積49平米の平屋1LDKで、水回り完備の鉄筋コンクリート造の住宅です。建築時間はわずか24時間、500万円で購入できる家として注目されています。

Fujitsuboはカスタマイズにも対応しています。広さや外観に制約があるため、自由度は高いとはいえませんが、費用を抑えて住宅を購入したい方は検討できるかもしれません。

1-3.本体価格500万円の家は500万円で建てられない

かつてタマホームアイダ設計が販売したように、今後も本体価格500万円程度で購入できる格安住宅が販売されるかもしれません。しかし、住宅本体価格500万円の家は実質的には500万円では建てられない点に注意が必要です。

本体価格には、付帯工事費や諸費用は含まれていないためです。また、メーカーが用意しているオプションサービスを選択する場合は、さらに高額になるかもしれません。

なお、付帯工事費とは敷地にかかる費用のことで、次のような費用が含まれます。

  • 屋外設備工事費
  • ガス設備工事費
  • 地盤改良工事費
  • 浄化槽設置工事費

また、諸費用とは、契約や土地購入、住宅ローンにかかる費用のことです。例えば次のような費用が含まれます。

  • 契約書に貼付する印紙代
  • 不動産取得税額
  • 地盤調査費用
  • 建築確認申請費用
  • 建築設計費用
  • 登記手続きを司法書士に依頼したときの専門家報酬
  • 住宅ローン手数料、住宅ローン保証料
  • 火災保険料、地震保険料、団体信用生命保険料

土地代を除いた家づくりにかかる費用を10とすると、「建物本体に7、付帯工事に2、諸費用に1」の割合でかかるとされています。

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柴田 充輝

重要なポイントは、「建物本体価格500万円」と「総費用500万円」は全く異なることです。実際の建築費用は本体価格の約1.4~1.5倍(付帯工事費2割、諸費用1割追加)になるため、本体500万円なら総額700万円以上を見込む必要があります。

土地をお持ちの方は土地の購入費用が発生しないとはいえ、解体費や地盤改良費を織り込む必要があります。また、低価格住宅を購入する際には、面積や設計の制約があることに加えて、維持費や将来の資産価値も考慮しなければなりません。

また、ローンを組む場合、融資を受けられない可能性がある点にも注意が必要です。建物評価額(担保評価額)が低い物件だと、金融機関からすると貸し倒れリスクに備えられないためです(土地をお持ちの方は、土地も担保に含めることが可能)。

2.【平屋】500万円の家の間取り

【平屋】500万円の家の間取り

注文住宅なら、広くハイグレードの設備を搭載した豪邸から、最低限の設備のみ採用した小ぢんまりと家まで自由に建てられます。平屋で500万円程度に抑える間取りとはどのようなものか、具体的に見ていきましょう。

2-1.部屋数は少なめ。1LDK~3LDK

部屋数が多いと壁が増えるため、資材の費用がかさんでしまいます。建築費を500万円程度に抑えるなら、壁を可能な限り減らすためにも部屋数を少なくすることが必要です。

そのため、個室は1つのみ、多くても3つまでが妥当と考えられます。4LDKとなると延床面積が広くなりすぎ、床材や外壁材の使用量が増えて500万円以下に抑えるのは難しいでしょう。

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2-2.設備は必要最低限かつローグレード

建物そのものだけでなく、システムキッチンやユニットバス、トイレなどの設備も必要です。設備が増えると建物費用も増えるため、500万円程度に抑えるなら最低限の設備のみ導入してください。

また、設備が少なくても、一つひとつのグレードが高いなら費用はかさんでしまいます。安く抑えるためにも、ローグレードの設備を選ぶことが大切です。

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2-3.土地代と付帯工事費は別途必要

シンプルな間取りであっても、家づくりにかかる費用すべてを500万円程度に抑えることは難しいと考えられます。500万円はあくまでも本体にかかる費用とし、地盤改良や外構にかかる付帯工事費や土地代は別途準備しておきましょう。

地価の低いエリアなら、土地代を抑えることは可能です。しかし、整地された状態で販売されているとは限らないため注意が必要です。傾斜地や地盤に問題がある土地、敷地内や周辺に崖がある土地などは、土地代以上に整地や地盤改良の費用がかさむかもしれません。

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柴田 充輝

実際に戸建てを建てるときは、現実的な視点が必要です。500万円の平屋建築は理論上可能でも、建築基準法上の最低基準(採光・換気・構造等)を満たしながら実現するには、相当な制約があります。

間取りを簡素化しすぎたり、ローグレードの設備を選んだりすると、快適に暮らせない可能性も考えられます。特に、ローグレード設備は初期費用を抑えられる一方で故障頻度が高い可能性があり、長期的にはコスト増となるリスクも無視できません。

超低価格での戸建てを選択肢の一つとして検討しつつ、中古物件のリノベーションや建売住宅も視野に入れた総合的に検討するとよいでしょう。

検討するエリア、条件だと、実際の予算はどのくらいになるだろうか、と考える方もいるかもしれません。

そんなときは、複数のハウスメーカー、工務店とプランを比較するなどして、相場感をまずは見てみることをオススメします。ご心配ごとをハウスメーカー出身のアドバイザーに相談してみることもできますよ。

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3.【2階建て】500万円の家の間取り

【2階建て】500万円の家の間取り

500万円の予算で、2階建ての家を建てることも可能です。平屋と比べると土地が狭くても良いため、土地代を抑えられる点もメリットです。

2階建ての500万円の家の間取りとはどのようなものか、具体的に見ていきましょう。

3-1.部屋数は少なめ。1LDK~3LDK

2階建てでも平屋と同じく、壁が多いと壁材費用がかさむため、予算が厳しくなります。部屋数は可能な限り減らすほうが良いでしょう。

500万円の家は床や外壁、屋根にかける費用も抑える必要があるため、どうしても延床面積は狭くなってしまいます。限られた面積の中で部屋数を増やすと、1部屋あたりの面積が狭くなるだけでなく、LDKや玄関、浴室などの共有空間も狭くなります。部屋の数と広さのどちらに重きを置くのか、生活スタイルに合わせて間取りプランを検討することが大切です。

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3-2.設備は別途料金。水回りは1階にまとめる

2階建ての住宅を建てる場合、小さな家であっても家屋本体の費用だけで500万円を超えてしまう可能性があります。設備にかかる費用(設備代、設置工事費用)は別途で準備しましょう。

また、水回りの設備を2階に設置したり離れた場所に配置したりすると、配管にかかる費用(管代、敷設工事費用)がかさみます。費用を抑えるためにも、水回りは1階に設置し、1か所にまとめるように配置しましょう。

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3-3.建物面積は10坪、床面積は15坪程度の小さな家

建物面積が広くなると、土台部分の基礎工事費用がかさみます。建物本体を500万円に抑えるには、建物面積は10坪(約33平米)程度に抑えましょう。

床面積(延床面積)にも注意が必要です。床面積が広くなると床材や壁材、天井材、屋根材が増えるだけでなく、工期が延びて人件費がかさみます。500万円に抑えるには、現実的に床面積は15~20坪(約50~66平米)程度に抑えなければなりません。

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柴田 充輝

2階建ては平屋と比べて、階段設置費や2階床構造の強化などの費用が発生します。建築にあたって足場設置費も増加するため、現実的には建物本体だけで800万~1000万円程度の予算が必要になる可能性が高いでしょう。

特に、ここ数年は建築資材や人件費の高騰が、不動産価格の上昇を招いています。これらの状況を踏まえると、500万円で2階建ての戸建てを建設するのは非常に困難です。

4.500万円は無理でも予算を抑えたい!格安住宅のコツ

500万円は無理でも予算を抑えたい!格安住宅のコツ イメージ

実際のところ、500万円で家を建てるのは不可能ではないものの、簡単ではありません。小さな平屋としても本体価格のみとなるため、付帯工事費や諸費用、土地代は別途用意することが必要です。2階建て以上の多層階住宅にするなら、設備にかかる費用を500万円内に収めることは難しいでしょう。

500万円は無理でも、極力予算を抑えたいという方には、次のポイントに注目した家づくりをおすすめします。

  • 床や壁、設備はすべてローグレードを選ぶ
  • 間取りはシンプル、外観は凹凸なし
  • 規格住宅を選ぶ

それぞれのポイントについて見ていきましょう。

4-1.床や壁、設備はすべてローグレードを選ぶ

床材や壁材などの資材は、グレードによって価格が大きく変わります。また、小さな家であっても多くの資材を使うため、単価が少し安くなるだけでも全体の価格を大幅に削減できます。

設備も同様です。例えばトイレやシステムキッチン、ユニットバスなどの水回り設備は、グレードによって数十万円以上差があります。少しでも費用を抑えたいなら、資材だけでなく設備もローグレードを選びましょう。

なお、資材も設備も、必ずしも「グレードが低い=品質が低い」というわけではありません。グレードが低くても高品質の資材・設備は多いため、しっかりと吟味して納得できるものを選びましょう。

ただし、グレードが低いと機能性やデザイン性が低くなるのは事実です。例えばトイレなら、ローグレードモデルには自動洗浄機能や脱臭機能などがついていないかもしれません。また、見た目がおしゃれではないと感じる可能性もあります。

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4-2.間取りはシンプル、外観は凹凸なし

複雑な間取りになればなるほど、壁材やクロス、扉などが必要になり、費用がかさんでしまいます。予算を抑えるためにも、間取りは可能な限りシンプルにしてください。

また、窓の数や大きさによっても、かかる費用はかかります。採光や換気のためにも窓は不可欠なパーツですが、窓の数や面積が増えると費用がかさんで、予算オーバーしてしまうかもしれません。

外観もシンプルなほうが外壁材の使用量を抑えられるため、予算削減につながります。凹凸がほとんどない直方体に近いシンプルな形なら、外壁や屋根の資材を減らせるだけでなく、工事の工程も減り、人件費も削減できます。

いちから家づくりを考えていくのは、初めての家づくりをする方にとってハードルが高く、簡単ではありません。経験豊富なプロと会話しながら、間取りや仕様、予算を決めるのが一般的です。

そこで、無料で活用できるHOME4U 家づくりのとびら プラン作成依頼サービスの活用をして、希望する設計や費用・間取りを相談してみることをおすすめします。

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4-3.規格住宅やローコストハウスメーカーを選ぶ

規格住宅とは、ハウスメーカーや工務店が決めた一定の規格に沿った住宅のことです。いくつかの選択肢を選ぶだけでオリジナルの住宅を作れるため、手間をかけずにマイホームを建てたい方にも適しています。

規格住宅では資材を一律の規格でまとめて加工しているため、自由度は低いものの、建築費用を抑えた家づくりが可能です。ただし、規格住宅であってもオプション仕様を多く選択すると費用がかさみ、注文住宅と同程度の価格になってしまうこともあるため注意しましょう。

こだわりを実現するなら、注文住宅がおすすめです。注文住宅でも、資材の一括加工や宣伝費カットなどのさまざまな工夫で費用を抑えたローコスト住宅のハウスメーカーなら、費用を抑えて理想の家づくりを実現できます。

ローコストハウスメーカーは、坪単価55万円以下程度が目安になります。延床面積10坪程度の住宅なら、500万円程度の注文住宅も可能でしょう。

柴田 充輝

コスト削減を意識しつつも、構造部分(基礎・柱・断熱材)での過度な節約は避けましょう。構造部分は住宅の基本性能に直結しますが、後から変更が困難です。また、極度にシンプルな間取りは、将来的な生活変化への対応が困難になる可能性があります。

規格住宅やローコストハウスメーカーを検討する際は、アフターサービスの内容や保証期間、施工実績などを必ず確認しましょう。初期費用の安さだけでなく、長期的な住み心地や資産価値の維持も含めて、総合的に判断することが重要です。

まとめ

500万円の家は夢物語ではありません。土地代や付帯工事費、諸費用は別途必要ですが、住宅本体だけであれば500万円程度に抑えられることがあります。ただし、延床面積や建物面積がそれぞれ15坪、10坪程度に制限を受けるため、広い住宅を希望している方は予算を増やすことが必要です。

また、小さな家であっても、設備や資材にこだわると予算オーバーになってしまいます。必要最小限の設備・資材に抑えるのはもちろんのこと、ローグレードのものを選ぶことも重要なポイントです。

建築費用を抑えたい方は、規格住宅やローコストハウスメーカーの注文住宅を検討してみてはいかがでしょうか。いずれも資材加工や宣伝費などを工夫することでコストを抑えているため、少ない予算でも家づくりが可能です。住宅に対するこだわりを形にしたい方には、ローコストハウスメーカーの注文住宅がおすすめです。坪単価は55万円ほどかかりますが、希望の住宅を実現できるでしょう。

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この記事の編集者

「家づくりのとびら」編集部

NTTデータグループ会社が運営する注文住宅相談サービス「家づくりのとびら」編集部です。難しい住まいづくりの情報を、わかりやすく正確にお伝えします。記事は不動産鑑定士や宅地建物取引士などの不動産専門家による執筆、監修記事がメイン。初めての住まいづくりをサポートします!

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