注文住宅の値引き交渉はリスクあり。5つの注意点と予算を抑える方法を解説

注文住宅には大きなお金が必要なため、「できるなら値引き交渉がしたい‥」と考える人は多いです。

率直に言うと、注文住宅の値引き交渉をすることは可能です。
ただし、強引すぎる値引き交渉にはリスクがあるということを理解し、注意点を踏まえて行動を起こす必要があります。

この記事では、注文住宅の値引き交渉を検討している方に向けて、以下の内容を解説します。

この記事を読んでわかること!

  • 注文住宅の値引き交渉を慎重に進めるべき理由
  • 注文住宅の値引き交渉をする際に注意すべきポイント
  • 値引き以外で家づくりの予算を抑える方法

注文住宅の値引き交渉で失敗しないために、注文住宅のプロが、リアルな値引き交渉のコツをご紹介します。

解説するプロ・専門家のご紹介

ハウスメーカーに16年勤務し、表彰も受けたことのある元トップ営業。
豊富な注文住宅の提案経験や、自身の二世帯住宅の家づくりの経験を活かし、「家づくりのとびら」のチーフアドバイザーとして活躍中。

この記事を参考にして、品質面と金額面のどちらにも納得できるマイホームを手に入れてくださいね。

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1.注文住宅の値引き交渉を慎重に進めるべき理由とは?

注文住宅の値引き交渉が難しい理由は2つのイメージ

冒頭でも申し上げたとおり、注文住宅の値引き交渉は可能ですが、慎重に進める必要があります。
主な理由は以下の2つです。

  • 注文住宅には「売れ残り」がなく、値引きが難しいから
  • 注文住宅の無理な値引き交渉にはデメリットがあるから

詳しく見ていきましょう。

1-1.注文住宅には「売れ残り」がなく、値引きが難しいから

「注文住宅」は注文を受けてから作るものなので、売れ残るという概念がありません
発注者と契約を結んで着工するまでは建築費が発生しないので、ハウスメーカー側が建築費の回収を焦らなくてもよい仕組みとなっているのです。

もちろん、まったく受注がなければハウスメーカーも困りますが、「売れ残りを焦って値引き販売する」といった状況になることはなく、こちらから上手に言い出さない限り、値引きされることはありません。

家づくりのとびらコラム

注文住宅は建売住宅より値引き交渉がしづらい

同じ戸建て住宅でも、「建売住宅(新築分譲住宅)」は、注文住宅より値引き交渉がしやすいかもしれません。
建売住宅とは、すでに完成していたり、建てる予定が決まっていたりする戸建て住宅のことを指します。

建売住宅の事業者は、土地を仕入れて建物を設計し、建築して販売するまでのスケジュールを決めているので、いつまでも売れ残っていると困ってしまいます。
そのため、建売住宅は販売に時間がかかると値引き価格を提示して、なんとか売り切ろうとするのです。

ただし、大きな値引き交渉は、注文住宅同様、難しいことが多いです。
なぜなら、建売住宅は全体の規格が決まっているからです。
2-3.値引きはケースバイケースであることを意識する」でも解説しますが、値引き交渉に頼りすぎないように注意しましょう。

1-2.注文住宅の無理な値引き交渉にはデメリットがあるから

注文住宅は「契約してから作る」からこそ、無理な値引き交渉には以下のようなリスク・デメリットがあります。

無理な値引き交渉によるリスク・デメリット

  • ハウスメーカーの担当者と関係が悪化するリスクがある
  • ハウスメーカー側から契約を断られるリスクがある
  • 作業工程に手抜きが生じるリスクがある

    ハウスメーカーの担当者との関係が悪化すると、円滑な家づくりを阻害する要因になりえます。
    また、無理な値引き要求をすれば「クレーマー」とみなされ、ハウスメーカー側から断られる場合があります。一度クレーマーとみなされると、元の金額であっても契約を断られる可能性は高いです。
    そのハウスメーカーを気に入っている場合は、選択肢を失うことになるので注意してください。

    次章では値引き交渉をする際に注意したいポイントについて解説していきますが、まだハウスメーカーが見つかっていないという方は、ぜひHOME4U 家づくりのとびら プラン作成依頼サービスをご利用ください。

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    2.注文住宅の値引き交渉で失敗しないための5つのコツ

    注文住宅の値引き交渉をする場合の注意すべき5つのポイントのイメージ

    値引き交渉をする際に、注意したいポイントは次の5つです。

    1. 複数のハウスメーカーで概算見積もりを取る
    2. 値引き交渉のタイミングは建築プランの具体的な提案のあと
    3. 値引きはケースバイケースであることを意識する
    4. 営業担当者を味方につけて値引きを相談する
    5. 値引き交渉の結果だけでハウスメーカーを決めない

    それぞれ詳しく見ていきましょう。

    2-1.複数のハウスメーカーで概算見積もりを取る

    概算見積り依頼は1社に絞らずに、2~3社くらいのハウスメーカーに依頼するのがおすすめです。
    どんな家にしたいのか自分の要望を詳しく伝えて、なるべく具体的な建築プランと詳細な見積書を作ってもらいましょう。

    ここがポイント!
    プロ・専門家の視点

    このとき、相見積もりを依頼していることを各ハウスメーカーに伝えておくと、ハウスメーカーは他社と比較されることを踏まえたよりよい建築プランと見積書を出してくれます。また、値引きもしてもらいやすくなるかもしれません。

    見積もりを「総費用」で比較するときは、「諸費用をどこまで含んでいるか」という点に注意してみてください。
    諸費用はハウスメーカーが受け取る費用ではないため、メーカーによっては総額に含めていない場合があります。
    見積もりの見方や比較方法については、以下の記事も参考にしてください。

    なお、手当たり次第にたくさんのハウスメーカーから見積もりを取ることは、おすすめしません。
    資金計画や予算を知りたいということであれば、まずはネット上の予算シミュレーションツールを使ってみるのもよいでしょう。

    2-2.値引き交渉のタイミングは建築プランの具体的な提案のあと

    値引き交渉をするなら、ハウスメーカーと契約をする直前がベストです。
    どんな家を建てるか具体的に決め、気になる部分の仕様についても確認してから値引き交渉をすることが大切です。

    ここがポイント!
    プロ・専門家の視点

    概算見積もりの段階では、追加費用が出てくる可能性があるため、値引き交渉には役立ちません。また、建築プランの詳細が決まっていない段階で値引き交渉した場合、値引きと同時に建物のグレードも下げられてしまう可能性が高いです。あるいは、値引き後の金額に、さまざまな理由をつけて費用を上乗せされることもあります。

    具体的な建築プランを出すために複数回打ち合わせを重ねた段階であれば、ハウスメーカーの担当者とも信頼関係がある程度出来上がっているはずなので、値引きについても相談しやすくなります。

    2-3.値引きはケースバイケースであることを意識する

    注文住宅の値引きは、値引きの幅も方法も、ケースバイケースです。

    そもそも、値引きの幅はもともとの建築プランの内容によって差が出るものです。
    一般的に、床面積の大きな家や、オプション設備をたくさん盛り込んだ豪華な家では、値引き率が大きくなりやすいです。

    また、値引き方法についても、以下のようにさまざまです。

    • 金額で指定する
    • 「請負工事金額の●%」とする
    • オプション設備のサービスをつけることで実質的に値引きをする など

    ここがポイント!
    プロ・専門家の視点

    値引きの幅や方法は、ハウスメーカーによっても異なります。大幅な値下げをしてくれるハウスメーカーの場合、初めから値引き交渉を想定して価格が上乗せされていた可能性もあるので、かえって信頼に欠けるという考え方もあります。

    また、ハウスメーカーの中には、「初めから良心的な見積もりを提示し、値引きはしない」という方針の企業もあります。

    低コストを売りにしているローコストハウスメーカーであれば限界までコストカットした内容なので、大きな値引きが難しいのが普通です。

    2-4. 営業担当者を味方につけて値引きを相談する

    ハウスメーカーの営業担当者が「なんとか値引きしてあげたい!」と思ってくれるような相談の仕方をすれば、値引き交渉がしやすくなります。
    例えば、以下のような言い回しがよいかもしれません。

    • 「家の品質や担当者は御社がベストだけれど、金額だけがネックで契約に進めない」
    • 「家の構造やデザインは気に入っているけれど、予算オーバーなので妥協して他社にしようか迷っている」
    • 「私は御社を気に入っているけれど、妻や両親を説得できない」

    上記のように、検討状況やネックになっている理由について正直に伝えたうえで、「これがクリアできれば御社で契約します」と約束をすることがとても大事です。

    ここがポイント!
    プロ・専門家の視点

    値引き交渉をする際には、今の状況を真摯に伝えたり、ハウスメーカーの気に入っているところを伝えたりすると、説得力があります。営業担当者に高圧的な態度で値引き交渉をするのはおすすめできません。

    担当者との信頼関係があれば、「本当にこれ以上の値引きは無理だ」という場合にも、予算内で希望の家をつくるために知恵を絞ってもらえるはずです。

    ただし、約束をした以上、ハウスメーカー側が提示された条件をクリアした際には、約束通り契約をすることも重要なので、軽はずみな約束は厳禁です。約束を軽視すると、その後の家づくりのコミュニケーションで弊害となりえます。

    2-5.値引き交渉の結果だけでハウスメーカーを決めない

    値引きの結果だけでハウスメーカーを選んでしまうと、住み心地に影響が出ることもあり、家を建ててから後悔しやすくなります。

    ここがポイント!
    プロ・専門家の視点

    ハウスメーカーを選ぶ際には、「営業担当者との相性」もとても重要なポイントです。値引き重視で気の合わない営業担当者を選んでしまったら、理想の家のイメージがうまく伝わらなくてイマイチ納得できない仕上がりになってしまうかもしれません。

    値引きの結果だけで各メーカーを判断するのではなく、品質や設計力、コスト、担当者との信頼関係などを総合的に評価することが大事です。

    これらの失敗を最大限避けるには、実際のプランを見比べて、建築費の相場や見積もりを見ることに慣れておくことが大事。
    おすすめは、HOME4U 家づくりのとびら プラン作成依頼サービスで、簡単にハウスメーカーからのプランを手に入れることです。

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    3.注文住宅の「値引き交渉」以外で予算を抑える5つの方法

    値引き交渉をしなくても、プランの内容次第で予算を抑えることができるのは、注文住宅の大きな特徴です。
    値引き交渉以外の予算を抑える具体的な方法には、以下のようなものがあります。

    それでは1つずつ解説します。

    3-1.セミオーダーを検討する

    予算を抑えたいときには、セミオーダーでも理想の家が実現できるかどうか検討してみましょう。

    ハウスメーカーによっては、1から間取りを描いてもらう「完全自由設計」のほかに、「セミオーダー」というやや低価格帯の商品ラインナップが用意されている場合があります。
    セミオーダー住宅とは、いくつかの間取りパターンの中からベースとなるプランを選んで家づくりをするものです。
    設備や内装が幅広いラインナップから選べたり、壁の位置を変更できたりとある程度の自由度は確保されているのが特徴です。

    ただしセミオーダーでは、以下のような一定の制約があるのが一般的です。

    • 外壁などは用意されたパターンの中から選ぶ必要がある
    • 露天風呂やビルトインガレージなど特殊なこだわりがかなえられない
    • 狭小地に対応できない など

    3-2.オプションを見直す

    オプションで付け足したこだわりのポイントが、予算を圧迫していないか確認してみましょう。
    見積書や仕様書を細かくチェックして、不要なオプションや設備がないか1つ1つ見直していきます
    見直すときのポイントを3つ挙げておきます。

    (1)本当に必要なのかもう一度考える

    ライフスタイルを冷静に考えて、本当に必要な設備なのか、もう一度考えてみましょう。
    いくら人気の設備でも、「この設備を付けてよかった」と思うかどうかは、人によって違います。
    例えば、食器洗い乾燥機は対応していない食器もあるため、食器にこだわりのある人には向いていないかもしれません。

    (2)メリハリをつけて投資する

    来客時に目に入るリビングの内装にお金をかけて、家族しか利用しない部屋はシンプルにするなど、メリハリをつけて投資するのがおすすめです。
    来客がほとんどないなら、内装は凝らずに快適性を優先した家づくりをすると満足度が上がります。

    (3)長期的な支出も考慮する

    初期費用だけでなく、ランニングコストや長期的なメンテナンス費用・手間も合わせて考えることが大切です。
    例えば、浴槽のサイズを大きくすると、水道代が増えたり、掃除が大変になったりとデメリットもあります。

    また、外壁の素材として一般的なサイディングは10~15年ごとの塗装が必要です。
    メンテナンス不要なタイルの外壁にするとサイディングよりも初期費用は上がりますが、長期的に見るとおトクになります。

    3-3.設計上で工夫する

    設計段階で工夫すれば、コストを抑えられることも多いです。
    例えば、以下のような点を工夫するとよいです。

    • 家の床面積を見直す
    • 建物は凹凸を減らす
    • 1・2階の床面積が同じ「総二階」を検討する
    • 浴室・洗面、トイレなどの水回りを1ヶ所にまとめる
    • 廊下を減らす
    • 外構の材料や植木の数・種類を変えてみる など

    ただし、オプションや設計を見直す際には、コストを下げることを優先しすぎて暮らしにくい家になってしまわないよう注意が必要です。
    コストダウンを検討する際には、以下の記事を参考に、削ってはいけないものにも配慮して考えてみてくださいね。

    3-4.資金計画を見直す

    そもそも家づくりは、資金計画がしっかり立てられていないと予算オーバーになりやすい傾向にあります。
    ネット上の予算シミュレーションツールを使って、事前にしっかりシミュレーションをしておくとよいです。

    また、以下の記事では予算の決め方を3ステップに分けて解説しているので、ぜひご覧ください。

    3-5.値引きしなくても満足できそうなハウスメーカーを選ぶ

    家の価格とプラン内容が釣り合っている「適正価格」を提示してくれるハウスメーカーであれば、値引き交渉をしなくても高い満足度が得られるマイホームが手に入ります。

    しかし、全国にあるハウスメーカーは数万社ともいわれており、1人で優良かつ自分のこだわりをかなえてくれるハウスメーカーを探すのはとても大変です。
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    まとめ

    注文住宅の値引き交渉について、コツや注意点をお伝えしました。
    それではおさらいです。

    注文住宅の値引き交渉はできる?

    ハウスメーカーによりますが、値引き交渉は可能です。
    値引き交渉が難しいケースについては「2-3.値引きはケースバイケースであることを意識する」をご覧ください。

    注文住宅はどれくらい値引きできる?

    注文住宅の値引きの幅は、ハウスメーカーや建築プランの内容によって差が出ます。
    また、単純に金額を差し引くのではなく、「請負工事金額の●%」としたり、オプション設備のサービスをつけたりしてくれることもあります。

    詳しくは「2. 注文住宅の値引き交渉で失敗しないための5つのコツ」をご覧ください。

    値引き交渉以外でコストを見直す方法は?

    値引き交渉以外で予算を抑えたいのであれば、以下を検討してみるとよいです。

    • セミオーダーを検討する
    • オプションを見直す
    • 設計上で工夫する など

    詳細とほかの方法は、「3.注文住宅の「値引き交渉」以外で予算を抑える5つの方法」をご覧ください。

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    この記事の編集者

    「家づくりのとびら」編集部

    NTTデータグループが運営する注文住宅相談サービス「家づくりのとびら」編集部です。難しい住まいづくりの情報を、わかりやすく正確にお伝えします。記事は不動産鑑定士や宅地建物取引士などの不動産専門家による執筆、監修記事がメイン。初めての住まいづくりをサポートします!

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