- 変更日:
- 2023.06.02

注文住宅を検討している方の中には、住宅ローンの金利相場が気になっている方もいるのではないでしょうか。
特に、2022年12月の日銀の利上げによる影響が気になる方は多いでしょう。
住宅ローンの金利タイプを決める際には、住宅ローンの金利相場や、3種類の金利タイプについて把握しておくと、どの金利タイプを選べばよいのかイメージしやすく、資金計画がスムーズに進みます。
金利タイプを選ぶポイント
- 金利タイプの種類と特徴を把握する
- 借入時の金利相場を確認する
- 実際にシミュレーションをしてみる
この記事でわかること
- 2023年の住宅ローンの金利相場
- 日銀の金利引き上げによる金利への影響
- 金利タイプ別のメリット・デメリット
- 住宅ローンシミュレーション例
ぜひ最後までご覧いただき、注文住宅の資金計画に役立ててください。
※この記事は2023年1月の情報をもとに作成しています。
目次
1.【2023年】住宅ローンの金利相場
2023年の住宅ローン金利は、多くの銀行で変動金利を前月比で据え置きとした一方、固定金利が引き上げられました。
10年固定金利が前月比約0.2~0.4%、フラット35(買取型)は0.03%、フラット35以外の全期間固定金利(35年)は前月比約0.03〜0.27%の上昇です。
2023年の住宅ローンの各金利タイプの金利幅は、以下のとおりです。
金利タイプ | 最低金利 | 最高金利 |
---|---|---|
変動金利 | 0.289% | 5.000% |
10年固定金利 | 0.6% | 4.675% |
全期間固定金利(35年固定金利) | 1.1% | 6.000% |
過去からの住宅ローン金利の推移は、下記のグラフをご参照ください。

https://www.flat35.com/loan/atoz/06.html
変動金利は1980年代と1990年代初頭に8%を超えていますが、バブル崩壊後に下落しました。その後金融緩和政策が取られてからは変動金利と固定金利のいずれも、おおむね2.0~3.0%の間で推移しています。
なお、上記の金利は基準金利であり、実際にはここから金融機関独自の優遇金利分が差し引かれます。
参考:住宅金融支援機構
1-1.日銀の金利引き上げによる住宅ローン金利への影響
日銀は、2022年12月の金融政策決定会合で、金利のゆがみを是正することを目的に長期金利の上限を0.25%から0.5%程度に拡大することを決定しました。
アメリカをはじめとした諸外国との金利に差がついたことで、国債金利に上昇圧力がかかっていたことが背景の1つに挙げられます。この決定が住宅ローン金利にどのような影響を及ぼすか、注目が集まっています。
結論からいうと、長期金利の事実上の利上げによって長期金利に連動する固定金利には上昇圧力がかかることが懸念され、実際に2023年1月は固定金利が上昇しました。
一方、変動金利は短期金利に連動するため今回の決定が影響する可能性は低く、今後も低金利水準が継続するとの見方が大半です。
1-2.今後の動向予測
昨年12月の日銀の決定により、住宅ローンのうち固定金利に影響が出ていることは、すでにお伝えしました。固定金利が上昇すると変動金利との金利差が拡大し、変動金利の利用者がさらに増えると予想されます。
今後も物価上昇が続いて日銀が短期金利の引き上げを行うことがあれば、短期プライムレートの金利が上昇し、連動して変動金利も上がるでしょう。住宅ローンを借り入れる際は、変動金利が上がった場合の返済額などもシミューションをしておくと安心です。
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家づくりのとびらコラム
先行き不透明な時代だからこそ「今」が買い時?
住宅ローンを組んで住宅を購入する場合、先行き不透明な時代だからこそ「今が買い時」と考えることもできるでしょう。世界の主要国の金利は上昇傾向にあり、国内でもさらに固定金利が上昇する可能性があるかもしれません。
変動金利に関しても、当面は低金利水準が続く場合でも、この先もずっと現在の状況が続くかどうかはわかりません。さらに住宅価格も、今後どのように推移するかを正確に予測することは困難です。
ただし、住宅購入は家計に大きな影響を与えるライフイベントです。資金計画を十分に立てないまま、「金利が低いうちに住宅ローンを組まなくては」と、やみくもに行動するのはおすすめできません。
住宅は金利動向だけで買い時を判断するのではなく、貯金や年齢、今後のライフイベントなどを総合的に見て検討してください。
2.【住宅ローンの金利タイプ別】メリットとデメリット
金利は、わずか0.1%違うだけで負担する金額が数十万円ほど変わることもあります。
どうしても気になってしまうものですが、金利だけでなく「金利タイプ」にも注目する必要があります。なぜなら、金利タイプは、総返済額を大きく左右する要素だから。
金利タイプには、大きく分けて以下の3つがあります。
- 変動金利型
- 固定金利期間選択型
- 全期間固定金利型
それぞれにメリットやデメリットがあるため、自分に合ったタイプを選ぶことをおすすめします。金利相場を確認する前に、以下より各タイプのメリット・デメリットを確認しておきましょう。
2-1.変動金利型
メリット |
|
---|---|
デメリット |
|
「変動金利型」は、一定期間ごとに金利が見直される住宅ローンです。
他の金利タイプよりも金利が低めに設定されていることが多いため、人気があります。
なお、多くの住宅ローンでは半年ごとに金利の見直しが行われますが、そのたびに返済額が変わるわけではありません。半年ごとに見直されるのは金利のみであり、返済額は5年ごとに変更します。
また、返済負担が急激に増えるのを避けるため、基本的に見直しは返済額の1.25倍までと設定されています。
変動金利型に向いている人
金利の動向をこまめにチェックでき、金利が上昇しても影響が少なくて済む方におすすめです。
具体的には、返済期間が短い、あるいは借入金額が少ない方が該当します。また、金利上昇局面でも、繰り上げ返済を含めて返済できる、経済的な余裕がある方にも向いています。
2-2.固定金利期間選択型
メリット |
|
---|---|
デメリット |
|
「固定金利期間選択型」の特徴は、2年・3年・5年・10年など一定期間のみ金利を固定でき、その期間を選択できる点にあります。固定金利期間の終了後は、次の金利タイプを選択します。
金利は、固定金利期間が短いものほど低く設定されていることが多く、全期間固定金利型より低金利であることが一般的です。
一方、「固定金利期間が終了したときの金利の影響を受けること」「金利上昇局面での返済額の上限がないこと」などに注意が必要です。
固定金利期間選択型に向いている人
固定金利期間が終わるタイミングでまとまったお金を用意できる方や、固定期間金利中に教育費など他のローンの返済を終え、その後は住宅ローンの返済額を増やせる方などに向いています。
2-3.全期間固定金利型
メリット |
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---|---|
デメリット |
|
「全期間固定金利型」は、基本的に完済まで一定の金利に固定されています。一部、6年目や11年目以降に借り入れ時に決められた金利になる「段階金利型」もあります。
将来的な返済計画が立てやすいことや、金利の上昇を心配する必要がないのが特徴です。しかし、金利がやや高めに設定されており、返済期間が長くなるほど利息が高額になることをおさえておいてください。
住宅金融支援機構と民間金融機関が提携して提供する「フラット35」も、全期間固定金利型の住宅ローンに該当します。
全期間固定金利型に向いている人
「金利上昇によって返済額が増えることを避けたい」と考えているなど、安心感を重視する方に向いています。
また、金利上昇で返済額が増えると返済が困難になる方や、他の資金準備に大きな影響が出る方にも適しているといえるでしょう。
「自分に合ったタイプはどれだろう?」「検討中の金利タイプの最新情報が知りたい」と感じた方は、ぜひ無料オンライン相談サービス「HOME4U 家づくりのとびら」をご利用ください。
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3.【住宅ローンの金利タイプ別】金利相場比較
金利タイプ別の特徴を確認したところで、それぞれの金利相場をチェックしていきましょう。
ここでは、主な大手都市銀行とネット銀行の金利相場をご紹介します。
3-1.変動金利型の金利相場(2023年)
銀行 | 金利相場* |
---|---|
大手都市銀行 | 0.375%~ |
ネット銀行 | 0.349%~ |
*優遇金利適用後
変動金利型の金利相場は、大手銀行・ネット銀行ともにそのほとんどが0.5%未満です。
3-2.固定金利期間選択型の金利相場(2023年)
銀行 | 金利相場* |
---|---|
大手都市銀行 | 1.05%~ |
ネット銀行 | 0.945%~ |
*優遇金利適用後
前述のとおり、1月にはほとんどの銀行で固定金利の金利を引き上げています。おおよそ1.0〜1.5%前後が相場といえるでしょう。
3-3.全期間固定金利型の金利相場(2023年)
銀行 | 金利相場* |
---|---|
大手都市銀行 | 1.395%~ |
ネット銀行 | 1.51%~ |
*優遇金利適用後
前述のとおり、全期間固定金利型の金利は他のタイプに比べて金利相場が高めに設定されています。
以上が各タイプの金利相場ですが、これらはあくまで目安です。
最新の金利相場を含め、資金計画を相談したい方は、無料オンライン相談サービス「HOME4U 家づくりのとびら」で専門アドバイザーにご相談いただくのがおすすめです。
4.住宅ローンにおける利息の計算方法とシミュレーション
住宅ローンにおける利息の計算式
住宅ローンの利息=借入金額×金利(年利)÷12
上記の式を使って、実際に計算をしてみます。
例えば、全期間金利固定型の住宅ローンを、適用金利1.5%で3,000万円借り入れたとしましょう。
この場合、1回目の返済時の利息は以下のようになります。
シミュレーション例
1回目の返済時利息=3,000万円×1.5%÷12=3万7,500円
金利相場を把握したら実際にシミュレーションを行い、検討中の金利タイプが自分に合っているかを確認しましょう。
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5.住宅ローン借入時に注意したいこと
住宅ローンの借入時には、注意しておきたいことがあります。
- 諸費用や手数料もかかる
- 借入の前には金利相場を必ずチェック
順番に見ていきましょう。
5-1.住宅ローン借入時には諸費用や手数料もかかる
住宅ローン借入時には、物件購入費用のほかにも、以下のような諸費用や手数料がかかります。
これらは住宅が引き渡しされるまでに支払う必要があるため、あらかじめ準備しておいてください。
費用項目 | 概要 | 金額の目安 |
---|---|---|
融資手数料 | 金融機関に支払う手数料 |
|
ローン保証料 | 保証会社に保証人になってもらうための費用 |
|
仲介手数料 | 不動産業者に支払う手数料 |
|
火災保険料・地震保険料 | 火災保険への加入は住宅ローン借入の要件となることが一般的 |
|
団体信用生命保険料(団信) | 住宅ローンの契約者が死亡もしくは高度障害になったときに、ローン残債を肩代わりしてくれる生命保険の費用 |
|
5-2.住宅ローン借入時には金利相場チェックが必須
住宅ローン借入時には、金利相場をチェックする必要があります。
借入額や返済期間にもよりますが、高額な費用を長期間返済する住宅ローンにおいては、金利が1%違うだけで数百万円もの負担額の差になることも少なくありません。
金利相場のチェックを怠ったばかりに、当初の想定よりも多額の資金が必要になる可能性もあるのです。
現状、変動金利は低水準で推移していますが、日銀の金融政策決定会合の決定を受け、多くの銀行が固定金利の引き上げを行いました。今後もアメリカをはじめとした諸外国がインフレ抑制のための利上げを続ける場合、日銀が金融緩和政策を再度修正し、それによってさらに固定金利が上昇する可能性も少なからずあるでしょう。
金利相場の動向を正確に予測することは困難であるため、随時、金利の動向や相場の確認を行うことが大切です。
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まとめ
2023年1月の住宅ローン金利は、多くの銀行で変動金利を前月比で据え置きとした一方、日銀の事実上の利上げの決定を受け、固定金利が引き上げられました。しかし今後も物価上昇が続くようなことがあった場合、短期金利の引き上げに踏み切る可能性もゼロではなく、変動金利も上がる可能性があります。
先行き不透明な時代だからこそ、今が住宅の買い時と捉えることもできます。自分の現在の状況や今後のライフイベントなどを総合的に考慮して、ベストなタイミングを判断してください。
この記事のポイント
住宅ローンの固定金利は今いくら?
2023年1月時点で10年固定金利の最低金利は0.6%、35年固定金利は1.1%です。
その他金利タイプの動きは「1.【2023年】住宅ローンの金利相場」で解説しています。
住宅ローンの固定と変動ではどっちが多い?
そもそも住宅ローンの金利タイプには、以下の3つがあり、それぞれに特徴があります。
- 変動金利型
- 固定金利期間選択型
- 全期間固定金利型
一概に、どのタイプの金利が多いか、あるいは少ないかを判断することは難しいので、各特徴を把握し、ご自身にあったものを選ぶようにしましょう。詳細は「2.【住宅ローンの金利タイプ別】メリットとデメリット」でお伝えしています。
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