- 変更日:
- 2024.03.13
注文住宅で住宅ローンを組もうとしている方の中には、住宅ローンの金利相場が気になっている方も多いのではないでしょうか。
金利タイプ | 金利相場 |
---|---|
変動金利 | 0.17~4.95% |
固定金利・期間選択型(10年) | 0.60~4.75% |
固定金利・全期間固定型(35年) | 1.35~5.69% |
この記事では2024年の金利相場を解説するとともに、以下の内容についてもまとめています。
この記事でわかること
- 住宅ローンの選び方(タイプ・金融機関など)
- 住宅ローンシミュレーション例(35年)
- 住宅ローンにかかる諸費用
ぜひ最後までご覧いただき、注文住宅の資金計画にお役立てください。
まとめて依頼
住宅ローンの金利タイプや借入先などの基礎知識が知りたい方は「住宅ローンの種類」の記事もご覧ください。
※この記事は2024年3月の情報をもとに作成しています。
目次
1.住宅ローンの選び方【基礎知識】
住宅ローンは種類が多く、どれを選ぶべきか迷ってしまう方も多いのではないでしょうか。
住宅ローンの種類に迷ったら、次の3つのポイントに注目してみてください。
住宅ローンを選ぶポイント
- 「金利タイプ」の違いを理解する
- 金融機関の種類を押さえる
- 新規・借り換えの違いを把握する
それぞれのポイントについて解説します。
1-1.住宅ローンの金利タイプ
住宅ローンには次の金利タイプがあります。
金利タイプ | 特徴 |
---|---|
変動金利型 |
|
固定金利:期間選択型 |
|
固定金利:全期間固定型 |
|
「変動金利型」とは、一定期間ごとに金利が見直される金利タイプです。
契約時の金利は固定金利型よりも低い傾向にあるため、もっとも利用する人が多いです。
一方、「固定金利型」とは、原則として金利が変わらない金利タイプを指します。
うち、「期間選択型」は、最初のうちは固定金利ですが一定期間終了後に変動金利が適用されます。
固定金利の期間はローンによって変わりますが、固定金利期間が短いほど適用金利が低いことが一般的です。
「全期間固定型」は、契約から完済まで同一金利が適用される金利タイプです。
3つの金利タイプの中ではもっとも金利が高めですが、途中で金利が変わらないため、契約時に利息や総支払額を計算でき、計画的に返済できます。
1-2.金融機関の種類
金融機関は、大きく次の種類に分けられます。
種類 | 特徴 |
---|---|
メガバンク |
|
地方銀行 |
|
ネット銀行 |
|
住宅金融支援機構 |
|
手続きを対面でしたい場合、主流はメガバンクと地方銀行です。
対面で手続きをする場合、金利や借入条件について交渉できるメリットがあります。
担当者とじっくり話し合って住宅ローンを決めたい方は、メガバンクか地方銀行がよいでしょう。
また、メガバンクはオンライン化が進んでいるため、対面せずに要件を済ませることも多いです。
エリアを問わず利用したい場合は、メガバンクかネット銀行を選ぶとよいです。
一方、地方銀行は営業エリア内の人のみが利用できるため、インターネットでよさそうな住宅ローンを見つけても、居住地によっては利用できないことがあります。
住宅金融支援機構は全期間固定金利の「フラット35」を取り扱う独立行政法人です。
民間金融機関と提携して「子育て」や「高性能」などさまざまなニーズに沿ったプランを提供しています。
1-3.新規・借り換えの違い
住宅ローンには、新規と借り換えの2つのパターンがあります。
最初は誰もが新規で利用しますが、住宅ローンは返済期間が長い傾向にあるため、途中でより好条件のローンが見つかることもあるでしょう。
そのようなときは住宅ローンの借り換えを検討します。
住宅ローンの借り換えを検討するシーン一例
- 新規で契約したローンよりも好条件のローンが見つかった
- 収入や支出の増減があり、毎月の返済額を見直したくなった
好条件のローンに借り換えることで適用金利が下がり、総支払額が減ることもあります。
ただし、収入が減ったり支出が増えたりして毎月の返済額を減らすために借り換える際には、毎月の返済額を減らすことで返済期間が長引くこともあります。
その場合、総支払額は増える可能性があるため注意してください。
このように、住宅ローンにはさまざまな組み方があり、金融機関によって商品も異なるため、どれが自分に合った組み方なのか迷ってしまう方も多いでしょう。
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2.【2024年】住宅ローンの金利相場
住宅ローンの金利相場は常に変動しているため、こまめに各金融機関のホームページを確認するようにしてください。
2024年2月時点の全体的な平均相場は以下をご覧ください。
金利タイプ | 金利相場 |
---|---|
変動金利 | 0.17~4.95% |
固定金利・期間選択型(1年) | 0.85~2.93% |
固定金利・期間選択型(3年) | 0.32~3.89% |
固定金利・期間選択型(5年) | 0.50~4.45% |
固定金利・期間選択型(10年) | 0.60~4.75% |
固定金利・全期間固定型(20年) | 1.05~5.98% |
固定金利・全期間固定型(35年) | 1.35~5.69% |
以下より、金利タイプごとに金融機関別の金利相場や、向いている人の特徴を解説します。
2-1.変動金利の相場
金融機関 | 新規 | 借り換え |
---|---|---|
メガバンク | 0.35~0.48% | 0.35~0.48% |
地方銀行 | 0.43~3.14% | 0.46~3.14% |
ネットバンク | 0.25~0.56% | 0.29~0.56% |
変動金利に向いている人の特徴
- 借入れ当初の適用金利が低いほうがよい人
- こまめに返済計画を見直したい人
変動金利のメリットは、借入れ当初の適用金利の低さです。
契約中に適用金利が上がることもありますが、反対に下がったり変わらなかったりするケースもあり、完済時まで低金利で借りられる可能性があります。
しかし、金利が変動する可能性があるということは、借入れ時点で総支払額を計算できないことを意味します。
計画的に返済していきたいと考えている方にとっては、デメリットといえるでしょう。
2-2.固定金利・期間選択型の相場
金融機関 | 新規 | 借り換え |
---|---|---|
メガバンク | 0.86~1.45% | 0.86~1.79% |
地方銀行 | 0.70~3.67% | 0.72~3.74% |
ネットバンク | 0.95~1.62% | 0.95~1.62% |
固定金利・期間選択型に向いている人の特徴
- 最初の数年間は固定金利が適用されるほうがよい人
- 金利が下がるチャンスも欲しい人
固定金利・期間選択型のメリットとしては、借入れてから数年間は固定金利が適用されるため、「適用される金利が変わるかもしれない」と考えずに済むことです。
住宅ローンの借入れ当初は、引っ越しをしたばかりのため、不足する家具や小物を購入することが多く、何かと出費がかさみます。
住宅ローンの適用金利が安定していることで、出費は増えても返済額は変わらないため、安心して返済できるのは安心です。
しかし、借入れ当初の適用金利は変動金利よりも高い傾向にあるため、「このまま高い金利が適用され続けるのだろうか」と不安を感じることもあるかもしれません。
また、変動金利に切り替わったときに適用金利が上がる可能性もあり、予定よりも総支払額が高額になることも想定されるでしょう。
2-3.固定金利・全期間固定型の相場
金融機関 | 新規 | 借り換え |
---|---|---|
メガバンク | 1.68~1.90% | 1.67~1.86% |
地方銀行 | 1.10~2.52% | 1.58~2.52% |
ネットバンク | 1.56~1.80% | 1.52~1.89% |
住宅金融支援機構(フラット35) | 1.82~3.47% | 1.82~3.47% |
固定金利・全期間固定型が向いている人の特徴
- 途中で適用金利が変わるのは嫌な人
- 計画的に返済したい人
固定金利・全期間固定型のメリットは、借入れ時に総支払額がわかることです。
途中で繰上返済をしない限り、契約時に計算した総支払額を支払うことになります。
そのため、計画的に返済したい方には、固定金利・全期間固定型がおすすめです。
しかし、変動金利の適用金利が低い状態が続くと、固定金利・全期間固定型は最終的に総支払額がもっとも多い金利タイプになってしまいます。「損」だと感じることもあるかもしれません。
各金利タイプの相場を観察してから自分に合ったものを選びましょう。
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家づくりのとびらコラム
【2024年以降はどうなる?】住宅ローンの金利動向
日本の金利は、バブル崩壊以降低下傾向が続き、低金利状態を保ってきました。
しかし、近年の物価の高騰により、今後の金利動向が気になる方も多いでしょう。
2024年以降の金利動向予測のまとめ
- 変動金利…ほぼ変更なし~引き下げ
- 固定金利…引き上げ
変動金利については、ほぼ変更なし~引き下げと見られています。
一方、固定金利は引き上げの方向に動くと想定されています。
固定金利は2016〜2017年をボトムとして、なだらかに上昇し続けてきました。
2024年2月時点ではボトムの約2倍の金利となっています。
2024年も2023年に引き続き、変動金利を選択するほうが総支払額を抑えやすくなると考えられます。
3.住宅ローン35年の利息シミュレーション
国土交通省の調べによると、住宅取得借入金の返済期間は「土地購入ありの注文住宅」で全国平均34.5年でした。(参考:国土交通省「 令和4年度 住宅市場動向調査報告書」)
そこで、この章では35年の住宅ローンを組んだときに、どの程度の利息がかかるのかをシミュレーションしてみました。
金利タイプごとの違いも解説するのでぜひ資金計画の際の参考にしてください。
3-1.【新規】住宅ローンのシミュレーション
新規で35年の住宅ローンを組む際のシミュレーションを、借入金額3,000万・4,000万円に分けて解説します。
条件は以下のように設定します。
【条件】
返済期間:35年
借入パターン:新規
借入額:3,000万円・4,000万円
返済方法:元利均等方式・ボーナス払いなし
以下より、借入金額ごとにどの程度の利息が発生するのか見ていきましょう。
3-1-1.借入金額3,000万円の新規住宅ローン(35年)
金利タイプ | メガバンク | 地方銀行 | ネット銀行 |
---|---|---|---|
変動 | 224万円(0.415%) | 1,040万円(1.79%) | 219万円(0.405%) |
固定・期間選択型(10年) | 649万円(1.155%) | 1,295万円(2.185%) | 727万円(1.285%) |
固定・全期間固定型(35年) | 1,040万円(1.79%) | 1,053万円(1.81%) | 970万円(1.68%) |
※それぞれ平均金利で計算しています。
※シミュレーションはあくまで目安です。
どの金融機関でも、変動金利がもっとも利息が少ないという結果になりました。
ただし、変動金利のため、これから適用金利が高くなったときは利息が増える可能性があります。
不安に感じる方は固定型を選びましょう。
3-1-2.借入金額4,000万円の新規住宅ローン(35年)
金利タイプ | メガバンク | 地方銀行 | ネット銀行 |
---|---|---|---|
変動 | 299万円(0.415%) | 1,386万円(1.79%) | 291万円(0.405%) |
固定・期間選択型(10年) | 865万円(1.155%) | 1,727万円(2.185%) | 969万円(1.285%) |
固定・全期間固定型(35年) | 1,386万円(1.79%) | 1,403万円(1.81%) | 1,294万円(1.68%) |
※それぞれ平均金利で計算しています。
※シミュレーションはあくまで目安です。
メガバンクとネット銀行では、変動金利と全期間固定型の金利が約4倍も異なるため、利息は大きく異なります。
利息を抑えたいのであれば、まずは変動金利で借りて、適用金利が高くなったときは、借り換えを検討してみるのもよいでしょう。
3-2.【借り換え】住宅ローンのシミュレーション
借り換えで35年の住宅ローンを組む際のシミュレーションを、借入金額3,000万・4,000万円に分けて解説します。
条件は以下のように設定します。
【条件】
返済期間は:35年
借入パターン:新規
借入額:3,000万円・4,000万円
返済方法:元利均等方式・ボーナス払いなし
以下より借入金額ごとに見ていきましょう。
3-2-1.借入金額3,000万円の借り換え住宅ローン(35年)
金利タイプ | メガバンク | 地方銀行 | ネット銀行 |
---|---|---|---|
変動 | 224万円(0.415%) | 1,046万円(1.80%) | 230万円(0.425%) |
固定・期間選択型(10年) | 751万円(1.325%) | 1,325万円(2.23%) | 727万円(1.285%) |
固定・全期間固定型(35年) | 1,024万円(1.765%) | 1,207万円(2.05%) | 986万円(1.705%) |
※それぞれ平均金利で計算しています。
※シミュレーションはあくまで目安です。
地方銀行は借り換えローンの金利が高めの傾向にあります。
もちろん銀行によって差はあるため、お住まいの地域の銀行で確認してみてください。
3-2-2.借入金額4,000万円の借り換え住宅ローン(35年)
金利タイプ | メガバンク | 地方銀行 | ネット銀行 |
---|---|---|---|
変動 | 299万円(0.415%) | 1,395万円(1.80%) | 306万円(0.425%) |
固定・期間選択型(10年) | 1,002万円(1.325%) | 1,766万円(2.23%) | 969万円(1.285%) |
固定・全期間固定型(35年) | 1,365万円(1.765%) | 1,609万円(2.05%) | 1,315万円(1.705%) |
※それぞれ平均金利で計算しています。
※シミュレーションはあくまで目安です。
地方銀行の借り換えローンは金利が高い傾向にあるため、メガバンクやネット銀行の変動金利と比べると、利息だけで1,000万円を超える差がつくこともあるようです。
借り換えるときは、特定の金融機関にこだわらず、複数のローンで比較シミュレーションをしてください。
4.住宅ローンの諸費用
住宅ローンを利用するときは、以下の諸費用がかかります。
時期 | 費用項目 |
---|---|
借入れ時 |
|
返済期間中 |
|
以下よりタイミング別に解説します。
4-1.借入れ時の諸費用
借入れ時に必要な諸費用項目
- 融資手数料
- ローン保証料
- 団体信用生命保険料
- 火災保険料、地震保険料
住宅ローンを組むときには、まず融資手数料がかかります。
連帯保証人を立てずに住宅ローンを借りるときには、保証会社に支払うローン保証料も必要になります。
借入れ額や返済期間によってローン保証料は変わるためご注意ください。
また、住宅ローンを組むときには、団体信用生命保険(団信)に加入することが一般的です。
団体信用生命保険に加入していると、万が一、住宅ローンの返済中にローン契約者が死亡あるいは高度障害状態になった際にローンの返済が免除されるため、配偶者や子が借金を相続することになりません。
また、住宅ローンに契約する条件として、火災保険・地震保険への加入が求められることもあります。
加入しておくと、いざというときに保険金を受給でき、早く修繕や建て直しに着手できます。
4-2.返済期間中の諸費用
返済期間中に必要な諸費用項目
- 条件変更手数料
- 繰上返済手数料
住宅ローン返済期間中に契約内容を変更する場合は、条件変更手数料がかかります。
例えば、毎月の返済額や返済期間を変更したいときには、条件変更手数料を請求される可能性があります。
また、繰上返済を実施するときにも手数料が発生することがあります。
繰上返済をすることで早く借入残高が減り、利息を減らせることもありますが、手数料がかかってしまうとかえって総支払額が高額になるかもしれません。
繰上返済をするほうがよいか迷ったときは、繰上返済によって減額される総支払額と繰上返済手数料を比較してみてください。
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5.【2024年】住宅ローンを利用するときに活用したい税制
住宅ローンを利用するなら、住宅ローン減税制度にも注目してみてください。
住宅ローン減税制度とは、年に最大35万円※を最大13年間、所得税や住民税から控除できる制度です。
※新築の長期優良住宅か低炭素住宅を子育て世帯・若者夫婦世帯が建築・購入する場合。2024年1月末時点。
1年では最大35万ですが、13年では最大455万円にもなります。
住宅ローン契約を締結した翌年の確定申告の際に申請してください。
その他、3〜5年の固定資産税が減額される措置を活用できることもあります。
こういった減税制度や補助金制度も活用しながら、お得に家づくりの資金計画を立ててみてくださいね。
まとめ
住宅ローンの金利は緩やかに動きます。
1ヶ月、1年のスパンではほぼ変わらなくても、俯瞰して見ると大きく変動していることがわかります。
利息を抑えながら住宅ローンを組むのであれば、定期的に金利相場を確認し、低めのタイミングで契約できるようにしておきましょう。
また、住宅ローン減税や固定資産税の減額措置など、適用できる税制についても調べておくことをおすすめします。
この記事のポイント
住宅ローンの金利は今何%ですか?
以下が目安です。
- 変動金利:0.17~4.95%
- 固定金利・期間選択型(10年):0.60~4.75%
- 固定金利・全期間固定型(35年):1.35~5.69%
※2024年2月時点
「2.【2024年】住宅ローンの金利相場」ではより詳細な数字や、各金利タイプが向いている人の特徴を解説しています。
住宅ローンの金利は35年で平均いくらですか?
新規の場合、以下が平均の目安です。
- メガバンク:1.68~1.90%
- 地方銀行:1.10~2.52%
- ネットバンク:1.56~1.80%
- 住宅金融支援機構(フラット35):1.82~3.47%
※2024年2月時点
詳細は「2-3.固定金利・全期間固定型の相場」をご覧ください。
フラット35の金利はいくらですか?
以下が平均の目安です。
- 新規:1.82~3.47%
- 借り換え:1.82~3.47%
「1.住宅ローンの金利タイプと金融機関」では、住宅ローンの種類の選び方を解説しています。
ぜひ資金計画の際の参考にしてください。
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この記事の編集者
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