- 変更日:
- 2023.06.02

新築で注文住宅を購入すると、住宅そのものの価格はもちろん、その他にも何かと出費がかさみます。そのため、もらえる補助金・助成金、税金優遇制度があれば最大限利用したいものです。
この記事では以下の内容について、2023年の最新情報をまとめてご紹介します。
この記事を読んでわかること!
- 新築の注文住宅を購入した際にもらえるお得な補助金・助成金
- 新築購入で適用される税金の優遇制度・軽減措置
- 各地方自治体によるもらえる補助金・助成金の制度
2023年から本格始動する新しい補助金「こどもエコすまい支援事業」や、変更された「住宅ローン控除(減税)」などお得な制度の速報もお伝えします。
しっかりと把握し、少しでもマイホーム計画の費用を抑えられるようにお役立てください。
※本記事の情報は2023年1月に更新しています。
1.新築注文住宅の購入でもらえる補助金・助成金4つ
まずは新築注文住宅の購入で、条件を満たしていることでもらえる以下の補助金・税金控除の制度について解説します。
なお、2021年まで話題になっていた「すまい給付金」「グリーン住宅ポイント制度」、2022年の新規事業「こどもみらい住宅支援事業」は新規申し込み受付を終了しています。
1-1.こどもエコすまい支援事業
こどもエコすまい支援事業とは、新築住宅を取得する子育て世帯または若者夫婦世帯や、リフォームする世帯に向けた補助金事業です。
対象者 | 申請時、以下のいずれかの条件に該当する世帯 ・子育て世帯:18歳未満の子供がいる ・若者夫婦世帯:申請時にどちらかが39歳以下 |
---|---|
お金の種類 | 国の補助金 |
補助される金額 | 新築住宅:最大100万円 リフォーム:最大60万円 |
申し込み先 | 申し込み不要(事業者による申請) |
申し込み期限 | 2023年(令和5年)3月下旬~遅くとも同年12月31日(予定)交付申請 |

こどもエコすまい支援事業の補助金はいつ入金されるの?
補助金は、建築事業者を介して手続きを行うため、自動的に工事費用の支払いに充当されることとなります。
3月に着工、7月に竣工・引き渡しとなった場合、引き渡し時に支払う工事費用の残金清算時に自動的に充当されます。
こどもエコすまい支援事業の概要
こどもエコすまい支援事業の対象となるのは、ZEHレベルの高い省エネ性能を持つ住宅を新築する子育て世帯または若者夫婦世帯や、一定のリフォームを行う全世帯です。
新築の対象住宅は、以下のとおりです。
- 延床面積50平米以上の以下の住宅
- ZEH、Nearly ZEH、ZEH Ready、ZEH Orientedといった、ネット・ゼロ・エネルギー・ハウス
- 令和4年10月1日以降に認定申請をした認定長期優良住宅、認定低炭素建築物、性能向上計画認定住宅
ネット・ゼロ・エネルギー・ハウスには、ほかにも補助金制度があり、「1-2.ネット・ゼロ・エネルギー・ハウス(ZEH)補助金」で後述いたします。
補助される金額
こどもエコすまい支援事業で新築住宅に補助される金額は、住宅の種類によって異なります。
新築住宅の補助額は、以下のとおりです。
ネット・ゼロ・エネルギー・ハウス ZEH・Nearly ZEH・ZEH Ready・ZEH Oriented |
100万円 / 戸 |
---|
申し込み方法・締め切り
こどもエコすまい支援事業の交付申請は、建築依頼するハウスメーカーや、事業者が行います。
ハウスメーカーや事業者を通し、補助金を全額受け取る流れになります。
大まかな流れは、以下のとおりです。
交付申請の流れ
- 事業者登録された中から「ハウスメーカーの選定」
- 工事請負契約の締結(契約期間は不問)
- 着工(基礎工事より後の着工は令和4年11月8日以降)
- 交付申請(遅くとも2024年12月31日[予定])
- 交付の審査~入金
- 完成・引き渡し~入居
- 完了報告(戸建て住宅の場合2025年7月31日)
予定では、交付申請の締め切りは遅くとも2024年12月31日となっていますが、2022年度に実施された「こどもみらい住宅支援事業」の際には、すぐに予算枠が埋まってしまった経緯があるため、なるべく早めに行動することをおすすめします。
また、着工後に補助金額以上の出来高である状態でなければ、交付申請を出すことができません。この補助金の利用を考えている方は、着工までのスケジュールには注意してください。
このように、補助金を活用するには、事前にスケジュールを立て、着実にやるべきことを遂行する必要があります。
初めての家づくりだと不安に思う方もいるかもしれませんが、大手・優良のハウスメーカーであればリードしてくれるので安心して進められるでしょう。
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1-2.ネット・ゼロ・エネルギー・ハウス(ZEH)補助金
ネット・ゼロ・エネルギー・ハウス(ZEH)は、省エネ基準比20%以上かつ再生可能エネルギーによって住宅の一次エネルギー収支ゼロを目指す住宅です。
要件を満たす住宅を、ZEHビルダーまたはプランナーとして登録されている施工会社が新築するとZEH補助金を受け取ることができるという経済産業省・環境省による補助金制度です。
※以下は2022年度の情報です。2023年度の情報が発表され次第更新いたします。
ZEH補助金事業の概要
対象者 | 登録されたZEHビルダーまたはプランナー(ハウスメーカー・工務店)によって、条件に合った新築住宅を建てた方。 |
---|---|
お金の種類 | 国の補助金 |
補助される金額 | ZEH:最大55万円+α ZEH+(プラス):最大100万円+α 次世代ZEH+(プラス):最大112万円+α |
申し込み先 | 一般社団法人 環境共創イニシアチブ(SII) *指定の公募期間に沿って応募する必要があります。 |
申し込み期限 | ZEH・ZEH+(プラス) 2022年5月13日~2023年1月6日まで(完了報告期限:2月10日) 次世代ZEH+(プラス) 2022年5月20日~11月18日(完了報告期限:2月3日) *ZEH/ZEH+は1次~4次公募期間、次世代ZEH+は1次~2次公募期間が設定されています。各期間は「申し込み方法・締め切り」をご確認ください。 |

気になるポイント:ZEH補助金はいつ入金されるの?
ZEH補助金は、工事の竣工・引き渡し後に完了報告をして、多くは2・3か月後、長くて6・7か月後に施主の方に入金されます。7月に着工、12月に竣工・引き渡しとなった場合、2月・3月ごろに入金される流れとなります。
そのため、補助金の分は、一度立て替えて支払う必要があるため、注意しましょう。
補助される金額
補助金額は性能・設備に応じて決まります。ZEHの場合は最大55万円、ZEH+(プラス)の場合は100万円の補助金が支給。
次世代ZEH+(プラス)の場合は、ハイテクなエネルギーマネジメントシステム(HEMS)を設置することで最大112万を受け取ることができます。
また、蓄電池の設置や燃料電池などの設置でさらに追加の補助金が発生します。
申し込み方法・締め切り
申請は登録されたZEHビルダーまたはプランナー(ハウスメーカー・工務店)によって行われます。公募期間は以下の通りです。
ZEH・ZEH+(プラス)
【1次公募期間】2022年5月13日~6月17日(完了報告期限:12月16日)
【2次公募期間】2022年7月4日~8月12日(完了報告期限:1月20日)
【3次公募期間】2022年8月29日~10月7日(完了報告期限:2月3日)
【4次公募期間】2022年11月21日~2023年1月6日まで(完了報告期限:2月10日)
次世代ZEH+(プラス)
【1次公募期間】2022年5月20日~8月12日(完了報告期限:1月27日)
【2次公募期間】2022年8月29日~11月18日(完了報告期限:2月3日)
ただし申請は先着で、予算に達し次第終了するので、必ず受け取れるわけではありません。利用をする場合は、事前に申し込み状況を確認しておくとよいでしょう。
参考:一般社団法人 環境共創イニシアチブ「2022年の経済産業省と環境省のZEH(ネット・ゼロ・エネルギー・ハウス)補助金について」
1-3.地域型住宅グリーン化事業
高い省エネルギー性や耐久性を持つ住宅の購入を対象にした国土交通省による補助金制度です。同一地域の中小住宅施工会社や建材の流通を担う事業者が手がける住宅であることが条件で、購入者ではなく施工会社が申請及び受け取りを行います。
※以下は2022年度の情報です。2023年度の情報が発表され次第更新いたします。
地域型住宅グリーン化事業の概要
対象者 | グループ登録された地域の工務店によって、以下の条件に合った新築住宅を建てた方。
|
---|---|
お金の種類 | 国の補助金 |
補助される金額 | 長寿命型(認定長期優良住宅):最大140万円+α ゼロ・エネルギー住宅型:最大150万円+α 高度省エネ型(認定低炭素住宅):最大90万円+α |
申し込み先 | 地域型住宅グリーン化事業評価事務局 *申請手続きは各工務店によって行われます。 |
申し込み期限 | 2023(令和5)年2月6日までに事業者は完了実績報告を行う必要がある。 本補助金に登録する事業者は2022年6月30日までにグループ登録を行う必要がある。 |

地域型住宅グリーン化事業の補助金はいつ入金されるの?
地域型住宅グリーン化事業の補助金は、建築する工務店が手続きを行います。新築の完了実績報告の後、2~6か月後に事業者に入金され、購入者に還元されます。
1月に工務店が完了実績報告を行った場合、3月~7月の間に入金されるでしょう。
補助される金額
補助金の金額は以下の通りです。
ZEH・Nearly ZEH 認定長期優良住宅 |
最大150万円/戸(施工経験4戸以上の事業者は上限135万円/戸) |
---|---|
認定低炭素住宅 ZEH Oriented |
最大90万円/戸(ZEH orientedの場合、施工経験4戸以上の事業者は最大75万円/戸) |
地域材の活用・伝統継承 | 上限20万円を加算 |
---|---|
三世代同居への対応 | 上限30万円を加算 |
若者・子育て世帯 | |
バリアフリー対応 |
申し込み方法・締め切り
地域型住宅グリーン化事業でグループ登録をした工務店に依頼することが必須です。その後の手続きは工務店が行います。工務店は2023(令和5)年2月6日までに完了実績報告を行う必要があるため、それまでに竣工・引き渡しがなされるようにスケジュールを考える必要があります。
参考:地域型住宅グリーン化事業(評価)「令和3年度事業からの変更点」・「令和4年度 3省連携事業 ネット・ゼロ・エネルギー・ハウス推進に向けた取り組み」・国土交通省 住宅局「
住宅・建築物の省エネ・省CO2施策とZEH等に関する支援事業の動向」
1-4.LCCM住宅整備推進事業
ZEH住宅の条件に加えて、家のライフサイクル(新築・改修・解体・再利用まで)で二酸化炭素の発生を抑えた住宅への補助金です。
現在、政府が最終的に目指すべき住宅として打ち出している「新たな住宅のカタチ」です。
※以下は2022年度の情報です。2023年度の情報が発表され次第更新いたします。
LCCM住宅整備推進事業の概要
対象者 | 以下の条件に合った新築住宅を建てた方。
※建設、居住、修繕・更新・解体の各段階を通じたCO2排出量が、太陽光発電によるCO2削減量を下回ることを、指定のツールを用いて評価 |
---|---|
お金の種類 | 国の補助金 |
補助される金額 | 設計費・建設工事等における補助対象工事の掛かり増し費用の合計額の1/2。 補助限度額:最大140万円/戸 |
申し込み先 | LCCM住宅整備推進事業実施支援室 *申請手続きは各ハウスメーカー・工務店によって行われます。 |
申し込み期限 | 2022(令和4)年11月15日~2023(令和5)年1月31日 |

LCCM住宅整備推進事業の補助金はいつ入金されるの?
LCCM住宅整備推進事業の補助金は、建築するハウスメーカー・工務店が手続きを行います。新築の完了実績報告の後、事業者に入金され、購入者に還元されます。
補助される金額
上限140万円/戸(掛かり増し費用1/2以内)の補助金を受け取ることができます。
申し込み方法・締め切り
LCCM住宅整備推進事業は、新築工事を行う事業者によって申請作業が行われます。
対象となるのは、2022年4月1日以降に新築の工事請負契約を結んだ住宅です。工事請負契約のあと、交付申請を行い、1か月ほどで交付決定通知が来たのち、実際の着工を行います。
竣工・引き渡しののちに完了実績報告を行い、補助金額の確定・請求・交付がされ、施主の方に補助金が入金されます。
支払い後に入金されるため、引き渡しの清算時には立て替える必要があることを覚えておきましょう。
参考:「令和4年度 3省連携事業 ネット・ゼロ・エネルギー・ハウス推進に向けた取り組み」・LCCM住宅整備推進事業実施支援室「LCCM住宅整備推進事業 概要」「申請の流れ」・国土交通省「「令和4年度LCCM住宅整備推進事業」の第3回募集を開始します!」
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2.新築購入で適用される税金の優遇(軽減)措置
マイホームを新築購入する際に適用される税金の優遇について解説します。
2-1.住宅ローン控除(減税)
住宅ローン控除は、住宅ローンを借りて新築住宅を購入した方を対象とした所得税の控除制度です。
控除される税金 | 所得税からの控除 |
---|---|
控除金額 | 1年あたり最大で35万円(最長13年) |
手続き方法 | 確定申告時(給与所得者は1年目のみ確定申告が必要。2年目以降は年末調整で適用される) |
手続き期限 | 確定申告の締め切りに準ずる |
2022(令和4)年度の税制改正により、「住宅ローン控除(減税)」は延長されましたが、一部の仕組みが変わります。変更された項目も含めて解説します。
2022年度から変更されたポイント
- 適用期限を4年間延長(2022年~2025年末入居まで)
- 2023年までに入居の場合、控除期間は13年間
- 2023年までに入居の場合、ローン残高控除率(年末時点)を1%から0.7%に引き下げ
- 減税対象の所得制限を3,000万円から2,000万円に引き下げ(所得2,000万~3,000万円の方は適用外へ)
- 長期優良住宅・省エネ配慮の住宅のローン残高上限を3段階(5,000万円・4,500万円・4,000万円)に分別
- その他新築住宅のローン残高上限を4,000万円から3,000万円に引き下げ
住宅ローン控除(減税)の概要
住宅ローン控除(減税)は、購入後の各年末のローン残高の0.7%が一定期間において、所得税から控除される制度です(2021年度以前は1%でしたが、税制改正により引き下げられました)。
適用の要件は以下の6つとなります。
住宅ローン控除(減税)の適用条件
- 住宅の床面積が50平方メートル以上
※ただし、2023年の年末までは所得金額が1,000万円以下の場合、40平方メートル以上に緩和 - 適用期限は2025年(令和7年)12月31日まで延長
- 住宅ローンの返済期間が10年以上
- 社内融資等の場合、利率1%以上
- 控除を受ける年の合計所得金額が2,000万円以下(3,000万円から引き下げ)
- 住宅取得後6カ月以内に入居し、控除を受ける年の12月31日まで継続して居住する
- 居住の年の前2年間・後3年間に、3,000万円特別控除や特定居住用財産の買い替え特例などの適用を受けていない
控除される金額
住宅性能の基準 | 年間の控除額上限 |
---|---|
長期優良住宅・低炭素住宅 | 35万円 |
ZEH水準の省エネ住宅 | 31.5万円 |
省エネ基準適合住宅 | 28万円 |
上記以外の住宅 | 21万円 |
*2024年・2025年度は控除上限額が上記よりも減額される予定です。
住宅ローン控除(減税)は、2022年度から、一般住宅の1年あたりの控除額は最大21万円。認定長期優良住宅または認定低炭素住宅であれば、最大35万円となり、期間はいずれも最長13年間に延長されます。
控除額が所得税額を上回る場合は、所得税額が全額控除となり、残りの控除額は最高13万6,500円まで翌年の住民税から差し引かれます。
住宅性能の基準 | 2023年までに入居 | 2024~2025年に入居 |
---|---|---|
長期優良住宅・低炭素住宅 | 5,000万円 | 4,500万円 |
ZEH水準の省エネ住宅 | 4,500万円 | 3,500万円 |
省エネ基準適合住宅 | 4,000万円 | 3,000万円 |
上記以外の住宅 | 3,000万円 | 0円 |
住宅ローン控除(減税)の控除金額は、ローン借入金額に0.7%をかけて計算されますが、元となるローン借入金額には上記のような上限があります。
政府は優れた住宅性能の新築を推奨しており、住宅性能が高いほど上限金額は大きくなり、より優遇されるのが現在のトレンドです。
そのため、長期優良住宅やZEH対応住宅の上限額はそれ以外の住宅よりも多く設定されています。
長期優良住宅やZEH対応住宅にはそのほかにも多くの補助金、税制優遇のメリットがあります。住宅商品も充実してきているため、年中過ごしやすく、エネルギー消費もゼロになるような工夫を凝らした家づくりを目指してみるのもおすすめです。
申し込み方法
住宅ローン控除(減税)を受けるには、入居翌年の2月中旬~3月中旬までの間に、管轄の税務署へ確定申告をする必要があります。ただし、給与取得者が確定申告しなくてはならないのは1年目のみです。2年目以降は年末調整で手続きするだけで自動的に適用されるため、確定申告の必要はありません。
申し込みの締め切り
住宅ローン控除(減税)は、入居年の翌年2月~3月に確定申告が完了してはじめて適用されます。忘れずに必ず確定申告しておきましょう。
参考:国土交通省 すまい給付金 公式HP「住宅ローン減税制度の概要」・国土交通省「住宅ローン減税」
2-2.住宅取得資金等の贈与税の軽減
通常、直系の親族からの贈与にも基礎控除額である110万円を超えた金額には贈与税が課せられますが、住宅取得資金等の非課税の特例を利用すれば軽減できます。
※以下は2022年度の情報です。2023年度の情報が発表され次第更新いたします。
非課税になる税金 | 贈与税 |
---|---|
非課税になる金額 | 省エネ住宅:1,000万円まで それ以外の住宅:500万円まで |
手続き方法 | 贈与を受けた方の住所地の税務署に指定の申告書を提出 |
手続き期限 | 贈与を受けた年の翌年2月1日から3月15日まで |
2022年(令和4年)度では、特例の非課税枠は省エネ等住宅で1,000万円、それ以外の住宅でも500万円です。基礎控除額と併せれば最大1,110万円までが非課税になります。
適用には、受贈者が贈与者の直系卑属(子または孫)であり、贈与を受けた年の1月1日時点で20歳以上かつ所得金額が2,000万円以下である、などの条件が課せられます。また、贈与税の申告が必要です。
祖父母・両親から資金を受ける際には、非常に大きな減税となるため、必ず確認しておきましょう。
参考:国税庁「No.4508 直系尊属から住宅取得等資金の贈与を受けた場合の非課税」「贈与税の申告等」・財務省「令和4年度税制改正の大綱(2/8)」
2-3.不動産取得税の軽減
新築住宅の購入や土地の購入をした際には、不動産取得税が発生します。
軽減される税金 | 不動産取得税 |
---|---|
軽減される税率・金額 |
(詳細は下記「不動産取得税の算出方法・軽減される税額」をご参照ください) |
手続き方法 | 都道府県の税事務所に必要書類を提出 |
手続き期限 | 自治体により異なるが、通常20日~60日以内。 *登記の翌日から5年以内であれば、還付手続きも可能です。 |
税額の算出方法・軽減措置の詳細は以下の通りです。
不動産取得税の算出方法・軽減される税額
「不動産の価格(課税標準額)」 × 税率
種別 | 一般住宅 | 長期優良住宅・低炭素住宅 |
---|---|---|
新築住宅 | 1,200万円を減額 | 1,300万円を減額 |
宅地 |
|
*いずれも2024年(令和6年)3月31日までの適用です。
税率への軽減措置
住宅・土地は4%から3%に軽減(2024年(令和6年)3月31日まで)
*住宅以外の家屋は4%が適用
参照:国土交通省「令和5年度 国土交通省税制改正概要」・東京都主税局「不動産取得税」
2-4.登録免許税の軽減
新築住宅や土地の購入・取得にかかる登録免許税には現在、軽減措置があります。
軽減される税金 | 登録免許税 |
---|---|
軽減される税率・金額 | 詳細は下記「軽減される税額」をご参照ください。 |
手続き方法 | 登記手続きの際に、対象となる条件を満たすことを示す証明書を提出。 |
手続き期限 | 新築・購入後1年以内 |
土地や建物の権利関係、住宅ローンの抵当権を明確にするために必要な登記手続きには、登録免許税の納付が必要です。
登録免許税は、住宅が次の3つの要件を満たすことで軽減措置を受けることができます。
- 住宅の床面積が50平方メートル以上
- 自宅として住む住宅である
- 取得後1年以内の登記である
軽減される税額
新築住宅にかかる登録免許税は次の通りです。
本則 | 軽減後 | |
---|---|---|
新築住宅の保存登記 | 0.4% | 0.15% |
抵当権の設定登記 | 0.4% | 0.1% |
土地の売買による所有権の移転 | 2.0% | 1.5% |
長期優良住宅または認定低炭素住宅長期優良住宅を建てた場合は、新築住宅の保存登記・抵当権の設定登記の税率は0.1%に軽減されます。
なお、登録免許税の軽減措置を受けるための特別な手続きや申請はありません。新築住宅が登記の際に要件を満たしていれば、それぞれ軽減された税率で税額が計算されます。
この軽減措置が適用される期間は、2024(令和6)年3月31日までです。期限までに登記すれば自動的に軽減措置が適用されます。
参考:財務省「登録免許税に関する資料」・法務局「令和4年4月1日以降の登録免許税に関するお知らせ」
2-5.固定資産税の軽減
新築住宅にかかる固定資産税を軽減する措置が、2024(令和6)年3月31日まで適用されます。
軽減される税金 | 固定資産税 |
---|---|
軽減される金額 |
(詳細は下記「固定資産税の算出方法・軽減される税額」をご参照ください) |
手続き方法 | 都道府県の税事務所に必要書類を提出 |
手続き期限 | 自治体により異なるが、通常20日~60日以内。 *登記の翌日から5年以内であれば、還付手続きも可能です。 |
固定資産税の算出方法・軽減される税額
固定資産税は、一般的に以下の計算で算出されます。
固定資産税評価額×1.4%(標準税率)=固定資産税の税額
期間 | 3年間 (長期優良住宅の場合は5年間に延長) |
---|---|
減減額 | 税額の2分の1 |
*この軽減措置は、2024(令和6)年3月31日まで適用されます。
種別 | 範囲 | 評価額の軽減 |
---|---|---|
小規模住宅用地 | 200平米までの部分 | 1/6 |
一般住宅用地 | 200平米を超える部分 | 1/3 |
参考:国土交通省「令和5年度 国土交通省税制改正概要」、大阪市「住宅用地の課税標準の特例措置」
注文住宅に関する税制の優遇や補助金は多くあり、「自分の場合はどの制度の活用ができるのか」「どの制度を併用すれば一番得なのか」といった疑問を多くの方が抱くでしょう。
しかし、注文住宅の補助金や税金の仕組みは複雑のため、自分一人の力で理解することは不安も多く、難しく感じるかもしれません。
重要なのは、早めに注文住宅のプロにアドバイスをもらったり、補助金や税金の仕組みについてしっかりリードしてくれるハウスメーカーを見極めたりすること。
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3.各地方自治体によるもらえる補助金・助成金制度
この他にも地方自治体ごとに独自の補助金や助成金を設けている場合があります。契約する前に、お住いの市町村、住みたい地域で利用できる補助金がないかを確認してみましょう。
3-1.【東京都】「東京ゼロエミ住宅」の新築等に対する助成事業
※以下は2022年度の情報です。2023年度の情報が発表され次第更新いたします。
東京都では、独自に設けた「東京ゼロエミ住宅」の認証を条件に補助金を受け取ることができます。対象となるのは個人・事業者問わず、新築住宅。
補助される金額は3つの水準に分かれ、戸建て住宅で30万円~210万円/戸、集合住宅で20万円~170万円/戸です。
さらに太陽光発電システムを設置すると1KWごとに12万円の追加補助(上限36万円)も受け取れます。
参考:クール・ネット東京 東京都地球温暖化防止活動推進センター「東京ゼロエミ住宅導入促進事業」
3-2.【神奈川県】はだの丹沢ライフ応援事業
神奈川県秦野市が行う助成金制度で、市への移住・定住促進を図るため、40歳以下の世帯が市内に新たに住宅を取得する際にかかる費用の一部を助成します。
助成金額は、基本額となる20万円に、条件に応じて以下が加算されます(上限金額は60万円)。
- 移住加算:市外からの転入者を含む世帯
- 子育て加算:小学校卒業前の子を含む世帯(子1人につき10万円加算)
- 結婚新生活加算:過去5年以内に婚姻の届出をした夫婦
- 空家加算:助成対象住宅が空家バンク登録物件である場合
- さと地共生住宅加算:「さと地共生住宅開発許可制度」を活用して建築されたものである場合
2024(令和6)年度まで実施される予定のため、これから移住を考える方にもおすすめの助成金といえます。
参考:秦野市役所「【受付中】はだの丹沢ライフ応援事業(令和4年度から令和6年度実施)」
3-3.【千葉県】佐倉市住宅用設備等脱炭素化促進事業補助金
千葉県の佐倉市が行う脱炭素化のエコ住宅を促進するための補助金です。以下の助成金が支給されます。
設備 | 補助金額 |
---|---|
太陽光発電システム | 上限5万円 |
家庭用燃料電池システム (エネファーム) |
上限10万円 |
蓄電地システム | 上限7万円 |
V2H設備 | 補助対象経費 × 1/10 (上限25万円) |
申請受付期間は2023(令和5)年2月28日までです。
省エネ住宅の新築を検討中の方で、国の補助金との併用をお考えの方は、こうした自治体によるエコ住宅新築支援の助成金を探してみるのがおすすめです。
参考:千葉県佐倉市「令和4年度佐倉市住宅用設備等脱炭素化促進事業補助金のご案内」
3-4.【滋賀県】東近江市住まいる事業補助金
滋賀県の東近江市では、市民子育て住宅取得事業、Uターン者住宅取得事業、市民結婚新生活支援事業の3つの取り組みから、定住者・移住者への住宅取得への補助金を支援しています。
事業名 | 補助率 | 補助金額 |
---|---|---|
市民子育て住宅取得事業 | 住宅取得費用の5分の1 | 上限20万円(地域商品券での交付) |
Uターン者住宅取得事業 | ||
市民結婚新生活支援事業 | 住宅取得費用の10分の10 | 29歳以下の世帯:上限60万円 それ以外の世帯:上限30万円 (現金での交付) |
補助金交付申請書の提出期限は、2023(令和5)年3月10日です。
参考:東近江市HP「令和4年度東近江市住まいる事業補助金について」
まとめ
マイホームは非常に高額な買い物ですから、なんとか費用の負担を減らしたいものです。
注文住宅を建てる際には、「受け取ることができるお金」と「支払うべきお金(税金)が減ること」の二つを考える必要があります。
補助金や助成金だけでなく、税金の軽減や非課税措置のことも合わせて考えましょう。
この記事では、最初に以下の補助金、税金控除・税額の軽減について解説しました。
この記事のポイント
新築住宅を建てる・購入する際にもらえる補助金は?
各補助金の詳細は「1.新築注文住宅の購入でもらえる補助金・助成金4つ」をご覧ください。
新築住宅の購入で活用できる税金面の優遇制度は?
「2.新築購入で適用される税金の優遇(軽減)措置」では、上記優遇制度の詳細を解説しています。
注文住宅の補助金・減税・優遇措置特集
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