【間取り例あり】30坪の土地に注文住宅を建てる!実例と工夫すべきポイントを解説

30坪の土地を上手に使った家の間取り実例とおしゃれと快適さを両立する家づくりのコツをご紹介します。

土地価格の高い都心近郊や市街地などで注文住宅を建てる場合、約30坪の土地を選択される方が多くいらっしゃいます。では実際に、30坪の土地に注文住宅で家を建てるとしたら、どのような間取りが実現できるのでしょうか。

本記事では以下の内容について詳しく解説します。

この記事でわかること!

  • 30坪の土地を活かした間取り例5つ
  • 30坪の土地に建てる家の間取りで工夫できること5つ
  • 家をおしゃれに広く見せるテクニック3つ

30坪の土地という条件の中で思い描く間取りが実現できるかどうか、ポイントや実例とよく照らし合わせながら、ぜひ検討してみてください。

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1.間取りを考える前に!30坪の土地に建てられる注文住宅とは

まずは30坪がどの程度の広さなのか、そして適切な人数や部屋数なども含め、実際にどのような家が建てられるのかをご紹介します。
30坪の土地の広さ、そして住宅に対して発生する制限(建ぺい率・容積率)について、理解しておきましょう。

1-1.「30坪」の広さは約60畳

まず、「30坪」の広さを考える前に、「1坪」の大きさについて確認しておきましょう。
マンションやアパートの場合、「平米(平方メートル)」「畳」といった単位を目にする機会が多いですが、戸建て住宅や土地の広さは」という単位で表されることがほとんどです。

1坪の大きさ1坪の大きさ

1平米は1辺の長さが1メートルの正方形を示しますが、1畳は一般的な畳(約1.82メートル×約0.91メートル)1枚分の面積を表します。1坪は、おおよそ標準的な畳2枚分の広さに値するといわれますが、正確には以下のような数値が指標となります。

1坪 =1辺が 1間(6尺[1.8182メートル])の正方形=3.3058平米

1坪3.3058平米
およそ2畳
1平米0.3025坪
1畳約0.5坪
約1.65平米

つまり30坪の土地については、以下のような広さとなります。

30坪の土地 : 99.1736平米、約60畳分の広さ

6畳部屋が約3坪とすると10部屋分、あるいは柔道の公式試合に使われる試合場1面分の広さをイメージしてみてください。

参考:大日本図書「尺貫法」、一般社団法人東京都測量設計業協会「尺貫法(しゃっかんほう)

1-2.「建ぺい率」「容積率」で建てられる家の大きさが変わる

土地が30坪あるからといって、30坪の全部を使って家が建てられるわけではありません。法律により、土地によって「建ぺい率」と「容積率」が定められており、住宅に使える面積が決まっています。

建ぺい率」とは、土地に対する建物面積(建坪)の割合を意味し、真上から建物を見たときの面積で表されます。

建ぺい率

容積率」は、土地の広さに対する「延べ床面積」の割合です。2階建て住宅なら、1階と2階の床面積の合計が延べ床面積に該当します。

容積率

延べ床面積は1人暮らしで20坪、2人暮らしは25坪、子どもがいる場合は30坪をひとつの目安にするとよいでしょう。

例:土地30坪で、建ぺい率60%・容積率200%の地域の場合

建物面積の上限  土地30坪 の 60% → 約18坪
延べ床面積の上限 土地30坪 の200% → 約60坪

この場合、二階建てで最大36坪、3階建てで最大54坪の家を建てることができるということになります。

ここがポイント!

広い家を建てたいなら、最大限に容積率を使うために「3階建ての住居」や「土地や建物によって設けられている緩和措置・例外事例の活用」を検討してみてはいかがでしょうか。

最大限に家の容積率を活用する方法

  • 「3階建て住居」で延べ床面積を増やす。
  • 一定の要件を満たすと建物面積から除外されるバルコニーや庇(ひさし)、ビルトインガレージを活用する。
  • 防火地域のエリアで角地に耐火建築物を建てる場合に適用される「建ぺい率+10%の緩和」を活用する。

もちろん、間取りで工夫を凝らすことはできますが、建てられる家の大きさ自体を増やし、できるだけ広い家づくりを実現してください。

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2. 30坪の土地に建てる注文住宅の間取り例

ここからは、30坪の土地に建てる注文住宅の代表的な間取り例をいくつかご紹介します。

2-1.【2階建て】吹き抜けで明るいリビングを実現する間取り

株式会社BLISS(ブリス)より引用画像

引用:株式会社BLISS(ブリス)「吹き抜け大空間の狭小住宅

30坪という限られた土地の中で、明るく広々とした家を実現した間取りです。
リビングにある吹き抜けが特徴的で、平面・高さともに敷地のキャパシティを最大限使って設計されています。吹き抜けがあると空間は開放的になります。この間取りでは、滞在時間が長いリビングに副抜けを置くことで、過ごしやすい空間を作り出しています。
2階は書斎や趣味に使われ、セカンドリビングのような雰囲気の中でくつろげます。家族それぞれが自由な時間を過ごし、顔をのぞかせれば相手の様子が何となくわかるため、家族間のコミュニケーションが発生しやすい間取りです。

1階は玄関からキッチン、キッチンからリビングが回遊できるつくりになっており、家事動線が十分に意識されています。

ここがポイント!

間仕切り壁がほとんど使われていないため、空間全体にゆるやかなつながりが生まれます。階段を上がると、2階に広がる18畳の洋室は、吹き抜けによって空間が区切られます。また、吹き抜けから差し込む光は空間に変化を与えてくれます。

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2-2.【3階建て】リビングを2階に置いた間取り

セキスイハイムより引用画像

引用:セキスイハイム「鉄骨系住宅『デシオ』

30坪の土地では、延べ床面積を確保するために、3階建て住宅を選ぶ方も少なくないでしょう。3階建ての場合、2階にリビングを置くことで、部屋自体が明るくなり、さらに外からの視線を気にしない空間を実現することができます。

1階にご夫婦の寝室と水回り(トイレ・お風呂・洗面所)、3階には子供部屋を置き、機能もしっかりと分けられて整理された間取りです。
3階にあるラウンジスペースでは、コミュニケーションが生まれるよう、まったりとした時間を過ごせるように考えられています。

ここがポイント!

30坪の土地に3階建ての住宅を考える際には、家族の動線がぶつかり合わないように、1階~2階を夫婦、2階~3階を子供といった分け方をするなど工夫をする必要があります。

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2-3.【3階建て】ビルトインガレージを取り入れた間取り

泉北ホーム株式会社より引用画像

引用:泉北ホーム株式会社「車庫付狭小3階建て

30坪以下の小さな狭小地で、駐車スペースを確保した3階建ての間取りです。1階は建物面積に収まるタイプのビルトインガレージとなっています。
排気ガスや音が気にならないよう、ガレージ部分と接する場所は玄関・廊下・外部収納のみ。さらに、玄関奥にウォークインクローゼットが配置されており、収納に余裕のある設計です。

雨の日でも車の乗り降りがスムーズで、青空駐車に比べ外装を美しく保てます。また、居住空間に近いので、盗難リスクを下げられる点もメリットです。

ここがポイント!

通常、屋根のあるカーポートや車庫は、住居スペースと別棟でも延べ床面積に含まれます。しかしビルトインガレージは、容積率の緩和措置条件として、面積が延べ床面積の1/5未満に収まれば、床面積に含まれません。

▶【3階建て×ビルトインガレージ】など、自分の理想を叶える方法を漫画でチェック
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2-4.【3階建て】屋上でガーデニングやアウトドアを楽しめる間取り

中鉢建設より引用画像

引用:中鉢建設「10.5坪 3階建て狭小住宅 吹き抜けを設けた採風・採光性の高い間取り

30坪という土地の中には、特殊な形状で庭が作りづらい場合もあるでしょう。また、駐車スペースや玄関ポーチに敷地を使ってしまい、十分な庭を作れないケースも少なくありません。そんなときは、屋上を作ることで、園芸や自由な空間を楽しむことが可能です。

屋上には屋外水栓や屋外コンセントを設置すれば、グランピングなどのアウトドアも楽しめるでしょう。景色が絶景でなかったとしても、気軽に気分転換できる場所が手に入れられます。

ここがポイント!

屋上(ルーフバルコニー)は屋外となるため、容積率を計算する際に、延べ床面積にはカウントされません。また、ベランダやバルコニーは、外壁から出幅が2メートル以内まで延べ床面積には含まれません。狭い土地でも、趣味のガーデニングやリラックスできる空間づくりを実現したい方はぜひ活用してみてください。

▶【3階建て×屋上】など、自分の理想を叶える方法を漫画でチェック
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2-5.【3階建て】光と風を感じる中庭のある間取り

さつま建設株式会社より引用画像

引用:さつま建設株式会社「中庭のある3階建て狭小住宅 間取りプラン

長方形の土地に、コの字型の中庭を設けている間取りです。リビングから1年中庭木が見えるので、季節を身近に感じられます。強度・コスト・間取りに工夫が必要ですが、窓の数を増やせるため、効率よく採光と風通しを確保できます。

小さな子どもがいる場合、中庭は安心して遊ぶことができるスペースにもなります。また、排水性を確保したうえでウッドデッキや人工芝を施工すれば、家族やペットの出入りが容易になり、全体の回遊性も高まります。

ここがポイント!

30坪の土地が住宅密集地にある場合、「採光が取れにくい」「周囲の視線が気になる」などの不安を感じる方がいらっしゃるでしょう。
しかし、中庭を取り入れた間取りにすることで、道路からの視線を気にしない庭スペースができ、さらにすべての部屋に採光を取り入れることができるというメリットも生まれます。

▶【3階建て×中庭】など、自分の理想を叶える方法を漫画でチェック
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家づくりのとびらコラム

「3階建て住居のデメリットとリスク対策」

30坪、また30坪以下の土地が多くある都市近郊においてニーズの高い「3階建て住宅」ですが、事前に押さえておきたいデメリットもいくつか存在します。デメリットは、大きく分けて「階段の上り下り」「大型家電や家具の搬入」「耐震性の確保」の3点です。

階段の上り下りがつらい

2階または3階にリビングがある場合、ミネラルウォーターや米など重量のある荷物を手で運ばなければなりません。1階に常温保存できる食品などの保管スペースを設け、小分けして運べるよう対策しておくと安心です。

大型家電や家具の搬入が難しい

3階建ての階段は折り返しが多いため、「大型家電や家具の搬入」をする際にはクレーンで持ち上げ、バルコニーを経由して運び入れるなどの大掛かりな作業が必要です。住み始めてから冷蔵庫や大型ベッドなどを交換する際、どうやって搬入出するのか、間取りを考えるタイミングで検討しておきましょう。

耐震性の確保

2階建ては法律上、「構造計算」する必要はありませんが、3階建てでは必須です。1階に加わる建物重量が重く、構造躯体や地盤に配慮するため必要なステップとなります。

3階建てや4階建てなど多層階の住宅を建てるには、平屋や二階建てにはない知識が必要です。そのため、しっかりとした実績があるハウスメーカーに依頼することが大切です。

3.【失敗事例付き】土地30坪に快適な「間取り」の家を建てる工夫5つ

30坪の土地に注文住宅を建てる場合、必要な機能を確保しながら、こだわりや好みのデザインを取り入れた間取りを考える必要があります。まず、叶えたい間取りの優先順位を立てておくことが大切です。

ここからは、30坪の土地におしゃれで快適な家づくりを実現する5つの工夫をご紹介します。

3-1.部屋数の選択!子供や家族の人数は余裕をもたせる

30坪の土地に2階建ての注文住宅を建てる場合、間取りは広いリビングダイニングに加え、3部屋(3LDK)、または4部屋の居室(4LDK)で構成されるケースが多くなります。

部屋数の選択で後悔した例

子供が増えて部屋が足りなくなった

もう子供は作らないと思って家を建てたが、結局一人増えて、将来リフォームも検討中です。テレワークも始まり、余分に1部屋、2部屋作っておけばよかったと後悔しています。

3LDKの家を建てる際のポイント

家族の人数が3名以内なら3LDKで十分ですが、将来的に介護や家族が増える可能性が少しでもある場合は、4LDK以上にしておくと安心です。

基本的に、部屋数が少なければ構造物を減らせるため、予算が抑えられ、部屋数が少ない分、広々とした間取りが可能になります。しかし、開放的である分、家族一人一人のプライバシーを保つことが難しくなるため、空間を区切る工夫を取り入れた間取りにするとよいでしょう。

4LDKの家を建てる際のポイント

家族の人数が4人であれば、個室も確保できる4LDKがおすすめです。将来的に家族が増える可能性のある場合や、来客用のゲストルームが必要な場合は4LDK以上を検討しましょう。

4LDKの戸建て間取り図例

最近ではリモートワーク(テレワーク、在宅勤務)の需要から、仕事をするスペースを組み入れた家づくりも推進されています。「リビングを仕切りで区切れるようにする」「仕事部屋として1部屋分を確保しておく」など、あらかじめ備えておくと安心です。

「5LDK以上の間取り」の家を建てる際の注意点

「二世帯住宅を予定している」「家族の構成人数が多い」「趣味や仕事用、在宅介護用の部屋がほしい」といった場合、5LDK以上の部屋数が必要となります。現時点で不要であれば、納戸やクローゼットとして活用し、いずれ必要になったら用途を変えればロスもありません。

30坪の土地に5LDK以上の間取りを実現するためには、「三階建てにする」「廊下など部屋以外のスペースを最低限作らない」など、延べ床面積を増やす工夫が必要です。

注意点としては、部屋数が多い分、生活動線がぶつからないようにすることが大切です。詳細は「3-2.生活動線・家事動線を考える」をご覧ください。

3-2.生活動線・家事動線を考える

生活動線・家事動線の選択で後悔した例

布団の上げ下げや、重たい洗濯物を抱えての階段移動は重労働!

1階の洗面所に洗濯機を置いたが、2階にあるベランダに干しに行くのが毎日大変。またリビングも通らないといけないので、散らかっていると避けながら干さないといけない‥。

リビング階段を作ったが、うるさくて落ち着かない

おしゃれにしたくて、吹き抜けリビングに階段を作ったものの、子供たちがドタドタと上り下りしてリビングが落ち着かない。

30坪の土地という限られた空間で生活する全員の生活動線(生活上で通るルート)・家事動線(日々の家事で通るルート)を間取り図に書き込んでみましょう。動線がかぶってしまうと、ストレスがかかり、あまりに分かれてしまうと、家族間のコミュニケーションが不足する可能性があります。

具体的には、以下のようなポイントに気を付けて部屋を配置しましょう。

生活動線のポイント

  • 急いでいる時間帯(それぞれが忙しい朝)や家族が集まった場合(夜・休日や夏休み)の動線を考えておく
  • 来客時の動線として、玄関→リビング(個々の部屋)→トイレの動線も考えておく
  • 動線がリラックスできる空間(リビングや寝室、お風呂など)を邪魔しないように工夫する
  • トイレ、キッチンや浴室などは音が響きやすいので、書斎や寝室と分けて設計することで、それぞれのプライバシーが守られる

家事動線のポイント

  • 家事動線」はなるべく行き止まりを作らず、キッチンを中心に、洗面・物干しスペース(ベランダや外)・リビング・収納を回遊できるよう最短ルートで結びます。
    家事動線のイメージ画像
  • 必須の設備であるキッチン・浴室・洗面・トイレなどの水回りを1箇所に集中させると、家事効率が上がります。
  • キッチン・洗面所の近くにメインクローゼットを設置し、よく使う道具はまとめて収納できるようにする。

長く住むことを考えるなら、現在だけでなく、将来も見据えて間取りを考えておくことが大切です。
「1階だけで生活できるようにする」「バリアフリー対応ができるようにする」「リビング横に寝室にできる洋間を用意しておく」など老後や介護のことも考えた間取りを検討しましょう。

3-3.収納スペースを増やす(階段下・玄関収納など)

収納スペースで後悔した例

玄関スペースにもっと収納を作っておけばよかった

玄関スペースに壁収納は作ったが、コートをかけたり、ベビーカーを置いたりできるような大きめの収納スペースを作っておけばよかったと後悔‥。

30坪の土地の中でも、長方形や旗竿地など変形敷地の土地に注文住宅を建てる際、収納スペースの確保にお悩みの方は多いはずです。そんなときは、空間を立方体として捉え、細部まで間取り図をチェックしてみてください。

まずは玄関まわり・壁面・床下・階段下に着目して、デッドスペース(余白)を探します。デッドスペースを無駄なく活用できれば、居住スペースを最大化できます。
具体的に、以下のような方法があります。

収納スペースを作るための工夫

  • 玄関: 土間を作る・靴やベビーカーを収納する壁面収納をつくる
  • 階段下: トイレ・引き出し・本棚・ウォークインクローゼットにする
  • スキップフロア: 段差に引き出しや本棚をつける・床下収納をつくる
  • キッチンの壁面: 背面収納を設置する
  • キッチンの床下: ストッカー用の床下収納をつくる

壁面収納は、フィットするサイズの既製品を見つけることができれば、造作を依頼するよりも施工費を抑えられる可能性があります。デッドスペースや壁面を上手く活用することで、動線を十分に確保できるというメリットにもつながるでしょう。

3-4. 2階のリビングや吹き抜け天窓で「採光」を増やす

リビングで後悔した例

1階リビングは想像よりも光が入らない

リビングを一階にしたが、あまり光が入らず、冬は寒い。意外と家の前の通りで人の往来が多く、プライバシーの面でも気になる‥。

30坪の土地が都市部にある場合、住宅やマンションの密集により、採光が十分でないケースが多々あります。歩道や交通量の多い道路に接していると、外からの視線が気になる方も多いかもしれません。

戸建ての場合、太陽の光が差し込む時間が長い2階部分にリビングを置く、または吹き抜けを作って天窓を作ることで、採光面やプライバシー保護の問題を解決することができます。

2階にリビングや水回りを配置するメリット

  • 太陽の光が確保でき、外の眺めがよい
  • バルコニーやベランダとの相性がよく、ガーデニングや洗濯の家事動線を短縮できる
  • 外から見られる心配がなくなる

吹き抜けに作って天窓を設置するメリット

  • 自然光を取り入れられる
  • 採光しづらい部屋にも光を入れられる

天窓は複数箇所に設置し、あわせて電動シェードも導入すると、季節に左右されず快適に過ごせるでしょう。
注意点としては、水回りを2階に集中させると、配管工事費の増額が懸念されます。階段の上り下りが増えるなどデメリットも生じるため、よく比較したうえで検討しましょう。

3-5.気密性・断熱性を考慮する

家の気密性・断熱性で後悔した例

窓の数を増やしすぎてしまった‥

断熱性を意識した素材選びをしたが、明るい部屋がよいと思い、窓を増やしすぎた。結局、気密性が下がってしまい、かなり寒い家になってしまった‥。

気密性や断熱性が備わった家づくりをすることで、家の中で快適には過ごすことができます。
高気密・高断熱の家は、限られた空間内にある空気の動きを減らし、部屋の温度が保ちます。さらに、熱が対流や放射によって外に伝わるのを防ぎ、屋外との気温差があっても快適な温度を維持できます。

逆に、気密性や断熱性が十分でないと、外気が侵入して夏は暑く、冬は寒くなります。また、冷暖房を稼働させても効果を得にくく、コストもかさんでしまいます。

気密性と断熱性には深い関わりがあり、グラスウールのような断熱材をいくら壁に敷き詰めたとしても、隙間があれば気密性を保てず、室内に溜めた空気がすべて外に出てしまいます。

高気密・高断熱の家づくりは、国や自治体の制度によって、大きく後押しされています。今ならお得になる助成金・補助金、有利な税金控除がある「ネット・ゼロ・エネルギー・ハウス(ZEH)補助金」など活用できる制度が多くそろっています。

現在使える補助金や有利な税金制度について詳しく知りたい方は、関連記事「【2024年】新築の住宅購入でもらえる補助金・助成金・税金優遇(減税)制度まとめ」をご参照ください。

参考:一般社団法人 環境共創イニシアチブ「PDF2022年 経済産業省と環境省のZEH補助金について

吹き抜けを作るなら「冷暖房効率」が大切

「吹き抜け」のある住宅を検討している場合は、冷暖房効率についても考えてみてください。夏期は吹き抜けが有利に働きます。1階で冷房を使っても、暑い空気は上に抜けるので、影響はほとんどありません。しかし、2階は気密性を確保しないと冷気が逃げます。

そこで、気密・断熱性能を十分備える必要があります。具体的には、排熱できるハイサイドサッシ(高窓)などを設置すれば、冷房の風だけに頼らず、冷えた空気を確保できます。

冬季の場合は、エアコンやファンヒーターなどの「温風暖房」だけでなく、床暖房や蓄熱暖房機などの「輻射暖房」をメインに使うことで、吹き抜けがあっても快適に過ごせます。

ポイント!適切なハウスメーカーを選ぶことが大事

30坪という限られた土地で満足度の高い家を建てるためには、「高気密・高断熱の家」「家事がしやすい間取り」「収納スペースを兼ね備えたおしゃれなデザイン」など、家に求める性能や特徴から適切なハウスメーカーを選ぶことが一番大切といっても差し支えありません。

しかし、初めての家づくりで、日本に十数万以上もあるハウスメーカーの中から適切なハウスメーカーをただ1社選び抜くことは非常に難しく、のちに後悔する人が多いことも事実です。

ハウスメーカー選びに後悔しないためには、実際にハウスメーカーから間取りプランを提案してもらうのが一番。
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4.家をおしゃれに広く見せる3つのテクニック

限られた広さの土地に家を建てる際には、いかに家を広く見せるかという点が大切なポイントとなります。以下では、家に開放感をもたせ、空間を広く使うテクニックをご紹介します。

4-1.天井高やバルコニーを活用して広く見せる!

建築基準法では、居室の天井高は2m10cm以上と定められていますが、最近は2m50cmが標準仕様になってきました。天井高を確保すると部屋が広く感じられ、小上がりなど段差をつけた部屋も設計できるようになります。また、壁面の面積が増えるため、窓のサイズやデザインの選択肢も広がります。

また、バルコニーも部屋を広く見せるポイントのひとつです。リビングからバルコニーにつながる窓を、大間口のサッシでつなげば、視界が抜けて部屋が広く感じられます。

4-2.引き戸を使って間取りをフレキシブルに変化させる

引き戸は、空間の広がりとプライバシーを両立できる万能建具です。間取りとしてみると、引き戸は開放されている状態が基準として配置されます。さらに開け放ったときに壁に収まる「引き込み戸」を採用すれば、普段見えないため、隣部屋との一体感を作り出せます。

来客時に備えた「引き戸」の活用

  • リビングダイニングの間を仕切る(来客があっても、リビングとダイニングそれぞれで時間を過ごせる)
  • リビング横にある居室との間に引き戸を設ける(普段は広いリビングとして、来客時は臨時のゲストルームにする)

4-3.屋根裏・ロフトを活用する

小屋裏収納のイメージ画像

屋根裏・ロフトを上手く活用すれば、容積率を最大限活用できます。
天井高が1.4m以下、床面積が直下の階に対し1/2未満に収められた空間は、居室にならないため、延べ床面積に算入されません。

建築基準法では屋根裏収納とロフトは「小屋裏収納」として扱われますが、不動産業界では物置に近い状態で使うのが小屋裏収納(屋根裏)、居室の一部になっているのがロフトとされます。「小屋根裏収納」は「グルニエ」とも呼ばれます。

いずれも、固定・もしくは取り外し可能な「はしご」で上り下りするパターンが多くみられます。

屋根裏・ロフトのメリットとデメリット

メリット

  • 収納スペースになる
  • 吹き抜けリビングと親和性が高く、リビング収納にも便利
  • 子供の遊び場・趣味のスペースに活用できる

デメリット

  • 上り下りが大変
  • 重いものは収納しにくい
  • 熱がこもりやすい

熱のこもりやすさに対しては、天窓や小窓で換気機能を持たせ、屋根や壁に断熱機能を持たせるとよいでしょう。単純に物置として使うなら、窓の設置を省き、壁紙を貼らずに石膏ボードで仕上げるなどしてコストダウンできます。

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まとめ

30坪前後の土地は、都市近郊でも比較的入手しやすく、住みたい場所に家を建てられる点が大きなメリットといえます。土地の形状や広さを理由にマイホームをあきらめる前に、以下の間取り実例のポイントを参考に、理想の家づくりをイメージしてみてください。

この記事のポイント

30坪に家を建てる際の「間取り」のポイントって何?

各ポイントを活かした間取り例については、「2. 30坪の土地に建てる注文住宅の間取り例」をご参照ください。

土地30坪に快適な「間取り」の家を建てる工夫とは?

工夫の詳細や実際の失敗事例について知りたい方は、「3.【失敗事例付き】土地30坪に快適な「間取り」の家を建てる工夫5つ」をご覧ください。

家を広く見せる3つのテクニックとは?

3つのテクニックについて、詳しくは「4. 家をおしゃれに広く見せる3つのテクニック」にて解説しています。


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この記事の編集者

「家づくりのとびら」編集部

NTTデータグループが運営する注文住宅相談サービス「家づくりのとびら」編集部です。難しい住まいづくりの情報を、わかりやすく正確にお伝えします。記事は不動産鑑定士や宅地建物取引士などの不動産専門家による執筆、監修記事がメイン。初めての住まいづくりをサポートします!

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