【注文住宅の建て方がわかる】赤ちゃんがいても安心！オンライン相談実録

変更日:

2023.07.24

何となく家を建てるエリアや広さなどのイメージがあったとしても、どれくらい予算をみておけばよいのか試算するのは慣れていないと難しいものがあります。
この記事では、初めて家を建てる人からの相談事例にもとづいて、土地の購入も含めた資金シミュレーションの実例をご紹介します。
※本記事は実際の相談内容を参考に編集しています。
※本記事に使用しているご相談者様写真および物件画像はイメージです。

相談者

中村様

神奈川県大和市在住　夫30代、妻30代、長女1歳。現在は賃貸アパートで3人暮らし。長女が小学校に入学する5年後までには戸建て住宅の入居を希望。

回答者

家づくりのとびら　アドバイザー　守田

注文住宅業界で10年以上勤務し、ハウスメーカーの営業職や工務店向けのコンサルを経験。ハウスメーカーだけでなく、地場の工務店や設計事務所との家づくりにも精通した住宅のスペシャリスト。現在は年間約300件の相談に対応。

どんな家にするか、まだハッキリとしたイメージがないのですが…

アドバイザー 守田：では、私からの質問にお答えいただく形で、どういった家にしたいか条件や希望をまとめていきましょう。
まず、何人家族用の家をお考えですか？

中村様：いまは夫婦と子どもが1人なのですが、もう1人子どもが増えることも考えて、最大4人を考えています。

アドバイザー 守田：何階建てが希望ですか？

中村様：イメージしているのは2階建てですが、コスト次第では平屋もいいなと思っています。

アドバイザー 守田：お部屋の数はいくつくらいをお考えですか？

中村様：４LDKかな。

アドバイザー 守田：ご夫婦の寝室は一緒でいいですか？

中村様：いいです。

アドバイザー 守田：何坪くらいがいいとかイメージありますか？

中村様：何となくですが30坪～40坪くらい。広めの40坪くらいが理想かな。
リビングは広いほうがいいよね。

アドバイザー 守田：あとは趣味の道具とかの収納は必要ですか？

中村様：物が多いので収納は広い方がいいですね。
中村様（奥様）：ベビーカーとか置きたいので土間収納は小さくても欲しいです。
シューズクロークもあるといいけれど、靴棚を備え付けでつけてもらえればいいかな。コート掛けとかまでは必要ないですね。

アドバイザー 守田：建物の性能についてこだわりはありますか？

中村様：性能というと、どういった…。

アドバイザー 守田：耐震性とか、断熱性とかですね。

中村様：耐震は一般的な耐震基準でいいですが、断熱性は重視したいです。
そこはお金をかけてでも。

アドバイザー 守田：あとは保証期間について。法律で定められているのは10年で、どの会社で建てても10年はついてきます。それ以上は延長保証でメーカー次第になりますが、なにか希望はありますか？

中村様：保証期間というのは無料のアフターサービスの期間ということじゃないですよね。

アドバイザー 守田：いいえ、保証延長等の条件はありますが、無料のアフターサービスがつく期間という認識で合っていますよ。

中村様：いまのイメージとしては30年くらいですかね。

アドバイザー 守田：ご希望のエリアについて、大和市か横浜市とありますが。

中村様：2人とも働いているのが大和市なので。

アドバイザー 守田：横浜市は県内でトップクラスに高いエリアなので、ほかのエリアも検討できるといいですね。
綾瀬市とかは？

中村様：電車はあまり使わないけれど、電車を考えると綾瀬市よりも海老名市のあたり方がいいのかな。

アドバイザー 守田：駅からの距離はそこまで気にしない？

中村様：絶対条件ではないですね。近いにこしたことはないですけれど、何もかもいい条件というのも難しいでしょうから。

アドバイザー 守田：駐車場は何台分必要ですか？

中村様：2台置けて、詰めれば3台置けるといいですね。

アドバイザー 守田：お庭については？

中村様：なくてもいいくらいです。

中村様（奥様）：決めるべきポイントがどんどんハッキリしてきますね！

アドバイザー 守田：ご希望を整理すると次のようになりますね。

アドバイザー 守田：建物が40坪として、1階、2階それぞれが20坪。建築に必要な敷地が20坪です。
車は1台5坪目安なので、3台だと15坪。
道路から玄関までアプローチで5坪、隣との境界との遊びで5坪くらいみておきます。
そうすると全部で45坪～となりますね。

土地代はいくらくらいみておけばいいですか？

アドバイザー 守田：土地のコストですが、希望している大和市の平均が9万円/坪程度ですね。
条件が良ければ上がるので、ゆとりをもって12万円～15万円/坪で計算してみましょう。

アドバイザー 守田：仮に15万円/坪で広さが45坪だと600万円から700万円くらいですね。

中村様：思ったより安いかな。最低ラインで1,000万円くらいしてもおかしくないかと思っていました。

アドバイザー 守田：条件によりますね。300万円や400万円というところもありますが、条件がいいところを選ぶなら1,500万円くらいですね。

アドバイザー 守田：一方、横浜市は高くて、瀬谷駅周辺だと坪50万円くらいはしますね。

中村様：そうですよね。横浜市が高いのは分かっていましたが、一応希望として入れておいた感じです。

※参考）神奈川県横浜市周辺

住宅ローンのシミュレーションはできますか？

アドバイザー 守田：はい。
まずは月々の返済額から出していきましょうか。
いまの家賃は月に6万円ということですが、これをベースに35年返済で考えていいですか？

中村様（奥様）：友達が言うには「30年で借りるよりは35年で借りて繰り上げ返済したほうが得だよ」とのことなんですけれど、どうなんでしょうか？

アドバイザー 守田：35年で借りて繰り上げ返済するのはいいと思いますよ。
30年で借りて病気などを理由に返済期間を延ばすのは金融機関側が受け入れてくれない可能性が高いため、リスクがあります。一方で長めの返済期間を設けておいて、繰り上げ返済することは可能です。例えば35年で返済期間を設定しておいて、繰り上げ返済することで30年で完済するようなケースですね。今は繰り上げ返済に手数料を取る金融機関も少ないので、リスクが小さいと言えます。

アドバイザー 守田：あとは、住宅ローン減税の条件面もありますね。減税額は毎年の住宅ローンの残高で決まります。
長い期間で返済すると残高の減りが緩いため、残高が多いほうがその分減税の恩恵を受けられますよ。
最初に35年返済で組んでおく一方で、自分たちとしては30年で返済しているつもりで返済分との差額は貯金しておく。減税期間が終わったときに貯金しておいたお金で一気に返済すると、減税の恩恵を最大限受けながら、繰り上げ返済による金利負担軽減のメリットも得られるので、賢い返済計画になると思います。

中村様（奥様）：なるほど。そういう手もあるんですね。

アドバイザー 守田：金利については変動系、固定系とありますが。

中村様：気が小さいので固定がいいです。

アドバイザー 守田：もし借り入れるのであれば、1人で借り入れますか、ご夫婦で借り入れますか？

中村様：私一人で。

アドバイザー 守田：自分たちの持っている現金で使ってもいいのが2,500万とありますが、今回の計画に全て充当すると考えてよろしいですか？

中村様：よくわからないんですが、2,000万くらいまでなら大丈夫です。

アドバイザー 守田：固定金利で、フラット35の場合は10％自己資金であれば適用金利が優遇されるので、ある程度自己資金に余裕があれば有利な条件が期待できます。

費用の概算と内訳を教えてもらえますか？

アドバイザー 守田：お金の面を整理すると…
仮に月々の返済額がいまの家賃と同じ6万円。
金利が固定系で1.5％※2022年12月時点　35年返済で借入金が2,500万円。
トータルで4,500万円ですね。

土地で1,000万円使うとして残りが2,950万円になります。
そのうち諸費用と付帯工事で800万円程度予算を確保しておくとすると、建物本体に使用できるのが2,150万円くらい。

40坪だと1坪当たり49万円（税抜）くらいです。
これだとローコストメーカーを選ぶと予算計画が成り立つかと思います。ただそうなると、保証が短い企業が多いので、もう少し予算を増やすために月8万円返済の計画にすると、建物本体に2,840万円使えて、1坪当たり64万円（税抜）くらいになります。

最長30年程度の保証が付いてくる中堅の住宅メーカーが選べますね。初期保証30年程度、最長60年くらいの保証が付く大手住宅メーカーを選ぶなら月11万くらいが目安ですね。あとは土地の価格次第です。

中村様：なるほど…

アドバイザー 守田：額が大きいと不安かもしれませんが、ボーナス返済で一回10万円程度であれば無理なく充当できるということで設定する人は結構いらっしゃいますよ。

中村様：じゃあ半期に10万、年間20万でお願いします。

アドバイザー 守田：ボーナス返済の分を加味すると、建物本体では75.6万円/坪（税抜）くらいまで使えるようになります。大手ハウスメーカーだとちょっと厳しい部分も出てくるかもですが、中堅メーカーであればコストに余裕がある分、オプションを色々つけられるイメージですね。

ざっくりのシミュレーションですが、どの方向性で検討していきたいという希望はございますか？

中村様：月々の返済額が7万円～8万円で、中堅ハウスメーカーがいいと思いますね。
中村様（奥様）：大手のハウスメーカーをみたら、背伸びしちゃいそうだけど、そんなのをみることも今後ないだろうし。

中村様：ローコストメーカーを選んだ場合、デメリット面が気になりますが…どのあたりに違いが出るのでしょうか？

アドバイザー 守田：ローコストがダメということはないと思いますが、コストが安い分、中堅メーカーと比較すると耐震性能についての研究開発費が抑えられていたり、中堅メーカーでついてくる保証と比べて保証期間が短かったりしますね。

中村様：じゃあやっぱり中堅ですかね。

アドバイザー 守田：このあとはこちらより中村様にマッチしたメーカーさんを紹介しますので、一度話を聞いてみて、自分に合うかどうかで取捨選択をして、よさそうなところに土地探しをご依頼するといいかなと思います。
はじめてお話を聞くときにはコスト感を確認してください。近くでの事例を聞いたりするといいんじゃないかと思います。

中村様（奥様）：ありがとうございます。ますます楽しみになってきました！

アドバイスを受けての感想

相談者:中村様の感想

事前にハッキリとしたイメージを持っていなかった部分もありましたが、質問を受けるなかで深掘りしてくれて、自分の希望や理想が次々と明確になったので、相談してよかったです。
今回は条件や要望を伝えるだけかと思っていましたが、テンポよく進んで資金のシミュレーションもその場でやってもらえたうえに、おすすめの住宅メーカーもすぐに5社紹介してくれて大満足。一気に家づくりが現実味を帯びてきました。

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この記事の編集者

「家づくりのとびら」編集部

NTTデータグループが運営する注文住宅相談サービス「家づくりのとびら」編集部です。難しい住まいづくりの情報を、わかりやすく正確にお伝えします。記事は不動産鑑定士や宅地建物取引士などの不動産専門家による執筆、監修記事がメイン。初めての住まいづくりをサポートします！

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