【本音トーク】住宅最前線!注文住宅のプロによる徹底討論 第4回(全4回)

第4回 注文住宅ならではのこだわり事例、失敗から学ぶ注意点

大手ハウスメーカーでのキャリアもあり、豊富な専門知識を備えた「HOME4U家づくりのとびら」の専門アドバイザー陣。そのなかの2名に集まってもらい、日々お客様と接するなかで感じる傾向や、ハウスメーカーの営業経験者ならではの体験談も交え、家づくりを進めるにあたっての具体的なポイントや注意点を語ってもらいました!

第3回はこちら

「HOME4U家づくりのとびら」の専門アドバイザー陣

【今回の出席者】

出席者 石田さん(仮名)
石田さん(仮名)
「HOME4U家づくりのとびら」専門アドバイザー。
注文住宅業界で10年以上勤務し、ハウスメーカーの営業職や工務店向けのコンサルを経験。地場の工務店や設計事務所との家づくりにも精通。現在は年間約300件の相談に対応。
出席者 林田さん(仮名)
林田さん(仮名)
「HOME4U家づくりのとびら」コンサルティング営業担当。
大手ハウスメーカーで湘南エリアや神奈川圏央エリアを中心に6年間営業として勤務し、「全国女性営業棟数金額賞」入賞、「県内最優秀賞」複数回受賞。神奈川県相模原市出身。

見習うべきポイント!ユニークなお客様の事例を紹介

これから家を建てる人が参考になるようなお客様の事例があれば教えてもらえますか。

林田さん事例集といいますか、自分の好みに近い間取りの写真や画像を集めて持ってきてくれた人がいます。お客様の趣味趣向が分かって、こちらもそれに寄せた提案でお客様にサプライズを用意できたりするので、ありがたいですね。
ただ、間取りにおいては「絶対これ!」というのではなく参考程度に示していただいて、「この間取りで何を実現したいのか」を伝えていただくのが重要です。「それを実現するなら、こっちのプランはいかがですか?」と返すのがプロなので、そういう意味で用意していただけるのであれば歓迎しますよ。
なかには自分でハザードマップと地価の金額を重ね合わせて、さらに地形図も被せたものを作ってきた人がいましたね。こちらとしてもとても参考になる良い資料でした(笑)。

石田さん私が担当している相談サービスのお客様で、プレゼンボードを作ってきた方がいましたよ。Googleストリートビューの画面にARで建ぺい率がいくつで、容積率がいくつでみたいなものを載せて。インテリアもIKEAのカタログから持ってきた家具を置いて、WDH(幅・奥行・高さ)がそれぞれいくつかも書いてあって。特に建築の仕事とかに関わっていない人でしたが。
この例のメリットを挙げれば、求めているものとのブレがないプランが出てきますが、裏を返すと意外な提案が受けられないというデメリットにもなりますね。想像どおりのものは出てきても想像以上のものは出てきません。

住宅の図面

あと、間取りを書いてくる人は珍しくないんですが、図面を描いてきた人、正確にいうと断面図まで描いてきた人がいるんですよ。実はこれ、とっても重要なんです。だいたい皆さん間取りは平面図でばかり考えるんです。でも実際に暮らすと、高さを加えた空間になるので、立てる前に空間を認識しておけるのが大きなポイントになります。ハウスメーカーの営業マンを含めても、そこまでの感覚を持っている人はなかなかいません。極端な例ですが、私の後輩で階段下にトイレを作ったけれどフタが開かないというのがありました。天井が勾配になっているという空間の認識がないからなんですね。

林田さん実際に家を見て空間を認識しておくというのは大事ですよね。
メーカーの営業時代、子育て中の40歳代のお客様がいて、忙しいのと、ある程度人生経験を積んで自分の価値観や常識を持っていらっしゃるので、現場を見ずにメーカーからの提案を「まあ大丈夫だろう」とよく確認せず、価格が抑えられたメーカーで契約してしまったんです。実際に打合せが進むにつれて、価格優先で非常識な設計になっていたことに気づいて、契約後に見積りがあがったり、工期が遅くなったと聞いた事例が2組ありましたね。
何度も「展示場で現物を確認して欲しい」と言ったのですが、「忙しいから」「私たちは大丈夫」「だいたい分かってる」などと、取り合ってもらえませんでしたね。

注文住宅だからできる、ちょっとしたこだわりポイント例

「注文住宅って、こんな個性的な家が建てられるんだ」という事例は何かありますか?

石田さんたとえば、薪ストーブを付けたいけれど住宅街だからできないと諦めかけていたところ、ペレットだったら大丈夫でできたとか。
あとは、ブランコを付けたりとか、ハンモックを付けたりとか。
私の担当ではないですけれど、アキュラホームさんの事例で囲炉裏のある家がありましたね。

林田さんうわぁ、すごい!

旅館やホテルっぽくするというオーダーはできるんですか?

林田さんできます。できます。
お客様に「大阪のこのホテルみたいにしてほしい」と言われたことがあるんですけれど、そのような内装に合わせて大理石調のタイルやグレイッシュな木目を使ったりとか。そういうのは叶えられますね。

和室の丸窓

石田さんあと和室の場合、丸窓を付けるととても雰囲気が出ますよね。
建材では太鼓貼りの障子とか。
マニアックな部分だと、竹のフロアや古木が使えるといったようなことは建売住宅では難しいでしょうね。

先人の失敗から学ぶ、知っておいて損のない注意点

違約金を払って契約を破棄した人など、家づくりの失敗例やトラブル例で紹介できるものはありますか?

石田さん相談サービスのお客様で、タマホームを解約してパナソニックにしたという人がいましたね。
価格の安さで選んで契約したものの、対応に不満があって、着工の直前でやめたということです。

一戸建ての宅地造成

お金はどれくらい払ったんでしょうか?

石田さん発注前の段階でしたが、調査費などは掛かったので、数十万円というレベルですね。
雑木林みたいな敷地だったので抜根伐採の必要があったんですけれど、残したい木もあったんですよ。その条件下で2台分の駐車場が確保できるという話だったのに1台分しか確保できないということになって、2台分欲しいなら残そうとしている木は切らないといけないということで、トラブルになったそうです。
ただ、「言った、言わない」というドロ沼の事態に至らなかったのは、議事録に残してあったからです。このように「ハズレを引く」ことはあり得るので、そういったリスクに対して自衛するためにも議事録などの紙に書いて残しておくというのは大切ですね。

林田さん不安な点は「それ大事そうなので、書いておいてもらえますか」と頼んで、営業マンに書いてもらうようにするといいですね。そうすれば相手も認識したうえでの議事録になるので。

私が経験した契約破棄関連の事例ですが、「仮契約」ということでお金を払ったら、いつのまにか進んでしまっていて契約が破棄できなくなっていたと、展示場にご来場されたのが結構ありましたね。特定のハウスメーカーに多かったようですが、今はもうなくなったのかな。

石田さん今もやっているところはあるようですよ。

誤認させるためにあえて「仮契約」という言葉を使っているんでしょうか?

契約書

石田さんそれはありますね。
法律上、「仮」と付いていても効力は一緒なので

林田さん別の例では、もともと持っていた土地の調査を契約後に行った人なんですけれど、地中にコンクリート杭がたくさん埋まっているのが分かって、取り出すために700万円追加になってしまったというのがあります。
購入する土地だったら契約前に調査できないのは分かるけれど、自分の土地なのに契約前に調査をしてもらえなかったんです。

それは施主のミスになるんですか?

林田さんハウスメーカーによるんでしょうか。私が以前働いていたメーカーでは、土地をすでに持っているのであれば、調査をしてからでないと契約には進めませんでしたが。

石田さん「地中埋蔵物」だと、何ともいえませんね。
上物の配置が決まらないと調査のポイントが決められないので。

林田さん土地を持っているならば事前に調査をやっておいた方がいいと思いますが。

石田さん地盤調査を事前にやってくれるかどうかはメーカーによって違いますね。
5万円~10万円くらいかかるので、事前にそのお金をもらっている住友林業とかだと問題なくやりますけれど、「契約前に無料でやります」というところと「契約しないとやりません」というところは、分かれますね。
その分のお金を出すということなら、どこもやってくれると思いますけれど。

林田さん家を建てるのが決まっているなら、いずれやることになるので、事前にやったほうがいいと思いますね。

石田さんただ、早い段階で調査した場合、配置や建物形状が変わってしまったらポイントが有効ではなくなるのでもう一度調査しなければいけなくなるんですよ。その費用負担をしたくないから契約してからじゃないとやらないという会社がローコストのメーカーでは特に多いですね。

土地まわりに関する重要な情報まで、ありがとうございます。
今日は貴重なお話をありがとうございました!

大切な家づくりをする上で、成功事例だけでなく失敗事例も教えてもらえることは重要ですね。
理想実現のために、担当者にきちんと伝える方法や、もう少し事例が聞きたい…等々、お悩みの方も多いのではないでしょうか。
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この記事の編集者

「家づくりのとびら」編集部

NTTデータグループが運営する注文住宅相談サービス「家づくりのとびら」編集部です。難しい住まいづくりの情報を、わかりやすく正確にお伝えします。記事は不動産鑑定士や宅地建物取引士などの不動産専門家による執筆、監修記事がメイン。初めての住まいづくりをサポートします!

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