【相談実録】猫と暮らす理想の家、いくらで建てられる?

はじめての家づくりは進め方や予算感、ハウスメーカーの選定など分からないことも多くあるものです。人生の中でも大きな決断で、買い物になるマイホームの建築、購入は、失敗せず後悔の無いようにしたいですよね。
この記事では、実際にマイホームを建築、購入する人の相談事例にもとづいて、注文住宅を建てる際の疑問を解決しながら家づくりの基本の流れをご紹介します。
※本記事は実際の相談内容を参考に編集しています。
※本記事に使用しているご相談者様写真および物件画像はイメージです。

本日のご相談コース

相談者

ご相談者 田辺様 イメージ
田辺様
  • 埼玉県在住 30代~40代
  • 土地探しから始めたいが、何から着手したらいいか分からないので予算に関することなど、一から相談に乗ってほしい。
  • 猫と一緒に住める快適な家づくりをしたい。
  • 姉妹3人で楽しく快適に過ごせる家づくりをしたい。

回答者

回答者 「HOME4U 家づくりのとびら」 アドバイザー 守田
家づくりのとびら アドバイザー 守田
注文住宅業界で10年以上勤務し、ハウスメーカーの営業職や工務店向けのコンサルを経験。ハウスメーカーだけでなく、地場の工務店や設計事務所との家づくりにも精通した住宅のスペシャリスト。現在は年間約300件の相談に対応。

1.予算に必要な「注文住宅の費用内訳」

アドバイザー 守田:今回はこれから基本的な段取りや予算感を説明する「家づくりスタートコース」でお話をさせていただきますね。

田辺様(長女):ありがとうございます!予算感はかなり気になっているので助かります。

アドバイザー 守田:まず、特に気になる予算感について解説していきますね。解説をしたうえで、具体的な話をしていきましょう。まず、坪単価って聞いたことありますか?

田辺様(次女):聞いたことあるけどイメージはあまり…

アドバイザー 守田:注文住宅はまだこの世にできていないものであり、作る場合はいくらでも自由が利きます。その分、コストが算出しにくいですよね。その悩みを解消するのが坪単価です。
畳2枚分の面積が1坪になるのですが、建物を建てるときに1坪あたりの単価がいくらになるのかを表したものを坪単価と呼んでおり、コストを算出するための指標として使われます。

田辺様(三女):なるほど。

建物費用の総予算における構成要素

アドバイザー 守田:家づくりのコストの70,80%を占める建物本体工事費はこの坪単価で算出します。
建物本体工事とは、建物本体にかかる費用のことです。基礎工事、家の骨組み、内外装、屋根、設備などが該当します。

建物本体工事費

アドバイザー 守田:一方で本体工事以外の工事すべてをまとめて付帯工事と呼んでいます。仮に本体工事だけで家を作った場合、見た目は完璧でも玄関で照明がつかない、蛇口から水が出ないような家になります。建物の外から水道や電気などインフラを引いて人が住める家にする工事は本体工事に含まれません。
その他にも、カーテン、照明、エアコン、外構工事、古い建物の取り壊し(解体工事)、地盤改良工事なども付帯工事になります。

付帯工事費用

アドバイザー 守田:工事以外の費用全てをまとめて諸費用と呼んでいます。本体工事や付帯工事はハウスメーカーに支払うお金ですが、家を建てるにはメーカー以外にもお金を支払わなければいけませんよね。
例えば、銀行に払うローンの手数料、引っ越し屋に払う引越料、神主さんに払う地鎮祭玉串料などなど…。この金額も土地や条件により変わるので、どれくらいになるかは分かりませんが、一般的には住宅建築にかかる総費用の5~10%程度と言われています。

諸費用

アドバイザー 守田:これに加えて土地のお金がかかります。

田辺様(三女):え~!まだかかるの?!

アドバイザー 守田:はい、さらに土地のお金に加えて、土地の諸費用も掛かります。これは、仲介手数料や、法務局に所有権の登記をするための登録免許税や司法書士への報酬などが含まれます。

土地の諸費用

アドバイザー 守田:結局、建物と土地だけではなく、家づくりの予算感は5項目で見ることが望ましいです。
建物本体工事費、付帯工事費、建物諸費用、土地代金、土地諸費用
いずれかを無視してしまうとどこかで補填しないといけなくなり、本体工事費から削ることになります。建物の予算が減れば、当然その分出来ることが減ることになります。オプションをあきらめて理想と違うものになるのは嫌ですよね。

田辺様(長女):理想の家が建つと思って全然違うのが建つのは嫌よね!

田辺様(次女):最初に話を聞いててよかった~

2.猫と快適に過ごせる家、希望条件を一緒に整理

猫と快適に過ごせる家、希望条件を一緒に整理 イメージ

アドバイザー 守田:では具体的に予算イメージなどを算出していきます。最初に、家づくりを検討することにしたきっかけを聞かせて頂いても良いですか。

田辺様(次女):そもそも「3人で住もう!」と話していて、中古の戸建てとマンションを見ていたんです。現在猫を飼っているんですが、不動産に相談すると、マンションはペットの飼育に制限がありました。中古の戸建てもそんなに安くなく、独立式のキッチンをリフォームでつけるとすると新築を建てるのとお金も変わらないんじゃないかという話になって。
新築で家づくりを検討することにしました。

アドバイザー 守田:ペット可となるとなかなか許容される選択肢は狭まりますからね…。今は賃貸ですか?

田辺様(次女):はい、賃貸です。もともと比較的気に入った家に住んでいたのですが、大家さんともめて不本意に引っ越すことになってしまったんです。急いで引っ越したので、不便で家賃も高く、近所の音もかなり気になる場所に住んでいます。
田辺様(長女):猫を連れて行くとなると賃貸も限られちゃったよね。
田辺様(三女):次の更新まで1年半くらいあるけれど、このまま更新したくないっていうのもあって相談しました。

アドバイザー 守田:なるほど、早めに動こうとする判断は良い判断ですね。実は家づくりは1年半でも結構ギリギリで、2,3カ月くらい余裕があるかなっていう程度なんです。住むのは3人と猫ちゃんの予定ですね。

田辺様(長女):はい!この3人とペットとで仲良く住み続けたいですね~

アドバイザー 守田:素敵ですね。お部屋の希望などはありますか?

田辺様(次女):3階建てが良いです!猫の次に服が好きだから、大きなウォークインクローゼットが欲しい。1階エリアは脱走防止や洋服の管理を考えて、猫ちゃんが入れないようにしたいと思っています。
田辺様(三女):まあ、すごくそうしたいっていうよりも作りたい要素っていう感じだよね。
田辺様(長女):そうそう、でも1階は収納、2階はキッチンやリビング、3階は居室、って割り振りは変えたくない気もする。

アドバイザー 守田:すでに具体的に3名でお話もされているのですね。他に欲しい設備などはありますか?

田辺様(長女):猫に水や食料品を触られたくないので、パントリーも欲しいと思っています。
田辺様(三女):もし可能ならスキップフロアを設けてその下に猫のトイレを置きたい!
田辺様(次女):3人の意見として寝室は狭くていいので、猫のちょっとしたスペースとか収納にスペースを使いたいとも話しています。

アドバイザー 守田:3階建てなどある程度高さが出る建物は、耐震性も影響しますが気にしますか?

田辺様(次女):そんなに深くは気にしてないよね。
田辺様(長女):法律さえ守れたらいいかと思っています。

<今回のご希望の整理>

  • 家族3人、ペットも一緒に住める家
  • エリアはそれなりにコストが抑えられる場所希望
  • 3階建ての家を希望
  • 大きなウォークインクローゼット、パントリー、スキップフロアが欲しい
  • 耐震性はそこまで気にしない
  • 断熱性があり防音性も期待(グラスブールなど)

3.猫の騒音・音漏れ対策はどうする?

田辺様(次女):あと、うちの猫は夜中に騒ぐこともあってうるさいんです。今は気になりませんが、閑静な住宅地だとクレームにならないかも気になります。最近の住宅の音漏れはどうなのでしょうか?

アドバイザー 守田:建物のコストをかなり下げると心配ですが、ローコストの住宅レベルでは問題ないと思います。楽器を弾くなどすると音も響くと思いますが。

田辺様(長女):壁を厚くしたら音漏れの心配もなくなるって聞いたことがあるけれど…

アドバイザー 守田:断熱性能を高くするための断熱材をたくさん壁に入れると、壁も厚くなり、音も漏れにくくなる傾向にあります。断熱材の有名なものにグラスウールがあるように、断熱材には柔らかいものが多くあります。お布団の中で声を出してみるとお布団の外に声が届きづらいことがわかりますが、柔らかい素材は音を吸収します。なので音漏れにも効果があるんです。

田辺様(次女):断熱性の話で行くと、最初は全室空調や床暖房を入れたいと思っていましたが断熱性が高ければ導入しなくても良いかな。ランニングコストもかからないし。
田辺様(三女):温度の感じ方には個人差があるのでみんなそれぞれ調整して、一旦は全部猫基準で良いか。
田辺様(長女):良い良い。今猫の負担になっている寒暖差が減らせたら嬉しいよね。

アドバイザー 守田:断熱性能等級はUA値というもので決まっています。最近では等級の6,7が新設されました。このUa値は小さい方が良いのですが、東京都内だと0.6くらいあれば断熱等級5相当の断熱性能で、太陽発電等と組み合わせれば光熱費ゼロ円を目指すことも可能になります。


戸建住宅の断熱等性能等級6・7の基準

引用元:https://shimi-jyu.com/blog/3026/

田辺様(三女):そこまでしっかりしていなくても良いかな…。ん?断熱性が高いと、夏は部屋が暑くなるってこと…?

アドバイザー 守田:そもそも断熱というのは、外の温度の影響を受けにくいと言うことで「外が寒くても中は暖かい」「外が暑くても中はその暑さの影響を受けにくい」と言うことになります。
断熱は家の構造面でも影響を受けやすく、建物の形が正方形であれば外に触れる外壁が少ないので断熱的には機能性が良いですが、L字やコの字は床面積が正方形のものと同じでも外壁が増えることで断熱的にはマイナスになります。
他にも、窓の大きさを大きくして解放感を求めると、断熱性にはマイナスの影響があります。トリプルガラスのサッシを採用すればマイナスの影響度合いは低く抑えることが出来ますが、それでも断熱性能的にはマイナスになります。

田辺様(長女):知らなかったです。断熱性が高ければ夏になると部屋が暑くなると思っていました。

アドバイザー 守田:そういうわけではないです。
とはいえ、窓などから日の光が入って部屋に日向がたくさんできることで部屋の中が温まるということはあります。その場合は軒の出を長くして日を防いだり、木を植えて調整をしたり工夫するやり方もあります。
木を植えれば、夏は葉が生い茂ることで日光を防いでくれますし、冬には葉が落ちて日光を建物の中に取り込みやすくなるといったメリットがあります。落ち葉の処理が大変になってしまう点はデメリットですけどね。

4.会話をもとに予算シュミレーション算出!

会話をもとに予算シュミレーション算出! イメージ

アドバイザー 守田:あとはエリアですね。不動産情報サイトに掲載されているエリア相場は、価格が平均値であるように条件も平均です。条件が良くなるほど価格が高くなる傾向にあります。

田辺様(長女):駅の近さは平均20分くらいで出ているから10分以内になるとグッと高くなるのか。
田辺様(三女):沿線を広げる方法もあるよね。
田辺様(次女):乗り換えができる駅は利便性も高いからグッと値段も上がるんですね。

アドバイザー 守田:総費用8,000万円でシュミレーションしてみますね。
月20万円の返済、金利は0.6%くらい、自己資金500万円で見てみましょう。

総費用を8,000万円、土地費用5,250万円(土地諸費用250万円)とすると、残りが2,750万円ですね。建物諸費用は200万、付帯工事は600万、本体1,950万
40坪で想定するとひと坪44万円(税抜)くらい、全部で30坪だとひと坪59万円(税抜)くらいのコストを建物に使えるということになります。

総費用を8,000万円、土地費用を先ほどより1,000万円ほど安い4,250万円(土地諸費用250万円)、建物諸費用は200万、付帯工事は600万。本体3,150万になるので、40坪くらいの建物を建てるとするとひと坪71万円(税抜)ほど使えることになりますので、もう少しグレードの高い中堅の住宅メーカーを選んで建てられます。

田辺様(長女):これで中堅なのか。予算感がイメージできました。

アドバイザー 守田:本体に3,000万円程かけられるとだいぶ変わってきます。化粧張りを出してキャットウォークにアレンジできたりもします。
ご要望をお伺いした感じだと、建物に4,000万円前後、土地に4,000万円前後くらいの振り分けが理想かもしれませんね。

田辺様(次女):全然予算について実感がわかなかったので参考になりました!
田辺様(長女):借り入れをもとにもっと具体的にシュミレーションをしたり、ハウスメーカーさんのご案内もして頂きたいよね!改めて相談させてもらおうよ!
田辺様(三女):だねだね!ぼんやりとしていた3人のマイルームがよりクリアになったね!

ここまでの相談内容から振り返る、相談サービスでできること

  • エリアの特性を率直に相談できる
  • 予算の相談やローンについても相談できる
  • 短時間で効率よく相談できる

初めての家づくりでは、聞いたことのない専門用語に戸惑っている方も多いと思います。
そんな「何から進めていいのかわからない方」におすすめなのが、本記事で紹介したHOME4U 家づくりのとびらの無料オンライン相談サービスです!
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この記事の編集者

「家づくりのとびら」編集部

NTTデータグループが運営する注文住宅相談サービス「家づくりのとびら」編集部です。難しい住まいづくりの情報を、わかりやすく正確にお伝えします。記事は不動産鑑定士や宅地建物取引士などの不動産専門家による執筆、監修記事がメイン。初めての住まいづくりをサポートします!

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