【相談実録】一人暮らし、理想の注文住宅 ~前編~

家づくりのフローや、ハウスメーカーの探し方、予算の考え方など、はじめての家づくりには不安もつきまといます。
この記事では、実際にマイホームを建築、購入する人の相談事例をもとに、注文住宅を建てる時の流れをご紹介します。
※本記事は実際の相談内容を参考に編集しています。
※本記事に使用しているご相談者様写真および物件画像はイメージです。

相談者

相談者:佐藤様
佐藤様
  • 都内在住 30代後半
  • 自分の年齢や年収を考えた時に注文住宅が建てられるのかが知りたい
  • まずはエリアや土地を絞って家づくりを現実的なものにしたい

回答者

回答者 「HOME4U 家づくりのとびら」 アドバイザー 守田
家づくりのとびら アドバイザー 守田
注文住宅業界で10年以上勤務し、ハウスメーカーの営業職や工務店向けのコンサルを経験。ハウスメーカーだけでなく、地場の工務店や設計事務所との家づくりにも精通した住宅のスペシャリスト。現在は年間約300件の相談に対応。

1.一人住まいの家が欲しい!家づくりを考えたきっかけをヒアリング

アドバイザー 守田:この度はご相談いただき、ありがとうございます!
まずは佐藤様のお話をお伺いできればと思うのですが、家づくりを考えはじめたきっかけを教えてください。

佐藤様:コロナ禍になる前から家づくりは検討していて、空き家のリフォームや中古住宅を検討していました。DIYが好きなので自分で手を加えるのも面白いかなって。でも駐車場がなかったり、耐震工事をしたりと必要な部分を見ていると、新築を建てるのとそんなに金額差がないことに気づいてしまったんです。いろいろと見ていると、注文住宅だと1LDKなど一人暮らし用の小さな戸建ても建てられることを知り、本格的に検討するようになりました。老後になって住むところが借りられないなどの話も耳にしますし……。

アドバイザー 守田:確かに、年を重ねると賃貸物件も選択肢は狭くなってきますよね。

佐藤様:今後不便なエリアに年老いて一人で住むことにはデメリットしかないなって。
他にもインテリアにこだわりたい気持ちもあって、コロナ禍で出勤頻度が減ったこのタイミングで戸建てを建てようという気持ちが強くなりました。

アドバイザー 守田:テレワークの導入など、通勤が減ったタイミングで住まいを検討する人は多いと聞きます。

佐藤様:そうですよね。あとは今の家は騒音が気になっていて。足音がすごくうるさいんですけど、この問題は色んな所に引っ越してきましたが、ずっと付きまとってきたので「自分の家を持てば良いのでは!」と思うようになりました。

2.理想の暮らしが叶う家は?間取りや仕様の整理

理想の暮らしが叶う家は?間取りや仕様の整理 イメージ

アドバイザー 守田:実際に考えられている家の希望などはありますか。

佐藤様:今考えているのは、2LDKや1LDKなどの平屋です。サービスルームがあって、キャンプ道具やDIYの作業スペースが欲しいと思っています。あとは寝室とリビングがあればいいかな。
庭は必要ないんですが、車は結構大きいのに乗っているので余裕もって止められるスペースが理想です。土地を広く持たないといけないし管理も必要ですが、自転車が置ける駐輪場とタイヤがしまえる小さな倉庫も欲しいです。

アドバイザー 守田:アウトドア、良いですね!エリアについてお伺いしても良いですか?今はどちらにお住まいですか。

佐藤様:今は北千住駅です。
今後、通勤に関しては最低でも1時間半内が希望です。電車の乗車時間が1時間程度。過去に通勤時間2時間のところに住んでいましたが、かなりきつかった……。
路線などのこだわりはないですが、乗り換えは少ない方が良いです。

アドバイザー 守田:郊外になると駅間の距離は離れますが、電車の平均速度が上がる点も考慮されても良いかもしれません。埼玉県、神奈川県、千葉県あたりは、エリアによってはイメージされているよりも通勤に時間がかからない好アクセスの立地を見つけられるかもしれません。

佐藤様:確かに、東海道線や総武線はめちゃくちゃ速いですよね!
郊外は大きな川なども多くて怖い気持ちもあります。最近はゲリラ豪雨で浸水するなどの災害も増えているので、浸水のリスクのある所は検討したいです。地震に関しては、最近の日本の家はしっかりしているので安心しています。

アドバイザー 守田: 浸水は地形の影響が強く、多少の高低差でも浸水したり、しなかったりが分かれてくるところです。

佐藤様:床下などに水が入って家が腐ったり、ということを考えても、やっぱり水は避けたいと思っています。特にリスクの高い、川沿いやハザードマップで浸水5mと赤く出ているところは避けたいですが、まあこの辺は立地や値段を比較してからですね。

アドバイザー 守田:川沿いのような浸水リスクがわかりやすいエリアだけでなく、低位置で浸水被害が発生する可能性がある場所もハザードマップには記載されているので、ハザードマップ上に浸水リスクの記載がないところは浸水報告のない場所としてある程度安心してもいいと思います。

佐藤様:土地に関しては、裏に古い壁がある、ブロック積んで土を入れてかさ上げしているような古い住宅地や、道路面にガレージがある場所は避けたいです。
古い基準だといつ崩れるか分からないなどもあるし、高い所は駐車の時に上り下りが発生するのも懸念点です。安い所はそういう土地も多いですよね…。

アドバイザー 守田:逆に言えばマイナス要素があるからこそ安いとも言えますからね。

今回のご希望の整理

2.家づくりの“気になる”を解決「建蔽率」とは?

佐藤様:コストを安く抑えるためには建蔽率が肝だと聞きました。例えば、欲しいと思っているサービスルームを2階建ての上の階に作ることなんかもできるかと思っているのですが、この建蔽率とは具体的にどのようなものなのでしょうか?

アドバイザー 守田:建蔽率についてここで詳しく解説します。建蔽率とは、「建物の建築面積」と「土地の敷地面積」の比のことです。

建ぺい率

商業地域は日当たりは無視してもよく、ビルがひしめいていても、生活のための場所は少ないので関係ないですよね。
住居専用地域は名前の通り住宅のための専用エリアですので、どの家も日当たりが確保できるようにいくつかのルールが設けられており、建蔽率はルールのひとつです。敷地の中の一定の割合を、庭などの建物以外のスペースとさせることで、周囲の住宅の日当たりが確保できるようにすることを目的としたルールなんですね。住居専用地域の中でも、低層住居向けのエリアの他に中高層住居向けのエリアもあります。中高層住居向けのエリアでは、低層住宅に比べて比較的規制が緩い傾向にあります。

佐藤様:もっと建蔽率が80,90%くらい高いのが普通だと思っていました。隣の家と体を横にしないと入れないなどが普通かなとか思っていました!

地域の特色に合わせたルール 建ぺい率・容積率・建物の高さ

アドバイザー 守田:建蔽率は地域によっても変わり、その地域の特色に合わせたルールになっていることが多いです。都内になると土地が小さいですから、建蔽率や容積率を大きくしないと住宅が立てられません。
一方で軽井沢では、建蔽率と容積率がどっちも20%のエリアもあります。軽井沢では200坪の土地を買っても最大で40坪の建物までしか建てられないということですが、これは建物がひしめき合って別荘地としての景観が崩れないように決められたルールなんですね。

佐藤様:私は住宅用地で調べていたのですが、そういう意味では建蔽率が低いから安いと思っていたけれどそんな訳でもないんですね。

アドバイザー 守田:住宅専用地域は騒音が出る店舗が作れないルールがあるため、閑静な住宅地であると考えてよいでしょう。そのため建蔽率の制限が強めでも住環境として人気があると言えます。

3.住宅ローンはどこで借りればいいの?気になるつなぎ融資についても解説

アドバイザー 守田:予算感についてはいかがですか?

佐藤様:今の賃貸が駐車場込みで64,000円支払っているので、その金額内で収めたいです。家を買うことで固定資産税なども払わないといけないことを考えるともっと下げられたら良いけれど…。今後見直すにしてもまずは今の生活をベースに考えたいです。

アドバイザー 守田:ボーナスの増枠は考えられますか?

佐藤様:返済計画に最初からボーナスを入れると何かあった時に怖いので、現状ボーナスの増枠は0にして考えたいと思っています。ネット銀行はどうなんですかね?

アドバイザー 守田:ネット銀行は非常に安い金利が魅力的ですが、取り組み可能な物件が限定されやすく、取り組み不可の回答がくる可能性もあります。
そのため、複数の金融機関に申し込みをしてみて、承認を返してくれた金融機関の中から最も条件が良い住宅ローンを選ばれるのがいいのではないでしょうか。

「HOME4U 家づくりのとびら」 アドバイザー 守田

佐藤様:複数行に申し込みをする方法ですね。なるほど!

アドバイザー 守田:ネット銀行は、つなぎ融資を商品として用意していないことが多いので、外部の金融機関のつなぎ融資を使うことになる点も注意が必要です。

佐藤様:つなぎ融資って何ですか?

アドバイザー 守田:一般的な住宅ローンの借り入れは家が完成して融資が実行されますが、注文住宅の場合は建築費用を途中で分割してお支払いする必要があります。そのため、家の完成前にまとまったお金を用意しておかなければなりません。家の完成前に用意しなければならないまとまったお金に対する融資のことを「つなぎ融資」と言います。

土地と建物、2本立てで住宅ローンを組む場合の流れ

アドバイザー 守田:ネット銀行ではつなぎ融資がないことも多く住宅ローンのみになるので、家の完成後の実行になります。
お金はもっと早い着工段階のタイミングで必要になるので、住宅ローンの借り入れ前に別の融資でつなぎ融資をしなければなりません。
ネット銀行はつなぎがないので、早くお金がいる場合は別の金融機関から借りることになります。

佐藤様:つなぎの金融機関も自分で探さないといけないんですね。ネット銀行で借りると、どこか別でつなぎで借りて、家が建って融資されたら返金するということか…なるほど。

アドバイザー 守田:つなぎ融資の担保は住宅ローンの承認を得ていることだけになるので、リスクはそんなにありません。
ネット銀行の場合は、ネット銀行の承認をもって、他の法人がネット銀行の承認を理由に住宅ローンの承認をしてくるため、リスクが高くなる傾向にあります
基本的につなぎ融資の条件は結構シビア(手数料や金利が高い)な傾向にあり、ネット銀行で紹介される金融機関でつなぎをやると割高のイメージがあります。
現状シミュレーションの段階では、0.6%,0.7%くらいで見てみると良いかと思います。
あとは住宅メーカーで提携している金融機関であれば、提携金利ということで金利優遇があったり、手数料下がるということもあります。

佐藤様:この辺の土地探しや金融機関探しは、自分でネットで探すのにも限界があると思うので、できればハウスメーカーさんにお願いしたいな……。

アドバイザー 守田:その方がいいですね。
そうすると最初から家が建てられるかどうかまで込みで探してくれますよ。もちろん、住宅メーカーも慈善事業で手伝ってくれるわけではなく、自社で家を建ててもらうためのお手伝いですから、一度お話を聞いてみて「この住宅メーカーで家を建てたいかも」と思った住宅メーカーにお手伝いをお願いすると良いかと思います。

佐藤様:本当にざっくり相談しようとしか思っていなかったので、ここまで細かく、しかも金融機関の借り入れについてまで相談できるなんて思っていなかったです。
何より、ひとり暮らしの家づくりが現実に一歩近づいた気がします。

アドバイザー 守田:もしご希望があれば、さらに詳しい予算シミュレーションや、佐藤様のご要望に合った住宅メーカーもご提案できますよ。

佐藤様:それはぜひ聞きたいです!すぐにでも!改めてご相談のお時間を頂きたいです!

ここまでの相談内容から振り返る、相談サービスでできること

  • ヒアリングをもとに理想の家の予算や立地の相談ができる
  • 家づくりの気になる点をひとつひとつクリアにできる
  • お金に関するご相談もアドバイス可能
  • 担当アドバイザーの相談は何回でも無料

初めての家づくりでは、聞いたことのない専門用語に戸惑っている方も多いと思います。
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この記事の編集者

「家づくりのとびら」編集部

NTTデータグループが運営する注文住宅相談サービス「家づくりのとびら」編集部です。難しい住まいづくりの情報を、わかりやすく正確にお伝えします。記事は不動産鑑定士や宅地建物取引士などの不動産専門家による執筆、監修記事がメイン。初めての住まいづくりをサポートします!

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