- 変更日:
- 2024.08.20
第1回 人気沸騰エリア、注目ハウスメーカー、建築プランのトレンドをご紹介!
大手ハウスメーカーでのキャリアもあり、豊富な専門知識を備えた「HOME4U家づくりのとびら」の専門アドバイザー陣。そのなかの3名に集まってもらい、日々お客様とお話しさせていただく中で感じているトレンドやよく尋ねられるトピックについて、業界人ならではのとっておき情報も交え、本音で語ってもらいました!
【今回の出席者】
杉森さん(仮名)
ハウスメーカーの営業として千葉県南部エリアを2年間担当後、不動産コンサルティング会社に移籍し、9年勤務。埼玉県さいたま市出身。
林田さん(仮名)
大手ハウスメーカーで湘南エリアや神奈川圏央エリアを中心に6年間営業として勤務し、「全国女性営業棟数金額賞」入賞、「県内最優秀賞」複数回受賞。神奈川県相模原市出身。
金子さん(仮名)
大手ハウスメーカーで12年間営業職として従事。滋賀県を担当し、累積棟数は約80棟。「全国優秀営業マン賞」受賞3回。兵庫県淡路市出身。
目次
人気沸騰エリア① 茨城県南部「つくばエクスプレス」沿線
いま目立って人気が高まっている地域や、今後「ここは人気が出そうだ」というエリアはありますか?
金子さんここ数年の流れとしては、つくばエクスプレスの「流山おおたかの森」駅を中心とした千葉県流山市が人気ですね。
杉森さんたしかに、流山エリアの路線価は上がりましたね。実際に対応していても、つくばエクスプレス沿線に住みたいという人はかなり多くいらっしゃいます。
金子さんこの前、あるハウスメーカーのつくば支店の方とお話をしたんですが、もう流山は土地が高くなりすぎて、開発もし尽くされたようで、今後は「つくばエクスプレス」に沿って茨城県方面に人気が北上していくのではないかと言っていましたね。
杉森さんそうですね。商業施設を交えた開発が計画されていて、大型分譲が始まるという車内広告も出ていますし。
あと、同僚が、北総の白井市から印西市あたりが狙い目だ、とも言っていましたね。
成田から延びている北千葉道路が、今後、鎌ケ谷から外環市川までつながることになりそうで、船橋か松戸を経由しないと都内に出られなかったエリアから鎌ケ谷を通って直接都内に出られることになるんです。
また、この一帯は土地も多く残されているうえに海外企業のサーバーが多く置かれるなど国際的な評価も高く、事業化が決定すれば地価が上がる可能性は高そうですね。
関東の話が続きましたが、T.Hさんがお住まいの関西地区で目立っているエリアはありますか?
人気沸騰エリア② 滋賀県 草津市・守山市
金子さん関西では滋賀県でしょうか。JRの新快速を使えば大阪まで50分程度で移動できる草津・守山エリアの人気が高まっていると感じています。
私自身も守山市に10年住んでいるんですが、価格帯も手頃で、都市の利便性と自然環境のバランスがとれていて、とても暮らしやすいですね。
実際、私が住んでいるエリアの新しく販売された区画の値段を見たら、10年前と比べて坪単価10万円くらい上がっているんですよ!
杉森さんそれはすごい!
金子さん京都府内で探していても金額的に手が届かず、結果として滋賀県に落ち着くというケースが多いですね。各都道府県の流入率をみても、滋賀県は上位にランキングされていますよ。
コロナ禍を受けて人気が急浮上! 高崎、宇都宮、小田原
杉森さん大部分はコロナ禍で始まったリモート勤務をそのまま続けている会社に勤めているお客様なんですが、土地探しをする際に都心からの距離はあまり気にしないという人が増えているように思います。
通勤することになっても新幹線を使えば30分程度で東京に出られる小田原、同じく新幹線で1時間圏内の高崎や宇都宮などが選ばれていますね。
林田さんそういった意味では、リニア中央新幹線の駅が予定されているエリアの地価アップ率はすごいですね。神奈川県相模原市の橋本とか。
それ以外でも神奈川県では相模鉄道が渋谷などへ乗り入れるようになって、人気のエリアが変わってきていますね。
杉森さんそうですね。先ほどの小田原と同じくらい相模鉄道沿線の座間市や海老名市は特に人気が高まっている注目エリアとなっていますよ。
林田さんあと、最近個人的に感じている動きとしては、東京にできるだけ近い神奈川県エリアで土地を探していた人が、「少し離れた場所でもいいか」と考え直すケースがありますね。
坂が多い地域なので、検討していた場所を訪れてみると、思っていた以上に高低差があることが多く、家づくりに制限が出てきたりするので、先ほどの路線の延伸を加味しながら平坦な地域で探しなおすことも多いですよ。
金子さんそうですね。トピックからはちょっと離れますが、地図上では実際の高低差とか、周囲の音、その土地の雰囲気などは分からないから、私もぜひ現地に行ってみるように勧めています。
可能であれば、朝と夜など時間を変えて行ってみるといいですね。
住宅性能に対する本気度が段違い! 一条工務店
ハウスメーカーはそれぞれに特色やカラーがあるかと思いますが、なかでも「ここはスゴい」というところはありますか?
杉森さん面白いなと思うのは一条工務店ですね。
林田さんうん、うん。
杉森さん性能面にこだわる人には非常に魅力的に映ると思いますよ。性能面で追いつける会社は少数派な気がしますね。
性能面というのは具体的にどういったところでしょうか?
杉森さん断熱性がしっかりしているので、床暖房と床冷房で十分快適。エアコンを使わなくていい家なんですよ。だから喉を痛める心配もないと、業界内の知人が言っていました。
林田さん数値を使ってカタログで比較したりしていて、性能の高さがとてもわかりやすいんですよね。
杉森さんあと企業姿勢として、いろいろ新しいことに取り組もうというのが伝わってきますね。
ユニークなのは、玄関に花粉を吸い込むオリジナルの集塵機が備え付けてあったりとか、耐水害住宅への取り組みだったりとか。
林田さん耐水害住宅は実験動画がWEBサイトで見られますよね。
杉森さんああいうのを見ると、家が浮いて流されるような大水害に対しても本気で考えているのがよくわかりますよ。
自社の方向性について振り切っているというか、営業担当者から「デザインを重視したい人は当社じゃない方がいいです。」と最初に言われたという話を注文住宅を検討していた知人から聞いたこともあります。
ほかのメーカーはいかがですか。
林田さん私は積水ハウスが「推し」ですね!笑。
いま挙がっていた性能面でいうと、ビルトインの空気清浄機が標準仕様でついているんですよ。見た目は天井の換気口のようなんですが、PM2.5を99%除去するような性能です。
あまり知られていませんが、積水ハウスも新しいもの好きで、いまだとIoTを取り入れたスマートハウスが売りですかね。すでに世の中にあるシステムを使ってもいいんですが、積水ハウスの家で使いやすいものを自社で用意しているそうですよ。
金子さん私が元いたセキスイハイムにも同じようなシステムのHEMSというのがあって、自宅の電気がどの部屋でどれだけ使われているのかが画面で見られて、とても便利ですよ。
全部の記録が3年間残っているので、電力会社を検討するときにも役立ちます。
長い目で見るとメリットの多い「平屋」が増加中
住む人の意向や生活スタイルがダイレクトに反映できる注文住宅ですが、過去と比べて建築プランのオーダー面での変化はみられますか?
林田さん最近は平屋をオーダーする人が多くなっていますね。
杉森さんDINKS※のお客様を中心に「部屋数はあまり必要ない」という人が増えていて。
※共働きで子供のいない夫婦のこと
金子さんあと、平屋のほうが1階2階の行き来がなくて導線も取りやすいですしね。
さらに、住宅の高寿命化という背景もあるでしょうか。以前は20年から30年だった住宅の寿命が60年とかになってきて、建て替える必要がなくなっていますし。
20代、30代の方が家を建てるにあたって50年先、60年先を考えると「できるのなら階段のない家のほうがいいか」という判断になりますね。
林田さん背景として土地についての考え方の変化もあると思いますよ。
平屋だと大きな土地が必要になりますが、コロナ禍を受けてリモートワークになったことで駅から近くなくてもいいという方が増えているので。
金子さんあとは、地域特性もあるでしょうか。
特に九州ではここ数年で大きな地震に見舞われたり、台風や集中豪雨に繰り返し見舞われたりしているので、そういった災害を踏まえて平屋を選択する人が多くなっています。
注目度UP! 自宅が避難場所になる「レジリエンス住宅」
平屋のほかには何か目立った動きはありますか。
杉森さん平屋以外だと、「ZEH」を希望する声は多く聞かれますよね。内容について知らない人からも「ZEHって、なんかいいんでしょ?」って。(笑)
金子さん最近は落ち着いてきたようですが、リモートワーク用の部屋やスペースの希望は以前にはあまりなかったオーダーですね。
杉森さん林田さんそうですね!
金子さん平米数を大きめに考えている人になぜかと聞いてみると、リモートワーク部屋とか書斎の要望なんですよね。
あと、レジリエンス住宅への注目も高まっていますね。
「レジリエンス住宅」とは何でしょうか?
金子さん簡単に言うと、先ほど出たような、集中豪雨や台風などの自然災害に耐えられる家や自宅で避難することを考えた家のことです。
私自身、淡路島の出身で、阪神淡路大震災のときに1週間くらい体育館に避難していたんですけれど、避難生活ってなかなか劣悪な環境に身を置くことになるんですよ。東日本大震災のときも、地震後の避難生活のストレスで健康を害する人が多かったんですよね。
そんな経験を受けて、自宅での避難生活を考えた家が求められるようになってきました。耐震性能は大前提で、太陽光発電や蓄電池を使って自分で電力を確保できるようにしたり、貯水タンクの機能を備えたりした家が提供されるようになってきています。
林田さん家そのものの対策でなくても、地震が起きた際などの建て替え保証の内容でメーカーを選ぶお客様も増えてきていますね。
金子さん話は変わりますが、特に最近はバルコニーのない家を希望する方がみられるようになりましたね。
林田さん私のお客様でもありました。
金子さん最初に言われたのは20代の若い夫婦だったんですけれど「私たちバルコニーいらないです。」って。私としてはあって当たり前だと思っていたので、かなり驚きました。
杉森さん私も最近言われましたよ!
金子さん「洗濯物を干すのはどうするんですか?」って聞いたら、「花粉症なので洗濯物を外で干さないんです」ということでした。
たしかによく考えるとバルコニーって外にあるからメンテナンス費が結構掛かるんですね。「洗濯物を干さないのであれば、いっそない方がいい」という判断は頷けるところがありました。
林田さんガス乾燥機も流行っていますしね。
金子さんあと「和室はいらない」という人も増えてきましたね。以前は当たり前のように含めて提案していたんですけれど。
林田さんああ~
金子さん実際自分も家を建てて4畳半の和室を作ったんですけれど、「洋室でもよかったな」と感じています。
林田さんいっとき畳コーナーというのが流行りましたけど、それさえも廃れてきていますよね。
内装レイアウトの変更もしづらいですし。
金子さん段差ができるので、小さいお子さんがいると危なかったりしますしね。
実際に家を建てた立場からの意見もありがとうございます。
今日は貴重なお話をありがとうございました!
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