- 変更日:
- 2024.08.28
屋根材は家の外観・デザインを左右する大切な部分であり、イメージ通りの注文住宅を作るためには十分に吟味したいところです。屋根材は家のイメージだけでなく、大切な家を風雨や火災・地震などの災害から守る重要な役割を果たします。とはいえ、「どの屋根材を選べばいいのだろう」「そもそも、屋根材の特徴がよくわからない」という方も多いのではないでしょうか。
この記事では、屋根材の人気ランキングや、それぞれのメリット・デメリットを紹介します。
この記事でわかること
- 屋根材を選ぶポイント
- 屋根材のランキング
- ランキング外でおすすめの屋根材
多くの人が選んでいる屋根材の特徴がわかり、選ぶ際の目安になります。ぜひ最後までお読みいただき、注文住宅を建てる際の参考にしてください。
まとめて依頼
注文住宅の外観デザインや、おしゃれなハウスメーカーについて知りたい方はこちらの記事もご覧ください。
目次
1.屋根材を選ぶポイント
屋根材はデザインも大切ですが、長持ちさせるために耐久性や重量、耐火・耐熱性も重要なポイントです。また、初期費用を抑えるためには価格も気になります。
ここでは、屋根材を選ぶ6つのポイントを解説します。
1-1.耐久性
屋根材はできるだけ長持ちするよう、耐久性の高さが重要です。耐久性の目安は、耐用年数の長さでわかります。
価格の安さだけに着目して屋根材を選んでも、耐久性が低ければ修理やメンテナンスの費用が余計にかかる可能性があります。また、予期せぬ災害に耐えられない場合もあるでしょう。
地域の気候によっても屋根材の耐久性は変わります。雪が多い、台風の頻度が多いといった地域では、より耐久性の高い屋根材選びが必要です。
1-2.重量
屋根材の重量は、耐震性に関わります。耐震性に影響するのは主に粘土瓦やセメント瓦です。重量があって安定感はあるものの、地震による家屋の倒壊リスクが高まります。
一方、軽くて倒壊リスクが低いのは、金属屋根です。屋根材が軽ければ軽いほど地震による家屋の倒壊リスクは低くなりますが、軽くなるほど強風で飛ばされるリスクは高まります。地域の特性を考え、適した屋根材を選ぶようにしましょう。
1-3.価格
注文住宅の価格はできるだけ抑えたいと考えた場合、屋根材の価格も選ぶ際の重要なポイントです。ただし、屋根材にかかるコストは初期費用だけでなく、メンテナンスにかかるランニングコストも考慮しなければなりません。
屋根材は過酷な自然環境にさらされるため、耐久性が高くない場合はメンテナンスの頻度も高くなります。その分、ランニングコストがかかることは把握しておきましょう。
ランニングコストは、その都度足場を作るコストがかかり、葺き替える場合は廃材処理の費用も必要になるため、初期費用よりも高くなると考えられます。
長い目でコストパフォーマンスを重視するのであれば、初期費用の安さだけでなく耐久性が高い屋根材を選ぶことが大切です。
1-4.デザイン
屋根材は、住まいのデザインに影響を与えます。特に住宅の密集しない郊外の場合、屋根のデザインは住宅の外観・イメージを左右する要素です。そのため、機能性やコストを踏まえつつ、デザイン性も十分に検討しなければなりません。
屋根材のデザインは、外壁との調和が大切ですが、それだけでなく、周りの景色や建物とのバランスも大切です。
1-5.耐火・耐熱性
防災や住み心地という観点からは、耐火・耐熱性も重要です。火災が起きたとき、耐火性の有無により火の回りも違ってくるでしょう。耐火性を考慮した屋根材にすることで、万が一の事態を防げます。
また、屋根材によっては、気温が室内に伝わりやすいものがあります。特に夏場に高温になりやすい地域では、耐熱性のある屋根材を選ぶことでエアコンの節電効果も期待できるでしょう。
1-6.メンテナンス性
屋根材は定期的なメンテナンスを怠ると、破損やズレにより雨漏りが起こるリスクがあります。定期的な点検とメンテナンスが欠かせません。
価格の項目でも触れましたが、メンテナンスの頻度が高いほどランニングコストがかかります。できるだけメンテナンス頻度を低くしたい場合は、粘土瓦や銅板など、耐久年数の長い屋根材が理想です。
ここまで、屋根材を選ぶポイントをご紹介しましたが、希望する屋根を実現するには、どんなパターンがあって、どんな予算感になるのか、気になる方も多いのではないでしょうか
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2.屋根材の人気ランキング
ここからは、特に人気の高い屋根材をランキングで紹介します。それぞれの特徴やメリット・デメリットを解説しますので、選ぶ際の参考にしてください。
2-1.1位:ガルバリウム鋼板
ガルバリウム鋼板とは、アルミニウム、亜鉛、シリコンからなるメッキで加工された鋼板の屋根材です。金属屋根の軽量性・耐震性というメリットは残しながら、金属の錆びやすい・耐久性が低いというデメリットを軽減しています。
耐用年数は20〜30年と長めで、比較的コストも低めです。スタイリッシュな見た目からも、高い人気を呼んでいる屋根材です。
2-1-1.メリット
ガルバリウム鋼板のメリットは、次のとおりです。
- 軽量で耐震性が高い
- 防水性が高く、金属素材でも錆びにくい
- 複雑な形状の屋根にも対応できる
- 作業しやすい
ガルバリウム鋼板の重量は 1平米あたり約5kgと軽量で、耐震性に優れています。屋根材同士に隙間が少ないため防水性が高く、雨漏りにも強いのが特徴です。また、金属素材の中では錆びにくいという特性があります。
軽量のため作業しやすいというメリットもあり、メンテナンスも簡単です。
2-1-2.デメリット
ガルバリウム鋼板には、次のようなデメリットもあります。
- 環境によっては錆が発生する
- 傷がつきやすい
ガルバリウム鋼板は金属としては錆びにくい特性があるものの、メッキが剥がれて銅板が露出すると錆びる可能性があります。また、傷がつきやすい素材であり、 傷がつくとその部分から錆が発生します。
環境によっても錆びやすいため、注意が必要です。潮風にさらされる海岸近くや排気ガスの多い工場の近くでは腐食が起こりやすく、こまめにメンテナンスしなければなりません。
ガルバリウム鋼板については、以下の記事でさらに詳しく解説しています。
▶【ガルバリウム鋼板を使用した家の間取り】など、自分の理想を叶える方法をチェック
▶【ガルバリウム鋼板を使用した家の間取り】など、自分の理想を叶える方法をチェック
2-2.2位:スレート
スレートは、セメントを主成分とした薄い板状の屋根材です。「平板スレート」「厚型スレート」「波型スレート」の3種類に分けられ、一般的には暑さが約5ミリの平板スレートが使われています。メーカー名の「カラーベスト」や商品名の「コロニアルグラッサ」という名称で呼ばれることもありますが、いずれも同じスレートです。
比較的安価で普及率が高く、スタイリッシュなデザインですっきりした外観にできることから人気の高い素材です。
2-2-1.メリット
スレートには、以下のようなメリットがあります。
- 比較的安い
- デザイン性が高い
- 施工できる業者が多い
スレートは施工に使用する部材が本体以外にほとんどなく、比較的安く施工できる点がメリットです。カラーや形状がバリエーション豊富で、デザイン性が高いことも人気の理由といえるでしょう。
戸建ての屋根材として普及率が高いため、依頼できる施工会社が多いというメリットもあります。 リフォームやメンテナンスのときにも依頼しやすく、将来的にも安心です。
2-2-2.デメリット
スレートのデメリットな点は、次のとおりです。
- 耐久性が低い
- メンテナンス頻度が高い
スレートはほかの屋根材に比べて耐久性が低いというデメリットがあります。特に厚みのない平板スレートは衝撃に弱く、ひび割れもしやすいでしょう。
スレートの素材には保護塗装で防水性を高めてありますが、紫外線や雨・風などにさらされ、いずれは剥げて防水性が失われます。 そのままにしておくと雨漏りの原因になるため、定期的にメンテナンスが必要です。初期費用は安いものの、メンテナンスの頻度は高めです。
スレートについては、以下の記事が参考になります。
▶【スレートを使用した家の間取り】など、自分の理想を叶える方法をチェック
▶【スレートを使用した家の間取り】など、自分の理想を叶える方法をチェック
2-3.3位:日本瓦
日本瓦は粘土を高温で焼いたもので、古くから日本の住まいに使われてきた屋根材です。窯で焼いた「素焼き瓦」と、釉薬を塗って焼いた「釉薬瓦」の2種類があります。釉薬瓦は釉薬の成分により、表面の色が青や黄色など、さまざまな色合いに変化するのが特徴です。
日本瓦は日本の気候・風土に適しており、厚みがあるため断熱性にも優れています。
2-3-1.メリット
日本瓦には、次のようなメリットがあります。
- 耐久性が高い
- 衝撃に強い
粘土を高温で焼き上げた日本瓦は耐久性が高く耐用年数は50年以上で、風雨や雪の影響がなければ100年以上ともいわれています。衝撃に強く、断熱性・防音性も高いのがメリットです。
塗料処理されていないため、塗り替えといったメンテナンスの手間もありません。
2-3-2.デメリット
日本瓦は、主に次の点がデメリットです。
- 重量があり、耐震性に不安がある
- 施工できる業者が減っている
日本瓦は1平米あたりの重量が約40kgと重く、耐震性にやや不安があります。瓦の重さを支えるために建物の基礎部分をしっかりと工事しなければならず、建築費も高くなる傾向があります。
また、日本瓦の施工には専門の技術が必要で、他の屋根材と比較して時間がかかり、コストも高くなる点がデメリットです。さらに、日本瓦を施工できる職人が年々減少しているという問題もあります。
▶【日本瓦を使用した家の間取り】など、自分の理想を叶える方法をチェック
▶【日本瓦を使用した家の間取り】など、自分の理想を叶える方法をチェック
2-4.4位:瓦(FRP)
FRPとは、「Fiber(繊維)」「Reinforced(強化された)」「Plastics(プラスチック)」の略で、繊維強化プラスチックのことです。従来の瓦の6分の1という軽さで耐震性に優れ、高い強度が特徴です。錆にも強く、海沿いの地域でも安心して使えます。
2-4-1.メリット
瓦(FRP)のメリットは、次のとおりです。
- 軽くて強い
- 防火性・防水性が高い
FRPはプラスチックにガラス繊維を混ぜて強度を上げた屋根材で、軽くて強いのが特徴です。瓦やスレートのように割れる心配もありません。耐火性にも優れ、防火・準防火地域でも使用可能とされています。
また、FRPは防水性が高く、ベランダや浴槽の多くに利用されています。屋根材に使用することで、雨水の侵入を防ぎます。
2-4-2.デメリット
瓦(FRP)には、次のようなデメリットがあります。
- 普及率が低くコストが高い
- 定期的なメンテナンスが必要
FRPは新しい素材で屋根材としての普及が進んでおらず、価格が高い傾向にあります。施工例が少なめで、参考になるデータも十分ではありません。施工できる会社も少ないため、依頼する際は十分な知識や実績があるかの確認が必要です。
また、表面に塗料が塗られているため、定期的に再塗装などのメンテナンスが必要になります。
▶【瓦FRPを使用した家の間取り】など、自分の理想を叶える方法をチェック
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2-5.5位:アスファルトシングル
アスファルトシングルとは、ガラス基材にアスファルトを浸透させ、表面に天然石や色付けした石をコーティングした屋根材です。厚さ3ミリ程度のシート状で扱いやすく、複雑な形状の屋根にも施工できます。
北米で開発された屋根材であり、アメリカやカナダで一般的に普及しています。
2-5-1.メリット
アスファルトシングルには、次のようなメリットがあります。
- 防水性・防音性が高い
- 軽量で耐震性が高い
- 施工しやすい
アスファルトシングルは仕上げ材に防水シートを使っているため、高い防水性があります。また、表面に施されている天然石が緩衝材となり、防音性も高いのがメリットです。
1平米が9〜12kgと軽量のため、耐震性にも優れています。
また、アスファルトシングルは柔らかいシートのため、加工しやすいというメリットもあります。
2-5-2.デメリット
アスファルトシングルのデメリットは、次のとおりです。
- 耐火性が劣る
- 施工できる会社が少ない
アスファルトは燃焼しやすいため、耐火性が劣る点がデメリットです。近隣で火事が発生すると延焼する可能性があり、基本的に防火・準防火地域では使用できないとされています。
また、日本ではあまり普及していない屋根材のため、取り扱いの実績がある会社が少ないこともデメリットです。そのため、修理や定期的なメンテナンスを依頼する際、適当な会社を見つけにくいことがあるかもしれません。
▶【アスファルトシングルを使用した家の間取り】など、自分の理想を叶える方法をチェック
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3.そのほかのおすすめ屋根材
ランキング以外では、以下の屋根材がおすすめです。
- セメント瓦:セメントに砂などを混ぜて成形し、表面に塗装した瓦
- トタン:表面に亜鉛メッキを施した鉄板
- ジンカリウム鋼板:表面を砂粒でコーティングした金属板
- 陶板:日本瓦を軽量化した屋根材
それぞれのメリット・デメリットを以下の表にまとめましたので、参考にしてください。
屋根材 | メリット | デメリット |
---|---|---|
セメント瓦 |
|
|
トタン |
|
|
ジンカリウム鋼板 |
|
|
陶板 |
|
|
人気の屋根材とその理由、また各材質のメリットとデメリットが分かってきましたね。
希望条件にはどんな屋根材、屋根の設計が最適か、後悔しない設計をハウスメーカー出身のアドバイザーに相談してみることもできますよ。
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まとめ
屋根材の人気ランキングトップ5を紹介しました。どれも人気の高い屋根材ですが、それぞれメリットとデメリットがあります。注文住宅の形状や地域の特性に合わせ、適した屋根材をみつけてください。価格だけでなく、耐久性や重量、メンテナンス性など、さまざまな要素から希望条件に合わせて比較検討しましょう。
ランキング以外にも、より住まいに合う屋根材があるかもしれません。注文住宅を依頼する会社や注文住宅のプロに相談しながら、後悔のない屋根材を選びましょう。
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