複雑な制度をスッキリ解説!東京都の住宅補助金完全ガイド

マイホームの購入を検討しているなら、住宅に適用される補助金や助成金は知っておきたいですよね。東京都では、様々な住宅関連の補助金制度が用意されており、上手に活用することで住宅の購入にかかる負担を軽減できる可能性があります。

本記事では、東京都で利用できる住宅関連の補助金・助成金制度をピックアップし、それぞれの申請条件や補助金額など、活用するために必要な情報をわかりやすく解説します。

この記事の監修者
水野 崇

水野総合FP事務所代表。相談、執筆・監修、講演・講師、取材協力、テレビ出演など多方面で活動する独立系ファイナンシャルプランナー。テレビ朝日「グッド!モーニング」、BSテレ東「マネーのまなび」などに出演。専門学校東京ビジネス・アカデミー非常勤講師。
保有資格:宅地建物取引士、1級ファイナンシャル・プランニング技能士、CFP認定者、日本証券アナリスト協会検定会員補、証券外務員1種

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1.東京都で利用できる主な住宅補助金・助成金

東京都イメージ

東京都内で住宅の新築・購入・リフォームを検討している方が利用できる主な補助金制度をご紹介します。ご自身のライフプランや計画に合わせて、最適な補助金を選びましょう。

1-1. 東京ゼロエミ住宅導入促進事業

東京ゼロエミ住宅導入促進事業は、高い省エネ性能と再生可能エネルギーの利用により、CO2排出量の削減に貢献する住宅の普及を目指す制度です。断熱性能や設備の省エネ性能が高い住宅の新築・購入に対して助成金が支給されます。2024年10月1日からは、再生可能エネルギー設備(太陽光発電システム、太陽熱利用システム、地中熱利用システム)の原則設置が要件に加わりました。

補助金額

断熱性能と省エネ性能に応じた3つの水準があり、戸建住宅の場合、最大で240万円の助成金を受け取ることが可能です。また、新築における最初の不動産取得税の課税対象となっている場合、不動産取得税が最大で100%減免されます。

申請条件

  • 東京都内に新築する戸建住宅であること
  • ZEH(ネット・ゼロ・エネルギー・ハウス)の要件を満たすこと
  • 再生可能エネルギー設備を導入すること
  • 都が定める省エネ性能基準を満たすこと
  • 建築士による適合証明を取得すること

申請期間・方法

申請は着工前に行う必要があります。東京都環境局のウェブサイトから申請書をダウンロードし、必要書類を揃えて提出します。予算には限りがあるため、早めの申請をおすすめします。

参考:東京都環境局「PDF東京ゼロエミ住宅
東京都主税局「東京ゼロエミ住宅の新築に対する不動産取得税の減免

CFP/1級FP技能士

水野 崇
東京都では、2019年から「東京ゼロエミ住宅」(戸建住宅・集合住宅等)を新築した建築主に対し、費用の一部を助成する事業を実施しています。個人も助成対象です。
交付申請時の書類として、令和7年(2025年)度からは、東京ゼロエミ住宅設計確認書に加え、設計確認申請時の申請書およびその提出図書一式の添付が必要になりました。
助成範囲や必要書類は年度ごとに見直されるため、最新の公募要領で必ず確認しましょう。

1-2. 東京こどもすくすく住宅認定制度

東京こどもすくすく住宅認定制度は、子育て世帯に配慮した住宅の普及を促進するため、集合住宅(分譲または賃貸)向けの制度です。子育てのしやすさに配慮した設計や施設を備えた集合住宅を新築又は改修する場合に、整備費の一部が支援されます。

補助金額

認定を受けた住宅を供給する事業者に対し、基準適合の度合いに応じて、住戸あたり最大200万円を都が直接支援します。

認定条件

  • (セーフティモデル)子供の安全の確保に特化したモデル
  • (セレクトモデル)事業者の特色を生かした設備等の選択が可能なモデル
  • (アドバンストモデル)設備等の充実に加え、コミュニティ形成などソフト面も重視したモデル防犯・安全対策が講じられていること
  • 全モデル必須項目:防犯対策錠、チャイルドロック付コンロ、室外機と手すりの間に距離を確保

申請方法

東京都住宅政策本部に申請書類を提出します。設計図面や子育て支援施設の詳細などの書類が必要です。審査後、認定書が交付されます。

参考:東京都住宅政策本部「認定を受けた住宅一覧」「東京こどもすくすく住宅認定制度

1-3. 木材利用ポイント事業

木材利用ポイント事業は、多摩産材などの地域木材を使用した住宅の普及を促進するための制度です。地元の木材を活用することで、環境保全や地域経済の活性化に貢献しながら、補助を受けられます。

補助金額

多摩産材を一定量以上使用した住宅を新築及び内装木質化(リフォーム)した方を対象に、使用量に応じて最大90万ポイントが受け取れます。取得ポイントの有効期限は1年間で、1ポイント1円相当で贈答品カタログの中から交換可能です。

申請条件

  • 東京都内に建築する木造住宅であること
  • 多摩産材を構造材や内装材として一定量以上使用すること
  • 使用する木材が多摩産材認証制度によって認証されていること
  • 建築基準法等の関係法令に適合した住宅であること

申請期間・方法

必要書類を揃え、木材利用ポイント申請受付事務局へ郵送する。多摩産材の使用証明書や建築基準法に基づく検査済証の写しなどの書類が必要です。

参照:公益財団法人東京都農林水産振興財団「木材利用ポイント事業

1-4. 長期優良住宅化リフォーム推進事業

長期優良住宅化リフォーム推進事業は、既存住宅のリフォームによって長期優良住宅の認定基準に適合させる工事に対する補助金制度です。耐久性や省エネ性能を高めるリフォームを行うことで、住宅の長寿命化と資産価値の向上を図ることができます。

補助金額

リフォーム工事費用の3分の1以内で、評価基準型は80万円、認定長期優良住宅型は160万円の補助金が支給されます。また、三世代同居対応改修工事、若者・子育て世帯または中古購入時のリフォーム工事の場合、補助額が50万円上乗せされます。インスペクション(建物現況調査)の実施費用も補助金の対象です。

申請条件

  • 既存住宅のリフォーム工事であること
  • リフォーム後に住宅性能が評価基準に適合すること
  • インスペクション(建物現況調査)を実施すること
  • 工事完了後にリフォーム履歴と維持保全計画を作成・保存すること

申請期間・方法

国土交通省の事務局に対して、工事着手前に事業者(施工業者又は買取再販業者)が申請手続きを行います。予算に限りがあるため、公募開始後早めの申請をおすすめします。

参考:長期優良住宅化リフォーム推進事業「令和6年度長期優良住宅化リフォーム推進事業」「交付申請の手続きについて

1-5. 住宅確保要配慮者専用賃貸住宅改修事業

住宅確保要配慮者専用賃貸住宅改修事業は高齢者、障害者、子育て世帯などの住宅確保要配慮者向けの賃貸住宅の改修費用の一部を補助する制度です。空き家などを改修して要配慮者向け住宅として活用する場合に利用できます。

補助金額

改修工事費用の3分の1以内で、住戸あたり上限50万円(共用部分は上限1,000万円)の補助金が支給されます。

申請条件

  • 改修後の住宅が住宅確保要配慮者専用住宅として10年以上登録されること
  • 耐震性能を有していること
  • 一定の居住面積やバリアフリー性能を確保すること
  • 家賃が近傍同種の住宅と均衡していること

申請期間・方法

東京都住宅政策本部に工事着手前に申請を行います。申請は先着順で受け付けられ、予算の上限に達し次第終了します。

参考:一般財団法人 住宅保証支援機構「セーフティネット専用住宅改修事業
国土交通省HP「「令和6年度 住宅確保要配慮者専用賃貸住宅改修事業」の募集を開始

1-6. 既存住宅における省エネ改修促進事業

既存住宅における省エネ改修促進事業は、既存住宅の断熱性能を高める改修工事に対する補助金制度です。高断熱窓、高断熱ドア、高断熱浴槽の設置、壁や床の断熱改修を行うことで、住宅の省エネ性能を向上させることができます。

補助金額

材料費と改修工事費用の3分の1以内で、住戸あたり上限100万円の補助金が支給(ドアは上限16万円、浴槽は上限9.5万円)されます。

申請条件

  • 東京都内の既存住宅であること
  • 改修後に省エネ基準に適合すること
  • 一定の断熱性能を満たす材料・工法で改修すること
  • 専門業者による施工であること

申請期間・方法

東京都環境局のウェブサイトから申請書をダウンロードし、工事着手前に必要書類を提出します。申請は先着順で、予算がなくなり次第終了します。事前申込前に機器設置契約を締結した場合も補助対象となる場合があります。

参考:クール・ネット東京「既存住宅における省エネ改修促進事業(高断熱窓・ドア) 災害にも強く健康にも資する断熱・太陽光住宅普及拡大事業
東京都住宅政策本部「既存住宅における省エネ改修促進事業

1-7. 東京都バリアフリー住宅改修支援事業

高齢者や障害者が安全・快適に暮らせるよう、住宅のバリアフリー改修工事を支援する制度です。段差の解消や手すりの設置など、住宅内での移動や生活をしやすくするための改修費用の一部が補助されます。

補助金額

改修工事費用に対して、上限20万円の助成金が支給されます。所得や要支援・要介護度に応じて補助率・補助金額が変動する場合があります。

申請条件

  • 東京都内にある住宅であること
  • 居住者または同居予定者に65歳以上の高齢者または障害者がいること
  • 対象工事がバリアフリー化に資するものであること(段差解消、手すり設置、廊下幅の拡張など)
  • 専門業者による施工であること

申請期間・方法

お住まいの区市町村の窓口に申請します。工事着手前の事前申請が必要で、自治体によって申請手続きや補助金額が異なる場合があります。

参考:「PDF令和6(2024)年度 住宅改善事業(バリアフリー化等)区市町村別事業概要一覧

1-8. 東京都家庭における太陽光発電導入促進事業

住宅に太陽光発電システムを設置する費用の一部を補助する制度です。再生可能エネルギーの利用促進とCO2排出量の削減を目指しています。

補助金額

太陽光発電システムの設置費用について、新築住宅は[3.6kW以下]12万円/kW、[3.6kW超]10万円/kWで、上限36万円の補助金が支給されます。既存住宅は[3.75kW以下]15万円/kW、[3.75kW超]12万円/kWで、上限45万円が補助されます。蓄電池や家庭用燃料電池を同時に設置する場合は加算措置があります。

申請条件

  • 東京都内の住宅に太陽光発電システムを新たに設置すること
  • 発電出力が10kW未満であること
  • 太陽電池モジュールが一定の性能基準を満たしていること
  • 専門業者による施工であること

申請期間・方法

東京都環境局のウェブサイトから申請書をダウンロードし、設置工事の契約前に事前申請を行います。予算には限りがあるため、早めの申請をおすすめします。

参考:クール・ネット東京「令和6年度 家庭における太陽光発電導入促進事業 災害にも強く健康にも資する断熱・太陽光住宅普及拡大事業
PDF家庭における太陽光発電導入促進事業

1-9. 雨水浸透施設助成等制度

住宅の敷地内に雨水浸透施設(浸透ます、浸透トレンチなど)を設置する費用の一部を補助する制度です。都市型水害の防止と地下水のかん養を目的としています。

補助金額

設置費用の2分の1以内で、浸透ます1基あたり3〜5万円、浸透トレンチ1mあたり1〜2万円、上限40万円の補助金が支給されます。自治体によって補助金額が異なります。

申請条件

  • 東京都内の住宅敷地内に雨水浸透施設を設置すること
  • 指定された規格・工法に基づいて設置すること
  • 専門業者による施工であること
  • 5年以上の維持管理が可能であること

申請期間・方法

お住まいの区市町村の窓口に申請します。工事着手前の事前申請が必要で、自治体によって申請手続きや補助金額が異なる場合があります。

2.東京の土地・ハウスメーカー情報

これまで東京の住宅補助金についてを解説してきましたが、最後に土地やハウスメーカーの情報も交えてご紹介します。

東京都内で家を建てたいと思った場合の悩ましい点としては、直近の土地価格・材料費高騰の影響を強くを受けて、建築価格も常に変動していることが挙げられます。
お得に家を建てたいと思った場合は、補助金で多少支援を得られたとて、選んだ市区やメーカーによって大きく建築価格は異なっていきます。

下記のサイトでは、東京の土地の特徴や東京に特化したハウスメーカーの検索もできます。
住宅建築を考えている方は、ぜひ参考にしてください。

また、隣県(神奈川県・埼玉県)の制度について比較したい方は下記もご参考ください。

複雑な制度をスッキリ解説!埼玉県の住宅補助金完全ガイド
複雑な制度をスッキリ解説!神奈川県の住宅補助金完全ガイド

CFP/1級FP技能士

水野 崇
東京都では、断熱性能や省エネ性能に優れた新築住宅への助成金制度が施行され、「東京ゼロエミ住宅」の普及を推進しています。要件を満たせば大きな助成金を受けることができ、不動産取得税も減免されますが、省エネ性能の基準値は「東京ゼロエミ住宅」の方が国内最高水準の「ZEH住宅」より厳しく設定されています。
リフォーム住宅に関しても、東京都および区市町村がそれぞれ独自の補助金制度を実施しています。なかには国の補助金と併用できる制度もあり、省エネやバリアフリー化で複数制度を活用できれば、リフォーム費用の負担軽減に繋がります。
人気の高い住宅補助金は、受付開始直後から申込みが殺到し、すぐに予算枠の上限に達して先着順で早期終了するケースも多いです。お住まいの役所などを通じて事前に申請スケジュールを確認し、補助金・助成金制度を積極的に活用しましょう。

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まとめ

東京都には、住宅の新築・購入・リフォームを支援する様々な補助金・助成金制度が整備されています。環境配慮型住宅、子育て支援、耐震化、省エネ改修、バリアフリー化など、多様なニーズに応じた制度が用意されており、最大で数十万円から数百万円の補助を受けることができます。

これらの制度は申請期間や予算に限りがあるため、利用を検討する場合は早めに情報収集し、申請条件を確認することが重要です。また、お住まいの区市町村によって上乗せ補助がある場合もあるため、地元の窓口への問い合わせもおすすめします。

マイホームを購入する時の費用負担を軽減できる補助金制度を上手に活用し、理想の住まいづくりを実現しましょう。


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この記事の編集者

「家づくりのとびら」編集部

NTTデータグループ会社が運営する注文住宅相談サービス「家づくりのとびら」編集部です。難しい住まいづくりの情報を、わかりやすく正確にお伝えします。記事は不動産鑑定士や宅地建物取引士などの不動産専門家による執筆、監修記事がメイン。初めての住まいづくりをサポートします!

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