- 変更日:
- 2024.08.20
東京ゼロエミ住宅とは、断熱性能・省エネ性能を装備した都独自の住宅のことです。
東京都は温室効果ガス実質ゼロを目指す取り組みを背景に、環境性能の高い住宅の普及を推進しています。
都内で所定の基準を満たした住宅を新築した場合、助成金を受け取れます。
この記事では、
「できるだけ費用を抑えて高性能な住宅を作りたい」
「制度の詳細を知りたい」
という方に向けて、東京ゼロエミ住宅の助成金制度や、2024年10月からの基準見直しについて解説します。
この記事でわかること
- 助成金制度の概要
- 東京ゼロエミ住宅とはどのような家か
- 助成金制度のメリット
さらに、助成金の申請から交付までの流れも詳しく解説します。
助成金を受け取って東京で高性能な注文住宅を建てたい方は、ぜひ参考にしてください。
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新築の住宅購入でもらえる補助金・助成金・税金優遇(減税)制度について最新情報が知りたい方は、こちらの記事もご覧ください。
※本記事は東京都環境局「東京ゼロエミ住宅」をもとに作成しています。
目次
1.東京ゼロエミ住宅の助成制度とは?
東京ゼロエミ住宅とは、断熱性能・省エネ性能が高い住宅のことです。
東京都は独自の基準を設け、適合する新築住宅に対して助成金を支給する制度を設けています。
まずは、東京ゼロエミ住宅の助成制度の概要や、対象となる人・条件について解説します。
1-1.制度の概要
東京ゼロエミ住宅の助成金制度は、東京都が定める断熱性能・省エネ性能の基準を満たした住宅に助成金を支給する制度です。
温室効果ガス等の排出量の実質ゼロ化に取り組む東京都が、その一環として、環境性能の高い住宅を普及させることを目指しています。
「ゼロエミ」とは「ゼロエミッション(ZERO EMISSION)」の略で、エミッション(排気ガスなど地球温暖化や大気汚染の原因となるもの)をゼロにするという意味です。
東京ゼロエミ住宅が普及することにより、高性能な建材や設備の価格が低下し、結果、より環境性能の高い住宅が普及され、東京都が取り組む環境対策にもよい結果を生み出すことが期待されています。
そもそも「助成金」とは?
助成金とは、国や自治体から支給されるお金のことです。
返済の必要はなく、一定の要件を満たせば助成金を受け取れます。
助成金と似たものに「補助金」がありますが、助成金とは異なります。
補助金も国や自治体が支給するお金ですが、採択件数や予算が決まっているものが多く、申請しても必ず採択されるとは限りません。
助成金が支給される東京ゼロエミ住宅は、要件を満たして認証を受ければ、基本的に一定の金額を受給できます。
1-2.対象になる人・条件
東京ゼロエミ住宅を申請できるのは、都内で住宅を新築する個人・法人、もしくは施主に太陽光発電システムや蓄電池システムをリースする事業者です。
都内で新築し、床面積の合計が 2,000平米未満の住宅が対象となります。
東京ゼロエミ住宅として設定された基準を満たし、認証審査機関の認証を受けた住宅に助成金が支給されます。
これらの条件に該当しない場合や、申請を受け付けた旨の通知日より前に建築基準法に規定する確認済証の交付を受けた場合は、助成金の対象外となります(特例措置を除く)。
なお、国や東京都が行う他の事業とは併用できない場合もあるため、事前に確認しておきましょう。
このように、助成金や補助金の活用は情報整理が大変です。
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2.東京ゼロエミ住宅とはどんな家?
東京ゼロエミ住宅で求められるのは、断熱性を高める建物や躯体の技術と設備の省エネ性能です。
ここでは、東京ゼロエミ住宅とはどのような家を指すのか、建物の技術や必要な設備についてみていきましょう。
2-1.求められる建物の技術
東京ゼロエミ住宅の基準は「必ず適合すべき仕様」の要件を満たし、さらに水準ごとに設定した「性能値」を満たすことが必要です。
「必ず適合すべき仕様」として、建物や躯体(建物を支える基礎・壁・柱など)で求められる技術は、次のとおりです。
必ず適合すべき仕様
- 屋根・天井・床の断熱性能が高い
- 外壁の断熱性能が高い
- 高断熱ドア・高断熱窓を採用
- メンテナンスしやすい配管方式
主に断熱性能や気密性が高いこと、メンテナンス性に優れていることを重視した技術となります。
2-2.必要な設備
東京ゼロエミ住宅に必要な設備、あるいは推奨されている設備は、次のとおりです。
必要あるいは推奨設備
- 高効率給湯器(電気ヒートポンプ給湯器、潜熱回収型ガス給湯器など)
- 全室LED照明(1ヵ所以上は人感センサー付き)
- 高効率エアコン(リビングなど主たる居室に必ず設置)
- 節湯水栓
- 高断熱浴槽
設備には、省エネ効果や機器の長期耐用性が求められています。
2-3.東京ゼロエミ住宅とZEHとの違い
東京ゼロエミ住宅は、同じく高断熱・省エネルギーを志向するZEH(ゼッチ)よりも高い水準が求められています。
ZEHとは「Net Zero Energy House(ネット・ゼロ・エネルギー・ハウス)」の略で、エネルギー収支をゼロ以下にする家という意味です。
家庭で使用するエネルギーと、太陽光発電などで創出するエネルギーのバランスをとり、1年間で消費するエネルギーの量を実質ゼロにする住宅を指します。
エネルギーの消費を抑えるという点では東京ゼロエミ住宅もZEHも同じですが、東京ゼロエミ住宅はエネルギー消費を抑えるだけでなく、二酸化炭素の排出量削減など総合的な環境対策を目指すものです。
ZEHは一次消費エネルギー量の削減を20%以上としているのに対し、東京ゼロエミ住宅はそれを上回る30%以上を水準としています。
このような高性能な住宅は、どのハウスメーカー・工務店でも対応しているわけではありません。
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3.東京ゼロエミ住宅の助成制度のメリット
東京ゼロエミ住宅の認証を受けると助成金を受け取れますが、それ以外にも以下のようなメリットがあります。
東京ゼロエミ住宅のメリット
- 不動産取得税の減免を受けられる
- 光熱費を削減できる
- 快適な暮らしが叶う
以下より詳細を解説します。
3-1.不動産取得税の減免
東京都では一定の要件を満たす新築の東京ゼロエミ住宅に対し、不動産取得税を最大で全額免除する支援を行っています。
不動産取得税とは、住まいの建築などして不動産を取得したとき、取得者にかかる税金です。
不動産の評価額に、4%を乗じた金額が課税されます。
建物の評価額が3,000万円であれば、不動産取得税は「3,000万円×4%=120万円」です。
一定の要件を満たす場合に東京都の減免を申請すれば、この税金が5〜10割減免されます。
3-2.光熱費を削減
東京ゼロエミ住宅には高断熱な壁や窓、高効率なエアコンが採用されるため、エネルギー効率が良くなり、電気・ガスの消費量を抑えられます。
その結果、光熱費を削減できることがメリットです。
さらに太陽光発電を設置すれば、エネルギーを作り出すことでエネルギー消費量の収支が実質ゼロになります。
性能の高い東京ゼロエミ住宅は建築費が高めですが、光熱費を抑えることで経済的なメリットは高まるでしょう。
3-3.快適な暮らし
住宅の性能が高まれば、生活も快適になります。
断熱性の向上により、冬は暖かく夏は涼しく過ごせるでしょう。
環境室内の温度差が小さくなることで、急激な室温差によるヒートショックも予防できます。
また、冬でも壁や窓の表面温度が下がりにくいため、結露を防止します。
ダニやカビの繁殖を抑えて健康を維持し、木材の腐朽・建材の劣化を防いで家を長持ちさせられることもメリットです。
4.【2024年10月から】変更後の東京ゼロエミ住宅の制度内容
東京ゼロエミ住宅の助成制度は、2024年10月から基準が見直されます。
性能規定の水準が引き上げられるほか、助成金の金額が増額になり、太陽光発電設備の設置が原則として必要になります。
ここでは、2024年から変更になる項目を解説します。
4-1.性能規定の水準を見直し
現在は水準1〜3の3段階となっている基準が、次のように水準C~Aに変わります。
現行基準 | 外皮平均熱貫流率 (UA値) | 省エネ基準からの削減率 (戸建て) |
---|---|---|
水準3 | 0.46以下 | 40%以下 |
水準2 | 0.60以下 | 35%以下 |
水準1 | 0.70以下 | 30%以下 |
新基準 | 外皮平均熱貫流率 (UA値) | 省エネ基準からの削減率 (戸建て) |
---|---|---|
水準A | 0.35以下 | 45%以下 |
水準B | 0.46以下 | 40%以下 |
水準C | 0.60以下 | 30%以下 |
「外皮平均熱貫流率(UA値)」とは、住宅の内部から床、外壁、屋根などを通過して外部へ逃げる熱量を示す値です。値が小さいほど熱が逃げにくく、省エネルギー性能が高いことを示します。
「省エネ基準からの削減率」は、高いほど省エネルギー性能が高いということです。
新基準では旧水準1のレベルを廃止し、新しい高水準Aを増設しています。
その結果、これまでよりも高い水準が求められることになります。
4-2.助成金額の値上げ
基準の見直しに伴い、助成金額が値上げされます。
現行基準と新基準における戸建住宅の助成金は、次のとおりです。
現行基準 | 助成金額 |
---|---|
水準3 | 210万円 |
水準2 | 50万円 |
水準1 | 30万円 |
新基準 | 助成金額 |
---|---|
水準A | 240万円 |
水準B | 160万円 |
水準C | 40万円 |
2024年9月30日までに現行基準による設計確認を受けた場合は現行助成額が適用され、2024年10月1日以降に新基準による設計確認を受けた場合は新助成額が適用されます。
4-3.太陽光発電設備の設置が原則として必要
新基準では、原則として太陽光発電設備等の再エネ利用設備を設置することが要件となっています。
現行制度では、狭小な住宅が多い東京の特性を考慮し、太陽光発電設備の設置を要件としていません。
しかし、温室効果ガス等の排出量の実質ゼロ化を実現するため、東京ゼロエミ住宅でも再エネ利用設備の設置を要件化し、太陽光発電設備を設置するムーブメントを醸成していくことが必要とされました。
そのため、2024年10月からは原則として設置することが要件とされています。
例外として、屋根面積が狭小であるなど、物理的に太陽光発電設備の設置が困難な住宅については設置を要件としていません。
太陽光発電設備等を設置することで、二酸化炭素の排出量を削減するとともに、停電への備えができます。
蓄電池と組み合わせ、夜間の電気使用など防災力も向上するでしょう。
また、新築住宅に4kWの太陽光発電設備を設置した場合、電気代を年間約9万円も削減できるというメリットも得られます。(参考:東京都環境局「東京ゼロエミ住宅のあり方とりまとめ」)
以上が、2024年10月からの東京ゼロエミ住宅の制度内容です。
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5.助成金の申請から交付までの流れ
東京ゼロエミ住宅で助成金を申請する場合、住宅が都の定める基準を満たしているかを確認する「認証手続」と、助成金の交付要件を満たしているかを確認する「助成手続」が必要です。
認証手続では認証審査機関に、助成手続では地球温暖化防止活動推進センター(クール・ネット東京)に書類を提出します。
申請の流れは、次のとおりです。
家づくりの流れ | 申請・交付の流れ |
---|---|
工事着手前 | 認証審査機関に東京ゼロエミ住宅設計確認審査を申請 |
工事に着手 |
|
工事完了 |
|
「認証手続」と「助成手続」はそれぞれ申請の期限が定められているため、スケジュールを立てて早めに準備しましょう。
まとめ
東京ゼロエミ住宅は断熱性能を高め、省エネ性能の高い設備を使用した住宅です。
東京都の環境に配慮する施策として、その普及が推進されています。
東京ゼロエミ住宅にすることで助成金を受け取り、建築の初期費用を抑えられます。
また、生活においても光熱費を削減し、温度差を少なくして快適に過ごせることがメリットです。
東京ゼロエミ住宅で助成金を受け取るためには、工事着手前から始まる申請手続きが必要です。
提出する書類が多いため、早めにハウスメーカー・工務店を見繕い、余裕をもって準備を開始しましょう。
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この記事の編集者