旗竿地でトラブルを回避する対策3選!メリットや家を建てる費用も解説

旗竿地とは、旗に付けた竿のような形状の土地のことです。その形状から、旗竿地はトラブルが起きやすい一面があります。

この記事では、旗竿地で家を建てる際に後悔しないための以下の点を紹介します。

この記事でわかること

  • 旗竿地で起こりやすいトラブル
  • 旗竿地のメリット
  • 旗竿地にカーポートを設置する際の注意点
  • 旗竿地に家を建てる際のポイント

ぜひ最後までご覧いただき、マイホーム建設の参考にしてください。

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ほかの土地形状の種類や各メリット・デメリットについて知りたい方は、こちらの記事もご覧ください。

1.「旗竿地」とは旗竿のような形状の土地のこと


旗竿地(はたざおち)とは、敷地の一部が公道からつながる細い路地になっている土地のことです。竿に旗が付いているような形状をしていることから、旗竿地と呼ばれます。

建築基準法では「接道義務」が定められており、建物を建てるときに敷地が2m以上公道に接していなければなりません。

奥まった場所にある土地に家を建てるためには、旗竿地の竿の部分となる細い路地を作り、公道に接するようにしています。敷地を延長して公道に接するようにすることから、「敷地延長」「延長敷地」とも呼ばれます。

2.旗竿地で生じやすいリスクやトラブル

旗竿地は、路地が細い場合や四方を家に囲まれている場合が多いことから、整形地に比べるとトラブルが起きやすい傾向にあります。

具体的には、以下のような可能性が挙げられます。

  • 建築コストが割高になる
  • 駐車スペースが確保しにくい
  • 防犯面に不安が生じる
  • 日当たりや風通しが悪い
  • 売却が難しい

家を建てる土地の選択肢に旗竿地を入れるなら、よくあるリスクやトラブルを知っておきましょう。

2-1.建築コストが割高になる

旗竿地では土地に入る経路が細いため、工事や建築に必要な重機が入れない場合があります。その結果、重機でできる作業を人の手で行わなければならず、工事費や人件費が割高になるケースも少なくありません。

すでに建っている家を取り壊して再建築する場合にも、重機が入れないことで取り壊しに時間や費用がかかります。

加えて、旗竿地には水道管やガス管などのインフラ設備が整っていないこともあります。その場合の工事費用は、自分で負担しなければなりません。相場よりも安く購入できるという理由から旗竿地を選びたい方はとくに、建築にコストがかかる可能性を考慮しておく必要があります。

2-2.駐車スペースが確保しにくい

旗竿地では、駐車スペースの確保に悩むケースも少なくありません。旗の部分の広い土地に駐車スペースを作ろうとすると、家を建てるスペースを圧迫してしまいます。かといって竿の部分を使うとしても、細長いために駐車しにくいという事態も考えられます。

とくに車が2台以上ある場合は縦に駐車しなければならないため、車の入れ替えなどが面倒になりがちです。ほかにも、乗り降りに気を遣ったり、大きい車は選べなかったりと、制約が多いものです。

2-3.防犯面に不安が生じる

旗竿地は公道から離れており、侵入者が人目に付きにくいため、防犯面の不安を持つ方も多いでしょう。一般的に、人通りの多い場所では犯罪が起きにくいといわれています。

なかが見えにくいことはプライバシー上は好ましいですが、空き巣などの侵入に気付きにくい面もあります。管理会社による防犯の設備があるマンションなどとは異なり、防犯は自分で行わなければなりません。

2-4.日当たりや風通しが悪い

奥まった場所にある旗竿地は、日当たりや風通しが悪くなりがちです。路地以外が建物に囲まれていると閉塞感もあるでしょう。

今は問題がなくても、近隣に高い建物ができることで日当たりや風通しが悪くなることもあります。湿気がこもり、外壁や住宅内部に影響を与える可能性もあります。

2-5.売却が難しい

さまざまなリスクから、旗竿地は一般の整形地に比べると買い手が付きにくい傾向にあります。敷地の面積に路地部分も含まれるため、家を建てる面積が狭くなる点も敬遠されがちな理由の一つです。

売却できたとしても、予想よりはるかに安い売値になってしまったという場合もあります。将来的に売却する可能性があるなら、旗竿地の売却の難しさを理解しておきましょう。

3.旗竿地ならではのメリット

旗竿地にはデメリットが多いものの、旗竿地ならではの以下のようなメリットもあります。

  • 土地の購入コストが抑えられる
  • 交通事故のリスクが低い
  • 周囲の目が気にならない

デメリットがあるがゆえに、土地の取得費用が整形地よりも2~3割ほど安くなる傾向にあります。公道に面していないことで防犯面に不安がある一方で、静かで安全な環境であるともいえるためです。それぞれ詳しく見ていきましょう。

旗竿地の上手な活用方法についてより詳しく知りたい方は、以下のページも参考にしてみてください。

3-1.土地の購入コストが抑えられる

旗竿地は整形地と比べると、2〜3割ほど安く購入できます。建築の難しさや日当たり・風通しの問題などから、整形地よりも人気が劣るためです。立地のいいエリアの整形地は予算オーバーしてしまうという場合でも、旗竿地なら予算に合った土地を見つけられるかもしれません。

加えて、旗竿地は固定資産税や相続税の評価額も低くなる傾向にあります。とくに、毎年必ず支払わなければならない固定資産税が低ければ、維持費を抑えられるという点も魅力です。

3-2.交通事故のリスクが低い

旗竿地は公道から路地を一本入った場所にあるため、交通事故のリスクが低いです。家から出たときに通行人や車にぶつかったり、車に突っ込まれたりといったことはまずないでしょう。

また、外で子どもが遊んでいて公道に飛び出すリスクも減らせます。敷地のうち公道に接する面が大きい整形地と比べると、安全に暮らせるといえるでしょう。

3-3.周囲の目が気にならない

旗竿地は公道から距離があるため、車や人がそばを通ることが少ないものです。公道から家の中が見えにくいため、周囲の視線を気にせずプライバシーの面で安心に暮らせるでしょう。

そばを通る通行人の話し声や、車の走行音なども、旗竿地であれば届きにくいものです。そのほか、車が通行する際に巻き上げる土埃や水たまりの水はねなどもないため、周囲の目が少なく快適に暮らせるでしょう。

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4.旗竿地にカーポートを設置する際の費用や注意点


家を建てるときは、車の置き場所についても考えなければなりません。旗竿地であれば、家を建てるスペースを広く確保するために、公道につながる路地部分に車を置くと考える方が多いのではないでしょうか。

旗竿地の路地は幅が狭いため、壁を設置せず柱で屋根を支えるカーポートがよく選ばれています。

カーポートの設置では、費用面や近隣への影響に関する以下のような注意点があります。

  • 複数の業者から見積りをとる
  • 隣家の日当たりを遮らないようにする
  • 隣家に雨水や雪が落ちないように注意する
  • 騒音トラブルに気を付ける

以下で詳しく見ていきましょう。

4-1.複数の業者から見積りをとる

カーポートと一口にいっても、形状や柱の数などによってさまざまなタイプがあります。カーポート本体は手ごろなもので20万円ほどから購入できますが、加えて施工費用も必要です。設置するカーポートや施行内容などによって費用は異なり、業者によっても変わります。

そのため、複数の業者から見積りをとり、比較して依頼先を決めましょう。予算をオーバーしている場合は、予算に近づけられないか相談してみましょう。よりよい方法を提案してもらい、予算内で満足のいくカーポートを設置できる可能性もあります。

そもそもの土地の形状を考慮したうえで、設置の仕方じたいをハウスメーカーや工務店から提案してもらうのもよいでしょう。

その場合、経験値が高く提案力のあるメーカーとやりとりができるとスムーズです。

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4-2.隣家の日当たりを遮らないようにする

カーポートを設置することで、隣の日当たりが悪くなる場合も考えられます。日当たりは家づくりや土地選びに重要なポイントであるため、近隣の日当たりを損ねると苦情が入る可能性があり、関係の悪化にもつながりかねません。

長い付き合いとなる近隣との関係を良好に保つために、影響の少ない方法を探りましょう。屋根に採光性のある素材を使う、大きすぎないサイズのカーポートを選ぶなど、工夫が大切です。

4-3.隣家に雨水や雪が落ちないよう注意する

カーポートは敷地の端に設置するため、隣の敷地に雨や雪が落ちることがあります。日当たりと同様に、苦情にならないよう対策が必要です。カーポートを敷地のギリギリに設置しない、屋根の傾斜を工夫して隣に雨や雪が入り込まないようにする、などの対策をしましょう。

とくに降雪の多い地域では、近隣の影響のない方向に雪下ろしをしたり、雪止めを設置したりすることも考える必要があります。雪の重みで倒壊しないよう、強度の十分なカーポートを選ぶと安心です。

4-4.騒音トラブルに気を付ける

車のエンジン音やドアの開閉の音が、近隣の迷惑となることもあります。とくにカーポートが隣の家の寝室と近い位置の場合は、日頃のドアの開け閉めや深夜の出入りに気を遣わなければなりません。

隣に赤ちゃんがいる場合は、ようやく寝かしつけた赤ちゃんを音によって起こしてしまうことも考えられます。また、高齢の人の中には目が覚めやすい人もいるため、安眠を妨害してしまうかもしれません。

カーポートの屋根に雨が当たることで騒音となる場合もあります。屋根の材質を工夫したり、防音シートを貼ったりといった工夫が必要です。

5.旗竿地に家を建てて後悔しないためのポイント

リスクの多い旗竿地に家を建てる場合でも、以下のポイントを押さえることで快適に生活することはできます。

  • 土地は間口3m以上にする
  • 間取りを工夫する
  • 防犯を徹底する

旗竿地の特徴の一つである路地は、幅を広くとることで通行やカーポート設置の支障が生じにくくなります。日当たりや風通し、防犯面の不安は、旗竿地でも工夫次第で改善できるでしょう。以下で具体的なポイントを解説します。

5-1.土地は間口3m以上がおすすめ

旗竿地を選ぶなら、竿となる路地の部分の幅が3m以上の土地にするといいでしょう。建築基準法では公道に接する間口は2m以上と定められていますが、駐車や通行のためのスペースには狭く感じるものです。

車の幅は軽自動車で1.48m、大型車になると1.85mにもなるため、最低限の2mだと通行はもちろん、車の切り返しにも支障が出ます。3m以上を確保すると、不便やストレスを感じず快適に暮らせるでしょう。

また、幅が3mあれば建築に使用する重機も通行できるため、旗竿地のリスクの一つである建築コストの負担も抑えられます。

昔の法律に沿った旗竿地では、間口の幅が1.8m以下のこともあります。すでに建っている家に入居することはできますが、新しく立て直すことは現行の法律に沿っていないためできません。車の出入りがなく間口の幅にこだわりがない場合でも、現行の建築基準法に定められている2m以上の間口を確保できているか確認しましょう。

5-2.間取りを工夫する

旗竿地は日当たりが悪くなりがちですが、間取りを工夫することで改善できます。そのためには以下のような方法があります。

  • リビングを2階にする
  • 天窓や吹き抜け窓を設置する
  • 窓を増やす・大きくする
  • 南側の空間を増やす

周りを建物に囲まれていて1階は日当たりが悪くても、2階であれば光をとり込みやすいでしょう。そのため、人が集まるスペースや昼間によく使う部屋は2階、夜間によく使い日当たりを求めない寝室は1階にするなど、部屋の目的によって間取りを工夫することも一つの方法です。

また、光をとり込む窓の種類や位置、大きさなどを工夫することで、旗竿地であっても良好な日当たりが望めます。

5-3.防犯を徹底する

公道から離れており人目の少ない旗竿地では、とくに防犯が大切です。監視カメラやセンサーライトを設置したり、窓に強度の強いガラスを使ったりといった対策を講じましょう。

防犯面がしっかりしていれば、旗竿地はプライバシーや騒音を気にせず快適に暮らせる落ち着いた環境といえます。治安のいいエリアで土地を選ぶことも、防犯において効果的です。

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まとめ

旗竿地は特徴的な形状から、整形地に比べるとデメリットが多くあります。とくにカーポートを作りたい場合は、路地の幅が使いやすさに直結し、近隣への影響も考慮しなければなりません。

しかし、特徴やポイントを押さえることで暮らしやすい環境を作れるでしょう。メリットも含めて旗竿地について理解し、後悔のない土地選びをしてください。


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この記事の編集者

「家づくりのとびら」編集部

NTTデータグループ会社が運営する注文住宅相談サービス「家づくりのとびら」編集部です。難しい住まいづくりの情報を、わかりやすく正確にお伝えします。記事は不動産鑑定士や宅地建物取引士などの不動産専門家による執筆、監修記事がメイン。初めての住まいづくりをサポートします!

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