30代で住宅ローンを組むための基礎知識

この記事では、30代で住宅ローンを組むときの平均的な借入金額・借入期間や、自分にあった借入金額の考え方、住宅ローンの基礎知識、補助金や減税制度をご紹介します。

この記事でわかること

  • 住宅ローンを組む平均年齢は30代が最も多い
  • 30代の平均年収400万円~500万円では、平均約2,900万円~3,200万円借入られている
  • 自分の年収の約5倍~6倍で借入金額を設定すると、無理のない返済プランが立てやすい
資金計画に不安や悩みがある」という方は、本記事をご覧になった上で、「HOME4U 家づくりのとびら」で相談してみることをおすすめします。
ハウスメーカー出身で経験豊富なアドバイザーが【中立・客観的】な立場からオンラインで無料サポートしています!
住宅建築会社しか使えない専門ツールを駆使して、家づくりの資金シミュレーションや土地情報もお伝えしています。

その他の年齢で住宅ローンを組む場合と比較したい方は「住宅ローンは何歳までに組む?」の記事もご覧ください。

目次

1.データで解説!30代は住宅ローンをこんな風に組んでいる

30代で住宅ローンを組む際に、30代の平均的な年収・借入金額などのデータを元に解説いたします。

1-1.住宅ローンの利用者は30代が最も多い

住宅金融支援機構が行った調査「PDF住宅ローン利用者の実態調査【住宅ローン利用者調査(2022年4月調査)】」では、30代の住宅ローン利用者は全体の54.7%と過半数を占めています。

住宅ローン利用者の年代別グラフ

参照:住宅金融支援機構「PDF住宅ローン利用者の実態調査【住宅ローン利用者調査(2022年4月調査)】

1-2.30代が選んだ物件は分譲マンションが一番多い

新築・中古物件において、初めて物件を取得した人のことを「一次所得者」と言います。
30代の一次所得者は、分譲マンションが50.5%と一番多く、次いで分譲戸建住宅が50%、注文住宅が46.5%と半数近くを占めています。


世帯主の年齢 一次取得者

参照:国土交通省「PDF令和3年度住宅市場動向調査報告書

住宅購入を決める歳に、30代という年齢がひとつの目安になっていることがわかります。

1-3.30代の平均年収400万円~500万円では物件価格・借入金額・頭金・月々の返済額はどれくらい?

国税庁が行った「令和3年分 民間給与実態統計調査―調査結果報告―」では、30代の平均年収はおおむね400万円~500万円であることがわかります。

年齢・性別によって区分した平均年収

参照:国税庁「PDF令和3年分 民間給与実態統計調査―調査結果報告―

年収400万円~500万円の場合、物件価格・借入金額・頭金・月々の返済額の平均値をご紹介します。

【30代で年収400万円~500万円の人が住宅ローンを組んだ際の物件価格・借入金額・頭金・月々の返済額】
年収 年収400万円台 年収500万円台
物件価格 3,424万円 3,893万円
借入金額 2,924万円 3,250万円
頭金 378万円 534万円
物件価格に対する頭金の割合 11.0% 13.7%
月々の返済額 8.8万円 9.8万円

参照:ARUHI「【30代年収別】住宅ローンの頭金・返済額の平均は? 都道府県ランキングも発表!

借入金額の決め方については「2-4.住宅ローンの借入金額の決め方」、頭金の考え方については「2-3.頭金の有無によるメリット・デメリット」で詳しく解説しています。あわせてご覧ください。

1-4. 30代は審査が通りやすい!住宅ローンを組む年齢別のメリット・デメリット

住宅ローンの返済期間は30年以上で組むケースが多いため、返済期間を長く確保できる20代・30代は審査が通りやすい傾向にあります。

30代で住宅ローンを組むメリット・デメリットはズバリ!

30代で住宅ローンを組むメリット

  • ローンの審査が通りやすい
  • 資産形成をしやすい

30代で住宅ローンを組むデメリット

  • 転職・転勤の可能性がある
  • 借入期間の設定によっては、定年後も住宅ローンが残ってしまう可能性がある

改めて、各年代毎のメリット・デメリットをご紹介します。

【各年代ごと 住宅ローンを組むメリット・デメリット】
メリット デメリット
20代
  • 借入期間を長く設定できるため、月々の返済額にゆとりが持てる
  • ライフプランにあわせた資産形成をしやすい
  • 定年前にローンを完済できる
  • 転職・転勤など将来の不確定要素が多い
  • 金利負担が多くなる可能性がある
  • 収入が少ない場合、借入金額が少なくなる
30代
  • 収入が安定している傾向にあるため、ローンの審査が通りやすい
  • ライフプランにあわせた資産形成をしやすい
  • 転職・転勤など将来の不確定要素がある
  • 借入期間によって、定年後にもローンが残る可能性がある
40代
  • ライフスタイルが安定しており、生活費・教育費、貯蓄などと月々の返済額のバランスをとりやすい
  • 35年でローンを組めない可能性がある
  • 20代・30代と比べ借入期間が短く設定されることが多いため、月々の返済額が多くなる可能性がある
50代
  • 住宅購入費用に余裕が出やすい
  • 既に子どもが独立しているケースが多く、コンパクトな間取りの住まいでも良くなる
  • 老後の生活を考えた間取りの住まいにできる
  • 住宅ローンの審査に落ちる可能性が20代~40代と比べて高くなる
  • 老後の資金に不安要素が残る
  • 健康状態によっては、住宅ローンを組む際に必要な団体信用生命保険への加入が難しい可能性がある
60代
  • 既に子どもが独立しているケースが多く、コンパクトな間取りの住まいでも良くなる
  • 老後の生活を考えた間取りの住まいにできる
  • 60代以上向けの住宅ローンのプラン(リ・バース60など)がある
  • 住宅ローンの審査に落ちる可能性が20代~40代と比べて高くなる
  • 老後の資金に不安要素が残る
  • 健康状態によっては、住宅ローンを組む際に必要な団体信用生命保険への加入が難しい可能性がある
  • リ・バース60は、借入限度額が小さく、また元金が減らず利息のみの支払いになるため返済は生涯続く

住宅ローンなど大きなお金が動く際に、このプランでいいのかと不安に思われる人も多いかと思われます。
ハウスメーカーのご紹介だけではなく、資金計画の知識も豊富なプロの一度相談するのはいかがでしょうか?
「家づくりのとびら」では、無料で資金計画の相談ができますよ。

【必見】家づくりの流れ、
費用・相場を知りたい方へ

HOME4U「家づくりのとびら」
オンライン無料相談がおすすめ!

  • 資金計画の考え方がわかり、相談できる 住宅業界に詳しい専門アドバイザーが、【中立な立場】で資金計画の考え方をご説明。住みたいエリアの坪単価などもお調べします
  • 自分にあったハウスメーカーが見つかる ハウスメーカーのご案内はもちろん、「こだわり」や希望をハウスメーカーにお伝えします!
  • かんたんに自宅から相談できる スマホやパソコン、タブレットで簡単に、オンラインで「家からじっくり相談」できます。

【無料】相談する時間を選ぶ

何が相談できるか詳しく見る

2.30代で住宅ローンを組むための基礎知識

30代で住宅ローンを組むための基礎知識を平均的な借入金額・借入期間や、住宅ローンを検討するタイミング、頭金についてなどご紹介します。

2-1.30代の平均的な借入金額・借入期間

20代・30代・40代で住宅ローンを組んだ場合の平均的な借入金額・借入期間などをご紹介します。
返済期間を長く設定できる20代・30代は完済予定期間が約29年~30年、一方で40代は約23年と期間が短くなっています。住宅購入金額は30代・40代に大きく差はありませんが、30代のほうが長く完済予定期間を組めるため、月々の返済額が40代よりもやや安く設定されています。

【20代・30代・40代の平均的な借入金額・借入期間】
20代 30代 40代
住宅購入金額 約2,850万円 約3,680万円 約3,548万円
借入金額 約2,256万円 約2,717万円 約2,146万円
月々の返済額 6万3,675円 7万4,114円 7万5,800円
借入期間 約31年 約33年 約28年
完済予定期間 約29年 約30年 約23年

参照:ARUHI「20代の住宅購入額や借入金額の平均は? |ARUHI「住宅購入に関する調査2021」

借入金額は、頭金の有無によっても異なります。
頭金とは住宅を購入する際に、住宅購入金額の一部を先払いすることによってローンの総額から差し引く金額のことを指します。
頭金について詳しくは「2-3.頭金の有無によるメリット・デメリット」をご覧ください。

2-2.住宅ローンを検討するタイミング

30代では主に「子どもが生まれ、家族構成が変わったこと」や「20代と比べ収入があがり、生活が安定したこと」といった理由から住宅の購入を考えるケースが多いです。
下記3つのポイントも考慮した上で、住宅購入へ踏み切ると安心です。

  • 年収:年収400万円以上になったタイミング
  • 利率の変動:金利が下がったタイミング
  • 将来の予定:子どもが生まれるなど家族構成が変化したタイミング

2-2-1.年収400万円以上になったタイミング

住宅ローンを組んだ人の平均年収は400万円~600万円が40.1%と一番多く、年収が400万円以上になったタイミングで住宅の購入、および住宅ローンを利用していることがわかります。

【2021年度にフラット35を利用した方の平均年収(全年齢)】
400万円未満 22.2%
400万円~600万円未満 40.1%
600万円~800万円未満 20.3%
800万円~1,000万円未満 8.9%
1,000万円~1,200万円未満 3.6%
1,200万円以上 4.9%

参照:PDF住宅金融支援機構「2021年度 フラット35利用者調査」

2-2-2.金利が下がったタイミング

住宅ローンの金利のことを「適用金利」と呼びます。「適用金利」が決まるタイミングは、借入先によって異なりますが

  • 住宅ローンを申し込んだタイミングの金利で決まる:財形住宅融資など
  • 融資が実行されたタイミング「実行金利」の金利で決まる:【フラット35】、金融機関など

こちらの2種類のタイミングで決められます。
金利は毎月1回更新されます。借入先によって、更新される日付は毎月1日や毎月10日など様々です。

利用者の多い【フラット35】や金融機関の金利は、融資が実行されたタイミングの「実行金利」が適用されます。
「実行金利」の場合、住宅ローンの申し込みから融資実行まで約1ヵ月半程かかるため、手続きのタイミングによっては予定よりも金利が上昇するケースも、下降するケースも考えられます。

また、住宅ローンの金利には下記3つの種類があります。

  • 変動型
  • 固定型
  • 全期間固定型

金利の種類によっても適用される金利の数値が異なるため、金利の動向を見ながら住宅ローンを検討することが大切です。


民間金融機関の住宅ローン金利推移(変動金利等)

引用:【フラット35】「民間金融機関の住宅ローン金利推移(変動金利等)」

住宅ローンの金利の種類について、メリット・デメリットは「3-1.住宅ローンの金利の種類とメリット・デメリット」で詳しく解説します。

2-2-3.子どもが生まれるなど家族構成が変化したタイミング

30代では結婚や出産、子どもが入園・入学するタイミングで住宅購入をするケースが多くなっています。
他にも、

  • 家賃と住宅ローンを比べたとき
  • もっと広い家に住みたいと思ったとき
  • 周りからマイホームを勧められたとき
  • 昇給や昇格をしたとき
  • 今の住まいが住みにくいと感じたとき
  • そろそろマイホームが欲しいと思ったとき

家族構成の変化以外に収入面や世帯主の状況の変化など、30代は様々な理由から住宅購入および住宅ローンを検討するケースが多くなっています。

詳しくは「【2023年版】家を建てるベストタイミング、全国平均はいつ?結婚や子供がきっかけになる?」をご覧ください。

2-3.頭金の有無によるメリット・デメリット

頭金は住宅を購入する際に、住宅購入金額から借入金額を差し引いた金額のことを指します。
ここでは、頭金の有無によるメリット・デメリットをご紹介します。

【頭金の有無によるメリット・デメリット(全年齢)】
頭金が有る場合のメリット 頭金が有る場合のデメリット
  • 比較的住宅ローンの審査が通りやすくなる
  • 利息を少なくすることができる
  • 月々の返済額を少なくすることができる
  • 住宅ローンの種類によっては、金利を低く設定することができる
  • 頭金の割合によって金利の引き下げを受けられる可能性がある
  • ある程度の貯蓄が必要
  • 生活費など他の目的に使えなくなる
頭金が無い場合のメリット 頭金が無い場合のデメリット
  • 生活費など他の目的に手持ちのお金を使うことができる
  • 住宅ローンの審査が厳しくなる
  • 借入金額が多くなるため、利息が増える

例えば、3,000万円の住宅を購入する際に600万円の頭金を支払う場合は、差額の2,400万円を住宅ローンで準備する必要があります。
頭金無しで住宅ローンを組むフルローンや、住宅購入金額の他に諸費用を含め住宅ローンを組むオーバーローンで融資を得ることができるケースもありますが、住宅ローンの審査が厳しくなる傾向にあります。

2-3-1. 頭金の決め方

頭金の金額は、住宅購入金額のうち全体の10%~20%程を準備しておくケースが多くなっています。
頭金の平均金額は下記のとおりです。

【建物の種類ごとに分類した頭金の平均金額(全年齢)】
注文住宅 596.6万円
(資金全体の16.7%)
注文住宅+土地 412.3万円
(資金全体の9.3%)
建売住宅 270.0万円
(資金全体の7.5%)
マンション 785.9万円
(資金全体の17.4%)
中古戸建 214.9万円
(資金全体の8.2%)
中古マンション 418.9万円
(資金全体の13.8%)

参照:PDF住宅金融支援機構「2021年度 フラット35利用者調査」

頭金を決める際は諸費用も含め、無理のない金額を設定することが大切です。

頭金について詳しくは「家を建てる時に頭金はいくら貯めればいい?相場や注意点を解説」をご覧ください。

2-4.住宅ローンの借入金額の決め方

住宅ローンの借入金額は

  • 年収から判断する方法
  • 月々の返済額から判断する方法

こちらの2種類があります。

2-4-1.年収から判断する方法

借入金額の目安として、年収倍率から求める考え方があります。
年収倍率は「年収倍率=住宅購入にかかる費用(建物の建設費・土地の取得費)÷住宅ローン申込時の額面年収」で求められます。

一般的に借入金額は年収の約5倍~6倍を見ておくと、無理のない返済プランを立てやすくなります。

【年収の5倍~6倍で計算した借入金額(全年齢)】
年収 借入金額
300万円 1,500万円~1,800万円
400万円 2,000万円~2,400万円
500万円 2,500万円~3,000万円
600万円 3,000万円~3,600万円
700万円 3,500万円~4,200万円
800万円 4,000万円~4,800万円
900万円 4,500万円~5,400万円
1,000万円 5,000万円~6,000万円

実際に、住宅金融支援機構が行った「2021年度 フラット35利用者調査」では、建物の種類ごとの平均年収倍率が紹介されています。

  • 新築物件:6.8倍~7.5倍
  • 中古物件:5.7倍~5.8倍

参照:PDF住宅金融支援機構「2021年度 フラット35利用者調査」

こちらのデータは、年収400万円未満から年収1,200万円以上まで幅広い数値での結果となるため、年収の約5倍~6倍を基準に、生活に余裕がある場合は6倍以上を検討していくとよいでしょう。

また、住宅購入にかかる費用には借入金の他に頭金も含まれます。
そのため、年収倍率7倍以上の住宅を購入していたとしても、実際の借入金額は頭金10%~20%を除いた金額となります。住宅購入金額が2,000万円でも、そのうち100万円~200万円を頭金で支払うため、実際の借入金額は年収の約5倍~6倍がひとつの基準となります。

2-4-2.月々の返済額から判断する方法

月々の返済額から逆算し、借入金額がどれくらいになるか判断する方法です。
借入れた際の金利によって借入金額は変動しますが、一般的に年収・月収の20%を返済額としてあて、多くても25%~30%程に抑えておくと無理のない返済プランが立てやすいです。
住宅金融支援機構が行った「PDF2021年度 フラット35利用者調査」では、総返済負担率の平均は22.7%となっています。

総返済負担額は「総返済負担率=総返済額÷年収×100」で求められます。

ここでは、下記の条件で住宅ローンを組んだ場合の月々の返済額と借入可能な金額をご紹介します。

  • 金利:0.5%、1%、1.5%、2%
  • 借入期間:35年
  • 返済方法:元利均等返済
【月々の返済額の例(全年齢)】
月々の返済額 金利 借入金額
5万円 0.5% 1,926万円
1% 1,771万円
1.5% 1,633万円
2% 1,509万円
6万円 0.5% 2,311万円
1% 2,125万円
1.5% 1,959万円
2% 1,811万円
7万円 0.5% 2,696万円
1% 2,479万円
1.5% 2,286万円
2% 2,113万円
8万円 0.5% 3,081万円
1% 2,834万円
1.5% 2,612万円
2% 2,415万円
9万円 0.5% 3,467万円
1% 3,188万円
1.5% 2,939万円
2% 2,716万円
10万円 0.5% 3,852万円
1% 3,542万円
1.5% 3,266万円
2% 3,018万円

参照:【フラット35】毎月の返済額から借入可能金額を計算

30代の平均月収から住宅ローンの返済を含む生活費の家計収支をご紹介します。

  • 男性月収:418,750円
  • 女性月収:267,916円
  • 月々の返済額の割合:月収の20% 137,333円

国税局「PDF令和3年分 民間給与実態統計調査―調査結果報告―」の年代別平均年収データから算出した、こちらの月収を基準に算出します。


月収における毎月の住宅ローン返済額の割合

参照:国税庁「PDF令和3年分 民間給与実態統計調査―調査結果報告―
PDF家計調査報告(家計収支編)2021年(令和3年)平均結果の概要

国土交通省が行った「PDF令和3年度 住宅動向市場調査報告書」では、住宅ローンの返済について負担があると答えた人は全体の63%と過半数を超えました。

  • 非常に負担感がある:8.6%
  • 少し負担感がある:54.4%
  • あまり負担感はない:29.3%
  • まったく負担感はない:6.7%

30代では将来的なキャリアアップや家族構成の変化を考慮した住宅ローンの選び方が重要になります。
住宅ローンの金利の種類と借入先の選び方について詳しくは「3.住宅ローンの金利の種類と借入先の選び方」をご覧ください。

3.住宅ローンの金利の種類と借入先の選び方

住宅ローンの金利の種類と借入先の選び方についてご紹介します。

3-1.住宅ローンの金利の種類とメリット・デメリット

住宅ローンの金利の種類は3つあります。

  • 変動型:借入期間中、定期的に金利が変動し、一般的に5年に一度返済額が見直される
  • 固定型:借入時の適用金利が返済開始から一定期間だけ固定されるため、期間中は返済額が変わらない
  • 全期間固定型:返済開始から返済終了まで同じ金利が設定されるため、期間中は返済額が変わらない

各住宅ローンの金利のメリット・デメリットをご紹介します。

【住宅ローンの金利の種類とメリット・デメリット(全年齢)】
金利の種類 メリット デメリット
変動型
  • 他の種類に比べ金利が低く設定されているケースが多い
  • 将来的に金利が下がった場合、返済額も少なくなる可能性がある
  • 将来的に金利が上がった場合、返済額が増える可能性がある
  • 金利の上昇が続くと元金の返済が進まず、利息ばかり支払う状況も考えられる
固定型
  • 一定期間金利が固定されるため、途中で金利が上がった場合も低いときの金利にあわせて返済ができる
  • 固定期間は3年・5年・10年など期間を選べるため、返済計画を立てやすい
  • 変動型と組み合わせることができる
  • 変動型よりも金利がやや高く設定されている
  • 長い期間で固定型金利を組んだ場合、途中で金利が下がっても恩恵を受けられない
全期間固定型
  • 借入期間中に金利が上がった場合でも、
  • 返済計画を立てやすい
  • 変動型よりも金利がやや高く設定されている
  • 途中で金利が下がっても恩恵を受けられない

住宅金融支援機構が住宅ローン利用者を対象とした2022年4月に行った調査では、変動型を選んだ人が全体の73.9%と大半を占めています。一方で固定型は17.3%、全期間固定型は8.9%と全体の2割程度に落ち着いています。

参考:PDF住宅金融支援機構「住宅ローン利用者の実態調査【住宅ローン利用者調査(2022年4月調査)】」

また、状況にあわせて異なる金利の種類を組み合わせ借入を行うミックスローンを実施している借入先もあります。

  • 変動型から全期間固定型へ変更する
  • 固定型から変動型へ変更する

など、ライフプランにあわせた設定が可能です。
ただし、固定期間内(特約期間内)は変更ができないなど規定があるため、借入先に予め確認をとると安心です。

3-2.住宅ローンの借入先の種類とメリット・デメリット

住宅ローンの借入先は主に6つあります。借入先のメリット・デメリットをご紹介します。

【借入先の種類とメリット・デメリット(全年齢)】
借入先の種類 メリット デメリット
都市銀行・信託銀行
  • 比較的金利が低く設定されている
  • 審査のスピードが速い
  • 審査が厳しい傾向にある
地方銀行
  • 都市銀行などに比べて審査が通りやすい傾向にある
  • 個人の状況に応じてやや柔軟に対応をしてくれる
  • 都市銀行などに比べると金利が高く設定されている
ネット銀行
  • 金利は低めに設定されている
  • 対面でのやり取りがないケースが多い
  • 都市銀行などにくらべて事務手数料が高い傾向にある
  • 審査がやや厳しい傾向にある
フラット35
  • 全期間固定型の金利のため、返済プランを立てやすい
  • 保証料が必要ない
  • 他の金利の種類を選ぶことができない
  • 金利が高く設定されている
  • 頭金の割合によって金利が変わる
提携融資(不動産会社)
  • 比較的金利が低く設定されている
  • 審査が通りやすい傾向にある
  • 不動産会社が手続きを一部代行してくれるため、手間を省くことができる
  • 他の借入先との比較検討ができない
  • 手続きの代行費用がかかることがある
財形住宅融資(勤務先)
  • 比較的金利が低く設定されている
  • 事務手数料や保証料が必要ない
  • 利用基準が厳しい

借入先によって金利の設定や手数料の有無などが異なります。
複数の借入先を比較検討し、自分にあった借入先を選ぶと良いでしょう。

3-3.返済の種類とメリット・デメリット

返済の種類には、元利均等返済と元金均等返済の2種類があります。それぞれの特徴とメリット・デメリットをご紹介します。

  • 元利均等返済:毎月の返済額が同じ返済方法
  • 元金均等返済:住宅ローンの残高によって返済額が変わる返済方法
【住宅ローンの金利の種類とメリット・デメリット(全年齢)】
返済の種類 メリット デメリット
元利均等返済
  • 返済額が一定のため返済プランを立てやすい
  • 総返済額が元金均等返済に比べ高くなる
元金均等返済
  • 総返済額が元利均等返済に比べ低くなる
  • 借入時の返済額が元利均等返済に比べ高くなる
  • 借入時に必要な収入が高くなる

借入先によっては、元金均等返済を取り扱っていないところもあります。
返済計画とあわせ、どちらを選ぶか検討すると安心です。

【必見】家づくりの流れ、
費用・相場を知りたい方へ

HOME4U「家づくりのとびら」
オンライン無料相談がおすすめ!

  • 資金計画の考え方がわかり、相談できる 住宅業界に詳しい専門アドバイザーが、【中立な立場】で資金計画の考え方をご説明。住みたいエリアの坪単価などもお調べします
  • 自分にあったハウスメーカーが見つかる ハウスメーカーのご案内はもちろん、「こだわり」や希望をハウスメーカーにお伝えします!
  • かんたんに自宅から相談できる スマホやパソコン、タブレットで簡単に、オンラインで「家からじっくり相談」できます。

【無料】相談する時間を選ぶ

何が相談できるか詳しく見る

4.30代で住宅ローンを組んだシミュレーション

30代で住宅ローンを組んだ際、実際にどれくらいの金額・期間になるか一例をご紹介します。

【30代で住宅購入金額3,500万円/借入金額3,000万円の住宅ローンを組んだシミュレーション(一例)】
住宅購入金額 3,500万円
借入金額 3,000万円
頭金 500万円
年収 600万円
金利の種類とパーセンテージ 変動金利型(1.1%)
月々の返済額 約8.6万円(返済負担率17.21%)
借入期間 35年
総支払額 約3,615万円

参考:一般財団法人住宅金融普及協会「住宅ローンシミュレーション」

総支払額には、利息が含まれます。
実際に利息がどれくらいかかるかは、金利によって異なります。

5.30代で住宅ローンを組む際に使える補助金制度と減税制度

30代で住宅ローンを組む際に使える補助金制度と減税制度をご紹介します。

<補助金制度>

  • こどもみらいエコすまい支援事業
  • ZEH補助金
  • 地域型住宅グリーン化事業

<減税制度>

  • 住宅ローン減税

こちらでご紹介する補助金制度・減税制度の他に、各自治体で行っている補助金制度もあります。
最新情報については、「新築住宅の補助金・税金優遇(減税)制度」の記事を合わせてご覧ください。

5-1.【補助金制度】こどもエコすまい支援事業

こどもエコすまい支援事業とは、子育て世帯・若者夫婦世帯を対象に高い省エネ性能を持ったZEH住宅の取得を促す補助金制度です。新築の場合は100万円、リフォームの場合は60万円の補助金が得られます。

対象者

申請時、以下のいずれかの条件に該当する世帯

  • 子育て世帯:18歳未満の子供がいる
  • 若者夫婦世帯:申請時にどちらかが39歳以下

※年齢は令和4年4月1日時点を基準とする

対象住宅

高い省エネ性能(ZEHレベル)を証明書等により確認できる住宅

  • ZEH
  • Nearly ZEH
  • ZEH Ready
  • ZEH Oriented
  • 令和4年10月1日以降に認定申請をした認定長期優良住宅、認定低炭素住宅、性能向上計画認定住宅
補助される金額
  • 新築:100万円/1戸
  • リフォーム:60万円/1戸
申請期間 2023年3月下旬~予算上限に達するまで

参照:こどもエコすまい支援事業

申請の流れについては「こどもエコすまい支援事業とは?補助金100万円を受ける方法や条件を解説!」こちらの記事で解説しております。あわせてご覧ください。

5-2.【補助金制度】ZEH補助金

高断熱で高い省エネ性能を有するZEH住宅を建てると申請できる補助金です。

対象者
  • 戸建住宅を新築する方
  • 建売住宅を新築で購入する方
対象住宅

高い省エネ性能(ZEHレベル)を証明書等により確認できる住宅

  • ZEH
  • Nearly ZEH
  • ZEH Oriented
補助される金額
  • ZEH:55万円/1戸
  • ZEH+:100万円/1戸
  • 次世代ZEH+:100万円/1戸
  • 次世代HEMS:112万円/1戸
公募期間 ZEH住宅のみ、2023年3月17日まで公募受付

参照:一般社団法人環境共造イニシアチブ「ZEH支援事業」
一般社団法人環境共造イニシアチブ「次世代ZEH+(注文住宅)実証事業」
一般社団法人環境共造イニシアチブ「次世代HEMS実証事業」

ZEH補助金については「ZEH住宅の補助金について解説!制度の特徴や申請方法がわかる」の記事で解説しております。あわせてご覧ください。

5-3.【補助金制度】地域型住宅グリーン化事業

高断熱で高い省エネ性能を有する木造のZEH住宅を建てると申請できる補助金です。

対象者
  • 木造戸建住宅を新築する方
対象住宅

高い省エネ性能(ZEHレベル)を証明書等により確認できる住宅

  • 認定長期優良住宅
  • ZEH
  • Nearly ZEH
  • ZEH Oriented
  • 認定低炭素住宅
補助される金額
  • 認定長期有料住宅:上限140万円/1戸
  • ZEH:上限140万円/1戸
  • Nearly ZEH:上限140万円/1戸
  • ZEH Oriented:上限90万円/1戸
  • 認定低炭素住宅:上限90万円
公募期間 2022年6月6日終了

参照:地域型住宅グリーン化事業

5-4.【補助金制度】長期優良住宅化リフォーム推進事業

既存住宅に対して耐震性を高める工事・省エネ対策を行う工事・バリアフリー改修工事など、長く住める家にリフォームをした場合に申請できる補助金です。

対象者
  • 既存住宅を長く住める家にリフォームする方
対象住宅
  • 既存戸建住宅
  • 既存共同住宅
補助される金額
  • 評価基準型:100万円/1戸(150万円/1戸)
  • 認定長期優良住宅型 :200万円/1戸(250万円/1戸)
申請期間 2023年1月31日終了済

参照:国土交通省「長期優良住宅化リフォーム推進事業」

若者・子育て世帯による改修工事:キッズルームの設置、防犯カメラの設置工事
三世代同居改修工事:キッチン、浴室、トイレ、玄関の増築工事
防災性・レジリエンス性の向上改修工事:自然災害に対する改修工事

などを行う場合には、基準の金額から更に50万円加算された金額が支払われます。

5-5.【減税制度】住宅ローン減税

住宅ローンを使用して新築・購入、増改新築をした場合に年末の住宅ローン残高の0.7%分を所得税から控除する制度です。最大13年間適用されます。

対象者
  • 住宅ローンを使用して戸建住宅を新築する方
  • 住宅ローンを使用して建売住宅を購入する方
  • 住宅ローンを使用して増改新築をする方
条件
  • 自身が居住する家である
  • 床面積50㎡以上
  • 合計所得金額が2,000万円以下
  • 住宅ローンの借入期間が10年以上 など
補助される金額
  • 年末の住宅ローン残高の0.7分
減税期間 最大13年

参照:国土交通省「住宅ローン減税」

6.住宅ローンの審査で考慮されるポイントと審査に落ちないようにするポイント

住宅ローンを組むためには、審査に通る必要があります。
ここでは、審査に通るポイントと落ちるポイントをご紹介します。

6-1.住宅ローンの審査で考慮されるポイント

住宅ローンの審査では、主に下記9つの項目が考慮されるポイントです。

【住宅ローンの審査で主に考慮されるポイント(全年齢)】
考慮されるポイント 内容 考慮すると答えた割合
借入時年齢 住宅ローンを借入れるときの年齢
申し込み期間は20歳以上70歳未満とするのが一般的
97.1%
完済時年齢 住宅ローンを完済するときの年齢
65歳までに完済するのが理想的
98.9%
健康状態 団体信用生命保険に加入可能な健康状態かどうか 98.5%
年収 借入れるときの年収 95.0%
返済負担率 理想は20%、多くても25%~30% 94.6%
勤続年数 1年以上勤めているかどうか 94.5%
担保評価 借入対象となる土地・建物へ付与された抵当権 97.6%
連帯保証 連帯保証人の有無 94.5%
他借入状況 他での借入の有無や、過去の借入の返済状況 62.9%

参考:PDF国土交通省「令和3年度民間住宅ローンの実態に関する調査結果報告書」

勤続年数は3年以上など、借入先によっても考慮される年数などが異なります。
詳しい基準については、事前に借入先に問い合わせをしておくと良いでしょう。

6-2.住宅ローンの審査に落ちないようにするポイント

住宅ローンに申し込んだ後、必ずしも審査に通るとは限りません。

  • 借入金額を見直す
  • 安定した収入があることをアピールする
  • 他の借入先に相談をする

6-2-1.借入金額を見直す

一般的に借入金額は年収の約5倍~6倍で設定をしておくと、無理のない返済プランを立てやすいです。

  • 頭金の金額を増やして借入金額を下げる
  • 購入する物件の金額を見直す

など、収支のバランスや返済プランを考慮した上で、借入金額の見直しが必要になります。
自己資金のみで頭金を増やすことが難しい場合は、両親など、親族から借りて支払いを進めるのもひとつの手です。

また、住宅ローン以外の借り入れがある場合もその他の返済とあわせ、無理のない返済プランに収まっているかどうか確認をしておくと良いでしょう。

6-2-2.安定した収入があることをアピールする

安定した住宅ローンの返済が可能かどうか収入を目安に見られることが多いです。
特に、個人事業主の場合は直近3期分の収支の動向を見せ、収支に大きな波がないかどうかなどチェックをされます。

また、納税もきちんと行われているかも見られるため、安定した収入や納税義務を果たしていることをしっかりアピールすることが大切です。

6-2-3.他の借入先に相談をする

借入先によって審査の厳しさ、金利の高さ、手数料の有無が異なります。
都市銀行の住宅ローンの審査に落ちた後に地方銀行へ相談をするなど、他の借入先に相談をすることで審査が通る可能性があります。

6-3.住宅ローンの審査に必要なもの

住宅ローンの審査に必要なものは下記のとおりです。

<事前審査>

  • 本人確認書類:運転免許証、パスポート、健康保険被保険者証など
  • 収入を証明する書類:源泉徴収票(直近のもの)、給与・賞与明細、確定申告の控えなど
  • 購入物件に関する書類:間取り図・配置図、見積書、物件のパンフレット・チラシ、土地登記事項証明書、建物登記事項証明書など
  • その他の借入に関する書類:返済予定表または残高証明書

<本審査>

  • 住宅ローンの申し込みに関する資料:住宅ローン借入申込書、個人情報に関する同意書、団体信用生命保険申込書兼告知書など
  • 本人確認書類:運転免許証、パスポート、健康保険被保険者証、住民票、実印、印鑑証明書など
  • 収入を証明する書類:源泉徴収票(直近のもの)、給与・賞与明細、確定申告の控えなど
  • 購入物件に関する書類:不動産売買契約書、物件概要書、間取り図・配置図、見積書、物件のパンレフレット・チラシ、土地登記事項証明書、建物登記事項証明書など
  • その他の借入に関する書類:返済予定表または残高証明書

借入先によっても必要な書類が異なるケースがあります。
借入先のウェブサイトやパンフレットなどに必要書類の記載があるため、事前に確認をしておくと良いでしょう。

7.無理なく住宅ローンを返済する2つのポイント

住宅ローンの返済が滞ると、住宅ローンを一括で返済しなければならないなど、大きな負担になります。
無理なく住宅ローンを返済するため、特に下記の2つのポイントを抑えておくと安心です。

  • ポイント1:月々の返済額に余裕をもつこと
  • ポイント2:補助金や減税制度を活用すること

減税制度の最新情報については、「新築住宅の補助金・税金優遇(減税)制度」の記事を合わせてご覧ください。

まとめ

30代で住宅ローンを組む際に必要な情報をお伝えしました。
それではおさらいです。

この記事のポイント

30代の住宅ローン、頭金はみんないくら払ってる?

30代・年収400万円~500万円の人が住宅ローンを組んだ際の頭金は、378万~534万円が平均です。
物件価格や借入金額、月々の返済額は「1-3.30代の平均年収400万円~500万円では物件価格・借入金額・頭金・月々の返済額はどれくらい?」をご覧ください。

35歳で家を買うのは遅い?

注文住宅を購入した世代のうち、最も多いのが30代、次いで40代というデータがあるように、35歳程度で家を買うのは決して遅くありません。
詳細は「1-2.30代が選んだ物件は分譲マンションが一番多い」をご覧ください。

30代で住宅ローンを組むメリットは?

  • ローンの審査が通りやすい
  • 資産形成をしやすい

1-4. 30代は審査が通りやすい!住宅ローンを組む年齢別のメリット・デメリット」では、デメリットについても触れているので、ぜひ参考にしてください。


希望の住まいを建ててくれる
ハウスメーカーが見つかる!

ほとんどの方にとって、初めての家づくり。聞いたことのない専門用語に戸惑っている方も多いと思います。

そんな「何から進めていいのかわからない方」におすすめなのが「HOME4U 家づくりのとびら」の無料オンライン相談サービスです。

HOME4U「家づくりのとびら」
オンライン無料相談でできること

  • 自分にあったハウスメーカーが見つかる ハウスメーカーのご案内はもちろん、「こだわり」や希望をハウスメーカーにお伝えします!
  • ハウスメーカー出身アドバイザーに聞ける 注文住宅のプロ集団が、【中立な立場】でご説明、ご相談にのります。
  • かんたんに自宅から相談できる スマホやパソコン、タブレットで簡単に、オンラインで「家からじっくり相談」できます。

厳選120社の優良ハウスメーカー・工務店から希望にマッチした企業をご案内します!

HOME4U 家づくりのとびらの提携優良企業

HOME4U 家づくりのとびら」を通して、「自分にあったハウスメーカー」を見つけてみてはいかがでしょうか。

【無料】相談する時間を選ぶ

何が相談できるか詳しく見る

このページをシェアする

この記事の編集者

「家づくりのとびら」編集部

NTTデータグループが運営する注文住宅相談サービス「家づくりのとびら」編集部です。難しい住まいづくりの情報を、わかりやすく正確にお伝えします。記事は不動産鑑定士や宅地建物取引士などの不動産専門家による執筆、監修記事がメイン。初めての住まいづくりをサポートします!

運営会社情報(NTTデータスマートソーシング)