二世帯住宅のローンを徹底解説!「きつい」と感じない組み方のコツ

二世帯住宅はメリットも大きいですが、建築費が高くなりやすいため、住宅ローンの返済が不安という方も多いのではないでしょうか。

二世帯住宅を建てた方の中には、以下のように「ローンの返済がきつい」と感じている方も多くいらっしゃいます。

『想像以上にランニングコストがかかって、ローン返済がきつい』
『親が早くに亡くなってしまい、ローン返済がきつい』

このようなことにならないためにも、この記事で事前に情報を整理しておきましょう。

この記事でわかること

  • 二世帯住宅のローンの組み方
  • ローン返済額のシミュレーション
  • 二世帯住宅ローンの注意点

二世帯住宅ローンの支払いは、後で揉めごとの種になりやすいため、事前にしっかり話し合っておくことが大切です。

新築してから「親子・兄弟で揉めてしまった…」「やっぱり返済がきつい!」とならないためのポイントについても解説するので、ぜひ最後までご覧ください。

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1.二世帯住宅のローンの組み方は3パターン!メリットとデメリットは?

二世帯住宅の住宅ローンの組み方は、大きく以下の3つに分けられます。

二世帯住宅のローンの組み方3パターン

  • 子だけが住宅ローンを組む
  • 親子で別々にローンを組む
  • 親子リレーローンを組む

まずは、それぞれのメリットとデメリット、そして、どんな方に向いているのかについて解説します。

1-1.子だけが住宅ローンを組む(収入合算も可能)

まずご紹介するのは、子世帯だけが住宅ローンを組んで二世帯住宅を建てる方法です。
親世帯が頭金を出し、子だけが住宅ローンを組むというケースは、比較的多く見られます。

【メリット】

住宅ローンの名義は子になりますが、親または配偶者の収入を合算して住宅ローンの審査を受けることができます。

例えば、親世帯が定年後の再雇用などで年収が低い場合、単独では住宅ローンを借りられない可能性があります。
このような場合でも、親子で「収入合算」すれば、子が単独で住宅ローンを組むよりも融資可能額が上がり、住宅ローン控除額も上げることができます。

なお、収入合算するには同居の予定があること、連帯債務者となることなど、条件があるのが一般的です。

【デメリット】

収入合算した場合でも、住宅ローン控除」の対象となるのは契約者のみになってしまいます。

また、収入合算した相手が逝去したなどの理由でいなくなってしまっても、借り入れた住宅ローンは免除されないので返済の負担が大きくなります。

【向いている人】

  • 親世帯がすでに仕事をリタイアしている人
  • 年収が低いため、住宅ローンを組めない人
  • 親世帯が頭金を負担するので、子世帯だけが住宅ローンを組みたい人

1-2.親子で別々に住宅ローンを組む「ペアローン」

親と子がそれぞれの名義で住宅ローンを利用するペアローンを組むこともできます。

ペアローンでは、親と子がそれぞれ住宅ローンの契約を結んで借入し、同時に返済していきます。

【メリット】

借り入れる人が2人なので、収入合算と同じく、借入額を増やすことができます

また、住宅ローン控除を親子それぞれが利用できるので、減税効果が大きくなるというメリットもあります。

団体信用生命保険(団信)についても、親子の両方が対象となるため、万が一のときに残された者への負担を軽くできます。

さらに、別々の住宅ローンの契約者になるため、金利や返済期間等を自分に適した形で利用することができます(ただし同じ金融機関で借り入れます)。

例えば、親は返済期間を短くして変動金利を選び、子世帯は固定金利で長く借りるなど、自由に選択できます。

【デメリット】

住宅ローンをそれぞれに利用するため、契約にかかる諸費用が2倍になります。

また、住宅ローンには年齢制限があるため、親が高齢の場合には借入期間が短くなることがあります。

【向いている人】

  • 親も現役世代で収入がある人
  • 住宅ローン控除を受けたいという親がいる人

1-3.契約を途中で引き継ぐ「親子リレーローン」

二世帯住宅では、「親子リレーローン」を利用する方も多いです。

親子リレーローンとは、1つの住宅ローンをはじめは親が返済し、途中から子が返済を引き継ぐリレー形式のローンです。

【メリット】

親子リレーローンは、親子の収入を合算して審査を受けるので、借入可能額が多くなったり審査に通りやすくなったりします。

通常の住宅ローンは「借入時に70歳まで、完済時に80歳まで」といった年齢制限があります。
しかし、親子リレーローンの場合は、「親の年齢を基準にすると15年までしか借りられない」といったケースでも、子どもの年齢が若ければ住宅ローンの返済期間を35年まで伸ばせます。

親の年齢にかかわらず返済期間を長く組むことが可能になると、月々の返済額を抑えることができるのもメリットです。

また、親子それぞれが住宅ローン控除を利用することができ、子どもは返済が始まっていなくても住宅ローン控除を受けられます。

なお、親子リレーローンは、住宅金融支援機構の「フラット35」でも利用することができます。

【デメリット】

親が早くに亡くなって、住宅ローンを子へ引き継ぐタイミングが当初の計画より早まってしまうと、子供への負担が重くなります。

リレーローンでは親子のいずれかの団信加入が義務付けられていることが多く、子のみが団信に加入するケースがほとんどです。
団信に加入していない親が亡くなった場合は債務が残るので、万が一の事態に対応できるように生命保険に加入するなどの対策をとっておくと安心です。

【向いている人】

  • 年齢制限オーバーで親が単独で借りられない人
  • 借入期間が短くなる人

このように、住宅ローンにはさまざまな組み方があり、金融機関によって商品も異なるため、どれが自分に合った組み方なのか迷ってしまう方も多いでしょう。

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2024年から住宅ローン減税制度はどうなる?

2024年1月から「住宅ローン減税」の仕組みが以下のように変更されました。

借入限度額
子育て世帯・若者夫婦世帯※が2024(令和6)年に入居する場合、以下の水準を維持する。
認定住宅:5,000万円/ZEH水準省エネ住宅:4,500万円/省エネ基準適合住宅:4,000万円
※18歳以下の子どもがいる、 もしくは夫婦のいずれかが39歳以下の世帯

床面積要件緩和措置の期限
新築住宅の床面積要件を40平米以上に緩和する措置(合計所得金額1,000万円以下の年分)の建築確認の期限を以下のとおり延長する。
2023(令和5)年12月31日 → 2024(令和6)年12月31日

新築住宅の条件
2024年1月以降に建築確認を受けた新築住宅は、省エネ基準を満たす住宅であることを条件とする。
※借入限度額は省エネ性能に応じて異なる
※申請には「省エネ基準以上適合の証明書」が必要

参考:国土交通省「住宅ローン減税

2.二世帯住宅のローン返済は月々いくら?シミュレーションを紹介

次に、二世帯住宅の建築費の相場と、住宅ローンの返済シミュレーションをご紹介します。

2-1.二世帯住宅の建築費の相場

二世帯住宅は間取りタイプによって建築費に大きく違いが出ます。

間取りは、完全分離型・部分共有型・完全共有型と、大きく分けて3種類のタイプがあります。

それぞれの相場を見ていきましょう。

2-1-1.完全分離型の場合

完全分離型の特徴と費用相場
特徴玄関、風呂・トイレ・キッチンなどすべての空間・設備が世帯ごとに設けられていて、二世帯の暮らしを上下階や左右でしっかりと分離する間取り
費用相場3,000万~5,400万円程度

完全分離型の二世帯住宅では、日常生活におけるプライバシーは世帯ごとに確保されますが、他のタイプよりも建築コストがかかり、費用相場は3,000万~5,400万円程度と高めです。

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2-1-2.部分共有型の場合

部分共有型の特徴と費用相場
特徴玄関、リビング、キッチン、浴室など、部分的に共有する間取り
費用相場2,400万~4,500万円程度

部分共有型では、ある程度のプライバシーは確保できるものの、共有箇所では顔を合わせることもあるため、それぞれが気持ちよく生活できるよう配慮が必要です。

完全分離型よりも建築コストは抑えることができ、費用相場は2,400万~4,500万円程度です。

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2-1-3.完全共有型の場合

完全共有型の特徴と費用相場
特徴二世帯で全ての空間・設備を共有する間取り
費用相場1,800万~3,600万円程度

完全共有型は、それぞれのプライバシーが確保しにくいので、ライフスタイルについて事前にしっかり話し合いをしておく必要があります。

3つのタイプの中では一番建築コストを抑えることができ、費用相場は1,800万~3,600万円程度です。

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2-2.二世帯住宅のローン返済シミュレーション

ここでは、以下の設定をもとに、二世帯住宅にかかる費用や月々の返済額をシミュレーションしてみます。

基本設定:

  • 親の所有する土地に二世帯住宅を建てる
  • 建物に関する予算(諸費用含む)は3,500万円

(1)子だけが住宅ローンを組むとき

初めに、子世帯だけで住宅ローンを組む場合のシミュレーションをご紹介します。

ローン前提条件:

  • 金利1%
  • 借入期間35年
  • ボーナス返済なし

※実際の借り入れ条件とは異なる場合があります。

例えば、頭金が0円で、住宅ローン借入額が3,500万円の場合、月々のローン返済額は約9万円となります。

下記表のとおり、頭金が増えれば借入額は減るので、新築に暮らし始めてからの収支のバランスも視野に入れながら検討しましょう。

頭金によって変動する月々の返済額
頭金住宅ローン月々返済額
0円3,500万円約9万円
1,000万円2,500万円約7万円
1,500万円2,000万円約5万円
2,000万円1,000万円約2万円

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(2)親子で別々に「ペアローン」を組むとき

先述のとおり、親子それぞれが住宅ローンを組む「ペアローン」では、各自が自分に合った借入条件を選べるのが一般的です。

例えば、親は定年までに返済が終わるように返済期間を短くし、子どもはまだ若いので返済期間を長くするといったことができます。

ここでは下記の条件で試算してみました。

ローン前提条件:

  • 頭金500万円
  • 親(現在55歳)…返済期間10年、変動金利0.8%、借入金額1,000万円
  • 子(現在30歳)…返済期間35年、全期間固定金利1.5%、借入金額2,000万円
世帯別月々のローン返済額
親世帯約8万円
子世帯約6万円
合計約14万円

(3)「親子リレーローン」を組むとき

親子リレーローンを利用する場合をシミュレーションしてみます。

ローン前提条件:

  • 頭金500万円
  • 返済期間35年
  • 全期間固定金利1.5%
  • 借入金額3,000万円

上記の場合、月々のローン返済額は約9万円となり、途中で親から子に返済を引き継ぐことになります。

2-3.二世帯住宅の資金計画の立て方

二世帯住宅の場合は特に、親子で納得する資金計画を立てることが大切です。
返済に無理があると生活が圧迫され、親子関係が悪くなったり、最悪の場合家を手放したりすることもあります。

以下の流れを押さえながら、しっかりとした資金計画を立てましょう。

【ステップ1】誰が頭金を出して、誰が住宅ローンを借りるのか検討する

まず、親世帯と子世帯がどれくらい頭金を用意できるのか検討します。

そして、住宅ローンは子世帯だけが借り入れるのか、それとも親子の両方が借り入れをするのか決めます。

親は借入しない(できない)場合は、親から子供に援助するという場合もあります。

【ステップ2】頭金と返済可能額から予算を考える

次に、住宅ローンの月々の返済額がいくらくらいなら無理なく返済できるか検討します。

教育費や老後の資金など今後必要となる費用も想定した上で、生活を圧迫しない程度の返済額を長期的な目線で見定めましょう。

例えば、月々の返済額を8万円にすると決めたら、住宅ローンの借入額は約3,000万円になるといった計算ができます。※実際の借入額は適用金利や借入期間によって変わります。

また金融機関の審査基準では返済負担率(年収に対する年間返済額の割合)が重視されていて、上限は30~35%程度が多いものの、25%までに抑えられると無理なく返済しやすいので理想的です。

このようにして、住宅ローンのだいたいの借入額を決めたら、これに頭金を加算し、総予算に設定します。

二世帯住宅の予算や資金計画を立てる際には、実際にハウスメーカーから見積もりを出してもらうのもおすすめです。
複数の見積もりを入手すれば、自分たちが建てたい家の費用相場をイメージしやすいうえ、各社の特徴や坪単価もわかりやすく、最適なハウスメーカーを見極めやすくなります。

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ランニングコストの負担も話し合っておこう

二世帯住宅を建てる際には、それぞれの世帯における建築費用の負担の割合以外にも、入居後の生活において生じる光熱費・通信費等のランニングコストの負担についても話し合っておくとよいでしょう。

ランニングコストは折半にするケースが多いですが、家計に余裕のある親世帯が多めに負担してくれるケースもあります。
親世帯・子世帯が一緒に食事をとる際に、食費を親世帯が負担してくれることもあるでしょう。

このような場合、子世帯は毎月の生活費が軽減されるので、住宅ローンを多めに借りても無理なく返済できるかもしれません。

なお、完全分離型二世帯住宅の場合には水道光熱費の請求を分けられますが、「部分共有型」や「完全共有型」では一括請求になり、もめごとの種になりやすいです。

しっかりと話し合っておくことで資金計画に役立ちますし、それぞれが気持ちのよい新生活をスタートすることができます。

3.二世帯住宅の名義はどうする?税金にご注意!

二世帯住宅の名義はどうする?税金にご注意!イメージ

二世帯住宅で特に注意したいのが、建物の「名義」の問題です。

お金を出した人が名義を持たないと、予想外の贈与税がかかってしまうことがあるので慎重に決めてください。
以下より詳しくお伝えします。

3-1.名義と出資比率を合わせないと贈与税の対象になる

二世帯住宅の場合の登記方法は単独登記・共有登記・区分登記の3種類があります。

家の名義と資金を出した割合を合わせることが大切です。

3-1-1.単独登記

単独登記は二世帯住宅を1つの建物とみなし、親子どちらかの単独の名義で登記する方法です。

もし、親子ともに購入費を出しているのに単独登記にすると、贈与税が発生することがあるので注意しましょう。

例えば、親が500万円の頭金を出したのに、子どもの単独名義にすると、親から子へ500万円贈与したとみなされます。

このようなときには、親が出す頭金について子どもに贈与する手続きをしっかり行い、子供の単独名義にするとよいでしょう。
「住宅取得資金の贈与税の非課税枠」の範囲内であれば、贈与税がかかりません。
※非課税になる限度額は、省エネ等住宅なら1,000万円、その他の住宅は500万円まで。
※2024(令和4)年~2026(令和6)年まで。

また、親の土地に子供の名義の家を建てることに問題はありませんが、子が住宅ローンを借りて二世帯住宅を建てるなら、土地の所有者である親も担保提供を求められるのが一般的です。

参考:国税庁「No.4508 直系尊属から住宅取得等資金の贈与を受けた場合の非課税」PDF 令和6年度国土交通省税制改正概要

3-1-2.共有登記

共有登記は、二世帯住宅を親子で共有している1つの建物とみなして登記する方法です。

共有登記における持分割合は出資比率に合わせることが大切です。

例えば、親が頭金1,500万円を出して、子が住宅ローンを1,500万円借りるなら、持分は2分の1ずつにします。

もし、出資割合と合わないと、その分の贈与があったとみなされて贈与税がかかる可能性があります。

3-1-3.区分所有登記

区分登記ができるのは完全分離型の二世帯住宅です。

区分登記は建物2つとみなし、親子がそれぞれの名義で登記を行います。

区分登記ならば、住宅ローン控除や不動産取得税などの減税措置がそれぞれに受けられるというメリットがあります。

一方で、登記費用はそれぞれに発生し、相続税の計算において「小規模宅地等の特例」が認められず不利になる可能性があります。

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3-2.二世帯住宅は相続税対策になるが、兄弟がいるときは注意

二世帯住宅を建てるときには、親が亡くなって相続するときのことも話し合っておくのが理想的です。

家以外に現金等の資産があるときは、同居しない兄弟には現金を相続させ、同居する子が家を相続するといった遺言の作成をしておくと相続トラブルの回避に有効です。

ただし、資産の大部分が二世帯住宅とその敷地という場合には、他の兄弟と相続トラブルになる懸念があります。

二世帯住宅の相続税においては「小規模宅地等の特例※」を使うと非常に大きな節税効果がありますが、二世帯住宅を兄弟で相続した場合、同居している子は「小規模宅地等の特例」を利用できますが、同居していない兄弟は特例を利用できません。

相続税が心配な場合は、特例制度の対象になるのかなど、事前に税理士等に相談しておくことをおすすめします。

※被相続人が同居していた建物の土地については330平米まで相続税の評価額が8割減額される制度

このように、家づくりの資金計画は調べておくことや整理しておくべきことが多く大変です。

しかし、一生に一度あるかないかのマイホームづくりを、大変な思い出だけで埋め尽くすのは少し寂しいですよね。

時には無料サポートサービスを活用しながら、プロの手も借りつつ効率よく家づくりを楽しんでくださいね。

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4.二世帯住宅のローン返済を「きつい」と感じないための5つのポイント

最後に、住宅ローンの返済が後からきつくならないよう、5つポイントを押さえておきましょう。

4-1.予算に余裕があってもコストを意識すること

二世帯住宅は親子で頭金を出し合ったり、収入合算によって住宅ローンの借入可能額が増額できたりするため、「予算に余裕がある」と思う方は多いです。

また、二世帯住宅は親の家を建て替えるケースが多いので、土地を新たに購入する必要がなく、建物だけに予算をかけられるという方もいるでしょう。

しかし、二世帯住宅は一般住宅よりも床面積が大きくなったり、風呂・キッチンなどの設備が2世帯分になって建築費が膨らんだりしやすいです。

予算を検討するときは気を引き締めて計画を立て、住宅ローンを借りすぎないように注意が必要です。

4-2.将来の支出も視野に入れておくこと

二世帯住宅は単世帯よりも維持費が大きくなりやすい点にも注意が必要です。

建物が大きくなると、固定資産税や水道光熱費がかさんだり、将来のメンテナンス費用なども一般住宅より高めになったりしやすいのです。

このような将来的な支出も視野に入れておくと、無理なく返済を続けられるでしょう。

4-3.ライフスタイルの変化を想定すること

これから先変化していくであろうライフスタイルについてもイメージしてみましょう。

親子でリレーローンを組んだのに、団信に加入していない親が想定外に早く亡くなってしまうと、子どもの返済の負担が重くなるリスクがあります。

また、病気やけがで働けなくなって収入が減ったり、介護が必要になったり子どもが増えたりして多くの支出があったりする可能性もあります。

4-4.諸費用を含めた予算を把握して資金計画を立てること

二世帯住宅を建てるときには、本体工事費以外にもさまざまな費用が発生します。

二世帯住宅にかかる費用例

  • 本体工事費
  • 付帯工事費(別途工事)
  • 諸費用(住宅ローン手数料、登記費用、火災保険料など)

あらかじめ総予算に含めておかないと、予算オーバーとなってしまい、住宅ローンの返済をきついと感じるかもしれません。

二世帯住宅は間取りが特殊なので、実績とノウハウが豊富なハウスメーカーを吟味し、見積もりを複数比較しないと現実的な予算が見えにくいものです。

このとき、ハウスメーカーから提示される見積書に必ずしも付帯工事費や諸費用が全て含まれているとは限りません。合計金額だけで比較するのではなく、見積書の内訳までしっかりとチェックしましょう。

4-5.ハウスメーカーの知名度にとらわれないこと

特に親世代は知名度のある大手ハウスメーカーに惹かれることが多いかもしれませんが、コストや設計のノウハウはそれぞれ異なるので、よく比較してからどのハウスメーカーで建てるかを決めましょう。

なお、家の大きさや間取りは妥協したくないけれど、住宅ローンの負担も押さえたいというときは、ローコストを得意とするハウスメーカーを選ぶのも一案です。
予算の問題であきらめようとしていた「完全分離型二世帯住宅」が可能になるかもしれません。

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予算内で理想の住宅を実現できるかどうかは、ハウスメーカー・工務店の腕にかかっているといっても過言ではありません。

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まとめ

それではおさらいです。

二世帯住宅の住宅ローンの組み方には、「子だけが住宅ローンを組む」「親子で別々にローンを組む」「親子リレーローンを組む」という3パターンがあり、それぞれにメリットとデメリットがあります。

なお、二世帯住宅の予算は間取りによって異なりますが、1,800万~5,400万円が相場です。

返済シミュレーションもいくつかご紹介しましたが、大切なのは、親子で十分に話し合って資金計画を立てることです。
特に、建物の名義については税金にも影響するので慎重に決めましょう。

二世帯住宅のローン返済を「きつい」と感じないためのポイントについてもご紹介しました。

  • 予算に余裕があってもコストを意識すること
  • 将来の支出も視野に入れておくこと
  • ライフスタイルの変化を想定すること
  • 諸費用を含めた予算を把握して資金計画を立てること
  • ハウスメーカーの知名度にとらわれないこと

二世帯住宅の実績が豊富なハウスメーカーを見つけたら実際に見積もりを出してもらい、二世帯でじっくり相談しながら理想的なプランを練り上げてくださいね。


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この記事の編集者

「家づくりのとびら」編集部

NTTデータグループが運営する注文住宅相談サービス「家づくりのとびら」編集部です。難しい住まいづくりの情報を、わかりやすく正確にお伝えします。記事は不動産鑑定士や宅地建物取引士などの不動産専門家による執筆、監修記事がメイン。初めての住まいづくりをサポートします!

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