- 変更日:
- 2023.06.22
注文住宅の住宅ローンについて考えだしたとき、「住宅ローンの毎月返済額や総返済額がいくらになるか、自分で計算したい」と考える人は多いだろう。
金融機関で住宅ローンを借りる前に、自分で大まかな返済額を計算しておくと、より納得感のある住宅ローンを組むことができる。
返済方式 | 元利均等返済 | 元金均等返済 |
---|---|---|
毎月の返済額 | {借入額×月利×(1+月利)返済回数}÷{(1+月利)返済回数-1} | 毎月の返済額=借入額÷返済回数+直前のローン残高×月利 |
総返済額 | 毎月の返済額×返済回数 | 総返済額=借入額+借入額×月利×(返済回数+1)×1/2 |
なお、こういった計算が苦手な人には、ネットで使えるシミュレーションツールがおすすめだ。計算に必要な数字や返済方式さえ把握しておけば、より簡単に計算できるので、何度か計算しなおす際にも重宝するだろう。
ただし、どちらで算出するにせよ、実際の金額とは異なるケースがあることには注意したい。
そこで、この記事では、住宅ローンの計算方法について次の情報をまとめた。
この記事でわかること
- 住宅ローン返済の計算に必要な数字
- 返済方式の種類と特徴
- 住宅ローン返済の計算方法・シミュレーション
- 住宅ローン返済を計算するうえでの注意点
5章ではおすすめの無料シミュレーションツールも紹介する。ぜひこの記事をマイホーム資金計画に役立ててほしい。
住宅ローンの相談窓口を探している方は「住宅ローンの相談窓口」の記事もご覧ください。
目次
1.住宅ローンの計算をする前に把握しておくべきこと
住宅ローンの毎月の返済額や総返済額(元金+利息)を計算するには、次の4項目について把握しておくことが前提となる。
各返済額の計算に必要な項目
- 金利(月利)
- 返済回数
- 借入額
- 返済方式(2種類)
それぞれの概要を見ていこう。
1-1.金利(月利)
金利とは、融資金額に対して支払う利息の割合のこと。
年利(実質年率)で記載されているケースが一般的なため、毎月の返済額を計算するときには「月利」に換算する必要がある。
月利は次の計算式で求める。
月利=金利(実質年率)÷12
例えば、ある住宅ローンの金利が1.2%であれば、月利は0.1%となる。
例)0.1%=1.2%÷12
1-2.返済回数
返済回数とは、住宅ローンを返済する回数のこと。
通常は月に1回返済するので、住宅ローンの借入月数と同じ数になる。なお、一般的には返済回数にボーナス払いの回数は含めない。
返済回数は次の計算式で求める。
返済回数=借入年数×12
例えば、35年ローンを借りるのであれば、返済回数は420回となる。
例)420回=35年×12
1-3.借入額
借入額とは、住宅ローンで借りる金額の合計額のこと。
頭金を増やすと借入額を抑えられるが、住宅購入時には何かと出費が多くなるため、手元資金を減らしすぎてしまうのはおすすめできない。以下のような出費・トラブルもあるかもしれない。
- 子どもの入学金
- マイカー購入資金
- 家具の購入
- 入院費
- ケガや病気で仕事ができなくなる
なお、これまでは最長35年が一般的だった借入期間が、近年では40年の住宅ローン商品も出てきている。借入期間を長く設定すると、その分利息も増えてしまうが、借入額と借入期間のバランスをとりながら、適切な金額を借りるようにしよう。
1-4.返済方式(2種類)
住宅ローンの返済方式とは、融資開始後、どのようにお金を返していくかを決めるものだ。
住宅ローンの返済方式には、「元利均等返済」と「元金均等返済」の2種類があり、それぞれ特徴や計算式が異なる。
元利均等返済 |
|
---|---|
元金均等返済 |
|
計算式については2章で紹介する。
住宅ローンの返済方式は、返済回数や利息に大きな影響を及ぼすため、住宅ローンを選ぶ際の重要なポイントとなる。両者の特徴をしっかり把握してこう。
ここまでで住宅ローンについて疑問が出てきた人や、計算することに不安がある人には、無料オンライン相談サービス「HOME4U 家づくりのとびら」がおすすめだ。
住宅ローンに詳しい注文住宅のプロに、疑問解決や情報整理のサポートをオンラインからしてもらえるので、自分で調べるよりも大幅な時短が叶う。相談は完全無料で行えるので、気軽に利用してみよう。
2.【毎月の返済額】住宅ローンの計算方法とシミュレーション例
ここからは、具体的な住宅ローンの計算方法とシミュレーション例を、返済方式別に解説する。
まずは、毎月の返済額を計算してみよう。
2-1.毎月の返済額の計算方法
毎月の返済額は、以下の計算式で求められる。
【元利均等返済】
毎月の返済額={借入額×月利×(1+月利)返済回数}÷{(1+月利)返済回数-1}
【元金均等返済】
毎月の返済額=借入額÷返済回数+直前のローン残高×月利
2-2.毎月の返済額のシミュレーション例
【条件】
- 借入額:3,000万円
- 金利:年1.2%と2.4%
- 借入年数: 20年と35年
金利(月利) | 借入年数(返済回数) | 毎月の返済額 |
---|---|---|
1.2%(0.1%) | 20年(240回) | (3,000万円×0.001×1.001240)÷(1.001240-1)=14万661円 |
1.2%(0.1%) | 35年(420回) | (3,000万円×0.001×1.001420)÷(1.001420-1)=8万7,510円 |
2.4%(0.2%) | 20年(240回) | (3,000万円×0.002×1.002240)÷(1.002240-1)=15万7,513円 |
2.4%(0.2%) | 35年(420回) | (3,000万円×0.002×1.002420)÷(1.002420-1)=10万5,647円 |
金利(月利) | 借入年数(返済回数) | 毎月の返済額* |
---|---|---|
1.2%(0.1%) | 20年(240回) | 3,000万円÷240+直前のローン残高×0.001=15万5,000円 |
1.2%(0.1%) | 35年(420回) | 3,000万円÷420+直前のローン残高×0.001=10万1,429円 |
2.4%(0.2%) | 20年(240回) | 3,000万円÷240+直前のローン残高×0.002=18万5,000円 |
2.4%(0.2%) | 35年(420回) | 3,000万円÷420+直前のローン残高×0.002=13万1,429円 |
*計算結果は初回の返済額
3.【総返済額】住宅ローンの計算方法とシミュレーション例
次に、総返済額(元金+利息)の具体的な計算方法と、シミュレーション例を返済方式別に見てみよう。
3-1.総返済額の計算方法
総返済額は、以下の計算式で求められる。
【元利均等返済】
総返済額=毎月の返済額×返済回数
【元金均等返済】
総返済額=借入額+借入額×月利×(返済回数+1)×1/2
3-2.総返済額のシミュレーション例
【条件】
- 借入額:3,000万円
- 金利:年1.2%と2.4%
- 借入年数: 20年と35年
金利(月利) | 借入年数(返済回数) | 総返済額* |
---|---|---|
1.2%(0.1%) | 20年(240回) | 14万0,661円×240=3,375万9,000円 |
1.2%(0.1%) | 35年(420回) | 8万7,510円×420=3,675万4,000円 |
2.4%(0.2%) | 20年(240回) | 15万7,513円×240=3,780万3,000円 |
2.4%(0.2%) | 35年(420回) | 10万5,647円×420=4,437万2,000円 |
*最終回は調整することがあるので概算
金利(月利) | 借入年数(返済回数) | 総返済額* |
---|---|---|
1.2%(0.1%) | 20年(240回) | 3,000万円+3,000万円×0.001×241×1/2=3,361万5,000円 |
1.2%(0.1%) | 35年(420回) | 3,000万円+3,000万円×0.001×421×1/2=3,631万5,000円 |
2.4%(0.2%) | 20年(240回) | 3,000万円+3,000万円×0.002×241×1/2=3,723万円 |
2.4%(0.2%) | 35年(420回) | 3,000万円+3,000万円×0.002×421×1/2=4,263万円 |
*最終回は調整することがあるので概算
4.おすすめの無料シミュレーションツール
ここまで住宅ローンの計算方法を解説してきたが、金利や返済回数を変更するたびに計算しなおすのは正直大変…。そこでおすすめしたいのが、家づくりのとびらの「注文住宅予算シミュレーション」だ。
当シミュレーションツールでは、毎月の返済額だけでなく、借入額まで調べることができる。
金融機関では、年収に占める返済額の割合(返済負担率)を目安に借入可能額を決めることがある。
例えば、フラット35では年収400万円未満の人の返済負担率を30%以下に、年収400万円以上の人の返済負担率を35%以下に設定している。
例)フラット35
年収500万円の場合、返済負担率は35%以下
年間の返済額:175万円以下
他にローンを組んでいないのであれば、年間最大175万円を住宅ローンの返済に充当することが可能だ。年収が変わらないことを前提に35年ローンを組むのであれば、借入可能額は以下の通り。
借入可能額=35%×500万円×35年-利息=6,125万円-利息
利息は住宅ローンの金利や返済期間によって異なり、計算が複雑になるため、金融機関で計算してもらう必要がある。
家づくりのとびらの「注文住宅予算シミュレーション」なら、毎月の返済額や金利などから借入額を計算できるため、いくらくらいの毎月返済額でいくらくらいのお金が借りられるのかがわかり、住宅ローンの費用感がつかめみやすくなる。
ぜひ金融機関に相談に行く前に試してみてほしい。
シミュレーション以外にも疑問や相談したいことがある人には、無料オンライン相談サービス「HOME4U 家づくりのとびら」を利用してみてほしい。
住宅ローンだけでなく、自分に合った資金計画の立て方や、予算に合ったハウスメーカーの案内もあるので、注文住宅をトータルでサポートしてほしい人にはおすすめだ。
専門アドバイザーは全員ハウスメーカー出身なので、業界の最新情報や減税・補助金制度、各ハウスメーカーの特徴にも詳しい。理想のマイホームのために、一度相談してみよう。
5.住宅ローン返済額を計算する際の注意点
住宅ローンの返済額を計算するときには、次のポイントに注意しよう。
住宅ローン返済額計算の注意点
- 返済方式を確認する
- 変動金利に注意する
- 無理なく返済できる金額でシミュレーションする
- 実際の返済額と異なることがある
- 返済負担率に考慮して毎月・ボーナス返済額を決める
それぞれのポイントを説明する。
5-1.返済方式を確認する
住宅ローンの毎月の返済額と総返済額を大きく左右するのが「返済方式」。先述したように、金利や返済回数、借入額などの条件が同じでも、返済方式が変わると毎月の返済額と総返済額が変わってしまう。
返済方式をどちらにしようか迷った際には、以下のポイントを押さえるとよい。
- 総返済額を抑えたい…元金均等返済
- 毎月同額を返済したい…元利均等返済
ただし、元金均等返済は返済が始まったときの毎月返済額が多く、家計を圧迫するかもしれない。元利均等返済は総返済額が高くなりやすいので注意しよう。
5-2.変動金利に注意する
金利タイプのうち、変動金利は借入当初の金利が低い傾向にあるため人気があるが、注意点もある。
変動金利タイプを選ぶ注意点
- いつ金利が高くなってしまうかわからない
- 毎月の返済額や総返済額を正確にシミュレーションできない
- 返済期間が変わる可能性がある
注文住宅の相談窓口や金融機関の担当者に相談しながら、自分に合う金利タイプを選ぼう。
5-3.無理なく返済できる金額でシミュレーションする
毎月の返済額を多く設定すると返済期間を短縮でき、総返済額も減らせる。しかし、毎月の返済額は少なめに設定することが大切だ。
毎月返済額が多いことで起こりうるリスク
- 家計に余裕がなくなり、ちょっとした臨時支出がローンの返済に影響を及ぼす
- 何らかの事情で収入が減り、ローン返済が厳しくなる可能性がある
途中で繰り上げ返済を実施すれば、返済期間や総返済額を減らすことも可能なので、最初は無理のない金額に設定しておこう。
5-4.実際の返済額と異なることがある
シミュレーションはあくまでも予想であり、実際の返済額とは異なることがある。
正確な返済額について知りたくなったら、金融機関で計算してもうことがおすすめだ。
5-5.返済負担率に考慮して毎月・ボーナス返済額を決める
返済負担率を目安にすると、毎月の返済額やボーナス返済額が決めやすくなる。
いくら借りられるのか迷ったときは、まずは自分の年収に返済負担率(20~35%程度)をかけて年間返済額を求めてみよう。
まとめ
住宅ローンの計算方法は、返済方法によって異なる。
計算方法は少し複雑なため、積極的にシミュレーションツールの利用を検討しよう。
ただし、シミュレーションはあくまで目安。実際の返済額や総返済額とは異なる。特に、変動金利を選ぶのであれば、シミュレーションと実際の金額にズレが生じやすくなる可能性があるので注意しよう。
この記事のポイント
月々の返済額の計算方法は?
【元利均等返済】
毎月の返済額={借入額×月利×(1+月利)返済回数}÷{(1+月利)返済回数-1}
【元金均等返済】
毎月の返済額=借入額÷返済回数+直前のローン残高×月利
「2.【毎月の返済額】住宅ローンの計算方法とシミュレーション例」ではシミュレーション例も紹介している。
「住宅ローンをいくら借りられるか」の計算方法は?
借入可能額=35%×500万円×35年-利息=6,125万円-利息
利息は住宅ローンの金利や返済期間によって異なり、計算が複雑になるため、「4.おすすめの無料シミュレーションツール」で解決策を確認しよう。
住宅ローンの簡単な計算方法は?
家づくりのとびらの「注文住宅予算シミュレーション」であれば、簡単に毎月の返済額や借入額を計算することができる。詳細は「4.おすすめの無料シミュレーションツール」で確認しよう。
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