- 変更日:
- 2025.03.24

マイホームの購入を検討しているのであれば、住宅ローンの頭金をどのくらい用意したら良いか悩む方もいるでしょう。
この記事では、住宅ローンの借入で用意する頭金の目安を紹介します。また、頭金を用意するメリットとデメリット、金額別の住宅ローン返済シミュレーションも解説します。
頭金をどのくらい用意するかを明確にしないと、住宅購入の予算が思うように立てられません。この記事を参考に、ぜひマイホーム建築に向けた計画的な資金作りを目指しましょう。
この記事でわかること
- 頭金の概要と金額の目安
- 頭金を用意するメリットおよびデメリット
- 頭金を用意する際に覚えておくべきポイント
- 住宅ローンの返済シミュレーション
ぜひ最後までご覧いただき、理想のマイホーム作りを実現してくださいね。
住宅ローンについてプロに相談をしたい方は、こちらの記事もご覧ください。
目次
1.頭金とは?

頭金とは、住宅ローン購入資金における自己資金の一部のことです。
マイホームの価格は通常、数千万円以上です。そのような大きな金額を、一括で支払える方は少ないでしょう。そのため、多くの方は金融機関で住宅ローンを借り入れ、マイホームを購入します。
住宅価格の全部を、住宅ローンで賄うことも可能です。しかし、毎月の返済負担を減らしたり、より良い条件で借り入れたりするために、購入資金の一部を自己資金で支払う方も少なくありません。
このように、マイホーム購入時に自己資金として支払うお金が頭金です。
自己資金のうちこの頭金が主を占め、それ以外に諸費用なども発生します。
2.頭金はいくら必要?
頭金を含んだ初期費用はどの程度用意すれば良いでしょうか。フラット35利用者調査によると、2019年度から2023年度における平均は、以下のとおりです。
2023年度 | 2022年度 | 2021年度 | 2020年度 | 2019年度 | ||
---|---|---|---|---|---|---|
注文住宅 (土地なし) | 建設費 | 3,861万円 | 3,715万円 | 3,569万円 | 3,532万円 | 3,452万円 |
自己資金 | 699万円 | 641万円 | 596万円 | 619万円 | 621万円 | |
自己資金の比率 | 18.1% | 17.3% | 16.7% | 17.5% | 18.0% | |
注文住宅 (土地付き) | 建設費 (土地含む) | 4,903万円 | 4,694万円 | 4,455万円 | 4,397万円 | 4,256万円 |
自己資金 | 473万円 | 449万円 | 412万円 | 440万円 | 443万円 | |
自己資金の比率 | 9.7% | 9.6% | 9.3% | 10.0% | 10.4% |
このように、土地なしの注文住宅の購入では、建設費に対して15~20%程度の自己資金を用意する方が多く見られました。土地付き注文住宅の自己資金の平均は、建設費用(土地を含む)の10%程度との結果が出ています。
参考:フラット35利用者調査:住宅金融支援機構(旧住宅金融公庫)
3.頭金を用意するメリット
頭金を用意するおもなメリットには、以下があげられます。
【頭金を用意するメリット】
- 審査に通りやすくなる
- 返済負担が減る
- 低い金利で借り入れできる可能性がある
ここでは、それぞれの内容を詳しく解説します。
3-1.審査に通りやすくなる
メリットの1つ目は、住宅ローン審査に通りやすくなる点です。その理由には、以下の2つがあげられます。
頭金を用意すると、審査に通りやすくなる2つの理由
- 経済力が評価される
- 返済負担を減らせる
頭金を用意するには、継続的に貯蓄をしなければなりません。そのため、ある程度まとまった金額の頭金を用意できる方は貯蓄できるだけの経済力があり、貸し倒れのリスクが少ないと判断されるでしょう。
また、頭金を用意すれば、借り入れるローンの総額を軽減できます。ローンの総額が減れば返済額も減ることから、結果的に返済能力の向上が見込まれるでしょう。返済能力の向上は、借入審査を有利に進められる材料の1つとなります。
3-2.返済負担が減る
メリットの2つ目は、返済負担が減ることです。住宅ローンは、元金と利息の両方の返済が必要です。
利息は、元金に対してかかります。そのため、頭金を用意することで借入額が減れば、利息額を減らせるのです。利息額が減れば返済総額を減らせるため、毎月の返済負担も軽減できます。
マイホーム購入後の家計の負担を少しでも減らしたいのであれば、頭金の用意は効果的な方法の1つと考えられます。
3-3.低い金利で借り入れできる可能性がある
メリットの3つ目は、低い金利で借り入れができる可能性がある点です。住宅ローンの借入金利は、返済力の高さなどを考慮して決定されます。
一般的に、返済能力が高い方への貸出金利は低く、返済能力が低い方への金利は高く設定されます。頭金を入れると、借入総額が減り返済能力を高められるため、金利が低くなる可能性があるのです。
住宅ローンは借入額が大きく、少し金利が下がるだけで利息額を大きく削減できる可能性があります。できるだけお得に住宅ローンを利用したい方は、頭金を用意することで借入総額の圧縮を図りましょう。
4.頭金を用意するデメリット
頭金を用意するデメリットには、以下があげられます。
【頭金を用意するデメリット】
- 手元の現金が大きく減少する
- 購入の機会を逃す可能性がある
ここでは、それぞれを詳しく解説します。
4-1.手元の現金が大きく減少する
デメリットの1つ目は、手元の現金が大きく減少することです。頭金として数百万円の金額を用意すると、購入者の手元の現金は大きく減ります。
手元のお金がなくなると、病気やケガ、冠婚葬祭といった突発的な事態が発生したときに対応できなくなる可能性があります。頭金を用意する際は、不測の事態が発生したときに使えるある程度の資金を、手元に残しておくことが重要です。
4-2.購入の機会を逃す可能性がある
デメリットの2つ目は、購入の機会を逃す可能性がある点です。ある程度まとまった頭金を貯めるには、時間がかかります。仮に400万円の頭金を貯めるとすると、毎月10万円ずつ貯蓄しても3年以上の期間が必要です。
頭金の貯蓄によりマイホームを購入するタイミングが遅くなると、魅力的な物件を買い逃す可能性があるでしょう。また、市場の状況によっては、住宅ローン金利が上がるおそれもあります。
そのほか、頭金を貯めている間に病気を患ってしまうと、団体信用生命保険への加入が難しくなり、そもそも住宅ローンを利用できなくなるかもしれません。
このように、頭金を貯めることで、マイホームの購入機会を逃す可能性があることは覚えておきましょう。
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5.頭金を用意する際に覚えておくべきポイント
ここからは、頭金を用意する際に覚えておくべき以下のポイントを解説します。
【頭金を用意する際に覚えておくべきポイント】
- 購入時の諸費用も用意しておく
- 借入額や頭金額を決めるには、将来に向けた資金計画を立てる
- 住宅ローン控除も考慮する
マイホームの購入では、多額の資金の用意や借り入れが必要です。ここで解説するポイントを抑え、無理のないマイホーム購入を目指しましょう。
5-1.購入時の諸費用も用意しておく
ポイントの1つ目は、頭金のほかに諸費用を支払う資金も用意しておくことです。購入時に必要な主な諸費用には、以下があげられます。
マイホーム購入時に必要な主な諸費用
- 金融機関の支払うローン手数料およびローン保証料
- 印紙税
- 団体信用生命保険料
- 火災保険および地震保険
- 登記費用
- 不動産取得税
- 引っ越し費用
諸費用が具体的にいくらかかるかは、住宅ローンの契約内容などによって変わるため一概にはいえませんが、新築戸建ての場合は物件価格の3~8%程度ともいわれます。仮に3,000万円のマイホームを購入するのであれば、頭金のほかに90万~240万円の諸費用が必要になるでしょう。
なお、金融機関によっては諸経費も住宅ローンに含められる場合もありますが、返済負担が増えるため返済計画を十分に考えたうえで利用することが肝心です。
5-2.借入額や頭金額を決めるには、将来に向けた資金計画を立てる
ポイントの2つ目には、借入額や頭金額を決めるには将来に向けた資金計画を立てることがあげられます。住宅ローンを利用するうえで重要なのは、完済まで長期にわたり返済を継続することです。
そのためには、将来必要となる資金や不測の事態に備える資金を考慮し資金計画を立てたうえで、無理のない借入額にすることが何よりも肝心です。
資金計画を立てるには、ライフイベント発生時にどのくらいの資金が必要かを知っておく必要があります。一例を以下で確認しましょう。
ライフイベント | かかる費用 |
---|---|
出産 | 約50万円 |
教育費 | 子供1人につき1,090万円以上 |
老後の生活費 | 月額約27万円 |
子供の出産には、1人につき約50万円必要といわれます。また、幼稚園から高校までを公立、大学を私立に通わせた場合、教育費は総額で1090万円以上になります。
老後の生活費としては、夫婦2人で月額約27万円必要です。ただし、この金額は最低限の生活費を基に算出されているため、旅行や趣味などを楽しむのであれば、さらに資金が必要になるでしょう。
このように、家族で生活をしていくにあたっては、住宅購入費以外にもさまざまな費用がかかります。マイホームを購入する際は、ライフプランを家族で話し合ったうえで、予算を立てることが重要です。
参考:厚生労働省|出産費用の見える化等について
参考:文部科学省|令和3年度子供の学習費調査
参考:文部科学省|私立大学等の令和5年度入学者に係る学生納付金等調査結果について
参考:総務省|家計調査年報(家計収支編)2024年
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5-3.住宅ローン控除も考慮する
ポイントの3つ目には、「住宅ローン控除」を考慮する点があげられます。
住宅ローン控除とは、住宅ローンを利用してマイホームの建築や増改築をした場合に、年末のローン残高の0.7%を最長13年にわたり所得税(一部、翌年の住民税)から控除される制度のことです。
新築住宅における住宅ローン控除の概要を、以下で確認しましょう。
住宅の種類 | 借入限度額 (2025年度入居の場合) | 控除期間 |
---|---|---|
長期優良住宅・ 低炭素住宅 | 4,500万円 | 13年 |
ZEH水準省エネ住宅 | 3,500万円 | |
省エネ基準適合住宅 | 3,000万円 |
仮に、ZEH水準省エネ住宅を3,500万円の住宅ローンを借り入れて建築したとすると、24万5,000円(3,500万円×0.7%)を、所得税から控除できます。
住宅ローン控除は年末のローン残高を基に控除額が決定するため、頭金を入れてローンの借入額を減らすと、受けられる控除が減ります。頭金額は、住宅ローン控除で受けられる控除額も事前に確認したうえで決定することが重要です。
6.住宅ローン返済シミュレーションを3つ紹介
最後に、住宅ローンの返済シミュレーションを3つ紹介します。住宅ローンの借り入れを検討している方は、ぜひ参考にしてください。
6-1.頭金額別の返済シミュレーション
まずは、頭金額別のシミュレーションを見てみましょう。借り入れの条件は、以下のとおりです。
借入条件
- 物件価格:4,500万円
- 金利:2%
- 返済方法:元利均等返済
- 借入期間:30年
- ボーナス払い:なし
頭金額別の毎月の返済額および、利息額、総返済額は、以下のようになりました。
項目 | 頭金0円 | 頭金400万円 | 頭金800万円 |
---|---|---|---|
毎月の返済額 | 16万6,328円 | 15万1,543円 | 13万6,759円 |
利息額 | 1,487万8,080円 | 1,355万5,480円 | 1,223万3,240円 |
総返済額 | 5,987万8,080円 | 5,455万5,480円 | 4,923万3,240円 |
頭金を用意した場合としない場合では、利息額に大きな差が出ます。利息を抑えたお得な借り入れを目指すのであれば、頭金の組入はぜひ検討したいところです。
6-2.返済期間別のシミュレーション
次に、返済期間別の返済シミュレーションを紹介します。借入条件は、以下のとおりです。
借入条件
- 物件価格:4,500万円
- 金利:2%
- 返済方法:元利均等返済
- ボーナス払い:なし
上記条件で、頭金額0円返済期間30年で借り入れた場合と、頭金500万円返済期間25年で借り入れた場合のシミュレーション結果は、以下のようになりました。
項目 | 返済期間30年(頭金0円) | 返済期間25年(頭金500万円) |
---|---|---|
毎月の返済額 | 16万6,328円 | 16万9,541円 |
利息額 | 1,487万8,080円 | 1,086万2,300円 |
総返済額 | 5,987万8,080円 | 5,086万2,300円 |
返済期間30年と返済期間25年では、毎月の返済額に大きな差はありませんが、利息額および総返済額に違いが出ます。
今すぐに欲しい物件がない場合や、建築プランをこれから考えたいと考えている方は、購入までにしっかりと頭金を貯めておくことで、返済総額を抑えられるでしょう。
6-3.返済金利別のシミュレーション
最後に、返済金利別のシミュレーションを紹介します。借入条件は、以下のとおりです。
借入条件
- 物件価格:4,500万円
- 返済方法:元利均等返済
- ボーナス払い:なし
- 返済期間:30年
上記条件で、頭金額0円金利2%で借り入れた場合と、頭金500万円金利3%で借り入れた場合のシミュレーション結果は、以下のようになりました。
項目 | 金利2%(頭金0円) | 金利3%(頭金500万円) |
---|---|---|
毎月の返済額 | 16万6,328円 | 16万8,641円 |
利息額 | 1,487万8,080円 | 2,071万0,760円 |
総返済額 | 5,987万8,080円 | 6,071万760円 |
ここまで紹介してきたシミュレーションでは、頭金を用意することで返済総額を抑えられてきました。しかし、金利が1%上がると、頭金を用意しても利息額および返済総額が上がります。
将来的に金利が上がりそうだと考えるのであれば、マイホーム購入を早めに進めることも選択肢となるでしょう。
参考:国税庁 No.1211-1 住宅の新築等をし、令和4年以降に居住の用に供した場合(住宅借入金等特別控除)
内部リンク:注文住宅予算シミュレーション
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まとめ
住宅ローンの頭金とは、マイホーム購入時に支払う自己資金の一部のことです。頭金の目安は、建物のみを建築した場合で建築費の15~20%、土地を含む場合は建築費の10%程度とされます。
頭金を用意するメリットは、借入審査に通りやすくなる点や返済負担が減る点などです。一方、手元の現金が大きく減少することや、頭金を貯めている期間に購入機会を逃す可能性があることなどは、頭金を用意するデメリットとしてあげられます。
住宅ローンを借り入れるうえで重要なことは、完済まで返済を続けることです。マイホームを購入する際は、将来のライフプランや資金計画などを家族でしっかりと話し合い、計画的な借入プランを検討しましょう。
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この記事の編集者