注文住宅にヌックをつくりたい！間取り例と費用相場を解説

変更日:

2024.04.12

注文住宅を作るなら、自分だけの書斎や趣味の部屋、ちょっとしたおこもり空間が欲しいと思っている方は多いのではないでしょうか。しかし、個室を増やすとなると、予算オーバーをしてしまったり、ほかのスペースが狭くなってしまったりします。

そこでおすすめなのが「ヌック」です。ヌックは海外の家でよく見られる「こぢんまりとした居心地の良い場所」のこと。個室のようにドアで仕切らずゆるやかに空間を仕切るので、家族の気配を感じながら自分だけの時間を楽しめるのが特徴です。

この記事では、ヌックがある間取りの事例やメリット・デメリット、注意点や費用相場などをご紹介します。ヌックを検討しているなら参考にしていただければと思います。

ヌックの設置で実現できる暮らしのイメージ

プライベートな空間を楽しめる	子どもが遊びに夢中になれる	書斎、趣味スペースとして活用できる

ヌックがある家で実現する暮らしの例

・リビングの家族とゆるやかにつながりながら1人の時間を楽しむ暮らし

家族と一緒に過ごす時間は大切ですが、ほどよい距離感でそれぞれの時間を楽しみたいと思っている方は多いでしょう。リビングの一角にヌックがあれば、家族の気配を感じながら1人の時間を過ごせます。ドアがなくゆるやかにつながれるので、個室のようにお互いの様子がわからなくなることもありません。読書をしていたり、テレビを見ていたり……それぞれの時間を楽しむ暮らしが実現できます。

1-2.【30坪台】リビングの窓辺にヌックを作った間取り例

・子どもがのびのびと遊びに夢中になれる暮らし

キッチンやリビング近くなど親が見守れる場所にヌックがあれば、子どもが遊びに夢中になっても安心です。階段下などの小さなスペースも、子どもにとっては最高の秘密基地。好奇心がかき立てられるでしょう。ヌックと居室との境界線を分かりやすくしておけば、「ヌックの中はおもちゃを散らかしてもいいけれど、隣に持ち出さない」などのルールも守りやすいですね。

1-1.【30坪台】階段下のデッドスペースをヌックにした間取り例

・集中できるスペースで読書や趣味に没頭できる暮らし

書斎や個人の部屋が欲しいと思っても、予算や広さの関係で難しいことも。ヌックなら2畳ほどの小さなスペースでおこもり空間を作れます。壁に本棚をつけて読書をしたり、机をつけて手芸や絵画などの趣味に没頭したり……大人が夢中になれる時間を過ごせます。

1-4.【45坪台】廊下やホールの一角にヌックを設置した間取り例

こだわりに沿った間取りをつくるコツについては「こちら」の記事もご覧ください。

1.ヌックがある暮らしの間取り例5選

ヌックを設置した代表的な間取り例を、建物の延床面積や実現できる暮らしに合わせて5つ紹介していきます。居住者の感想や、設置したヌックの費用も記載していますので、ぜひ参考にしてください。

• 1-1.【30坪台】階段下のデッドスペースをヌックにした間取り例
• 1-2.【30坪台】リビングの窓辺にヌックを作った間取り例
• 1-3.【30坪台】リビング内に小上がりのヌックを作った間取り例
• 1-4.【45坪台】廊下やホールの一角にヌックを設置した間取り例
• 1-5.【50坪台】階段の踊り場にヌックを設置した間取り例

1-1.【30坪台】階段下のデッドスペースをヌックにした間取り例

読書やキッズスペースとして使える秘密基地のようなヌック

デッドスペースになりがちなリビング階段の下にヌックを作った間取りです。ヌックの入り口はアーチ型にし、段差を作って空間にメリハリをつけています。隠れ家のような小さな空間は、子どもが遊びに没頭するのはもちろんのこと、大人が読書をしたりするのにも役立ちます。

▶【30坪台】など、自分の理想を叶える方法を漫画でチェック
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1-2.【30坪台】リビングの窓辺にヌックを作った間取り例

夫婦でのんびり過ごせる収納付きヌック

リビングの窓辺にアーチ型の入口つきのヌックを作り、夫婦それぞれが好きな時に好きなことをして過ごせるスペースを作っています。大きな窓に面しているので明るく、心地の良い空間です。ヌックは一段高くして、空間にメリハリをつけつつ、ヌック下に引き出し式の収納を付けています。

▶【30坪台】など、自分の理想を叶える方法を漫画でチェック
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1-3.【30坪台】リビング内に小上がりのヌックを作った間取り例

キッチンから見守れるリビング内の小上がりヌック

大きなLDKに隣接する位置に小上がりのヌックを設置した間取りです。個室のように扉がないので、家族とゆるやかにつながりながらそれぞれの時間を過ごせます。カウンターキッチンからも見守れる位置なので、将来お子さんが生まれた時にも安心してお昼寝をさせたり遊ばせたりできます。

▶【30坪台】など、自分の理想を叶える方法を漫画でチェック
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1-4.【45坪台】廊下やホールの一角にヌックを設置した間取り例

廊下で読書を楽しめるリーディングヌック

2階の居室をつなぐホールの角にヌックを設置しています。作り付けのソファーと壁一面に本棚を配置し、落ち着いて読書を楽しめる空間になっています。デッドスペースになりがちなホールの一角を有効活用した子どもも大人も使えるリーディングヌックがある間取りです。

▶【45坪台】など、自分の理想を叶える方法を漫画でチェック
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1-5.【50坪台】階段の踊り場にヌックを設置した間取り例

リビングを見渡せるスタディスペースとしても便利なヌック

1階の広いLDKに、家事を一か所でできる「家事室」やヌックを取り入れて、家族がゆるやかにつながりながらもそれぞれのことをできる間取りです。ヌックは階段の踊り場に設置され、少し高い場所からリビングを見渡すことができます。子どものリビング学習スペースとしてもピッタリです。

▶【50坪台】など、自分の理想を叶える方法を漫画でチェック
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ここまでの代表例から、
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2.ヌックのある注文住宅の費用相場とシミュレーション

注文住宅を建てるうえで、注意しなければいけないのが予算です。あれもこれもと盛り込んでしまうと予算オーバーになってしまうので、ヌックを検討する際にはいくらかかるのか把握したうえで決めることが大切です。

2-1.ヌックの費用相場

注文住宅にヌックを設置する場合、どのようなヌックを採用するかによって相場は変わってきます。窓辺や階段下などにベンチを増設する場合、費用は10万〜20万円ほどです。また間仕切りを作ってヌックにする場合は1つの壁につき20万〜30万円ほどの費用がかかります。

ただし、例えばベンチの下に引き出し収納を付けたり、間仕切りの壁にアールの入口を作ったりすると材料費や人件費が高くなることを覚えておきましょう。

以上がヌックのある家の費用相場とシミュレーションです。

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3.失敗しないヌックを作るために！失敗例からわかる注意点

家族とつながりながら1人の時間を楽しめる魅力的なヌックですが、一方で失敗例があるのも事実です。そこでここからは、失敗例からわかる注意点をご紹介します。後悔をしないようにあらかじめ対策をしましょう。

3-1.【設備面】熱気や湿気が滞留しやすい

窓がないので夏場は暑すぎる

憧れのヌックをリビングの窓側に囲い壁を作って設置しました。ところが夏になると窓辺は熱すぎてヌックでとてもじゃないけど過ごせません。リビングとつながっているためヌックにはエアコンを設置しませんでしたが、囲い壁のせいで全然冷房が届かず、設定温度を下げることに…。電気代がかかりそうです。

注意点：空気が滞留しないように窓や換気口を確保する

ヌックは2畳ほどの小さな空間なので、エアコンや換気扇、窓を設置しないケースがほとんどです。しかし、階段下や間仕切りをつけた空間にヌックを作ると、空気が滞留してしまい、夏場は暑くて居心地が悪くなってしまうことがあります。

空気の滞留を防ぐためには、ヌックがある空間から空気が抜けるようにすることが大切です。ヌックに窓を設けてリビングから空気が抜けるようにしたり、壁で囲いすぎないようにしたりしましょう。また、冷暖房使用時は、空気を回すシーリングファンや扇風機を使うのも手軽でおすすめです。

3-2.【設計段階】中途半端な広さで使い勝手が悪い

広すぎて落ち着けない…

個室とまでがいかなくても、家事の合間にくつろげるスペースが欲しいと階段下にヌックを作りました。ところが、階段はスケルトンで、ヌックのあるホールは空間が広すぎるせいか、なんとなく落ち着きません。理想のヌックとは違ってしまいました。

注意点：2畳ほどの小さな空間にする

リビングや寝室は広いほうが快適という方が多いですが、ヌックは広すぎると落ち着かないという意見はよくあります。居室のような広さにしてしまうと、中途半端で使い勝手が悪くなってしまったりリビングなどが狭くなってしまったりします。

ヌックに広いスペースは必要ありません。むしろ、小ぢんまりとした秘密基地のようなスペースのほうが落ち着くでしょう。落ち着くヌックにしたいなら、1〜3畳ほどの「お部屋未満」のサイズがホッと落ち着く広さの目安です。

3-3.【計画段階】ヌックの使用目的を決める

使用目的が明確になっていないと使い勝手が悪いことも

展示場でヌックを見て、「オシャレだから作りたい！」とキッチン横に設置しました。でも、ヌックをどう使えばいいのかいまいち分からず、取り込んだ洗濯物を一時的においたり、子供が学校から持ってきたものを置いたり、結局、ただの物置き場になっています。なんだかもったいないな。

注意点：本当に必要か検討し、収納や素材も併せて考える

ヌックが本当に必要かどうか、間取りを考える段階で家族で検討しましょう。ヌックを作ればその分ほかのスペースが狭くなるので、本当に必要か、優先順位をつけることが大切です。また、必要な場合は使用するイメージに併せて収納や素材を検討しましょう。読書をするなら本棚をつけて、寝転がるなら畳にするなど、過ごし方を考えながら設計することが大切です。

ヌックで失敗しないためにも、注文住宅のプロに間取りを成功させる秘訣や、間取りの流行りを聞いたりして情報を集めていきましょう。

4.ヌックのある注文住宅でおすすめのハウスメーカー3社

ここではヌックなどを取り入れた自由設計を得意とするハウスメーカーを3社選んでご紹介します。

4-1.積水ハウス

創業以来240万戸を超える住まいを作ってきた積水ハウスは、自由設計を得意とするハウスメーカーです。「邸別自由設計」をモットーに、一邸ごとに異なる敷地や気候条件などに合った住まいを提案しています。最先端技術による、耐震性と断熱性で、安心・快適な圧倒的な解放感も実現できますよ。

FamilySuite（ファミリースイート）

自由設計のプラン「ファミリースイート」では、従来のLDKの概念を脱した家族が自由に好きなことができる住まいの提案をしています。たとえば、大空間が可能にする我が家専用のラブラリー。階段ホールをライブラリーにして、ヌックで読書スペースを設ければ、家にいながら静けさの図書館のできあがりです。

▶【積水ハウス】などの住宅プランを比較する（無料）

出典：積水ハウス　ホームページ

4-2.三菱地所ホーム

耐震性・耐久性・省エネルギー性に優れた木造住宅を得意とする三菱地所は、フルオーダーの自由設計を提供しています。オーナーの理想とする暮らしを引き出すホームコンサルタントをはじめ、施工からアフターケアまで、一邸ごとにプロジェクトチームを集結します。

ONE ODER（ワン・オーダー）

自由設計のプラン「ONE ODER」は、「期待を超える提案」「デザイン」「技術」の3つの要素でオーナーの理想の住まいを実現するのが特徴です。期待を超えるソリューション・感性を刺激するデザイン・安心をささえるテクノロジーは、ほかにはないプレミアムクオリティの住宅を生み出します。

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出典：三菱地所ホーム　ホームページ

4-3.クレバリーホーム

住まいの品質とゆとりにこだわる「クレバリーホーム」は、自由設計を得意としながらも家計に優しい住宅を提案するハウスメーカーです。グッドデザイン賞やキッズデザイン賞など数々の受賞歴もあり、魅力的なデザインと快適さを兼ね備えた住まいづくりをしたい方におすすめです。

CXシリーズ

自由設計の「CXシリーズ」は、家事や子育てにゆとりのある暮らしをデザインする注文住宅のブランドです。家族とふれあいながらも1人になれるプライベート空間など、子どもだけでなく大人も快適に暮らせる家を提案します。ほかにも、キッチン近くの便利なパントリーや子供がお手伝いしやすくなるダイニング収納など、暮らしと家族をつなぐ魅力の住まいを実現してくれます。

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出典：クレバリーホーム　ホームページ

以上が、ヌックのある注文住宅を建てたい方におすすめのハウスメーカー3社です。
他にもさまざまな強みを持ったハウスメーカーを比較しながら、自分たちに合った1社に絞り込んでいってくださいね。

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まとめ

限られた面積のなかで、おこもり空間を作れるヌック。家族とほどよい距離感で過ごしながら、1人の時間を楽しめる魅力的な間取りです。

ヌックのある家を建てるなら「どのような暮らしをしたいのか」を伝えたうえで、適切に間取りに反映してくれる「設計スキル」と「実績」があるハウスメーカーに依頼をしたいものです。特にヌックは既存プランに入っていないことが多いので、自由設計を得意とするハウスメーカーに依頼するのがポイントですよ。

この記事の編集者

「家づくりのとびら」編集部

NTTデータグループが運営する注文住宅相談サービス「家づくりのとびら」編集部です。難しい住まいづくりの情報を、わかりやすく正確にお伝えします。記事は不動産鑑定士や宅地建物取引士などの不動産専門家による執筆、監修記事がメイン。初めての住まいづくりをサポートします！

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