- 変更日:
- 2026.08.19

「将来を見据えてバリアフリーな家にしたいけれど、どんな間取りがいいの?」
「車椅子でも生活しやすい広さや、費用相場が知りたい」
家づくりを検討する中で、自分たちの老後や親との同居を考え、バリアフリーな間取りを取り入れたいと考える方は多いでしょう。
バリアフリー住宅は「高齢者や車椅子の方」だけでなく、「妊婦さんや小さな子ども」も含めた家族全員が安全で快適に暮らせる住まいです。
新築時から段差をなくし、生活動線をコンパクトにまとめることで、将来にわたって長く住み続けられる家になります。
この記事では、バリアフリーな間取りの基本や間取り事例、そして失敗しないための注意点まで詳しく解説します。
この記事を読んだらわかること!
- バリアフリー間取りの基本の考え方と、新築時から考慮すべき理由
- 30坪・35坪・20坪など、坪数やライフスタイルに合わせた間取り実例5選
- バリアフリー住宅を建てる際の費用相場と具体的なシミュレーション
- 玄関・トイレ・浴室など、場所別の具体的なアイデアと寸法
- バリアフリー間取りで失敗しないための注意点とよくある質問
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目次
間取りに関するよくある質問(FAQ)
ここからはバリアフリーの間取りに関するよくある質問に回答します。
実際の建築ユーザーへのアンケート結果から、よくある質問の回答をまとめました。
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1. バリアフリーな間取りとは?基本の考え方
バリアフリー住宅とは、生活する上での「障壁(バリア)」を取り除き、年齢や身体能力に関わらず、誰もが安全で快適に暮らせるように設計された住宅のことです。
具体的には、「床の段差をなくす(フラットフロア)」「車椅子でも通れるように廊下や扉の幅を広げる」「階段や水回りに手すりを設置する」「ヒートショックを防ぐために部屋間の温度差をなくす」といった工夫が挙げられます。
1-1. 新築時からバリアフリーを考慮すべき理由
「今はまだ健康だから、老後になってからリフォームすればいい」と考える方もいるかもしれません。
しかし、バリアフリー化は新築時から計画しておくことが大切です。
なぜなら、後から廊下の幅を広げたり、トイレのスペースを拡張したりするリフォームは、柱や壁の構造に関わるため大規模な工事となり、多額の費用がかかるからです。
新築時に「将来手すりをつけられるよう壁に下地を入れておく」「廊下幅をあらかじめ広くしておく」といった準備をしておけば、将来の改修費用を大幅に抑えられます。
1-2. 「誰のための」バリアフリーかを明確にする
バリアフリーの間取りを考える際は、「誰が・どのような状態で・どう使うか」を明確にすることが重要です。
- 親との同居:車椅子を利用するのか、杖をついて歩けるのか
- 自分たちの老後:夫婦2人で生活動線をいかに短くするか
- 小さな子ども:転倒リスクを減らし、安全に見守れるか
対象者が曖昧なまま「とりあえず手すりをたくさんつける」といった過剰なバリアフリー化は、かえって健常な家族の使い勝手を悪くしてしまうこともあるため注意が必要です。
2.バリアフリー住宅の間取り例5選
バリアフリーの代表的な間取り例をご紹介します。実際にバリアフリー住宅に住んでいる住民の感想や、バリアフリーならではの工夫をわかりやすく解説しますので、ぜひ参考にしてください。
- 2-1.【30坪平屋】車イスで快適に暮らすバリアフリー間取り
- 2-2.【35坪平屋】子供も高齢者も安心の二世帯住宅バリアフリー間取り
- 2-3.【20坪平屋】柱がなく開放感のあるバリアフリー間取り
- 2-4.【35坪2階建て】掃除の負担も軽減されるバリアフリー間取り
- 2-5.【40坪平屋】トイレの位置に考慮したバリアフリー間取り
2-1.【30坪平屋】車イスで快適に暮らすバリアフリー間取り
細部にこだわったバリアフリーの家

| 居住者の感想 | 夫婦2人で家づくりを考えて、細部まで暮らしやすいかどうかをこだわりました。今では誰かにオススメしたくなるほど満足しています。 |
|---|---|
| 世帯(想定) | 夫婦 |
| 延床面積 | 30坪 |
| 間取り | 1LDK+ウォークインクローゼット+書斎 |
| 本体価格 | 約2,200万円 |
平屋の間取りであれば、住居内で階段の昇り降りをしなくてよいので、車イスでも楽に移動ができます。
また、玄関の横幅が広いため、外出のストレスも少ないでしょう。リビングや洋室の広さも十分確保しているので、家具を置いても広々とした空間を作ることができ、心地よい暮らしが実現します。
▶【30坪・バリアフリー対応の平屋】など、自分の理想を叶える方法を漫画でチェック
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2-2.【35坪平屋】子供も高齢者も安心の二世帯住宅バリアフリー間取り
回遊性ある間取りがポイント

| 居住者の感想 | キッチンを中心に回遊でき、扉を引き戸にしてLDKと一体感のある間取りにしたおかげで、仕切りがほとんどなく移動がとてもスムーズです。子供が駆け回っても安心です。 |
|---|---|
| 世帯(想定) | 親1人+夫婦+子供1人 |
| 延床面積 | 35坪 |
| 間取り | 4LDK+ウォークインクローゼット+ランドリールーム |
| 本体価格 | 約2,500万円 |
生活動線を意識して設計された間取りです。ランドリールームで洗う、干す、たたむという作業が完結できるため、洗濯の負担を軽減できます。また、各部屋へのアクセス楽なので、足腰が弱い高齢者も快適に住居内を移動できるでしょう。
段差のない作りなので、小さな子供が暮らすのにも安心できます。
▶【35坪・二世帯対応のバリアフリー平屋】など、自分の理想を叶える方法を漫画でチェック
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2-3.【20坪平屋】柱がなく開放感のあるバリアフリー間取り
高天井を活かして開放的な空間を演出

| 居住者の感想 | 屋根を高く設け、柱のない作りにしたことでとても開放的なリビングになりました。延床面積は狭いですが、とても快適です。 |
|---|---|
| 世帯(想定) | 夫婦+子供1人 |
| 延床面積 | 20坪 |
| 間取り | 平屋3LDK(+ウォークインクローゼット+畳コーナー) |
| 本体価格 | 約1,500万円 |
平屋やバリアフリー住宅はどうしても室内空間が狭くなりがちですが、天井高を確保することで開放感が増し、広々とした空間を演出することができます。
また、廊下面積は必要最低限にとどめることで、各居室の面積を広くとることができます。
▶【20坪・柱がなく開放感のある平屋】など、自分の理想を叶える方法を漫画でチェック
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2-4.【35坪2階建て】掃除の負担も軽減されるバリアフリー間取り
2通りの動線が便利な和室


| 居住者の感想 | 親夫婦と暮らすなら、和室は用意してあげたいと思った。2階で子供がうるさくしていてもあまり影響のない間取りで、満足してくれている。 |
|---|---|
| 世帯(想定) | 親夫婦+夫婦+子供2人 |
| 延床面積 | 35坪 |
| 間取り | 4LDK+ウッドデッキ |
| 本体価格 | 約2,500万円 |
親夫婦とその子供夫婦が一緒に暮らせる、二世帯住宅のバリアフリー間取りです。
1階の和室は玄関からもLDKからも直接アクセスできるため、親世帯が使う場合、プライバシーを守りながら暮らすことができるうえ、リビングからすぐに声がかけられるのも便利です。
また、天窓(トップライト)が付いているため、晴れた日には心地よい陽光が差し込みます。
▶【35坪・掃除の負担が軽減するバリアフリー平屋】など、自分の理想を叶える方法を漫画でチェック
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2-5.【40坪平屋】トイレの位置に考慮したバリアフリー間取り
各部屋が段差もなくフラットにつながる

| 居住者の感想 | 将来を見据えて完全バリアフリー設計にしました。将来的にも安心で、現在の快適性にもこだわっているためとても満足しています。 |
|---|---|
| 世帯(想定) | 夫婦+子供2人 |
| 延床面積 | 40坪 |
| 間取り | 3LDK+インナーテラス |
| 本体価格 | 約3,600万円 |
将来のことを考えて完全バリアフリー設計をしておくことで、いつ何があっても安心して自宅で快適に過ごせます。浴室は介護者が一緒に入ることができるように設計されており、車イスでも余裕をもって通れる広さになっています。
トイレは2か所に設置されており、1つは浴室付近、もう1つは玄関と和室の間に配置されています。
リビングからも、寝室や客間になりうる和室からも簡単にアクセスできるため、トイレへの移動の負担が少なくなるでしょう。
▶【40坪・トイレ介助もしやすい平屋】など、自分の理想を叶える方法を漫画でチェック
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ここまでの代表例から、
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3.バリアフリー住宅の費用相場とシミュレーション
バリアフリー住宅を新築する場合、一般的な住宅と比べてどのくらいの費用がかかるのでしょうか。
3-1.バリアフリー住宅の費用相場はどのくらい?
バリアフリーの注文住宅の費用相場は、広さや土地にもよりますがローコストであれば1,000万円前後、ハイコストであれば3,500万円前後となっています。
リフォームであれば平均400万円から500万円ほどで、大掛かりな変更となる場合は1,000万円ほどかかります。
また、35坪であれば家族4人で住むこともできますが、バリアフリー設計の場合は室内が狭くなる可能性があるため、注意しておきましょう。
3-2.代表的なバリアフリー物件の費用シミュレーション
バリアフリー住宅の坪単価は場所、ハウスメーカー・工務店によって異なります。特に、平屋の場合は2階建と比較すると2階部分がないため、坪単価が高額になることがあります。
ここでは、バリアフリーの平屋、3LDK30坪建てた際のシミュレーションをします。
【例】平屋35坪の3LDKを建てた場合
建築費用合計:約3,025万円
<内訳>
基本工事費:1,800万円
付帯工事費(玄関部分の勾配、階段、浴槽のバリアフリー化、手すり、スロープ):400万円
・外構費(ガレージ、他最低限、植栽は除く):200万円
設計料、経費:350万円
消費税:275万円
※あくまでもシミュレーションです。お住まいの地域の土壌によって変動するのでハウスメーカー・工務店に確認しましょう。
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4. バリアフリー住宅で利用できる補助金
バリアフリー住宅の新築やリフォームには、国や自治体の補助金・助成金制度を活用できる場合があります。
代表的なものを紹介します。
| 制度名 | 対象 | 補助内容 |
|---|---|---|
| 子育てエコホーム支援事業 | ZEHレベルの省エネ性能を満たす新築住宅 | 省エネ・バリアフリー化を合わせて行う新築住宅に補助金を交付 |
| 介護保険の住宅改修費支給制度 | 要介護・要支援認定を受けている方が住む住宅 | バリアフリーリフォームに対し最大20万円(自己負担1〜3割)を支給 |
| 各自治体の独自の助成金 | 高齢者・障害者向け住宅改修 | 市区町村ごとに内容・金額が異なるため、自治体窓口で確認が必要 |
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5. バリアフリー住宅のメリット・デメリット

バリアフリー住宅には多くの魅力がありますが、設計上の制約やコスト面のデメリットも存在します。
5-1. メリット①:老後も安心して長く住み続けられる
最大のメリットは、加齢によって身体機能が低下しても、住み慣れた家で自立した生活を長く続けられることです。
段差につまずいて骨折するなどの家庭内事故を防ぎ、介護が必要になった際も、介護する側・される側双方の負担を大きく軽減できます。
5-2. メリット②:車椅子だけでなく、妊婦や小さな子どもにも優しい
バリアフリーは高齢者だけのものではありません。
段差のないフラットな床は、つかまり立ちを始めたばかりの赤ちゃんや、足元が見えにくい妊婦さんにとっても安全です。
また、ベビーカーを玄関からそのまま室内に持ち込んだり、重い荷物をキャスター付きの台車で運んだりする際にも便利です。
5-3. デメリット①:建築費用やリフォーム費用が高くなる傾向がある
前述の通り、バリアフリー仕様にするためには、面積の拡張や特殊な建具(引き戸など)の採用が必要となり、一般的な住宅よりも建築費用が高くなります。
予算に上限がある場合は、「どこまでバリアフリー化するか」の優先順位をつけることが重要です。
5-4. デメリット②:廊下や水回りのスペースを広くとる必要がある
車椅子での移動や介助スペースを確保するため、廊下、トイレ、浴室などを通常よりも広く設計する必要があります。
その結果、限られた敷地面積・延床面積の中では、LDKや個室(寝室や子ども部屋)の広さを削らざるを得ないケースが出てきます。
6. 【場所別】バリアフリー間取りのアイデア
ここでは、住宅の各部位(場所)ごとに、バリアフリー化するための具体的なアイデアと推奨寸法を解説します。
6-1. 玄関:スロープ・手すり・広い土間スペース
玄関ポーチには階段だけでなく、車椅子やベビーカーが通れる「スロープ(勾配1/12〜1/15程度)」を併設しましょう。
玄関ドアは開閉しやすい引き戸が理想です。
また、靴の脱ぎ履きを座って行えるよう、上がり框(かまち)の段差を小さくし、ベンチや縦型の手すりを設置すると安全です。
6-2. 廊下・階段:車椅子が通れる幅・緩やかな勾配
廊下は、車椅子がスムーズに通れるよう有効幅員850mm以上(できれば900mm以上)を確保しましょう。
2階建ての場合、階段は勾配を緩やかにし、途中に踊り場を設ける「U字型」や「L字型」にすると、万が一転落した際のリスクを軽減できます。
なお、両側または片側に切れ目のない手すりの設置が必須です。
6-3. トイレ:引き戸の採用・手すりの設置・車椅子対応の広さ
トイレの出入り口は、開閉時に体をよける必要がない「引き戸」を採用しましょう。
車椅子で入り、介助者が横に立てるよう、広さは1坪(約2畳)程度あると安心です。
便器からの立ち座りをサポートするL字型の手すりを設置し、万が一中で倒れた場合に外から救出できるよう、外開きまたは引き戸にするのが推奨されます。
6-4. 浴室・洗面所:段差解消・滑りにくい床材・ヒートショック対策
脱衣所と浴室の段差は完全にフラットにし、床材は水に濡れても滑りにくい素材を選びましょう。
また、浴槽をまたぐ際や立ち上がる際のために、適切な位置に手すりも設置しましょう。
冬場の「ヒートショック(急激な温度変化による健康被害)」を防ぐため、浴室暖房乾燥機を設置し、脱衣所との温度差をなくすことが大切です。
6-5. 寝室:トイレへのアクセス(動線)を最優先する
高齢になると夜間にトイレへ行く回数が増えるため、寝室からトイレへの距離を最短にし、直線で行ける動線を確保することが大切です。
寝室のすぐ隣にトイレを配置するか、将来的にポータブルトイレを置けるスペースをベッドサイドに確保しておくといいでしょう。
7. バリアフリー間取りで失敗しないための注意点
バリアフリー間取りを計画する上で「よくある失敗」を防ぐための注意点を3つ紹介します。
7-1. 過剰なバリアフリー化は使い勝手を悪くすることもある
「将来が不安だから」と、家中至る所に手すりをつけたり、必要以上にトイレを広くしすぎたりすると、現在の生活において邪魔になったり、掃除の手間が増えたりします。
現状の健康状態と将来のリスクを見極め、「今必要なもの」と「将来追加できるもの」を分けて考えることが大切です。
7-2. 将来の手すり設置を見据えて壁に下地を入れておく
手すりは、使う人の身長や身体の状態(どちらの手足が不自由かなど)によって、最適な高さや位置が変わります。
そのため、新築時にすべて取り付けるのではなく、「将来手すりが必要になりそうな場所(廊下・トイレ・浴室・玄関など)の壁に、あらかじめ補強用の下地木材を入れておく」のが賢い方法です。
7-3. コンセントやスイッチの高さにも配慮する
見落としがちなのが、コンセントや照明スイッチの「高さ」です。
一般的な住宅ではコンセントは床から約25cm、スイッチは約120cmの高さに設置されますが、車椅子利用者や腰を曲げるのが辛い高齢者にとっては使いにくい場合があります。
バリアフリー住宅では、コンセントは高めの約40cm〜45cm、スイッチは低めの約90cm〜100cmに設定すると、誰でも楽な姿勢で操作できるようになります。
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まとめ
バリアフリーな間取りは、将来の介護や老後の生活だけでなく、今の暮らしにおける安全性と快適性を高めてくれる「家族全員に優しい住まい」です。
この記事の重要なポイントは以下の通りです。
- バリアフリー化は新築時から計画し、将来の改修費用を抑えるのが鉄則
- 車椅子対応の場合、廊下幅は850mm以上、引き戸の採用が基本
- 費用相場は一般的な住宅+100万〜300万円程度の上乗せを見込む
- 過剰な設備は避け、「将来手すりをつけられる壁下地」を入れておくのが賢い選択
- ヒートショック対策やコンセント・スイッチの高さなど、細部への配慮も忘れずに
「自分たちのライフスタイルに合ったバリアフリー間取りが知りたい」「費用を抑えつつ将来に備えたい」という方は、まずはバリアフリー設計を得意とする複数のハウスメーカーや工務店に相談し、プランを比較検討することから始めてみましょう。
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この記事の編集者


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