GX志向型住宅の補助金とは?条件や基準、いつから始まるのかを解説

「GX志向型住宅」とは、子育てグリーン住宅支援事業において新築時の補助金の支払が予定されている住宅のことです。従来のZEH基準を大きく上回る省エネ性能を持つGX志向型住宅の建築を推進することで、光熱費といったランニングコストの負担を軽減する効果が期待されています。

この記事では、GX志向型住宅の概要および対象となる住宅、補助金を受け取る条件を詳しく解説します。補助金を活用してお得にマイホームを建てたい、高い省エネ性能を有する家に住みたいと考えている方は、ぜひ参考にしてください。

この記事でわかること

  • GX志向型住宅の要件
  • 子育てグリーン住宅支援事業の概要
  • GX志向型住宅の建築で受けられる補助金
  • 断熱等級6をクリアしているハウスメーカー5選

ぜひ最後までご覧いただき、理想のマイホームづくりを実現しましょう。

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2025年の最新の補助金情報を知りたいという方は、こちらの記事も参考ください。

1.GX志向型住宅の新築なら補助金額は160万円

GX志向型住宅の新築では、1戸あたり160万円の補助金が支給される予定です。
対象世帯に制限はなく、すべての世帯が申請できます。

【GX志向型住宅新築の際の補助金額】

すべての世帯で1戸あたり160万円

前述したとおり、GX志向型住宅の補助金は「子育てグリーン住宅支援制度」の枠組みのひとつです。経済的な負担を減らしながら環境に優しい住宅が建てられるのも魅力のひとつと言えるでしょう。

補助金の支払を予定している「子育てグリーン住宅支援制度」は、省エネ住宅の普及によりエネルギーをはじめとする物価高の影響を抑えることを目的としています。

「子育てグリーン住宅支援制度」に関しては、4章でも解説しているのでぜひ参考ください。

2.GX志向型住宅として認められるために必要な3つの要件

GX志向型住宅として認められるには、3つの条件があります。

【GX志向型住宅の3つの条件】

  1. 断熱等性能等級「6以上」
  2. 再生可能エネルギーを除いた一次エネルギー消費量の削減率「35%以上」
  3. 再生可能エネルギーを含む一次エネルギー消費量の削減率「100%以上」

ここでは、それぞれの内容を詳しく見ていきましょう。

2-1.断熱等性能等級「6以上」

GX志向型住宅の条件の1つ目は、断熱等性能等級6以上です。「断熱等性能等級」は住宅の断熱性能を1~7段階で示すもので、数字が大きいほど断熱性能が高いとされます。概要を、以下で確認しましょう。

断熱等性能等級の概要
等級施行年月日概要
1「昭和55年 省エネ基準」に満たない
22000年4月「昭和55年 省エネ基準」と同等。省エネレベルは低い
3「平成4年 省エネ基準」と同等。一定レベルの省エネが可能
4「平成28年 省エネ基準」と同等。壁や天井、窓、玄関などにも断熱を施す
52022年4月「ZEH水準」の断熱基準と同等。等級4よりも高いレベルの断熱設備が必要
62022年10月
  • 「HEAT20」G2と概ね同等
  • 「平成28年 省エネ基準」よりも、暖冷房にかかる一次エネルギー消費量を概ね30%削減
7
  • 「HEAT20」G2と概ね同等
  • 「平成28年 省エネ基準」よりも、暖冷房にかかる一次エネルギー消費量を概ね40%削減

「一次エネルギー消費量」とは、住宅で使用する冷暖設備や照明設備、換気設備、給湯設備などの消費エネルギー量を、熱量に変換した数値のことです。断熱等性能等級6および7で削減が求められるのは、暖冷房にかかるエネルギーのみとされます。

2-2.再生可能エネルギーを除いた一次エネルギー消費量の削減率「35%以上」

GX志向型住宅の条件の2つ目は、再生可能エネルギーを除いた一次エネルギー消費量の削減率が、35%以上であることです。

「再生可能エネルギー」とは、太陽光や風力、地熱など自然界に常に存在し、繰り返し利用できるエネルギーのことです。住宅で採用できる再生可能エネルギーには、太陽光発電などがあげられます。

GX志向型住宅として認められるには、太陽光発電などで貯えた電気を含まず、35%以上の一次エネルギー消費量削減を達成する必要があります。

2-3.再生可能エネルギーを含む一次エネルギー消費量の削減率「100%以上」

GX志向型住宅の条件の3つ目は、再生可能エネルギーを含む一次エネルギー消費量の削減率が100%以上であることです。これは、住宅で使用するエネルギーのすべてを、太陽光発電などで創ったエネルギーで賄えることを意味します。

先に述べた、再生可能エネルギーを含まない場合の条件と比較し、非常に高い数値が設定されているといえるでしょう。

GX志向型住宅の建築を検討しているのであれば、太陽光発電などを活用し、いかに一次エネルギー消費量を削減できるかがポイントになりそうです。

3.補助金を受ける際に押さえておくべきその他の条件

GX志向型住宅の新築における補助金を受けるには、先述の条件に加え、住戸の床面積が50平米以上240平米以下である必要があります。

また、以下に該当する住宅は補助金の対象外です。

【GX志向型住宅の対象外となる住宅】

  • 「土砂災害特別警戒区域」に建築
  • 「災害危険区域(急傾斜地崩壊危険区域又は地すべり防止区域と重複する区域に限る)」に建築
  • 「立地計画適正化区域内の居住誘導区域外」かつ「災害レッドゾーン(災害危険区域、地すべり防止区域、土砂災害特別警戒区域、急傾斜地崩壊危険区域又は浸水被害防止区域)内」に建築された住宅のうち、3戸以上の開発または1戸もしくは2戸で規模1,000平米超の開発によるもので、市町村長の勧告に従わずに建築されたもの
  • 「市街化調整区域」かつ「土砂災害警戒区域又は浸水想定区域(洪水浸水想定区域又は高潮浸水想定区域における浸水想定高さ3メートル以上の区域に限る)」に該当する区域に建築

GX志向型住宅の建築を希望するのであれば、マイホームを建てる区域にも気を配ることが重要です。

4.子育てグリーン住宅支援事業とは?概要を確認

GX志向型住宅建築に対する補助金は、子育てグリーン住宅支援事業の施策の1つとして実施されます。ここでは、子育てグリーン住宅支援事業の概要と子育てエコホーム支援事業との違いを確認しましょう。

4-1.子育てグリーン住宅支援事業の基本事項

子育てグリーン住宅支援事業は、国土交通省および環境省が連携して推進する制度です。2025年の実施を目指し、2024年には補助金給付のための予算案が出されました。

ここまで解説してきた通り子育てグリーン住宅支援事業では、補助金の給付によりGX志向型住宅をはじめとする省エネ住宅建築を費用面からサポートします。高い省エネ性能を持つ住宅の建築を支援することで、物価高がおよぼす家計への影響を抑える効果が期待されています。

また、認定基準がもっとも厳しいGX志向型住宅はもちろん、一定の省エネ基準を満たした長期優良住宅ZEH水準住宅の新築においても、以下の補助金の支給が予定されています。

GX志向型住宅以外を新築する際の補助金額

  • 長期優良住宅:1戸あたり100万円(※)または80万円
  • ZEH水準住宅:1戸あたり60万円(※)または40万円

※住宅の新築に併せて、建築主が所有する住宅を除去する場合

長期優良住宅やZEH水準住宅でも、補助金の受け取りは可能です。ただし、支給額がGX志向型住宅よりも少ない点や、支給対象世帯が子育て世帯に限られる点は覚えておきましょう。

4-2.子育てエコホーム支援事業の後継制度

子育てグリーン住宅支援事業は、2024年12月31日に交付申請の受付を終了した子育てエコホーム支援事業の後継としてスタートしました。制度の主な相違点は、以下のとおりです。

子育てエコホーム支援事業と子育てグリーン住宅支援事業の違い
項目子育てエコホーム支援事業子育てグリーン住宅支援事業
対象世帯子育て世帯・若者夫婦世帯すべて
※長期優良住宅およびZEH水準住宅の補助金は子育て世帯のみ
新築時の補助金額
(1戸あたり)
  • 長期優良住宅:50万円~100万円
  • ZEH水準住宅:40万円~80万円
  • GX志向型住宅:160万円
  • 長期優良住宅:100万円または80万円
  • ZEH水準住宅:60万円または40万円

補助金給付を受けられる省エネ基準は、新たにGX志向型住宅が加わった子育てグリーン住宅支援事業のほうが厳しいといえます。子育てグリーン住宅支援事業では、要件を満たせばより大きい補助金の給付を受けられるようになったといえるでしょう。

参考:国土交通省 子育てグリーン住宅支援事業
注文住宅の新築|子育てエコホーム支援事業

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家づくりのとびらコラム

GX志向型住宅補助金はDR補助金と併用できる?蓄電池でエコな生活を!

GX志向型住宅の建築に支払われる補助金は、蓄電池を設置する場合の補助金である「DR補助金」との併用が可能となる見込みです。DRとは「ディマンド・リスポンス」の略称で、消費者が賢く電力使用量を制御することで、電力需給バランスを調整するための仕組みを指しています。

高い省エネ性能が求められるGX志向型住宅では、太陽光システムの導入が必要です。太陽光発電で得た電力の使い道は、家庭での消費または電力会社への売却が一般的です。加えて蓄電池を設置すれば、電気を蓄えるという選択肢も生まれるでしょう。

電気を蓄える主なメリットには、以下の2つがあげられます。

電気を蓄えるメリット

  • 貯めた電力を夜間や雨の日に使用できる
  • 災害時に蓄電池の電力を使える

このように、蓄電池を活用すれば、太陽光発電した電力を余すことなく有効に使えるのです。太陽光パネルを設置したGX志向型住宅の建築を考えている方は、ぜひDR補助金を活用した蓄電池の設置も検討しましょう。

5.GX志向型住宅に対応できる?断熱等級6をクリアしているハウスメーカー4選

最後に、GX志向型住宅の条件の1つである断熱等性能等級6以上をクリアしている、以下の4つのハウスメーカーを紹介します。

断熱等性能等級6以上のマイホーム建築が可能なハウスメーカー

  • 一条工務店
  • 三井ホーム
  • セキスイハイム
  • アキュラホーム

なお、断熱等性能等級6をクリアしただけではGX志向型住宅として認められません。

GX志向型住宅の補助金を受けるには断熱等性能等級「6以上」に加えて、先述した再生可能エネルギーを除いた一次エネルギー消費量の削減率「35%以上」や再生可能エネルギーを含む一次エネルギー消費量の削減率「100%以上」といった条件をクリアする必要があることは押さえておきましょう。

5-1.一条工務店

一条工務店では、グラン・スマートとアイ・スマートという2つの商品が、断熱等性能等級7に対応しています。どちらも、省エネをはじめとする性能とデザインにこだわった住宅です。

一条工務店の基本情報
項目詳細
設立日1978年
対応可能な断熱等性能等級7
断熱等性能等級7に対応した商品
  • グラン・スマート
  • アイ・スマート
平均坪単価89.9万円
耐震性能最高等級である耐震等級3を標準装備

一条工務店の平均坪単価は89.9万円です。これは、大手ハウスメーカーよりは低いものの、ハウスメーカー全体の中では高めの水準といえます。

高い耐震性能も標準装備されているため、価格が少し高くても高品質の家を建てたいと考えている方にぴったりのハウスメーカーといえるでしょう。

参考:一条工務店 公式HP

5-2.三井ホーム

三井ホームのMOCX THERMOは、内外ダブル断熱やトリプルガラスサッシ、超高断熱玄関ドアなどを採用することで、断熱等性能等級7を実現しました。断熱等性能等級以外にも高い性能を揃えており、標準装備としてZEH水準をクリアしています。

三井ホームの基本情報
項目詳細
設立日1974年
対応可能な断熱等性能等級7
断熱等性能等級7に対応した商品MOCX THERMO
平均坪単価89.2万円
耐震性能最高等級である耐震等級3を標準装備

三井ホームの平均坪単価は、89.2万円です。高性能のマイホームを実現できる一方で、建設費用は高めになることは覚えておきましょう。

参考:三井ホーム 公式HP

5-3.セキスイハイム

セキスイハイムは、建築費用が高めの大手ハウスメーカーです。太陽光発電搭載の住宅を1997年から販売するなど省エネ住宅の建築に積極的に取り組んでおり、現在では断熱等性能等級6を標準装備としています。

セキスイハイムの基本情報
項目詳細
設立日1947年
対応可能な断熱等性能等級6
断熱等性能等級6に対応した商品標準装備
※一部プランによっては対象外のため要確認
平均坪単価97万円(木造住宅)
耐震性能最高等級である耐震等級3を標準装備

また、ボックスラーメン構造を採用した高い耐震性も備えていることから、コストをかけてでも高性能のマイホームづくりがしたい方に向いているハウスメーカーといえるでしょう。

参考:セキスイハイム 公式HP

5-4.アキュラホーム

アキュラホームは、完全自由設計を強みとするハウスメーカーです。平均坪単価は80万円と中堅のハウスメーカーでありながら、高い断熱性や耐震性を備えたマイホーム建築を実現できます。

アキュラホームの基本情報
項目詳細
設立日1986年
対応可能な断熱等性能等級7
断熱等性能等級7に対応した商品
  • 長断熱の家 プレミアム
  • 超空間の平屋
平均坪単価約80万円
耐震性能耐震等級3を取得

コストを抑えた高品質のマイホーム建築を目指したいのであれば、アキュラホームが選択肢となるでしょう。

参考:アキュラホーム 公式HP

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まとめ

GX志向型住宅とは、子どもグリーン住宅支援事業において補助金を受けられる住宅のことです。具体的には、条件を満たすべての世帯に、160万円の補助金が給付されます。

条件には、断熱等性能等級が6以上であることや、一定の一次エネルギー消費量削減を達成していることなどがあげられます。GX志向型住宅の建築を希望するのであれば、ぜひ省エネ住宅に力を入れるハウスメーカーの利用を検討しましょう。

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この記事の編集者

「家づくりのとびら」編集部

NTTデータグループが運営する注文住宅相談サービス「家づくりのとびら」編集部です。難しい住まいづくりの情報を、わかりやすく正確にお伝えします。記事は不動産鑑定士や宅地建物取引士などの不動産専門家による執筆、監修記事がメイン。初めての住まいづくりをサポートします!

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