LCCM住宅とは?ZEHとの違いやデメリット、2023年度の補助金制度を簡単に解説

環境性能に優れた住宅、長く快適に暮らせる住まいとして、最先端にあるのが「LCCM住宅」です。
LCCM住宅は、地球環境に優しいことに加え、省エネでエネルギー効率がよく、太陽光からエネルギーを創出できるため、光熱費などのランニングコストを抑えられます。

この記事でわかること

  • 2023年度のLCCM住宅補助金制度
  • LCCM住宅とはどんな住宅か?
  • LCCM住宅を建てるメリット・デメリット

本記事を読んでいただければ、2023年度にLCCM住宅の新築で使える補助金制度や、ZEH住宅との違い、LCCM住宅のメリット・デメリットなどへの理解が深まるでしょう。

LCCM住宅に興味がある方は、ぜひ参考にしてください。

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※この記事は2023年5月8日の内容です。

1.【2023年度】LCCM住宅で活用できる補助金制度と認定条件

LCCM住宅は通常の住宅よりも初期費用がかかる傾向にありますが、補助金制度を利用することで金銭的な負担を減らせる可能性があります。
ここからは、LCCM住宅の新築で活用できる補助金制度と認定条件について解説します。

2023年度、LCCM住宅で利用できる補助金制度は、以下のとおりです。

それぞれについて解説します。

参考:国土交通省「ZEH(ネット・ゼロ・エネルギー・ハウス)、LCCM(ライフ・サイクル・カーボン・マイナス)住宅関連事業(補助金)について」 国立研究開発法人建築研究所「サステナブル建築物等先導事業(省CO2先導型)」

1-1.LCCM住宅整備推進事業

LCCM住宅整備推進事業の補助対象費用・補助率は以下のとおりです。

【補助対象費用】

  • 設計費
  • 建設工事等における補助対象工事の掛かり増し費用

【補助率】

  • 設計費と建設工事等における補助対象工事の掛かり増し費用の合計額の1/2(限度額140万円/戸)

【補助要件】

  • ZEHの要件を満たすこと
  • 再生可能エネルギーを除き、一次エネルギー消費量が現行の省エネ基準値から25%削減されているもの
  • ライフサイクル全体のCO2排出量を算定し、その結果が0以下となること
  • CASBEE B+ランク以上または、長期優良住宅認定であること
  • 土砂災害特別警戒区域等でないこと

LCCM住宅整備推進事業の補助金を利用することで、1戸あたり最大で140万円の補助が受けられます。申請を行うのは住宅供給事業者であるため、LCCM住宅を建てる際には事前にハウスメーカーへ相談しておきましょう。

1-2.サステナブル建築物等先導事業(省CO2先導型)

サステナブル建築物等先導事業(省CO2先導型)で受けられる補助金の額は、戸建て住宅の場合は原則として1戸あたり200万円です。

補助金を受けるための事業要件は以下の2つです。

  • 新築される住宅・建築物については、ZEH・ZEB基準の水準の省エネルギー性能を満たすものであること
  • 材料、設備、設計、運用システム等において、CO2の削減、健康、災害時の継続性、少子化対策等に寄与する先導的な技術が導入されるものであること

なお、LCCM住宅整備推進事業と同様に申請者は事業者であるため、事前にハウスメーカーへ相談しておきましょう。

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2.LCCM住宅とは

LCCM住宅は一言で表すと、省エネで環境性能に優れた住宅です。

しかし、環境性能に優れた住宅といえば「ZEH住宅」が有名ですよね。LCCM住宅とZEH住宅の違いがわからない方も多いでしょう。ここからは、LCCM住宅について以下の内容を解説します。

これらの内容を押さえて、LCCM住宅への理解を深めましょう。

参考:国土交通省「PDF 第1回脱炭素社会に向けた住宅・建築物の省エネ対策等のあり方検討会

2-1.LCCM住宅はCO2の排出を抑えた超エコ住宅

LCCM住宅はCO2の排出を抑えた超エコ住宅

LCCM住宅の定義は、ライフサイクル全体を通じたCO2排出量をマイナスにする住宅です。

「ライフサイクル全体」とは以下の項目を指しています。

「ライフサイクル全体」の項目

  • 建設:新築段階で使う資材の加工・輸送、住宅の施工
  • 居住:住んでいる間のエネルギー・水消費
  • 修理・処分:修繕で使う部材の製造・輸送、および解体段階で発生する解体材の処理施設までの輸送

上記の工程では必ずCO2が排出されます。しかし、LCCM住宅では太陽光発電システムなどを用いて、排出されるCO2以上のエネルギーを創出しています。

このようにライフサイクル全体を通じて「エネルギー創出量>CO2排出量」を実現するのがLCCM住宅です。

なお、LCCM住宅として認定されるためには、以下の基準のいずれかを満たす必要があります。

LCCM住宅の要件

  • CASBEEの戸建評価認証制度に基づき認証された環境効率ランクがSまたはAであり、かつライフサイクルCO2ランクが緑☆☆☆☆☆(5つ星)である住宅
  • 国が行うサステナブル建築物等先導事業(省CO2先導型)LCCM住宅部門において、補助金の交付を受けた住宅

参考:一般社団法人住宅・建築SDGs推進センター「LCCM住宅認定」

2-2.ZEH住宅との違い

ZEH住宅との違い

省エネ性能や環境性能に優れた住宅に興味がある方にとっては、LCCM住宅とZEH住宅は何が違うのかと感じる方も多いでしょう。

LCCM住宅とZEH住宅の違いは、対象となる期間や削減対象です。

  • LCCM住宅:建設〜処分まで、ライフサイクル全体を通じたCO2排出量をマイナスにする
  • ZEH住宅:年間の一次エネルギー消費をゼロ以下にする

ZEH住宅はあくまでも年間の一次エネルギー消費をゼロ以下にすることを目標にしているため、ライフサイクル全体のCO2排出量については定義されていません。

そのため、LCCM住宅はZEH住宅よりもさらに高いレベルの省エネ性能・環境性能を有した住宅として位置づけられています。

2-3.LCCM住宅の普及が促進されている背景と補助金制度

LCCM住宅の普及が促進されている背景には、パリ協定とカーボンニュートラルがあります。

2015年にパリで開催された国連気候変動枠組条約締約国会議では、2020年以降の気候変動問題への対策が話し合われました。そこで合意された長期目標は以下のとおりです。

  • 世界の平均気温上昇を産業革命以前に比べて2℃より十分低く保ち、1.5℃に抑える努力をする
  • そのため、できるかぎり早く世界の温室効果ガス排出量をピークアウトし、21世紀後半には、温室効果ガス排出量と(森林などによる)吸収量のバランスをとる

これらの実現に向けて日本政府では、2050年までに温室効果ガスの排出を全体としてゼロにする「カーボンニュートラル」を目指すことを宣言しました。

そして、2030年までに2013年の水準から、26%の温室効果ガスを削減する中期目標を掲げました。住宅分野においても、2013年の水準から40%の削減が目標となっているため、LCCM住宅の普及が促進されています。

LCCM住宅の普及促進を目的とした補助金制度もあるため、LCCM住宅を検討している方はぜひ参考にしてください。

参考:経済産業省資源エネルギー庁「今さら聞けない「パリ協定」~何が決まったのか?私たちは何をすべきか?~」

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3.LCCM住宅を建てるメリット・デメリット

ここからは、LCCM住宅を建てるメリット・デメリットについて詳しく解説します。実際に建てて生活するうえでの良い点・悪い点を確認しておきましょう。

3-1.LCCM住宅を建てるメリット3つ

LCCM住宅を建てるメリットは以下の3つです。

それぞれについて解説します。

環境に優しい住宅で生活できる

LCCM住宅は、建築から解体までライフサイクル全体を通じたCO2排出量がマイナスになるため、環境に優しい住宅で生活できます。

地球温暖化問題などを背景に、よりサステナブルな生活が求められているため、時代とマッチした住宅といえるでしょう。

季節を問わず快適に生活できる

LCCM住宅は、高い省エネ性を発揮するために、断熱性気密性に優れています。

そのため、少ないエネルギーでも夏は涼しく、冬は暖かく快適に生活できるのが特徴です。四季のある日本において、常に快適な住環境を維持するのは難しいですが、LCCM住宅であれば実現できるでしょう。

また、建物全体の温度が一定に保たれるため、寒暖差によって引き起こされるヒートショックへの対策にも期待できます。

ランニングコストを抑えられる

LCCM住宅は、光熱費などのランニングコストを抑えられます。

太陽光発電システムで自家発電した電力を使用できるのもランニングコストを抑えられるポイントです。余った電気は売電できるため、収入も得られるでしょう。
また、LCCM住宅は気密性・断熱性が高く、空調を使用する機会が少なくなります。仮に空調を使用する場合でも、空気が外に逃げにくいため効率良く使用できます。

3-2.LCCM住宅を建てるデメリット3つ

LCCM住宅を建てるメリットについて解説しましたが、デメリットも踏まえたうえで購入を検討しましょう。

LCCM住宅を建てるデメリットは以下の3つです。

それぞれについて解説します。

初期費用が高い傾向にある

LCCM住宅は通常の住宅に比べて、初期費用が高い傾向にあります。

なぜなら高性能な断熱材や太陽光発電システム、家庭用蓄電池、高効率な給湯器など、省エネ・創エネのための設備が数多く必要になるためです。

LCCM住宅は光熱費等のランニングコストは抑えられますが、住宅を建てる際の初期費用がかかることを覚えておきましょう。ただし、そのぶん、補助金制度が存在します。

間取りや外観のデザインが制限される

LCCM住宅を建てる際には、間取りや外観デザインの制限を受けることがあるため注意しましょう。

LCCM住宅は太陽光発電システムを導入しますが、太陽光発電システムは屋根の向きや角度によって発電量が異なります。そしてLCCM住宅の要件を満たすレベルの発電量を確保するには、定められた向きや角度で屋根を作らなければならないため、希望通りの外観デザインにできるとは限りません。

また家庭用蓄電池や給湯器など、さまざまな設備を導入する分、居住スペースが制限されてしまうこともあります。

「注文住宅にもかかわらず思い通りの住宅にできなかった」とならないためにも、事前の打ち合わせを念入りに行いましょう。

LCCM住宅に対応しているハウスメーカーが少ない

LCCM住宅は近年注目されるようになった住宅であるため、先進的な技術を採用している一部のハウスメーカーしかLCCM住宅に対応していません。

そのためデザイン性などで気になっているハウスメーカーがあったとしても、LCCM住宅を取り扱っていないケースがあるため注意しましょう。

LCCM住宅に興味がある方は、まずは家を建てたいエリアでLCCM住宅に対応しているハウスメーカーがあるかを探してみましょう。

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4.LCCM住宅を建てる際におすすめのハウスメーカー

LCCM住宅は近年注目されるようになった住宅であるため、対応しているハウスメーカーは少ないです。そのため、LCCM住宅に対応しているハウスメーカーを探すのは難しいでしょう。

そこでここからは、LCCMに対応しているおすすめのハウスメーカーを紹介します。

それぞれのハウスメーカーの特徴について紹介します。

4-1.ミサワホーム

ミサワホーム

出典:ミサワホーム 公式ホームページ

ミサワホームは2012年にLCCM住宅の認定基準となっているCASBEE戸建て評価認証制度で最高ランクを取得しています。

また2022年4月からは沖縄を除く地域で、LCCM住宅である「CENTURY 蔵のある家 ZEH ADVANCE」の発売を開始しました。

ミサワホームでは32坪程度の住まいからLCCM住宅を建てられるため、先進的な技術の住宅で生活したい方はぜひ検討してみましょう。

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4-2.ヤマト住建


エネージュLCCM|電力を自給自足する住宅「エネージュLCCM」|注文住宅のヤマト住建 | 注文住宅のヤマト住建

出典:エネージュLCCM|電力を自給自足する住宅「エネージュLCCM」|注文住宅のヤマト住建 | 注文住宅のヤマト住建

ヤマト住建では、LCCM住宅である「エネージュLCCM」を販売しています。

30坪2階建て2,056万円(税込・付帯工事費用別)から検討できるため、通常の住宅と比較しても遜色のない価格といえるでしょう。

内・外のダブル断熱や樹脂サッシによって、断熱性・気密性が高く作られているため、季節に関係なく快適な空間で生活できます。また、ヒートショックを含めた健康状態への不安軽減できる可能性が高まります。

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出典:ヤマト住建 公式ホームページ

4-3.ナイス

ナイスが提供するLCCM住宅は、LCCM住宅のなかでも最高水準である「LCCM住宅」をクリアしています。

ナイスが提供する住まいは、通常の戸建て住宅であっても長期優良住宅の認定基準を上回る基本性能を有しており、耐震等級・断熱等性能等級・維持管理対策等級・劣化対策等級の4つの項目で最高等級を取得している安心の住まいです。

ナイスが提供するLCCM住宅によってエコで経済的かつ、快適な生活が送れるでしょう。

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出典:ナイス 公式ホームページ

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まとめ

本記事では、省エネで環境性能に優れた住宅として最高級のレベルをもつ「LCCM住宅」について解説しました。

LCCM住宅は、建築〜解体までのライフサイクル全体を通じたCO2排出量をマイナスにする住宅です。LCCM住宅を建てることで、環境に優しいかつランニングコストを抑えられるサステナブルな生活が送れるでしょう。

しかし、高性能な設備等が必要になる分、通常の住宅に比べて初期費用がかかる傾向にあります。また最先端の住宅であるため、LCCM住宅に対応しているハウスメーカーが少ないのも現状です。

LCCM住宅を検討する際には、今回紹介したおすすめのハウスメーカーを参考にしていただくほか、「HOME4U 家づくりのとびら」の無料相談を活用し、後悔しない家づくりを実現してくださいね。

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この記事の編集者

「家づくりのとびら」編集部

NTTデータグループが運営する注文住宅相談サービス「家づくりのとびら」編集部です。難しい住まいづくりの情報を、わかりやすく正確にお伝えします。記事は不動産鑑定士や宅地建物取引士などの不動産専門家による執筆、監修記事がメイン。初めての住まいづくりをサポートします!

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