- 変更日:
- 2024.08.14
耐震等級3とは、耐震強度の最上段階です。建築基準法で定められている最低限の基準である耐震等級1の1.5倍の強度を満たし、第三者機関による検査を受けて認定された建物を指します。
この記事では、耐震等級3についての以下の内容を解説します。
この記事でわかること
- 耐震等級3の強度
- 耐震等級3の必要性
- 耐震等級3が標準仕様のハウスメーカー
ぜひ最後までご覧いただき、安心して暮らせる住宅を実現してくださいね。
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目次
1.耐震等級3は必要か?
耐震等級とは「住宅性能表示制度」の一つの基準で、地震が起きたときの建物の強度を1~3の3段階で表示します。耐震等級3は耐震強度の最上段階で、耐震等級1の1.5倍の強度を意味します。
建築基準法では耐震等級1以上であれば耐震基準を満たしているとするため、耐震等級3の強度は必ずしも必要ではありません。しかし、耐震等級1や2よりも強度が強いことが示されているため、耐震等級3の住宅なら安心して暮らせるというメリットがあります。
また、耐震基準そのものは、単発の揺れにおいて震度6強~7レベルの大地震でも人命が守られるかどうかで判断されたものです。揺れが繰り返した場合の安全性については検証されていないため、震度6強~7レベルの地震により被害がないとは断言できません。
万が一、繰り返す揺れによっても建物が倒壊しない場合でも、建物が傾いたり損壊したりするなら補修が必要です。より安心して暮らせる住宅を建てるためにも、また、地震時の修繕費用を抑えるためにも、耐震等級3が望ましいといえるでしょう。
1-1.耐震等級3と耐震等級3相当の違い
ハウスメーカーや工務店によっては、建物の耐震性について「耐震等級3相当」と表示していることがあります。耐震等級3相当とは、耐震等級3程度の性能はあるものの、正式に認定を受けていないことを意味します。
すべての建物は建築基準法が定める耐震性能を満たしている必要があるため、少なくとも耐震性能1以上です。しかし、耐震等級2~3を称するためには、第三者機関による検査を受けて認定されることが必要です。認定には10万~30万円程度の費用がかかるため、費用を節約するためにもあえて認定を受けないケースもあります。
なお、耐震等級3相当であれば、性能的には耐震等級3と判断できるため、耐震性においては安心して暮らせるでしょう。しかし、実際に耐震等級3と認定されたわけではないため、耐震等級3の建物を対象とした地震保険料の割引や住宅ローンの金利優遇などは適用されません。
1-2.耐震等級3と過去の大地震
2016年4月14日と16日、熊本県の広範囲で震度6強~7を記録する大地震が起こりました。中でも益城町では前震・本震で震度7を記録し、多くの建物が損壊しました。2000年に創設された住宅性能表示制度以降の木造建築物の被害状況については、以下をご覧ください。
建築基準法レベル(301棟) | 耐震等級3(16棟) | |
---|---|---|
無被害 | 60.1% | 87.5% |
軽微・小破・中破 | 33.6% | 12.5%(軽微・小破) |
大破 | 4% | 0% |
倒壊 | 2.3% | 0% |
参考: 国土交通省住宅局|「熊本地震における建築物被害の原因分析を行う委員会」報告書のポイント
耐震等級3の建物は、震度6強~7の地震が繰り返しても、中破以上になることはありませんでした。このことからも、耐震等級3の建物なら極めてまれに発生するレベルの地震でもある程度耐えられることがわかります。
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2.耐震等級1、2、3それぞれの詳細
耐震等級とは地震が起きたときの建物の強度を3段階で表示したものです。1981年6月以降に建てられたすべての建物は、建築基準法の新しい耐震基準である「震度6強~7レベルの揺れでも家屋が倒壊・崩壊しない」を満たしますが、それ以上の耐震性については証明する基準がありません。耐震等級では新耐震基準を満たしていることを最低基準として、それ以上の強度を有するかを証明でき、住宅の安心性を見分ける基準となります。
また、ハウスメーカーや工務店によって建築工法が異なるだけでなく、使用する資材や基礎も異なります。そのため、異なるハウスメーカー・工務店の建物の耐震性を比較するのは困難です。耐震等級を表示することで、異なる工法・資材の建物の耐震性を比較でき、求める基準に合った建物を建てられるハウスメーカーや工務店を選べるようになります。
2-1.耐震等級1とは?
耐震等級1とは、現行の建築基準法で定められた以下の耐震性を満たしていることです。
- 震度5強程度の地震において、著しい損傷を生じない
- 震度6強~7程度の地震において、倒壊・崩壊しない
1981年6月以降に建てられた建物は、耐震等級の認定を受けていなくてもすべて耐震等級1以上といえます。ただし、1981年5月以前に建てられた建物の耐震性は耐震等級1に満たない可能性があるため、より安全に暮らすために耐震補強工事が必要になることがあります。
2-2.耐震等級2とは?
耐震等級2とは、耐震等級1の1.25倍の耐震性能を満たしていることです。震度6強~7程度の1.25倍の強さの地震が生じても、倒壊・崩壊しない強度を指します。
災害時の避難場所になる学校や病院などの建物は、耐震等級2以上であることが必要です。また、長期優良住宅の認定を受けるときも、耐震等級2以上であることが条件となります。
2-3.耐震等級3とは?
耐震等級3とは、耐震等級1の1.5倍の耐震性能を満たしていることです。つまり、震度6強~7程度の1.5倍の強さの地震が生じても、倒壊・崩壊しない強度の建物を意味します。
災害時に救護活動の拠点となる警察署や消防署などは、耐震等級3であることが必要です。また、耐震等級3なら、地震保険料の割引を受けられることもあります。
ご自身や一緒にお住まいになる方を守る耐震性能。正しい情報を収集しながら、納得がいくまで検討したいですね。
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3.耐震等級を決める4つのポイント
耐震等級は、次の4つのポイントにより決まります。
- 建物の重量
- 耐力壁の多さ
- 耐力壁・耐震金物のバランス
- 床の強度
なお、建築基準法の耐震性能に合致しているかを判断するときに主にチェックされるのは、「建物の重量」「耐力壁の多さ」「耐力壁・耐震金物のバランス」です。一方、耐震等級2以上を判断するときには、「床の強度」についてもチェックされます。
3-1.建物の重量
建物の重量は、耐震性を左右します。とりわけ屋根が重いと、重心が高くなるため地震の揺れの影響が大きくなり、倒壊しやすいとみなされるでしょう。
たとえば、床面積や耐力壁の量が同じ建物なら、重量のある瓦屋根よりも、軽量のガルバリウム鋼板の屋根のほうが耐震性は高いと判断できます。
3-2.耐力壁の多さ
建物を支える耐力壁が多いと、耐震性能は高いと判断されます。耐力壁は筋交いや構造用面材などが入っているため、通常の壁よりも強度が高く、その分、耐震性も高まります。
木造建築の場合、建築基準法で必要とされる耐力壁を1とすると、耐震等級2では1.55倍の量の耐力壁(軽い屋根材の場合。重い屋根材の場合は1.75倍)が必要です。また、耐震等級3では1.86倍の耐力壁(軽い屋根材の場合。重い屋根材の場合は2.09倍)が必要になります。
建築基準法で定められている耐力壁の量は、あくまでも現行の耐震基準における最低ラインです。地震に備えるためにも、耐力壁の量に注目しましょう。
3-3.耐力壁・耐震金物のバランス
耐力壁が多いと建物は損壊しにくくなりますが、一箇所に耐力壁が集中している場合、耐力壁が少ない部分は損壊するかもしれません。単に耐力壁の量を増やすだけでなく、建物内でバランスよく配置することが必要です。
簡易的に耐力壁のバランスを確認する方法として「四分割法」があります。四分割法とは、建物の各階を縦と横に四分割し、バランスよく耐力壁が配置されているかチェックする方法です。
また、建物の接合部の固定に用いる金物(耐震金物)のバランスもチェックされます。地震により建物が横に揺れた場合には、耐震金物で固定されていないと柱が土台から引き抜けてしまうかもしれません。地震時に柱にどの程度の力がかかるか計算し、耐震金物の数や位置を割り出して、適切に取り付けられているか確認します。
3-4.床の強度
耐震等級2以上かどうかを判断するときは、床の強度もチェックします。耐力壁があれば地震の揺れにある程度耐えられますが、耐力壁とつながる床の強度が低いと、床が損壊して耐力壁そのものが倒れてしまうかもしれません。
耐震等級の認定検査では、床組みの工法や厚みから床の強度を割り出し、耐震等級2もしくは3の基準と合致しているか確認します。
4.耐震等級3を標準仕様としているハウスメーカー
耐震等級3を標準仕様としているハウスメーカーなら、高い耐震性を持つマイホームを建てられます。耐震性にこだわって住宅を建てるときには、ぜひ参考にしてください。
以下の記事では、地震に強いとの定評があるハウスメーカーについて紹介しています。ぜひご覧ください。
4-1.一条工務店
一条工務店では、地震だけでなく台風や大雨、火災などのさまざまな災害に耐え、まるで災害から免れたように暮らせる住宅を提案しています。耐震性能にもこだわり、建築基準法の1.5倍の強度である耐震等級3を超えた、建築基準法の2倍の強度を実現しています。
強度を高めることで、大地震が起こっても損傷を抑え、そのまま暮らし続けられる住宅を目指しました。また、建物の強さだけではなく地盤の重要性に注目し、社内に地盤調査研究所を設けて独自研究を続ける一方、地盤の強度に合った基礎を選んで建築することで建物のダメージを抑える工夫をしています。
4-2.セキスイハイム
セキスイハイムでは、地震に強いボックスラーメン構造を採用しています。柱と梁をボルトで接合する軸組構造では、揺れが加わると構造そのものが歪んでしまうため、筋交いを使って補強しなくてはいけません。一方、ボックスラーメン構造では柱と梁を溶接するため、揺れが加わっても構造が歪まず、建物の形を維持できます。
ボックスラーメン構造の建物を支える基礎部分には、ベタ基礎を採用しています。線で支える布基礎とは異なり、ベタ基礎は面で支えるため、地盤への負荷が小さく耐久性にも優れている点が特徴です。また、独自の耐震システム・GAIASSにより、地震の力を受け流して揺れを軽減します。
これらの耐震性能を高める構造やシステムは、いずれもさまざまな揺れを想定した実大実験により有効性が検証されてきました。過去の実際の地震の振動周期を忠実に再現し、建物や内装に与える影響を調べて、さらなる技術力の向上に活かしています。
4-3.ミサワホーム
ミサワホームは、巨大地震だけでなく余震も含めた耐震対策を実施しています。地震によって住宅が倒壊しなくても、余震のたびに住宅が揺れると、安心して暮らせません。規模の大きい地震が起こると、余震は数日にわたって続くこともあり、居住者が揺れるたびに恐怖を味わいます。
マンションやビルなどの大型建物では揺れを軽減する免震ゴムを組み込むことがありますが、免震ゴムはコストが高く、また、戸建て住宅に組み込むには制約が多すぎるため適切とはいえません。ミサワホームでは高い耐震性能を持つ住宅に制震装置を組み込むことで、コストを抑えつつ、揺れを抑える住宅を実現しました。
4-4.ダイワハウス
ダイワハウスでは、繰り返す地震に強いXEVOΣ(ジーヴォシグマ)を提供しています。XEVOΣは地震エネルギーを吸収するオリジナルの耐力壁を搭載しているため、震度7レベルの地震が繰り返し起こっても、構造体に損傷が起こりにくい点が特徴です。
また、縦の力に強い柱と梁により建物の重みによるダメージを抑え、オリジナルの耐力壁により、地震や台風の横の力を受け止めます。
4-5.三井ホーム
三井ホームでは、大地震に耐える住宅を実現するために、基礎にこだわりました。面で住宅を支えるベタ基礎を採用し、従来の2倍の鉄筋量を投入することで、揺れによって倒壊しない住宅を目指します。
また、外力に強い三角形を組み合わせた独自のトラス構造で、横の揺れにも耐えうる住宅を実現しました。
予算と理想のバランス、耐震性能などの専門知識を考慮した家づくりは、初めて注文住宅を検討される人にとってはハードルが高いものです。
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まとめ
法的には耐震等級3の基準を満たしている必要はありませんが、基準を満たすことでより安心して暮らせます。
ハウスメーカーによっては、耐震等級3相当の耐震性に加え、独自の技術で免震性や制震性なども強化しています。
ぜひ、耐震等級にも注目した家づくりを進めていきましょう。
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